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「甘い夢を、その唇に」4




 胸に官能のさざめきが満ちて、息をするのが苦しい。
 言われるままに背中を向けてベッドの上に横たわり、自分の後ろで、あきらがパジャマを脱ぎ終わるのを待っている時も充分に心が昂ったが、今はそれ以上だ。
 パジャマも下着も、全て脱いで一糸纏わぬ姿になったあきらに、背後から優しく抱きしめられている。少しでも接触面積を増やそうとしているかのように、ぴったりと、密着されて。
 掛け布団の下、左を向いて並ぶ二人の肌が、じっとりと興奮の汗でむれてくる。

「ハダカになるのは、確かにドキドキするね」
 恥じらいつつも、興奮の熱がうっすらとにじんだ声音。そのささやきに、ゆかりの背中がゾクリと震える。こうやって全裸になったあきらとくっついていると思うだけで、自分自身がハダカになった時よりもドキドキした。
 背中で感じる剣城あきらの裸身。後ろから回された彼女の両腕。
(あきらのカラダ、綺麗……)
 健康的で瑞々しい肌の下に、引き締まった筋肉の弾力。固さを主張するのではなく、しなやかに力強さを秘めた感触が、ゆかりの感情をくすぐった。
 手も脚もスラリとしていて、全体的に細身。でも、痩せているのとは違う。女性らしい柔らかな曲線と、無駄な遊びのない肉付きが美しく調和しているという感じだ。
 ――― そんなカラダだから、ただこうして抱きしめられているだけでも、腰の奥のほうに熱いものが湧き上がってくる。

「ゆかり、いい?」
「……いいわよ、あきらの好きにしてくれて」
 ゆかりがそう答えると、自分を抱きしめていた右腕が離れて、ルームウェアの後ろを、ぐいっとめくり上げてきた。ゆかりの白い背中が大きく露わになる。
「あっ…」
 と、声がこぼれた。ゆかりの頬にさす赤みが、微かに濃さを増す。
 ミルクを流したみたいに真っ白で、つややかな背中。
 そこへ、 あきらが小ぶりな乳房をそっとあてがう。
 色気よりも、健全な発育具合をアピールするふくらみ。17歳という年齢にふさわしく、バストのやわらかな丸みは大人っぽさを匂わせているが、まだ肉付きには思春期の青さが残っている。
「んっ」
 あきらが喉の奥で喘いで、二つの胸の果実をゆかりの背中に押しつけ、自ら体を動かして擦りつける。
 うっすらとピンクに色付いた乳頭は、真珠のようになめらかで感度も良い。ブラジャーをしていないと、こすれて普段の生活でも困るぐらいだ。
 その感じやすい突起が、ゆかりの綺麗な背中で敏感に擦れている。
 胸の先っぽが、甘美な悦びにうずいて、気が変になりそうなぐらい気持ちがいい。
「あら、わたしの背中を、気持ち良くなるための道具にするなんて……ひどいわね」
 口ではそう言いつつも、まんざらでもなさそうだった。
 こわばった乳首の感触で、背中を舐めるようになぞられるのは、ゆかりにとっても快感で、つい背筋を弓反らせて反応してしまう。
 肩甲骨の下辺りまで擦り上がってきた乳首が、すべすべした背中の表面を滑って、つつー…と下がっていく。その摩擦で、感じやすい乳頭がゾクゾク痺れるような刺激を愉しんでいるのだろう。あきらの吐息が切なげに乱れ始めている。
「ゆかりの後ろ姿って、いつも綺麗だったから。それを思い出したら……」
「欲情した?」
 ゆかりがストレートに尋ねると、あきらは素直に答えた。
「この綺麗な背中でいやらしいコトをしたくて、たまらなくなった」
 真っ正直すぎる答えに、ゆかりがクスクスと笑った。
「わたしの後ろ姿で気になった部分って、背中だけ?」
 背中をこそばゆく往復する乳首の感触に、「んっ…」と軽く身悶えして喘いだゆかりが、クイッと右手で自分のボトムスをずらしてみる。下着は着けていない。ヒップの描く魅力的な曲線の一部が、誘惑するように露出する。
 掛け布団で隠れているので見えはしない。
 それでも、
(あきらは気付くかしら?)
 と、思ってから数秒もしない内に、あきらの手がそこに伸びて、グッ!とボトムスを大きくずり下げてしまった。案外、簡単にバレてしまっていたみたいだ。

