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四象零 - (2011/06/12 (日) 21:32:25) の編集履歴(バックアップ)


四象 零(ししょう れい)


性別
外見 銀髪交じりの黒髪。両端が撥ねたネコミミ型の髪型。花柄模様の外套
ICV 平田宏美
登場作品 幻夢譚 斬羽

穂群原学園3年(hollow時。stay night時は2年)
1月12日生まれ。
弓道部に所属、茶道部部長も兼任していた。
古来より続く、退魔を生業とした家庭に生を受ける。
実家は既に断絶しており、彼が『姉さん』と慕う宗家の家に預けられて育った。
菓子作りが好きで、将来的には、現在勤めている喫茶店の暖簾分けをしてもらうのが夢。
茶目っ気のある言動や容姿とは裏腹に、中身はしっかり男の子。
クールで鯔背な年齢にそぐわぬ落ち着きと、甘え上手な少年らしさが同居しており、好感度が上がるに連れダメ人間評価がついていく(但し、本当の際には頼りになるので、甘やかしたくなる愛らしさというのが妥当)。
飄然としたストイックさのある風体だが、それは熱くなり易い自分を抑える為のリミッターの様なもの。
根っこは静かに燃えるタイプで、一歩間違えば恋愛暴走狂。
惚れた相手の為ならコロシ以外なら大抵の事は出来ると言い張る兵。
奇行が目立つ為、『穂群原三大変人』の一人として数えられる。
他にも、『穂群原で一番愛でたい男』第一位を獲得するなど、奇妙な生態から{『眠れる珍獣』と呼ばれている。
喫茶店アーネンエルベでアルバイト中。

「OK化け物。存分に殺しあおうじゃないか」
「無駄話をする必要なんて無いんだ。どうせお前は俺に討たれて終わる。そのことに変りは無い」
「万象一切には綻びがある。始まりがあれば終わりがあるのは道理。俺の剣はその終わりに挑み続けた結果だ」

+ 家系
生家は古来より脈々と受け継がれた退魔の家系。
その昔、『究極の退魔』を作ろうとした家系があった。
この国における四大退魔、フジョウ、アサガミ、リョウギ、ナナヤ、四つの一族の血を貪欲に取り込み、魔を討つ最高の素材を作り上げようとした。
四象家の興りである。
五大退魔と呼ばれないのは、四象が四大退魔の一つの分家筋に当たるため、そしてその異端さからである。
四象の家は代々宗家と同じく、がらんどうの肉体を持つものを傑出しやすい。
宗家がそこに多数の人格を植えつけようとする所を、四象は空いた肉体のキャパシティに『魔』を取り込むことで魔に拮抗しようとした一族である。
『魔』をその内に取り込み、その身になじませる事で、後天的な超能力者の開発を行おうとした家系。
肉体的には普通の人間である為、混血とは呼ばれない。
自己の体を、概念武装の域まで改造するイカれた業を伝えてきた一族。
現在は、零の両親が10年ほど前に他界した為、一族はほぼ断絶状態になっている。
どのような能力が発露するかは、宿した魔と本人の性質に由来する。

あまりにも多くのモノを取り込みすぎた為、”四象”という家系自体が「他者(の能力)を取り込む」事に特化しすぎた存在となっている。
魔術師にせよ、退魔にせよ、代続きをしている特殊な家系の多くが閉鎖的で、狭いカテゴリーの中で純度を保つ事によって己が在り方を高める所を、四象は外部からの刺激によって発展してきた特異な例。
『吸収』や『模倣』とも異なる、得たものを昇華し自己改造を行う。
その分、混ざり物が多すぎる為、退魔の一族としての純度は低い。
しかし、他者を取り込んでいく性質上、周囲からの影響で、飛躍的な成長を遂げるものが多いのもまた事実。

+ 性質
10年前に家が断絶してからは、宗家に引き取られて育った。
尊敬する人は宗家のご令嬢と、その恋人(と本人は思っている)の眼鏡、そして華道茶道の教室で出会った眼鏡の友人。
特に宗家の令嬢への傾倒ぶりはかなりのもので、幼い頃から「姉さん」と呼んで子猫のようについて回っていたらしい。
シスコンと呼ばれる事も甘んじて受け入れるほどに懐いている。
彼の行動理念の多くは、その宗家の令嬢から得たもの。
気紛れな猫のような性質は、生来の性格にそれがプラスされての結果と思われる。

