『月虹譜』3
手の甲を優しく撫でてくる、えれなの手の平。
幸せを感じさせるくすぐったさ。
まどかがうっとりと溜め息をこぼして、えれなのカラダの下で身じろぐ。
「まどか……」
「はい?」
「もっと気持ちよくなりたいんだけど……いい?」
えれながベッドの両ひざを着いて、微かに上半身を起こす。褐色のふくらみの先だけが、ほっそりした背中に触れるぐらいの距離。その状態で、ゆっくりと上体を前後にスライドさせて、きめこまやかな雪肌に、ツンと固くなった乳頭を擦りつけていく。
「ふふふっ、それ、気持ちいいですか?」
「んっ…、まどかの背中、綺麗だから……」
敏感な突起が甘やかにうずいて、ジンジンとくすぐったさが募る。
「わ…、わたくしも、自分の背中がいやらしい事に使われていると思うと、なんだか……」
くっ…、とまどかが背筋を弓反らせた。
右手を裏返して、えれなの手の平を握る。えれなのほうからも強く握り返してくる。
「まどかのせいだよ。あの夜から、ずっと残ってるんだ。まどかに気持ちよくしてもらった先っぽの感触。学校でも時々ブラの内側でうずいて大変なんだから」
「フフッ、えれなは敏感ですね」
甘い口調でからかうみたいに返してきたまどかを、えれなが言葉で突っつく。
「誰があたしのおっぱいを、こんなに敏感にしちゃったんだろうね?」
「あら、えれなは最初から敏感でしたよ? わたくしが先っぽに吸いつくと……」
まどかの声が尻すぼみに途切れた。
えれなが姿勢をグッと深くして、健康的な色香を匂わす双乳を、汗ばむ親友の背中へ強く押し付ける。そして、その姿勢のまま上半身をなまめかしく前後にスライドさせる。
やわらかな褐色の乳肉を、白くなめらかな背中の表面でこねていくように ―― 。
「ふふっ、もう、えれな…。んっ、また、そんないやらしい事を……、あぁ……」
「あたしのおっぱいをいやらしくした責任はとってもらうからね」
「ええ、喜んで。 ―― とりあえず、あの時みたいに、出るはずのないの母乳を、わたくしの口で搾ってあげればいいですか?」
なおも甘い口調でからかってくるまどかへ、えれなが挑発的に答えた。
「じゃあ、あたしはさっきみたいに、指で下のほうを搾ってあげる」
「………………」
てっきりまた言い返してくると思っていたえれなは、あれ ―― ?と拍子抜けする。
言い返す代わりに、まどかは、うつ伏せの姿勢で両ひざにグッとチカラを込め、腰をわずかに浮かせた。重なっているえれなの腰へ、魅力的な尻の丸みを押し付けるみたいに。
「………………」
まどかはやっぱり何も言わない。
けれど、確かにえれなを誘っているし、それは彼女にも伝わった。
背後のいやらしい前後運動が止まる。
「今度はあたしだけでやってみるね」
えれながそう言うと、まどかは枕に顔を預けたまま、こくっとうなずいた。
まどかの右手に握られていた手を優しく引き抜いて、彼女のカラダから退(ど)く。その動きに合わせて、まどかがおずおずと両ひざを立て、腰を高く持ち上げた。
清純なお嬢様には、あまりに恥ずかしすぎる格好。
けれど、えれなにしてもらうために、その感情に必死で耐えている。それがすごくいじらしいと、えれなは思った。
電気を消しているとはいえ、カーテンの隙間から微かな星明りがこぼれてくるため、暗さに目が慣れると、それなりに見えてしまう。
特に、まどかのカラダは純雪のように白いから、なおさらだ。
初々しい恥じらいと共に突き出された尻の綺麗な丸み。ベッドの上にスッと正座しなおしたえれなが、正面から軽く見下ろす位置にそれがくる。
(あっ……)
少し気まずそうに、えれなが気を遣って視線を逸らした。
このまどかの姿勢だと、尻のやわらかな肉付きの割れ目の奥から、可愛らしくすぼまった肛門が覗いてしまう。
(こういう場所は、見られたらきっと恥ずかしいよね)
