十章 勘違い




正義の味方振るなよこの
自己中が(笑)

やめて・・・レジーナを
いじめないで。レジーナは関係ありません。悪いのは私なんです!!

 ・・・ちゃん・・・・・・あぐりちゃん!!

あぐり「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ」

まこぴー「よかった、気がついたのね・・・」

あれは・・・夢? あぐりは気がつくとベッドに寝ていた。

あぐり「真琴・・・?」

まこぴー「大丈夫?うなされていたみたいだけど・・・」

あぐり「悪い夢を見ただけです・・・」

そう、悪い夢・・・あぐりは自分にいい気かせた。

まこぴー「凄い汗びっしょり、着替えたほうがいいわ」

あの時、レジーナに襲われて絶体絶命だった。しかし、間一髪のところで、アイちゃんによって助けられた・・・と、真琴達から聞いていた。

その後、一旦解散して真琴とソリティアに帰った。そして悪夢を見て、目覚めた。

まこぴー「少し、大きいみたいだけど・・・何とか着れるみたいね。」

あぐり「レジーナには内緒にしていて下さいね。」

予備のパジャマなんてなかったので、レジーナを 拝借する事になった。二人の体格はそこまで大差 がある訳ではないので、あぐりにも着れない事はなかった。

まこぴー「やっぱり二人って姉妹なのね・・・とっても似合ってる」

あぐり「お、おかしなこと言わないでください!!」

まこぴーの発言に戸惑うあぐり。

まこぴー「あぐりちゃんは怒るかも知れないけど・・・二人はやっぱり似てるってわたしは思うの」

あぐり「そんな事はありません!!」

強く否定するあぐり。

まこぴー「あぐりちゃんもレジーナもお菓子が大好きよね。」

あぐり「そうですけど、好みなんて人それぞれです」

まこぴー「そう言う考えもあるわよね。でも、それだけじゃない。誰かを大切に思う気持ちを持っている所。」

あぐり「・・・!」

まこぴー「ジコチューと愛は表裏一体・・・王女様があなた達に変わる前に残した言葉よ。」

あぐり「表裏・・・一体・・・」

まこぴー「お父さんを思う気持ちと、みんなを思う気持ち・・・対象は違えどどちらも愛には変わりないわ。」

あぐり「どちらも同じ」

まこぴー「でも父だけを思う気持ちが後ろめたく感じたせいであの時はレジーナのほうだけ黒くなってしまったようだけど・・・その感情を闇と考えるのはおかしいと思う。」

あぐり「真琴・・・」

まこぴー「誰かを思う気持ちに罪はない。ただ、その為に他の誰かを傷つけたり不幸にするのはいけない事だけど。」

ダビィ「ダビィもそう思うビィ!でも逆を言えばどっちもジコチューって事かも知れないビィ。そう言えばレジーナが言ってたビィ・・・ジコチューじゃない人なんていないって。」

まこぴー「そうね。二人共、正しい事が見えていなくて 父親を守る為に私達を倒そうとしたり、あぐりちゃんは世界の平和の為にレジーナとキングジコチューを倒そうと考えてた。」

あぐり「・・・あの時の私はまだ未熟でした。平和を守る為に、ジコチューを倒す!それだけしか考えておらず、お父様とレジーナの事なんて気にもかけていませんでした。」

悲しそうにするあぐり。

まこぴー「私もそうだった。ジコチュー側ってだけで、悪と決めつけて最初は受け入れようとしなかった。でも、今は違う・・・そうでしょ?」

あぐり「私は今はお父様の事もレジーナの事も大切です・・・勿論真琴達の事も。」

まこぴー「きっとレジーナも同じだと思うわ・・・」

あぐり「レジーナとまた わかり合えるでしょうか?」

まこぴー「大丈夫♪きっと仲直り出来るわ」

そう言われて安心するあぐり。安心したのか再び眠りに入る・・・その時 あるものが一瞬、目に入った。 (レジーナもこの曲が好きなんですね。)