「誰かの支えになりたい」というのが行動の基本骨子。
多分に、歪な他者を受け入れがたい性質の人間を模範としてきた為、反面教師的な意味で、他者との絆を大切にするようになったといえる。
だが人の好き嫌いがはっきりしており、大抵の相手には好意的に接するが、敵と断じた相手には一切の容赦が無い。

+ 能力
一言で言うと、零の能力は『変な一能特化型』
特定の分野に秀でるのでは無く、一つ一つの分野で限定的な行動に秀でている。
例えば、繊細なものを作るのは得意で、菓子や軽食を作るのは得意だが、大量生成は苦手。
経理能力が異常で、資産運用は並外れているが、細かい金の管理は大雑把。
将棋など、頭を使うゲームは苦手だが、何故かUFOキャッチャーが病的に上手く、彼の自室には夥しい数のぬいぐるみの類が転がっているらしい。
「祟られそうで怖い」という理由から中々捨てないので、偶に学校で女生徒相手に配り歩いている。
etc,,,
通称『四象零、77の特殊能力』

霊媒透視


霊視の一種。
物質的な透過ではなく、概念に対する透過。
本来の機能は『モノの本質を見極める能力』
その片鱗として、霊体や概念など本来はカタチとして視えないモノを視覚化する事が出来る他、霊的魔術的に隠蔽されたモノを暴きだすことも出来る。
尚、人間が外界の情報を視覚情報に頼る事が多いため、魔眼の一種に数えられる事があるが、性能としては五感(場合によっては第六感まで)全てに対応した特異知覚。
体そのものを概念武装に変質させる為か、人間の認識の埒外にある存在を五感で知覚する事が可能。
概念に生きるが故に、概念を捉える事に特化するのが四象の在り方である。

癒しの概念武装


自己を概念武装に改造するのが四象の特性。
四象零も多分に漏れず、鳳精を宿しており、『癒し』の概念武装としての能力を持つ。
生来の感応能力の一部として形で機能している。
感応能力自体は、殆ど共感能力に近く、感応すると互いの情報をやり取りしてしまう場合がある(但し、肉体的なダメージなどのフィードバックはない)。
他者の能力を高める事は出来ないが、回復力は凄まじく、肉体の損傷のみならず精神の傷まで癒すと言われている。
能力発動のトリガーは、体液の交換。
但し、相手に自分の血を含ませる程度で事足りる。
戦闘には一切関わらない特殊能力であるが、代わりの戦闘手段徒として刃物の扱いに長ける。

神楽太刀


四象零の操る剣技の一つ。
『是』の呼吸、歩法、体捌きによって斬る。
ただそれだけであるが、全てが神域の挙動である為、『是しく全てを斬り裂く』魔剣。
斬る事に最適な動作、ではなく、「斬る事が是しい動き」である為、因果の”原因”をすっ飛ばして、”斬る”という”結果”のみを世界に残す
一つの技、というより零の剣術そのものがその性質を備えている。
全身のバネを使って操る為、やや大仰で、隙が大きく見えるが、全ての動作が揃って初めて完成する業である為、攻防一体・・・というより、一撃一撃が必倒必殺の一撃である為、攻める事自体が守りにも繋がっている。
理論上は、零が認識しうるものなら、それが何であれ、斬り捨てることが可能。
ただし、零は概念でモノを見ることに特化した性質を持つ為、ほぼこの世に斬れないモノはない、といっていい。
さもありなん、元々が、怪異相手に斬った張ったする為に編み出した秘剣である。
四象の”自己を概念武装にまで改造する”性質を突き詰めた”剣を扱う概念武装”としての零の姿
相手が魔術だろうが、異能だろうが、果ては死者であろうが霊体であろうが、零が視える以上は斬れない道理は無い。
また、太刀は『絶ち』のことしろでもある為、これに斬られた魔術式などは、雲散霧消する。
カタチの無いモノにすら、否、そうした存在にこそ威を振るう最強の概念破壊者にして”幻想殺し”

