0話 ニューゲーム
「また殺し合いの運営をやれってか?」
「そのようですね」
某所、自分のオフィスにて、助手の少女岩岡朋佳から関係書類を受け取った狼獣人、
吉橋寛和は少しうんざりした様子で言った。
「俺の他にも適任はいると思うんだがな。柴田とか、安川とか、クラークとか」
「皆さん用事があって、吉橋さん以外に頼める人がいない、と」
「へえそうなのか、いや納得した訳じゃねぇぞ。まあ、やらねぇと後が怖ぇからやるけどな」
「それじゃあ準備を始めます。吉橋さんもちゃんと働いて下さいね」
「俺、いつもちゃんと働いてると思うんだけどなぁ」
不満そうに言う寛和を尻目に、朋佳は「失礼します」と部屋を出て行った。
仕方無く寛和は朋佳から渡された書類に目を通す。
「今回の参加者は、64人。
会場は前と同じように孤島、運営本部は……会場内の小中学校か。
それじゃゲーム開始直後に小中学校のあるエリアは禁止エリアにしないとな。
……放送は6時間おき、深夜に開始、他は大体同じか……ふぅん。
見せしめはまあ、マネキンで良いだろう……後、は」
書類に書かれた必要事項を読みながら寛和は、殺し合い――――バトルロワイアルの運営の構想を練っていく。
そしてその一週間後。
予定通り殺し合いは開催された。
【ゲーム開始】
【残り64人】
最終更新:2013年09月16日 02:15