~カリナン公国・
スライ達の家~
襲撃者たちとの戦いを終え、家へと戻ってきた一同。だがその中には欠けたメンバーがいた。
トニー「スライと連絡が取れません…」
ナル「
メルトもだ…」
にろく「俺たちが戦った2人は撃退に成功したが、残る1人を相手していたのはスライとメルトだったな」
きゅっぱ「ちっ!じゃあ2人はそいつに連れ去られたって事かい」
ナル「その可能性が高いね…」
トニー「襲撃者たちの目的はスライ達をさらうことだったんですか?」
にろく「それはどうだろうな…」
ナル「スライとメルトに共通する事項は見られない…この2人を狙ってきた可能性は低いんじゃないかな」
きゅっぱ「本来の目的は別にあったっていうことかい?」
ナル「僕はそう思うよ」
トニー「じゃあなんでスライ達が…」
ナル「そこまではわからないね…」
にろく「奴らの目的もわからない…2人は連れ去られてしまった…どうする?」
きゅっぱ「あれだけのダメージを負えば…次に行うことは…」
トニー「傷の回復…ですか」
にろく「そのために奴らが向かう場所…」
ナル「それはあそこしかないだろうね」
きゅっぱ「アイラッド村か!」
ナル「そう…だったら僕たちがやることは一つだ!」
トニー「アイラッド村に行き、スライ達を助け出しましょう!」
にろく「そうだな」
ナル「じゃあ準備ができ次第すぐにでもいこう!」
トニー「はい!待っていてくださいスライ!すぐ助けに行きますから!」
ナル(メルト…無事でいてくれよ…)
激戦のダメージも癒えぬままスライとメルトを助けるため、アイラッド村へと向かう一同。
2人の無事を信じ、彼らはカリナン公国を後にした。
~アイラッド村~
ダーナ「…」
静かに本を読みふけるダーナ。
ダグザ「ダーナ!」
そんな彼女のもとにダグザが姿を現す。その脇には全身にダメージを負いボロボロの
ヌアザとルーの姿もあった。
ブリギット「ヌアザ!ルー!どうした?その姿は!?」
二人の姿に驚くブリギット。
ルー「この時代の者たちは我々の予想を超える力を持っているようだ…」
ヌアザ「奴らの力を見くびっていた…」
ダグザ「あれのありそうな国を見つけたのはよかったんだがそこで2人は撤退を余儀なくされたってわけだ」
ダーナ「あれのありそうな国?」
ダグザ「そうだ。ルーの至宝。それがあるなら俺たちを封印した騎士のいる国だろ?」
ダーナ「何を言っている?私は至宝のありかをお前たちに伝えたはず…」
そこまで言ってダーナは何かに気づく。
ダーナ「そうか…これも数百年の衰えか。」
ブリギット「ダーナ神…?」
ダーナ「記憶の定着が上手くいっていなかったようだな」
ダグザ「どういうことだ?」
ダーナ「今の時代の情報はここの書物で大方得ることができた。お前たちが行った国はこの大陸にあるカリナン公国という国だろう」
ダグザ「確かにあの国はここから地続きであったぜ」
ダーナ「ならばそこはわれらを封印したダリウスが造った国ではない。別の国だ。」
ダグザ「なんだと!?それじゃあそもそもにして俺たちは無駄足を食ったということか!」
ダーナ「たとえダリウスの造った国…ラウズレイ王国に行ったとしてもルーの至宝はもうそこにはない。」
ダグザ「じゃあいったいどこにあるというのだ!いやまてよ…たしかダーナから聞いた気がする…」
ダーナ「…記憶の齟齬が出ているようだな。」
ダグザ「思い出したぞ!そうだ!」
ダーナ「ダグザ。お前は大丈夫なようだな。だが…」
ルーとヌアザはそれを思い出せないようであった。
ダーナ「どうせその体ではこれ以上戦えまい。新たな肉体を用意する必要があるな」
ブリギット「所詮はこの村の村人の体を元にした肉体。大した力は出せないのでしょう」
ダーナ「なにかいい素体があれば…お前たちの力も発揮できるのだがな」
ダグザ「だったらいいのがあるぜ!」
ダーナ「なに?」
ダグザ「カリナン公国でいい素体を手に入れた。こいつを2人の素体に使ってくれ。そんじょそこらの人間よりいいものだぜ!なんといっても特殊な力を持っていやがる!」
ダーナ「能力者というやつか」
ブリギット「我々のいた時代のあと、慈悲なる
シャカイナというものにもたらされた能力を持つ人間ですか」
ダーナ「素晴らしい素体だな」
ダグザ「ちょうど男と女、1人ずつ確保してきたぜ」
ダーナ「ならばそれをルーとヌアザの新たな肉体としよう」
二人に手をかざすダーナ。
ルーとヌアザの体がボロボロと砕け散る。
ダーナ「ダグザ!」
ダグザ「はいよ!」
どこからともなく大釜を取り出すダグザ。大釜に向かい手をかざすダーナ。
ダーナ「我が隷神。新たな肉体にその魂を宿せ!」
バシュン!