物理的な損傷だけでなく、意味へのダメージを与える為、復元呪詛や屈折延命と言った不死体に対しても効果は高い。

因みに、刀以外の武装を用いても、精度は落ちるが使用可能。
剣、弓、果ては素手まで対応するが、刀のカタチから離れるほど錬度は落ちる。
尚、神楽とついてはいるが、別に零が神道に通じているわけではない。
あくまで動作が似ている為にそう呼ばれているに過ぎない。

幻燈剣


幽玄の刃。
”術”の域まで到達した神域の魔剣を操る四象零が手にした、唯一無二の四象零という存在に合致した剣
剣を扱う概念武装としての四象零の欠落を埋めるモノであり、真の意味で手足の延長線上の器官としての剣を生み出す
魔術や架空元素の類ではない、それらの埒外にある”この世ならざる刃”。
”無”、あり得ざるモノ。
心の鞘から引き抜かれる事によって顕現する、現実でないにも関わらず、確として”そこに在る”事を許された碧光の刀。
対幻想兵装、常識の埒外の相手を更なる理不尽で駆逐するための武装であり、”魔”を斬るモノである四象零が編み出した至剣であり、その形状は一定ではない。
どこまでも四象零が、扱いやすい事のみに特化した剣である為、普段は小枝の様に細い儀式剣の様な形状をしている。
これは、後述の理由により、全機能を発揮する”刀”を構える事に対する戒めであり、リミッターの様な扱い。
零が自身で宗家に学んだ”刀を構える事での自己の変態”という業の封印を解く時、その姿を四象零を完成させるカタチへと変化させる。
また、あくまで物質ではない為か、環境(屋奥の様な狭い場所で戦う場合や相手が長い間合いを持つ場合)零が”扱いやすい”と感じる形状に微妙に変質する。
この特性故に、零が”斬れる”と意識すれば凡そあらゆる対象を斬り捨てる為、時には長さだけでなく大きさすら変化させる。
主に自分より遥かに大きい相手を斬る際などに使われ、最長で約3kmという長大な刃を形成するが、零は千里眼など持たない為、これはあくまで超遠距離からの攻撃に対する目測でのカウンターにしか使う程度のもの。
本人曰く「正に無用の長物」
極北の魔剣。
神代、幽世を侵す魔刃。

無空の剣閃(アカシックブレイク)


神楽太刀の究極系とも言うべきモノ。
元より神楽太刀自体が、数年前彼の『姉さん』が、死に触れていた際に、感応能力を施した為に、自分もその『死』に触れてしまった為に、それに対抗すべく修練を重ねた結果編み出したもの。
『死』を克服する為の手段の行き違った成れの果て。
別名『直死の魔剣』
自己を一つの概念の域まで高めるのが四象の在り方であるが、その行き過ぎてしまった性質が、自己を”直死の概念武装”と呼べる領域へのし上げたもの。
単に相手を斬り捨てるのみならず、その意味への抹殺を可能とした、文字通り『斬れぬもの無き魔剣』
剣を扱う概念武装である、という事は即ちその果ては『剣』の本質である『殺傷』である。
『斬る』事の最上級は対象の滅殺に他ならない。
一太刀にして、対象の大きさも強度も、況や有機無機も実体概念凡そあらゆる条件を無視して『断絶』させる。

ルールブレイク、常理破壊、世界の理を絶ち斬る対界魔剣

尤も、この状態はこの業にとって未完成。
本来は『死』という概念を打ち払う為に編み出した技であるため、最終到達点はあくまで『死』の克服である。

+ 以下裏設定

生い立ち


生まれは冬木市。
両義の分家であり、退魔組織にも連なる家系。
混ざり物が多すぎるため、”魔”に対する根源的な恐怖を打ち消す本能の薄い四象家は、代々幼い頃からそれに代わる強固な精神制御術を身につけている。
代わりに人間性を欠如しやすく、零も例外ではなかったが、10年程前、第四次聖杯戦争に前後するように一族は彼を残して断絶。
最後の生き残りである零は、宗家である両義に引き取られた。
養子縁組などはなされていないが、これは単に両義家の方が零を引き取ったのは、両儀式への情操教育の一環としてだった為。
しかし、それが逆に、図らずも四象零の方の人間性を開花させる切欠となる。