 17歳の若々しいヒップは、彼女のモデル級のプロポーションにふさわしく、美しい丸みで表現されていた。やわらかな尻の肉感を包み上げるのは、ピチピチと瑞々しいハリに満ちた肌。手の平を這わせたら、その弾みそうな感触の虜になって、いつまでも撫でまわしていたくなるだろう。
 現に、太ももの付け根近くまでずり下ろされたボトムスの上で、あきらの右手がさっそく尻の丸みに沿って、手の平を滑らせていた。
 ぶるるるっ…と、ゆかりの背が震える。
 意外とくすぐったい。
「もっとさわってもいい? ゆかりのお尻、もっと味わいたい」
「ええ。いやらしいコトも、していいわよ」
 あきらになら、何だって許してあげる。
 恥ずかしくないワケではないが、それ以上に、あきらによろこんでほしいという気持ちが強い。
 女子高生の尻を優しく愛撫する手付き。
 どこを撫でたら、どう反応するか。 ――― あきらはそれを窺いながら、基本的にはゆっくりとしたペースで、時折、意地悪く緩急をつけて、丁寧にゆかりの敏感さを突いてくる。
 こそばゆさと恥じらい。
 耐えようとしている内に、無意識に猫背になってしまう。
「あああっ……、あきらにさわられてると、すごく……いやらしい気分になってくる……」
 さわっ…。
 羽根でなぞるみたいな微妙なチカラ加減で、尻の表面を撫でられた。その途端、猫背になっていたゆかりの背中が、びくんっ!と跳ねた。
「あっ! ん……、だめ、くすぐったいの……」
「でも、気持ちいいから、さわるの……やめないよ?」
 背中同様、すべすべと気持ちのいい肌触り。真っ白でなめらかな丸みを描く臀部をいじめるみたいに、指先をこしょこしょと這いまわらせる。
「あっ! あっ! 嫌っ、くすぐった…、ああっ、やめ…て……」
 ビクッ…! ビクッ…!
 断続的に跳ね悶えるゆかりの尻が、可愛らしくてたまらない。
 ぽんっ、ぽんっ、と手の平を弾ませるように軽く叩いて、軟肉の詰まった尻の量感を確かめた。
「あぁっ…」
 あきらに叩かれた理由をどう勘違いしたのか、ゆかりがほっそりしたウェストをくねらせて、弱々しく尻を振った。

 特別な『ショコラ』でも、何でも好きなものをあげるから ――― これからも、ずっと。
 夜だけは躾の悪い犬になって、甘くていやらしいゆかりを、たくさん味わいたい。

「ゆかりは、お尻をいじめられるのが好きなの?」
 再び尻の丸みに手を滑らせたあきらが、ぐっ、と尻肉を掴んでみた。熱い喘ぎをこぼすゆかりの後ろで、その肉厚の瑞々しい感触を、ぐっ…、ぐっ…、と何度もこねるように掴んだ。手の平全体に、ゆかりの軟らかな尻の味を覚えこませていく。
「嫌…、だめ…、ンっ、ああ…、そんな風にいじめられたら……」
 ……やや乱暴な扱い方をされてはいるが、お尻を餅みたいに揉みこんでくる手付きに、ゆかりは淫らな気分を昂らせた。
 これ以上の……、もっといやらしいコトをされたい。
 汗ばんできた若々しいヒップが、あきらの手を乗せたまま、なまめかしく揺すられた。
 来て。 ――― と、言葉に出さず、蠱惑的に誘う。
「んっ」
 と、短くうめいたあきらが、真っ白な尻の丸みを優しく撫でまわしながら、ゆかりの髪に鼻をすり付けた。湧き上がってくる欲情に逆らえないと、態度で彼女に告げる。ゆかりは「フフッ」と笑って頷いてみせた。

 尻から離れた手の平の代わりに、持ち上がった右脚の太ももが、ゆかりの下半身に被さってきた。それほど太くはないが、アスリート選手並みに速く走り、高くジャンプする力強い脚だ。組み伏せられてしまったみたいで、ゆかりは少しドキドキしてしまう。
 ……その脚にゆかりが気を取られている間に、あきらが後ろで腰を突き出すように動かして、さっきまで手の平で可愛がっていた尻へ、処女の股間を押し付けてきた。
(あっ…)
 ゆかりの尻が感じたのは、熱く、濡れそぼった肉のぬめり。
 純情なあきらには、セックスのやり方に関する知識はまだ無い。ただ本能的に、芽生えたばかりの快感を満たそうとしているだけだ。
 ぎゅっ、と両腕でゆかりのカラダが強く抱きしめられる。
「遠慮しないで動いていいわよ、わたしの可愛いワンちゃん」
 微笑を含んだ甘い声に挑発されて、あきらが尻に密着させた股間を揺すった。ふーっ、ふーっ、と抑えきれない興奮の息が、ゆかりの耳の裏に吹きつけられて、くすぐったい。
 自慰の経験すらない、正真正銘の無垢な恥部が、今は淫らな粘液にまみれながら、同級生の少女の軟らかな尻に密着して卑猥な摩擦を繰り返す。
「あきら、ほら、こっちもさわって。きもちいいわよ、わたしのおっぱい」
 自分でルームウェアを大きくめくり上げて、カタチの良い双乳を転(まろ)び出させた。
 ヒップ同様に、若々しく、ハリのある雪肌に包み上げられた美しい量感。
 女子高生としては、発育の良いほうだろう。そのやわらかなふくらみが醸す魅力は、少女期の健康的な色香から、大人の女性としてのなまめかしさへ羽化しつつある。
 ゆかりの手が、自分を抱きしめているあきらの両腕を、胸のほうへ導いた。
 乳房の稜線に触れると、あきらの手は滑るように、白くやわらかな曲線を這い上がった。

