プリキュア VS ディケイド(II)
「しかしここは、変な世界だな」
士はテーブルに乗っていた“ぬいぐるみ”を両手で抱き上げる。 それはあの時、ピーチとディケイドの間に現れた“シフォン”と呼ばれた動くぬいぐるみだった。
「キュア、キュア! ティケート!」
ごきげんにはしゃいでいるシフォンを、士はもの珍しそうに眺める。
「“ぬいぐるみ”と“イタチ”が喋る世界なんて、初めてだ」
「“イタチ”とちゃうわ! “フェレット”や!」
そう言ってテーブルに飛び上がって来たのは喋るイタチ…もといフェレットだった。
「タルト?」
ラブが声を掛ける。
「いやいや、“フェレット”ともちゃう」
直立して喋るフェレットは誇らしげに胸をはって見せる。
「わてらは可愛い可愛い妖精さんや!」
「妖精さん、ね…」
関西弁全開で喋るフェレットと、“プリー?”とか何とか言いながら、小首をかしげるぬいぐるみを交互に見る。
「…本当に変な世界だ」
「にしても、あんさん。 何でパラレル・ワールドを旅しとるんや? 観光旅行…っちゅうわけでもないやろに」
「さあな」
青年の顔に微かな憂いが影のように浮かんだのに、祈里だけが気付いた。
「ま、強いて言うなら、なぜ旅をするのか探すために旅してる…ってところかな」
「はあ。 よーわからんなぁ」
「それより俺も教えて欲しいんだが…」
椅子を引いて、3人のテーブルに士も座り込んだ。
「いったい何処で俺の…、“ディケイド”の事を聞いたんだ?」
3人が顔を見合わせる。 話し始めたのは美希からだった。
「あれは、一週間ぐらい前だったかな…」
最終更新:2013年02月24日 15:34