当事、既に霊媒透視の片鱗を見せ始めていた零は、式の自身=識を表に出さぬ為に殺害する、という精神の在り様を見抜いていた。
自分以上に『壊れている』式のその姿を見て、”人間性を獲得する為”真似事のように自己の精神の殺害を試みる。
人として最低限活動可能な部分を残して、残りを封殺した事で、それまでの自分をただの『記録』にまで落とし込む事で決別を図った。
これに対し、式が告げた「私のようにはなるな」という旨の言葉を受けた事で彼の人生は一変する。
式にしてみれば何気ない一言だったろうが、零にとっては正しく福音に等しく、以来、両儀式を反面教師とすることでヒトとしてマトモな人格を形成していった。

以後、真っ当な人間性を取り戻してからは、交友関係も広がり、式を通じて出会った黒桐幹也や習い事の先で出会い、後に学友にもなる遠野志貴等を通して健全な(?)精神を育んでいった。
故に、零にとって両儀式という女性は特別な人となり、シスコンということも甘んじて受け入れるほどに懐くようになる。
恩人として、また淡い思慕の念も混じった事で零の人格形成において、非常に大きなウェイトを締めている。
後に四象零が”愛”や”恋”といった感情に拘るようになるのも、この初めて感じた思慕の情が彼にとって初めての情動であり、潜在的に最も大切な思い出であるから。

しかし、両義式が黒桐幹也との出会いから”壊れ”始め、結果的に自身を『殺した』こと。
生涯最高にと慕い、幼い頃から付いて回っていた相手。
それ以上に、自分を”人間”に戻してくれた恩人である彼女の変化、少しずつ壊れていくその様を当事、学校も違い、近くにいなかったとはいえ、気づけもしなかった自分に打ちのめされ絶望を味わい深いトラウマとなった。
新しく出来た友人知人、人間関係にほだされ、肝心な時に間に合わなかったという記憶が、彼の心にはこびりついている。
その後、罪悪感から逃げるように宗家を後にし、冬木に舞い戻った。
その事も、負荷となっているが、本人も自覚しているからこそ、そんな自分をより一層追い詰めている。

性格


作為的な人格の再生である為、感情の触れ幅が正の方向に偏っている。
喜怒哀楽はあるが、人間として最も暗い部分、憎しみや恨みといった感情が欠如してしまっている(先天的な欠落ではないので、麻痺しているという方が正しい)。
この性か、大抵の相手を好意的に捉える傾向がある。
尚、人格の再生こそ作為的なものだが、彼自身の人格が意図的に作られたものというわけではない。
現在の人格は、生来の気質に十数年の年月を積み重ねて得た、紛れも無い『四象零』というカタチそのものである。

普段のクールで年齢にそぐわぬ達観した落ち着きは、そういう人間を模範として生きてきたから
基本、零の行動原理は、一貫して『大切な人の為』という個人的な理由のみに端を発する。
偏に想い人の助けになるためであり、主義主張義務正義感での行動は稀。
根本的に守勢の性質であり、自分から世界を変える、救うといった壮大なドラマ性は皆無といっていい。
但しその守り方は攻撃的で、「その線を超えたら死ぬよ?」という攻勢防御。
境界を侵すものには容赦なし。
反面、身内と断じた相手には真摯。

冬木に戻ってから、近所の呉服屋(詠鳥庵)で買った着物を式に贈って喜ばれたことから、以来好意を持った女性にはそこで買った着物を贈るという奇癖を持つ。
また、男物の服のセンスはお世辞にもいいとは言えないが、女性の衣服を見立てるのは得意。
因みに旧四象の遺産は全て相続しているので、土地及び資産は結構なモノ。
現在は母屋が吹っ飛んだ旧四象亭の離れに住んでいる。
母屋を直さないのは、直しても持て余す為無駄な出費であるのと面倒だから。