マナ「ありす、何か分かったの?」

ありす「マナちゃん これを見てください!」

マナは四葉邸でありすとジコチュー騒動について調べていた。あの後、突然泣き出したアイちゃんに助けられた。と言うか、レジーナが急に攻撃を止めて逃げ出したのだ。 まるでアイちゃんを恐れている感じだった。

そのあと、気絶したあぐりちゃんを連れてひとまず四葉邸に戻った。戦いのダメージのせいかあぐりちゃんの顔色が余り思わしくなく、まこぴーが あぐりちゃんを連れてソリティアに帰ったのだ。

マナ「これは?」

ありす「監視カメラの映像です。」

それは公園のカメラの映像だった。

マナ「これって・・・!!」

ありす「はい。やはりあぐりちゃんの言う通りレジーナさんが・・・」

マナ「・・・・・・」

ありす「マナちゃん?」

マナ「あぐりちゃんはキングジコチューに対する愛で変わってしまったレジーナのようだって言ってたけど・・・クリスタルを欲しがってた時のレジーナのように感じるね。」

ありす「あぐりちゃんはその時のレジーナさんを知らなかったからもう一つのほうで例えざるおえなかったのかも知れませんが・・・確かにマナちゃんの言う通りかも知れません。」

マナ「あの時、どうしてレジーナに異変が起こったんだろう?もう一つのほうはキングジコチューに無理矢理ジコチューにさせられちゃったからだけど、あの時はまた違うと思うんだ。」

ありす「もしかしてあの時もルストと言う者による介入があったのでしょうか?」

マナ「その可能性は有り得ると思う、今回の事態を考えるに。でもやっぱり気になる事があるんだよね・・・」

ありす「気になる事とは?」

マナ「あの時はクリスタルが欲しいって気持ち。その次はパパの事を思う気持ち・・・何かしら引き金になる気持ちがあるはずなんだよ。」

ありす「確かに、普通のジコチューも横入りがしたい等の気持ちでみんな生まれますし。」

マナ「今回は何が原因なんだろう。」

レジーナは何故またジコチューになってしまったのか?マナは疑問に思いました。しかし、疑問はそれだけではありません。

ありす「考えられるのはあの事件でしょうか?」

マナ「確かに、きっかけとして一番考えられるのはあの時なんだろうけど・・・」

全ての発端はあの時の事件にある。そう考えているのだが、マナは何か納得がいかない。

ありす「レジーナさんがクラスの子を傷つけたいと少しでも思ってしまうような問題があの時は起きていた・・・」

マナ「もしくは、何か別の感情が引きがねになって、結果私達にしたみたいにクラスの子に危害を与える行動をとってしまったか・・・」

ありす「どちらにしても、問題があります。今のレジーナさんが本当にそうならざるをえなかった理由はなんだったのか?」

マナ「仮にレジーナがあの時みたいに本気を出したら、軽い怪我程度では済まないはずだし、もっと明確にレジーナに異変が出てたはずだよ。」

ありす「私達の考えは間違っていたのでしょうか?」

シャルル「こんがらがってきたシャル」

ランス「訳が分からないでランス~」

考えれば考えるほど余計に分からなくなる。マナ達は一息置いて、一から考え直す事にした。

マナ「まず、レジーナがクラスメートを傷つけてしまった事件。詳しい事は今の所、結局分からない。」

ありす「ルストという者がこの時に既にいたかどうかは不明ですね」

マナ「そして、再びジコチューが現れた。あぐりちゃんによればレジーナが召喚した可能性がある」

ありす「その後も同じような事が起こります。最初の時と学校、それからも何回かは同じようにレジーナさんが気絶していたり、先に現場に居合わせていたりしたパターンがありましたが、他にレジーナさんとは関係なく現れるパターンもいくつかありました」