大釜から2つの光が地面へと突き刺さる。
ボコボコ!
その直後地面から2人の男女が姿を現す。
ルー「これが新たな体…」
ヌアザ「ふっ。これなら真価を出せそうです」
それはルーとヌアザの二人だった。先ほどまでのダメージは見る影もない。
ダーナ「我々は魂だけの存在。だがそれを宿す肉体が強靭なれば、その力は最大限に発揮される。今度こそ頼んだぞ」
ヌアザ「御意」
ルー「…あぁ」
ダグザ「じゃあ今度こそルーの至宝を取り戻してくるぞ!」
ヌアザ「至宝を持つもの…」
ルー「奴から我が至宝を…」
~EGOミストラルシティ支部~
十也「…というわけなんです」
EGO本部からミストラルシティ支部に戻るまでに起きた謎のEGOを名乗る部隊の襲撃。そのことのいきさつをカレンへと説明する十也。
カレン「アサルト・シャドー…お前を襲撃した相手は確かにそういったんだな?」
十也「間違いないです!2回も襲われたんで!」
カレン「そうか。ならばそいつらは今グリフ大陸にいる可能性が高い。」
結利「どういうことですか?」
カレン「お前たちがここに戻ってくる直前、EGOグリフ大陸支部がアサルト・シャドーと名乗る部隊に襲撃されたんだ」
十也「グリフ大陸支部に!?」
カレン「あぁ。だがグリフ大陸支部はその襲撃を退けたそうだ」
十也「よかった…」
カレン「だが気になることがある」
結利「?」
カレン「お前を最初に襲撃してきた部隊の隊長…」
十也「たしか
ケビン・ロダスと名乗っていました」
カレン「グリフ大陸支部を襲撃して来た部隊の隊長もそう名乗っていたそうだ」
十也「えっ!?そんな!」
十也を襲ってきたケビン・ロダスと名乗る男は彼らの目の前で自爆したはずだ。
カレン「グリフ大陸支部の監視カメラの映像がある」
モニターに映し出されるケビンの姿。それは紛いもなく十也たちの目の前で自爆したはずのケビン・ロダスであった。
十也「なんで…たしかにこいつは…」
カレン「死んだはず…か。
にろくたちの前にもこの男が現れたそうだ」
十也「にろく!?なんであいつらのところにこいつが?」
カレン「さあな。だがにろくたちはこいつの正体を探るためにグリフ大陸へと向かった」
にろくたちから聞いた話を十也と結利に伝えるカレン。
十也「そんなことが…」
結利「じゃあみんなはアイラッド村に?」
カレン「あぁ。ネオとケビンの繋がりを確かめるために行っている可能性が高いな」
十也「じゃあそこに行けばアサルト・シャドー…奴らの正体を掴むヒントが…」
十也のことをヘレティス2と呼ぶ赤髪の男。その正体もつかめるかもしれない。
十也「カレン長官!」
カレン「なんだ?」
十也「グリフ大陸への出張許可をください!」
カレン「それはアイラッド村へと行くということか?」
十也「はい!」
カレン「そうか…いいだろう!真実を確かめてこい!そして無事にここに帰ってこい!これは命令だ!」
十也「了解です!」
結利「あの~わたしもー…」
カレン「結利!お前は全力で十也をサポートしろ!」
結利「は、はい!」
こうして2人はアイラッド村を目指すことになるのであった。
~???~
ゲイン「うっ…」
ベッドの上で目を覚ますゲイン。
???「ようやくお目覚めのようね。ゲイン」
ゲイン「あぁ。待たせたな、フリアーデス」
フリアーデスと呼ばれる紫の髪の女性。
フリアーデス「こちら側での物資の確保には成功したわ。あなたも目覚めた。これで…」
ゲイン「こちら側での事に移れるというわけだな。こいつがな」
フリアーデス「えぇ。あなたの武器も修復しておいたわ」
ゲイン「体の調子も良好だ。今度こそヘレティス2。奴を倒す!」
己己の目的を果たすため、画策する者たち。彼らが交わるとき、世界は交差する。
to be continued
最終更新:2017年08月28日 22:14