未元の推定!現れた陰謀の正体!

@アンモライシティ バトルグランプリ会場
この日、世界中から数百という人間がこの街に集まった。
数週間前に全世界同時中継で告知された「バトルグランプリ」が開催の日を迎えたのだ。
世界最強の名を冠するため大会に参加する者、それを見届ける者、そして副賞の賞金欲しさに押しかけた者。

そう、ここにいる彼らもまたその中の1人なのだ。

十也「見渡す限り強者の匂い!おおお腕がなるぜ!」
結利「本当だね!EGOの仕事の一環でこんな大会に参加できるとは思わなかったよ」

彼らはミストラルシティから来た出場者だ。
2人とも最近EGOに加わった新人だが甘くみては行けない。
非公式情報も含むが彼らの活躍により世界を揺るがす危機を退いたのは一度だけではないらしい。

そして向こうの二人組。彼らの力も強力だ。
トニー「すごい人ですね。思わず身体が震えてきました」
スライ「相変わらずだな、だが今回ばかりは俺も同じだ」
カリナン公国の軍家の出身で、先日までミストラルシティで修行に勤しんでいた。
彼らの目的は大会の決勝に2人とも勝ち上がること。
それがデュオロードにたどりつくための試練なのだ。
スライ「やっと承諾が出たかと思ったらとんでもない条件を出しやがって!」
トニー「ビルド(カリナン公国の政治担当官。軍官ロードとついになる存在)の提案ですからね。無理難題をふっかけたつもりでしょうが」
2人が目をあわせる。
スライ「俺たちならなし得る!いや必ず成し遂げてみせる!」
トニー「はい!もちろんです!」

贔屓目なしに2人は強い、しかしこの大会にあつまった猛者を前にするとどうだろうか。
ほら彼ら2人を睨みつけるあの2人を忘れてはいけない。

ロン「きた!俺たちがロードとなる第一歩だとなる街アンモライシティ!」
ルージュ「ビルドを説得できたよかったよ、でも私たちの要望を遥かに超える方法だよね」
ロン「まぁ仕方ない。ビルドとしは俺たちがロードを継ぐことも認めがたいだろうしな」
かなり政治的な話だ。カリナン公国は大公(貴族)をトップに据え、政治と軍部をビルドとロードが統括するシステムであり、
それにより権力を分散させている。だが近年、軍部側の勢力(ロンとルージュらモアザンディーノ家)が変革を見せたことを皮切りに
その均衡が崩れようとしているのだ。さらに現ロードであるダイヤモンド家からは2人のロード制=デュオロードの提案があった。
このままでは軍部の力が増強されると危惧するのも分かる。
物理的な力をもたないビルドにとっては、いずれの提案も簡単に受け入れられるものではない、
しかしお気楽な大公が両方の嘆願をのむといってしまったからには仕方ない。
無謀な方法を押し付けていつまでも解決しないことを望むしかないのだろう。
ルージュ「それならそれで」
ロン「俺たちが優勝すれば誰も文句を言えないってことさ!」

この4人は大会そのものの結果だけではない賞品があるのだ。
それがより一層優勝を引き寄せる力になるというもの。
そういう意味ではあちらの彼らも強い目的を持ってこの大会に参加するようだ。

にろく「開会式でもあいつはあの白い本を持っていた、やはり間違い無いのか?」
ナル「あぁ間違い無い。遠くからでも強いマナを感じた。あいつが持つ書物は…」
メルト「まちがいなく太古の魔導書ですね!」えっへん!
ディック「俺も感じたぜ。禍々しいほどのマナをな」
ボルク「本当か!魔導都市で勉強した甲斐があったなディック!」
ディック「ああ。まぁ簡単な魔導ならすぐに会得しちゃうからな俺天才だから」
メルト「あなたの魔導なんてどれも初心者レベルですから!自慢にならないですよ!」
ディック「へぇ〜さすがメルト。お得意の物質転移で池に落ちるだけはあるな〜」ニヤニヤ
メルト「あ…あれは手元が狂っただけですから!いつもはうまくいきますもん!」
ナル「友人をあまりいじめないで欲しいな、それに魔導は人前で使うものじゃ無いって教えたよねディック?」
ディック「すいません調子乗りました…」
ナル「メルト、君もディックに惑わされちゃいけないよ。平常心を心がけるんだ」
メルト「…精進します」