マナ「後者はあの二人組の可能性があるのかな?それと、レジーナが関わっているのに関しては気絶しているパターンとしてないパターンがあるってところが気になるね。」

シャルル「学校では六花達も気を失ってたシャル」

ラケル「いきなりの出来事で何が起こったのか分からないケル。」

マナ「何も覚えてないの?」

ラケル「闇の鼓動を感じたと思ったら、いきなり視界が消えたケル」

マナ「ねぇ・・・何か六花達に変わった所はなかった?」

ラケル「よく分からないケル・・・でもちょうどレジーナを見つけた時だったんだケル。」

マナ「そう・・・」

ありす「これだけではよくわかりませんね。考えられるのは何者かに襲われたという事でしょうか?」

マナ「ねぇ、レジーナが気絶した理由ってなんだと思う?」

マナはありすに聞きます。考えてから真剣な顔でありすは答えます。

ありす「何か体に負荷がかかる事が起こったからでしょうか?例えば・・・ジコチューになったとか・・・」

シャルル「でも、あのプシュケーはレジーナのものじゃなかったシャルよ。」

マナ「ジコチューになる以外で何か・・・・・・」

ランス「そう言えばレジーナが意識を取り戻した時に急にジコチューが弱くなったランス~」

ラケル「レジーナとジコチューに関係があるケル?」

マナ「ジコチューとの関係、プシュケーを利用された側か、あるいは・・・召喚者?」

ありす「・・・そうです!クリスタルの時ではありませんが、レジーナさんが召喚したジコチューはレジーナさんの気持ちと連動していました。」

マナ「!レジーナの気持ちに揺らぎがあると、急にジコチューも弱くなったから・・・もしかしたら今回も!?」

シャルル「レジーナが起きた時に何か変化が起きていたに違いないシャル!!」

マナ「そうか!!私、肝心な事忘れてた!!」

ラケル「何ケル?」

一つの謎について真実に近づくマナ達。そんな中、マナはある事を思い出す。

マナ「レジーナはねクリスタルを欲しがっていた時、自分の様子がおかしくなっている事に自覚がなかったの。」

ありす「つまり、意識を乗っ取られている状態にあったという事でしょうか?」

マナ「そういう事だと思う。それと今回の事を合わせると・・・・・・・」

シャルル「ま、まさか・・・気絶していたのはルストに乗っ取られていたせいシャル?」

ありす「しかし、身体が慣れなかったのでしょう・・・召喚にエネルギーを使った途端、レジーナさんは耐え切れずに倒れてしまうのですから。」

マナ「慣れないのはあの時と違って、レジーナにはジコチューの心はなくなりつつあったせいなんじゃないかな?でも、何回かやっている内に、ジコチューな心を再び取り戻してきたせいで倒れる事もなくなった。」

ラケル「あの時も、ルストがレジーナを利用して僕達まできっと襲われたってことになるケル?」

マナ「ラケル達は本当にルストが襲ったのかな?」

ラケル「何を言ってるケル?」

マナ「六花は分からないって言ってたけど・・・あれは嘘だね。多分なんとなく六花はレジーナの事感づいていたと思う。」

ラケル「六花がマナ達に隠し事をしてるってことケル!?」

マナ「例の事件の事もあってきっと六花には信じられなかったんだと思う。」

ありす「恐らく、気絶の理由はレジーナさんがジコチューを召喚するところを目の当たりにしたショックでしょう。」

マナ「ラケルにも見られたくなかった六花はラケルを故意に気絶させたんだろうね・・・自分が気絶する前に」

ラケル「そんな・・・」

衝撃の事実に言葉もない ラケル。マナ達は話を続けます。

マナ「例の事件ではレジーナは気を失ったりはしてなかったし、凶変していたような様子は多分なかった感じだから、もしかしたらあの時はレジーナに何もしていない・・・?」

ありす「しかし、そうなると結局レジーナさんがジコチューに利用されたきっかけが分かりません。」

マナ「でも、状況を考えるにレジーナが操られていないのは確かなんだし・・・ルストが利用したのはレジーナではない?」

シャルル「どういう事シャル?」

マナ「もしかしたら前提が間違ってたのかもしれない!」

ありす「成る程・・・!!それならば筋が完全に通ります」

ランス「その発想はなかったランス~」

マナ「とりあえず、事実を確かめる必要がありそうだね。」

マナ達が辿りついた真実とは一体なんなのか?
あの事件の真相は!?

十章 勘違い・完



最終更新:2014年10月01日 00:04