―― たぶん、まどかは気付いていないだろうし、あえて指摘しないで、微妙に視線をずらしたまま、
「まどか、手、挿(い)れるから。もう少しだけ、脚…開いて……」
と、呼びかけた。
もじっ…。
一瞬のためらいを見せたあと、両太ももの間がわずかずつ開かれていった。…が、まだ少し狭い。仕方なく、その隙間から上向けた右手をゆっくりと差し入れる。
枕に押し付けられたまどかの口が、「ん゛っ」とくぐもった声を洩らす。
指先の感触を頼りに、まどかの股間をまさぐって捜す。
今夜、まどかの手と指にリードされながら教わった恥裂の内側 ―― 処女の膣口の場所。
(あっ…、さっき触った時よりも濡れてる)
太ももの間から差し入れた手が、その指先で熱くとろけた恥肉の感触を味わう。
女子中学生の無垢な性器は、いやらしく快感の蜜を垂らし続けていた。
先程は、まどかの興奮に流されるカタチで指の挿入を急いでしまった分、今度はもっと丁寧に時間をかける。
まずは、ヌルヌルとした秘貝のスリットを、じらすみたいにゆっくりと指先で上下になぞる。
「う゛…っ、あぅ……ふっ、んっ…」
枕に顔の下半分をうずめ、声を殺しつつ喘ぐまどか。
濡れた小陰唇 ―― サーモンピンクの肉の花弁を甘くつままれる。それを挟み込んだ指が愛液をローション代わりにして、すりすりと優しく撫で洗ってくる。
「は、早く……、じらされるの、だめ……」
「フフッ、まだまだ時間あるし、もっとたのしまなきゃ」
「だめっ……あまり時間をかけられたら、わたくし ―― あああぁああぁぁっ」
「こんな気持ちのイイ事、まどかは早く終わりにしたいの? ……違うよね」
えれなが軟らかに手首を使いながら指を動かして、トロトロに熱くなった秘所をいやらしくマッサージ。
もうとっくに感じきっている処女の媚肉を、ねっとりと愛撫されて、さらに蕩かされる感覚。知らないうちに足腰のチカラが抜けて、腰の位置が下がっていく。
(気持ちよくなってるんだ、まどか。……ああ、かわいいなぁ)
まだまだ気持ちよくしてあげたい。
今夜、膣口の場所と一緒に、もう一つ丁寧に教えてもらった場所がある。
クリトリス ―― 女の子の性器で一番感度の高い部分。
先刻、ベッドの上で横たわりながら向かい合った状態で触らせてもらったのを思い出しつつ、愛液でぬかるむ粘膜に指先を這わせて探り当てる。
(……えっと、この辺?)
花を愛でるような繊細さで、粘蜜にまみれた包皮の上から敏感な陰核を甘撫でする。
ぶるるッッ…!と、まどかが腰を震わせ、たかぶった声で答えた。
「あっ、ああっ……そうですよ、えれな、そこですッ!」
興奮のせいで勃起している肉真珠を、チカラを抜いた指先がゆっくりと何度も撫でてくる。
愛撫というにはあまりにも優しい触り方。
それでも甘美な官能が、秘所を突き上げてくる。
「ああ……えれな、そこばっかり触られると、わたくし、すぐに……っ」
「わかってる。今度はもっと長く愉しみたいもんね」
最後にクリトリスを甘くひと撫でした指先が、濡れた恥部をじらしながら愛撫。
ほんのわずかな時間とはいえ、陰核を甘責めされたため、処女の性器がジンジンと痺れるようにうずく。
「ああっ、だめ……です、あ゛ぁぁ、だめっ……あああ……」
「ん~、どうしたの、まどか? もう降参?」
えれながベッドの左手を着き、身をかがめて、同級生の小ぶりな桃尻に軽くキスを送った。
くすぐったかったのか、まどかの腰がピクンッと跳ねる。
―― その反応のせいで、いいことを思いつく。
(そうだ、せっかくだし一緒に……)
まぶたを閉じたえれなが、もう一度、雪肌に包まれた若々しい尻肉にくちづけする。
左手で身体を支えながら、綺麗な尻の丸みをなぞるように『スーッ…』と、くちびるを滑らせていく。もちろん、愛液で濡れそぼる恥所をいらう指の動きは止めない。
「ああっ…ああッッ」