ボルク「それにしてもディックに魔導の素質があるなんてなー」
にろく「魔導はいわば科学の一つだ。理論があり、操作があり、結果を得る。理解すれば誰にでも発動できるように体系作られた学問といえる」
ボルク「ますますディックには無理なものに聞こえてくるなー」
にろく「おそらくマナとは未元粒子のことだ。ディックは無意識的にその扱いに長けているのかもしれないな」
ボルク「つまり直感…!末恐ろしい子!」

どうやらディックは魔導都市で何かをつかんだようだ。
彼自身の力は計り知れない、将来が楽しみな逸材だ。
他の面々も頼もしいとは思うが、それこと優勝するにはいかようか。
かの聖国の騎士、EGO組織からの戦士もいるのだから。

そうそうナルが気にかけていた人物だけど、大会参加者じゃ無いからとくに情報はない。
もっとも俺の仕事には支障ないけどね。

「さーて仕事だ」
俺の名前はラモン。
怪盗集団グルービーの団長さ!

@大会運営本部事務所
大会が開催のされる中、俺たちは事務所の前に忍んでいた。
ラモン「静かに!手筈通りならもう少しだ!」
エイジ「…」
ラモン「さすがニンジャ。多くを語らないな!それより大会参加者を前にするとつい血が騒ぐよな!なんたって世界の猛者だぜ!熱く!滾る!その姿に!生き様にぃぃぃ!」
エイジ「…」

すると目の前の扉の鍵がカチャリと音を立てて外れ、扉の奥から女性が手招きした。
ラモン「お、予定通りだな!ばっちりだ!さ、いくか」
アリア「団長うるさすぎ。ニンジャ静かすぎ。」
ラモン「すまん!つい…」
アリア「まったく私が大会運営側に忍び込めたこと忘れないで。今回の取り分はずんでよ」
ラモン「そうだな!今回の獲物は大物だから取り分も大物だ!」
エイジ「…」
エイジ「さてさっさといただくものいただいて、大会観戦して帰るぞ」

そして俺たちはアリアの導きにより、難なく金庫のある部屋にたどり着いた。
金庫は見るからに頑丈で、複雑な鍵が取り付けられている。
だが、俺の手にかかればちょちょいのちょだ。
ラモン「さぁ皆の衆!お宝を頂戴しようでは無いか」
しかし振り返った先に2人の姿はなかった。
立ち上がりあたりを見渡すと、机のうえに大量に写真のようなものが散らばっていた。
よく見るとその中にアリアのそれを見つけた。
そこにはアリアの名前や利き手など個人情報の詳細が記されている。
さらに彼女の能力すらも。
ラモン「履歴書か何かか?それより本人はどこに…」

視界の隅に、いつの間にか、テレビで見た彼がそこに立っていた。
ラモン「な…何!」

トキシロウ「強者ならざるものに用はない。ラモン=カグラよ、お前の明日は消滅した」
ラモン「なぜ俺の名前を…ぐ!体から力が…抜けていく…」

彼は俺の身体に触れることなく、俺を意識の向こう側に送り届けた。
俺の記憶はここまでだ。後のことはこいつより強いものにでも聞いてくれ。

@大会決勝トーナメント
十也「よし!順当に勝ち上がってきたぜ」
結利「気のせいかな。よく見る面々が多いような気がするよ」
十也「まぁそんなこともあるさ」

参加者の様子をトキシロウは静かに見つめていた。
その目は何かを探しているようだ。
そして彼はついに見つけた。長年、追い求めてきたその断片を!
トキシロウ「やはりきたか!大会はこれを持って中断とする!」

主催者代理である彼により、大会はトーナメント最中で中断となった。
参加者、観客らのざわめきをよそに彼は彼の目的のために、その足を踏み出した。

トキシロウ「貴様は逃さんぞ!秘密結社スピノザ!!」

彼の眼が見つめる先にはいたものとは一体…
そして秘密結社スピノザとは…

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最終更新:2017年06月15日 01:01