弓道部での立ち位置はマネージャーモドキ。
一応部員だが、その経理能力他を活かして自動部費生産マシーン弓道部の裏帳簿美綴のポケットマネー等の異名をとる。
剣術家であるにも関わらず、弓道部に籍を置いているのは1年の頃美綴綾子に一目惚れしたから。
2年の終わり頃に告白したが、結果は玉砕。
振られた理由は、零は依存心が強い傾向にある為、甘えられる相手にはとことん甘えてしまう為、面倒見の良い美綴とでは互いにだめんずうぉ~か~になってしまうから。
美綴曰く、「お前にはもっと護ってあげたくなるような相手じゃなければダメだ」との事。
その為、以降は対等な友人として持ちつ持たれつの関係になっているが、惚れた弱みか零は常に頭が上がらない。

基本、受動的な為、何も無いとぼーっとしている事が多いが、周囲が熱気に包まれるとそれに反応して自分のテンションも上がるタイプ。
お祭りごとだと派手に騒ぐ事も多く、眠れる珍獣の異名はそこから来ている。
色恋沙汰にうるさい割りに、自分の恋愛には奥手で初心。
これは、前述のトラウマから、大切な人を失う事を無意識に恐れている為。

最初に発した異能が『癒し』である事からも解るとおり、零の本質はである。
穏やかな気質をしているが、四象の性か周囲からの刺激が無いと反応が薄い。
能力的には極めて高いものを有しながら、自分独りでは生きていけない。
これをして「他人を護る事には長けているが、自分を救う事は苦手」と評されている。

能力


神憑り的な危機回避能力と、圧倒的な攻撃性能と破壊性能(攻撃力、破壊力ではない)に基づく迎撃能力を武器に、致命の一撃を極限まで回避しきり接敵、必殺の一刀で相手を倒す戦闘スタイルを取る。

強みを一言で言うなら黄金律の戦闘技術
肉体、精神、技術の方向性、生活環境、人間関係等々、20年にも満たない年月でありながら、奇跡の領域に指をかける技術を獲得できたのは人生経験における要素が芸術的なまでに噛み合っていたから。
どれか一つの経験でも欠けていれば、崩れ去るような危ういバランスの中、一個の精密機械の様に『強くなる条件』を積み重ねていった結果が四象零の強さの根源である。
どこまで行っても人間でありながら、人間には倒せないはずモノを倒す性能を与えられたその様は、才能では片付けられない。
芸術品に近しい様から、天才や鬼才とはまた別のベクトルの”祈才”と表現される。
ヒトの祈りを体現したような、呪い染みた強さを持ったモノとして、ヒトの強さという名の幻想の象徴ともされる。

着痩せするため解りづらいが、身長の割りに体格はしっかりしており、こと瞬発力には定評がある。
矮躯である為、筋力の積載量はそれほどでもないが、同程度の身長の人間よりは多い部類。
足りない部分は技で補っており、戦闘技巧の優秀さが彼の最大の武器といえる。
体格に恵まれた訳でもなく、天性の強力な特殊能力を与えられた訳でもない。
獲得した超能力も戦闘手段とはなりえない等、およそ戦いに向いた能力を持ち合わせていなかった四象零という存在にとって、技で他者を圧倒するという選択肢は必然であったと言える。
自身の膂力が追い付かぬなら、工夫を凝らす事でそれを克服する。
神楽太刀という技術は、不可能を可能にするための世界の在り方を歪ませる技巧という領域に辿り着いた渾身の一であり、技を超えた”術”と呼べる存在にまで昇華された奇跡。
限界のある人間の体で、数多の幻想に挑む為、練り上げ続けた結果に手にした最大にして唯一の牙である。

自身を概念武装に改造するという性質上、四象の者は特定事のみを実行するだけの装置になりやすい。
”剣を扱う概念武装”にまで高めた零にとって、最大限の能力を引き出すことは、人間性を破棄する事に近く、精神的な負担が大きい。。
まして”直死の概念武装”たる無空の剣閃を扱うには、最低でもサーヴァント換算でBランク以上の《透過》のスキルを備えている必要がある。
自己を完全に御する平静の精神性を維持出来る時以外は、本来の得物を使うことは硬く縛められている。
体術に関しても、ナナヤのそれを引き継いでいる為、並外れた能力を持つが、こと剣術に関しては別格。
宗家に学んだ、『刀を持つ事での肉体の変態』という業により、完全武装時の戦闘力は剣技に限ればサーヴァントにすら匹敵する。