眉間に悩ましげなシワを寄せたまどかが、ビクッ!と枕から顔を上げて喘いだ。
羽毛を思わすソフトな触れ方を維持したまま、すべらかな尻の上をこそばゆく往復する親友のくちびる。
くびれた腰の裏を、ぞぞぞっ…と這い上がってくる感覚が撫でる。もう感情が抑えきれない。興奮の吐息が切なげな色で染められてしまう。
「だめ、わ…わたくし、変になってしまいます……」
「とっくに変になってるんじゃない? ほら、こことか ―― 」
……くにっ。
粘蜜にまみれた処女の秘貝の口を、緩やかにヌルヌルと往復する指先が浅く割った。
「ひっ…ああ……ああああ……」
えれなの右手首を、両太もも ―― やわらかな肉厚の感触がグッと締め付けてきた。
「ねえ、どう? やっぱり変になってる?」
「はい、変に……なっています、ああああ……」
甘い響きを帯びた声音で正直に答える。
少女の敏感な粘膜を、優しく溶かすように愛撫してくる指使い。
無垢な部分を、淫らな悦びで酔わされていく感覚。
少しだけ怖い。けれど、それ以上にゾクゾクする。
―― さっき初めて、第二関節半ばまでとはいえ他人の指を受け入れた膣が、待ちきれず分泌液をあふれさせている。
「あの……えれな、またさっきみたいに……。は、早く……ください……」
「ん~~、それはちょっと、せっかちすぎない?」
「でも、わたくし、もうガマンが……ひっっ! あッ、それ……あッ、だめですッ!」
白くやわらかな尻の肉付きを、なおも軽やかに滑り続けるくちびるの感触が、くるりくるりと円のカタチを描く。そのこそばゆさに耐え切れず、まどかの腰が何度も小さく跳ねる。
えれなが薄く両目を開く。
(まどかってば、お尻震わせちゃって。かわいいなぁ、フフっ)
ピクンッ…ピクンッ…と可愛らしく気持ちよさを訴えてくる女子中学生の尻肉を、さらに小刻みなキスでくすぐっていく。
ちゅちゅちゅっ……ちゅちゅ、ちゅっ……。
「だめっ、くすぐった…ひっ、あっ…それ以上は、だめ…、本当に……ああぁッ!」
くたぁ~と、ついに脱力して膝を折ってしまったまどかの腰が、次の瞬間、びくんっ!と跳ね上がった。
さんざんじらされた膣口『くちゅ…』と浅く押し割る指先の感触。
大切な親友の指が、自分のナカに侵入(はい)ってくる……。
それだけでもう ―― 処女の膣内が官能的に収縮する。
「ん、どうしたの、まどか? ……これ、駄目?」
「だ…駄目ではありません、あっ、また、動いて……、あっ、すごいっ、あっ」
涙がこぼれそうなほどに潤んだ瞳を見開いて、まどかがむせぶ。
キュッと締まる膣肉を押し開いて入ってきた中指の先が、膣の入り口近くを擦りながら、リズミカルに前後に動く。軟らかな手首の動きで指先による愛撫の深さを微妙に変え、濡れそぼった膣壁を優しく蕩かすように。
「ああっ、えれなの指……入ってます、わたくしのナカに……ああっ、いいっ!」
「大丈夫? 痛くない?」
「平気ですっ……あ゛ああっ、腰……っ、溶けて……ああッ! すごいっ!」
再びえれなの顔へ向けて突き出されるカタチとなった白い臀部の丸みが、誘惑的に揺すられる。それ自体はまどかの意図した動きではないものの、今、自分がどのような体勢で喘いでいるのかを理解できる理性はまだ残っていた。
香久矢家の娘としての品格を否定する、あまりにもはしたない姿で ―― 。
「ああ……、わたくしは、なんと浅ましい……、こんな動物みたいな格好で……」
その恍惚とした声音。
―― と、膣に挿入した指先が感じた瞬間的な締まり。
えれなが直感で悟る。
濡れそぼる膣内を指先で優しく愛撫しつつ、再び彼女の尻に「ちゅっ」とキスを送ってから言った。
「そうだねぇ、恥ずかしいよねえ、こんな……お尻の穴が見えちゃう格好でさぁ」
そう。
わざと聞こえるように。
最終更新:2020年04月07日 22:01