「成すべき事一つ、終わらせた」
これはある意味贖罪。
自分が犯した過去に対する生け贄。
過去を変える術を探してきたが、どこにもそんな方法は無かった。
否、あるかもしれない。
――並行世界。
所謂ifの世界。
たとえばここに林檎がある。
ある世界ではこの林檎は小さく。ある世界では青い色。
またある世界では林檎とは茄子の事かもしれない。
その世界を探しつづければ、やがては見つかることだろう。
でもそれを探すことは、もう止めた。
過去を変えても、変えれない所がある。
贖罪。それの内容は実に単純明快――世界を、救う。
幾つもの並行世界を渡っては、世界を救済する。
ある世界では隕石を砕き、ある世界では外世界からの侵略者を打倒する。
でも、救うのにも限界はある。
腐りきった人心などは救えない。戦争で経済を成り立たせる世界は救えない。
それでも、それでも、俺は――。
最終更新:2009年02月22日 13:17