尚、普段はサルビアの花があしらわれた白塗り柄の小型の愛用しているが、これは唯一誕生日プレゼントとして姉さんと慕う式から気まぐれに贈られた物。
守り刀として大切にしている。

因みに、武器戦闘に特化した性能を持つ為か、素手での戦闘技術はそれ程でもない。
本人曰く「素手で戦ったら美綴の方が強い」との事。

※但し、これは零が体の全機能を駆使してて戦うスタイルを得意としているので、柔道や剣道などのルールのある試合形式の戦いでは全性能を出し切れない為。
ルールの無い本気の殺し合いなら圧倒できるスペックがある(逆に言うと、ルールのある競技ではてんで弱いという事でもあるのだが)

+ オマケ
サーヴァント換算でのステータス。

平均的な宝具を持つサーヴァントと互角に戦える。
但し、”幻想殺し”という属性上、神秘や異能で武装した相手にはめくらめっぽう強いため、(ORTなどの規格外を除き)死徒二十七祖、第五次、第四次、Extraのサーヴァントほぼ全員に対して勝つ目がある。
あくまで可能性の話で絶対ではないが、それでも”絶対に”勝てないという、所謂詰みの状態にはならない。
具体的には剣の技量自体はアサシン(佐々木小次郎)と同程度。
但し、体格差と相対相性(小次郎は宝具を持たず、神秘に依存しないので幻想殺しのアドバンテージが活きない)の問題から、戦うと零はかなり不利になる。
これは零の剣技が『倒せないはずのモノを倒す』為のモノに特化しているのに対し、アサシンは『必中であり、ただの人間には致命的』となる対人魔剣使い手であることも影響している。
反面、バーサーカー(ヘラクレス)や、ネロ・カオスのような相手には、その防御性能を無視した一撃必殺を叩き込める分有利に立ち回れ(それでも膂力の差は覆しようがないので確認された四人のバーサーカーとはいずれも最も相性が悪い。時点で五次、Extraの両アサシン)、アーチャー(エミヤ、ギルガメッシュ)の様に武器や能力に重きおかれた相手なら格上でも優位に戦闘を進められる。
また、元が退魔の家系である事からライダー(メドゥーサ)の様に相手が人間離れしていればしているほど強い。

性別:男性
身長・体重:161cm・51kg
属性:中立・善

筋力:D 魔力:E
耐久:E 幸運:A+
敏捷:A 宝具:??

  • 保有スキル

  • 心眼(偽):EX
※直感・第六感による危機回避。
虫の知らせとも言われる、天性の才能による危険予知。
零自身の才能と言うより、四象の一族が培ってきた血筋の培養の結果。
サーヴァントという規格外の存在に挑む為、圧倒的不利な身体能力のハンデなどを補う戦闘本能と言うべきスキル。
霊媒透視との連結により、視覚妨害のみならず、五感全てへの妨害に対して耐性を持つ。

  • 透過:C+
※武芸者としての極み明鏡止水。
魅了や恐怖といった精神への影響をシャットアウトする。
元々四象零が学んだ精神制御術に、剣術家としての能力が加わった結果。
気配遮断というより、精神防御に重きを置かれる。
達人というには十分とは言いがたいレベルであるが、集中時に一時的には極みの域まで達する。
零は精神が高揚する程に、クールダウンしていく性質を持ち、例えて曰く「熱く熱した玉鋼が、冷え固まり鋭い一本の刀になるよう」と評される。

  • 心眼(真):C
※それまで得た情報を元に、状況を打破する危機回避能力。
圧倒的経験値によるもの。
零は、冬木に戻って以降、退魔組織からの依頼で(所属はせず、あくまで外部協力者としての協定)多くの”外れた魔”を相手に修練を積んでいる。
人間を遥かに凌駕する”魔”を相手取っての戦闘経験によって会得したスキル。
百戦錬磨のサーヴァントには及ばないものの、自責の念から自身を苛め抜くように強力な敵との戦闘を繰り返し、死線を何度も潜った事で経験値を稼いでいる。
目安箱バナー