62話 白黒で終わるより赤白で閉じたいのよ
大勢の参加者を最後の一人になるまで殺し合わせる殺人ゲーム――バトルロワイアル。
その殺人ゲームから俺――
リクハルドは生還した。
優勝した訳じゃない。運営のヨシバシって奴の急な提案で始まったジャンケン対決で、俺は勝ったから生き延びる事が出来た。
俺の他にも、別世界の奴が四人生き残った。
その中で俺が知っているのは、狐獣人の娘の悠里と、狼獣人の小僧の勝隆。
悠里は今も元気にしてっかな? あいつの身体は中々気持ちが良かったな。
他にも行動を共にした奴はルカ、エギ、巴、フカヤ、陽平と居るが、みんなジャンケンで負けて死んじまった。
俺だって、下手したら今ここに生きて居なかったかもしれない。
さて、俺は今どうしてるかと言うと、まあ、いつも通りだな。
森の中で適当に旅人やら冒険者やら商人の一団やらを仲間と襲って、可愛い女が居たら二つの意味で美味しく頂く。
やる事は殺し合いを経験する前もした後も何も変わらねぇって訳だ。
「おい、見てみろリクハルド」
「お?」
仲間の一匹が何かを発見したようだ。
見れば、高級そうな造りの馬車が街道を走ってくる。
大方、富豪の家族旅行か何かだろう。
護衛と思しき騎兵も随行しているが、四人ぐらいじゃあな。
どうやら危険意識が足りないらしい。まあ、絶好のカモ、って奴だ。
「行くか?」
「よし、やるぜ」
近付いてくる馬車に、俺と仲間達は狙いを定めた。
この生き方は死ぬまでやめないだろうな。
良いのさ。俺は自分のやりたいように生きるだけだ。
【俺のオリキャラでバトルロワイアル3rd:リクハルド――――END】
◆◆◆
さて、まず何から話そうかな。
うん、ありのままを話そう。
私――
沢谷千華は、殺し合いから生き延びてしばらくした後、異世界に飛ばされた。
何を言ってるのか分からないと思うけど実際に起こっちゃってる事なんだから仕方無い。
どうも、中世ファンタジーっぽい世界のようで、
何でもとある国が滅んで、支配者の国と復讐者の国と反乱同盟の三つ巴の戦乱が起きようとしてるとか。
それで、私が今居るのは支配者側の国らしい。
最初は驚いたけど慣れてくるとこの世界、この国もかなり面白い所が沢山有るから適当に観光していたんだけど。
何やらとある騎士団が団員を募集しているらしいね。
その騎士団、前の戦争で壊滅状態になって、新しい団長になってから経費削減される一方で落ち目になって、
来る戦乱で栄光を取り戻したいとか何とか。
この国の所属で能力さえ有れば、種族年齢性別問わないと。
ふぅん、面白そう。
あの殺し合い以降、また退屈な日々だったから、良い刺激になりそうね。
それも、本物の戦争と来れば。
「すみませーん……あ、そこの青龍刀下さい」
私はその辺にあった武器屋で青龍刀を購入し、その騎士団の面接を受けに向かった。
……
……
そして、無事に騎士団に入団し、私はしばらく団員の皆と交流したりして過ごした。
副団長に三食魚肉ソーセージ一本ずつと言うキツイジョークをかまされたり、
とある団員が騎獣として伴っている大きな鳥を良い子良い子しようとして脳天をつつかれたりと、酷い目にも遭ったが。
いよいよ戦争の時がやってきた。
集まった団員達の前で若き団長が演説を行う。
「支配者の国の民、常に支配者であれ」と言った内容だった。
私はこの国どころかこの世界の人間(半竜人)でも無い、そんな私がこの国の、騎士団の力になろうなんておこがましいんじゃないだろうか、
と、一瞬難しい事も考えたりもしたけどすぐに忘れた。
滅多に無い実戦を味わえる機会、楽しまなきゃ損でしょ?
死なない程度に頑張ろ。
【俺のオリキャラでバトルロワイアル3rd:沢谷千華――――END】
最終更新:2014年03月17日 23:32