30話 イカした色仕掛けさよなら命懸け
「! あいつは……!」
倉持忠敏は前方数百メートル先についに追い求めていた姿を見付けた。
赤い鬣に白い身体を持ったユニコーンである。
喜んで、忠敏はそのユニコーンに走って近付いた。
「おーい、そこのあんた!」
「誰だ?」
「警戒しないでくれ、俺は危害を加えるつもりは無い」
高鳴り興奮する心を抑えつつ、ユニコーンの警戒を解こうとする忠敏。
近くで見ればユニコーンの身体は何とも良く引き締まり、股間には立派な雄の象徴。忠敏がそそられる材料が全て揃っている。
「単刀直入に言おう」
「え?」
「俺は、オス馬に掘られるのが大好きなんだ……だからあんたに掘って欲しい!」
「何?」
「開催式であんたの事見掛けてからずっと探していた。いや、分かってる。ユニコーンは処女にしか興味が無いって事は、
ちゃんと分かってるし、そうで無くても……」
「つまり、男が、オスが好きって事か?」
「? あ、ああ……但し馬限定だけど」
聞き返してきたユニコーンの声色には確かな「喜び」が滲んでいた。
予想外の展開に忠敏は少し困惑気味に、ユニコーンの質問に返答する。
「全然構わない! って言うか嬉しい!」
「え!?」
「俺、ゲイなんだ……つまりアンタとヤるのは全然オーケーだ!」
「マジで!?」
まさかの展開。ユニコーンと言えば忠敏がそう言ったように処女にしか興味を持たないと言うのが定説だが、
目の前のユニコーンはそれを覆す存在であった。
「俺はユージーン。アンタは?」
「倉持忠敏。これは、何と言う幸運だ! やばいテンションが上がる!」
「落ち着け忠敏、ここは見晴らしが良すぎて危ないから適当な場所を見付けてそこで、な?」
「よーし……」
今すぐにでもズボンを脱ぎ捨て尻を出したい気持ちを抑え、忠敏はユージーンと共にまぐわいに相応しい場所を探す。
程無く、とある民家の敷地内に有る納屋に決定しそこへと侵入した。
入口にバリケードを作り外からの侵入を防ぐ。人間男と角有り牡馬の二人だけの空間の出来上がり。
早速忠敏は服を脱ぎ捨て全裸になった。
「オス馬とヤり慣れてるって聞いたけど」
「おう、これを見てくれユージーン」
「うわっ、やばいだろこれ……穴が拡がってないか?」
後ろの門をユージーンに見せ付ける忠敏。
ユージーンは軽く驚いた。
一体今まで何頭の牡馬の太い杭を激しく打ち込まれたのだろうか、
門は門の機能を果たせるかどうか心配になる位の拡張ぶりを見せていた。
そして、暫く見詰めていたユージーンは次第に鼻息荒く興奮してゆく。
「ああ、凄い、そそられてきたよ忠敏ィ……フーッ、フーッ、すぐにでも根元までぶち込んでやるぜ! ってなりたいけど、
まずローションの代わりにベロベロしないとな、流石にこのままはきついだろぉ?」
「良いよ、来いよ……」
突き出された拡がり過ぎた門に、ユージーンはたっぷり唾液を含ませた舌を近付けていく。
その後、納屋の中から人間男の喘ぎとオス馬の嘶きが延々と響いていた。
納屋がギシギシと揺れ、屋根から土埃が落ちる程であった。
【午前/E-4市街地境家】
【ユージーン】
状態:興奮
装備:不明
持物:基本支給品一式、不明支給品
現状:命果てるその時まで自分の欲望の為に行動する。忠敏と暫く一緒に居る。
備考:特に無し
【倉持忠敏】
状態:興奮
装備:調達した文化包丁
持物:基本支給品一式、ウィズダム商店謹製催淫剤
現状:死ぬ前にユージーンと思う存分過ごす。
備考:催淫剤の効能については未確認
最終更新:2016年08月02日 19:49