「あっ…ああっ!」
 ゆかりの声が震えた。
 ルームウェア越しではない、直接的に肌を撫でられるくすぐったさ。
 綺麗な乳輪の真ん中でツンと待ちわびていた乳突起を、クニュッ…とつままれる。乳房が溶け落ちそうなほどの甘美な痺れに、ゆかりの全身がブルッ!と強く痙攣。
「ゆかり、痛くない?」
「ええ。……もう、ずっと待っていたの。この…感じ……アアッ、そうっ、もっとっ!」
 感じやすい左右の乳房の乳頭を、同時に指先でクニクニとしごき上げられる。
 欲情した乳首で感じる淫らな悦びに、ゆかりの心は激しく乱れた。
 彼女の反応が、あきらの股間で沸く愛情と劣情を刺激した。
 膣襞が、ビクッ!ビクッ!と収縮するたびに突き上げてくる猥褻な快感。
「ゆかりっ!」
 一瞬、我を忘れたのか、チカラ加減を見失った手の平が、やわらかな乳房のふくらみに指を食い込ませてきた。ゆかりが喉を詰まらせたように鋭くうめくが、あきらは気付かない。
 ゆかりの尻肉の丸みに擦りつけられる、熱く濡れた粘膜の感触。あさましいともいえる腰使いで、彼女の真っ白な肌をベッタリと汚していく。
 この淫猥で一方的な交わりが、処女の性器を熱く熔け狂わせていた。
 汗ばむ手の平もまた、興奮のあまり、乳房の瑞々しいやわらかさに指を立てて、乱暴に揉み崩している。手加減を知らぬ子供じみた愛撫に、ゆかりが悩ましげなシワを眉間に寄せて喘いだ。
「うっ、ああっ…、あっ、ああっ、ううぅ……ううっ」
 痛い ――― という言葉は、あきらのためにも絶対に口に出さない。
 痛さによる身悶えを押し殺すゆかりの背中に、ぎゅっとバストを密着させたあきらが謝る。
「ゆかり、ごめん。私 ――― 」
「バカね、あきら。こんな風にめちゃくちゃに扱われて興奮しているのよ、わたし」
 半分以上、ウソ。
 それでも、あきらが気持ちよくなってくれるのならかまわないし、嬉しい。
「あきら、わたしは大丈夫だからっ…、オモチャみたいに扱っていいからっ! あっ、あっ!」
 乳房を搾るように強く掴まれたゆかりが、悲鳴じみた声を上げる。
「ゆかりっ、ああっ、すごいっ……これっ、すごいっ……!!」
 あきらの右脚が、『ギュウウウッ!』と、ゆかりのほっそりした脚に絡み付いてきた。
 腰使いは止まっているのに、びくっ…びくっ…と小さく跳ねるような痙攣が続いている。
 あきら自身にも、いつ達したのか分からない快感の絶頂。火照った秘所の内側で、熱い蜜にまみれた膣口がヒクヒクと喘いでいた。同時に押し寄せてくる倦怠感と充足の幸福感。
 熱くなったゆかりの体にしがみついて、あきらが荒く息をつく。

(終わった ――― の?)
 よく分からないながらも、あきらの両腕をそっと解いて、ベッドの上で体ごと振り返る。
 呼吸を乱しているあきらの前髪を払って、じっとりと汗ばんだ額に「ちゅっ」と甘いキス。
 目を閉じたまま喘いでいるあきらも、ゆかりのほうへ顔を寄せて、彼女の頬でキスの甘い音を鳴らした。すぐにお返しのキスが、今度はあきらの鼻の頭で音を鳴らした。あきらもとにかくキスを返す。
 ゆったりと抱き合いながら、お互いの顔に何度もキスを続けた。
 呼吸の収まってきたあきらが、暗闇の中、涙で濡れた目でゆかりを見つめる。
「ふふっ、あきらったら、すごかったわよ」
「……ゆかり、涙出てる」
 えっ?と驚いた表情(カオ)になったゆかりの目尻へ、あきらのくちびるが触れた。あふれた雫をキスで拭う。
「あなたと同じで、すごく気持ちよかったのよ、私も」
 満足した猫のように微笑むゆかり。しかし、あきらは微笑みを返さない。まるで、楽しみの散歩を途中で終わりにされてしまった犬みたいな雰囲気。
「……もしかして、あきら、まだしたいの?」
「駄目……かな?」
 ゆかりが「さすがに体力あるわね」と、あきれたみたいに笑う。



最終更新:2018年03月12日 01:15