襲い来るダーナ!原初の魔導士の力!

~アイラッド村~
十也「ふぅ」
一人佇む十也。先ほど十也の前に現れた人物たちはもう姿を消したようだ。
十也「思わぬ奴らに出会って驚いたな…って俺も急がないと!」
再び前へと走り出す十也。

~~~
ナル(どうする…)
ナルたちの前に現れたダーナ。彼女に奇襲をかける作戦は失敗してしまった。

ナル「なっ!」
突然驚くナルたち。ダーナがいつの間にかダグザのそばへと移動している。
にろく「あの力か…」
ウルズ「こう実際に使われると不気味な感じだな」
ツバメ「でもこれはまずいわ…私たちを一瞬で殺すことも彼女にはできるということ」
自分たちが置かれている状況に不安を募らせる4人。
ダーナ「まずはこれを回収しないといけませんね」
焼け焦げたダグザを掴み持ち上げるダーナ。
ナル「何をする気だ」
ダーナ「ふふふ」
不敵に笑うダーナ。

ボロボロボロ

ダグザの体が朽ちていく。
ウルズ「なんだ…中から何かが」
その体の中から一冊の黒い本が現れる。それを手に取るダーナ。
ナル「まさかそれは!」
ナルはその正体にすぐに気づく。それは魔導の民から失われた本。
ダーナ「察しがいいですね。といっても私の正体に気づいたあなたなら当然ですか」
ナル「原初の魔導書の一つ。黒の魔導書…」
ダーナ「御名答です。ダグザは他のメンバーとは違い、黒の魔導書を媒体に魂を定着させた存在。トゥアハ・デ・ダナンをまとめる存在として私が作り上げたのです…といってももうトゥアハ・デ・ダナンは私一人しかいませんが」
ツバメ「おとなしく観念してくれると助かるのだけれど…」
ダーナ「そこのお嬢さんはおもしろい冗談をいいますね」
ナル「ツバメ!挑発しちゃだめだ!」

キン!

直後ナルたちの動きが止まる。まるで時でも止められたかのように。
ダーナ「あなたたちの意識は止めさせてもらいました…聞こえないでしょうがね」
ダーナの力により意識を止められた4人。こうなれば彼らに成す術はない。
ダーナ「さてまずは」
ダーナが狙いをつけた相手それは…
ダーナ「さきほど私に生意気な口を聞いてくれたお嬢さん。あなたから始末してあげましょうか」
ダーナはツバメに向かって歩みを進める。そしてツバメの眼前へと差し掛かろうとしたその時!

ポワン!

突如地面からシャボン玉のような泡が現れる。
ダーナ「これは…」

パン!

シャボン玉が破裂する。するとそこから炎が発生しダーナへと襲い掛かる。

バチン!

だがその炎はダーナにいともたやすく消されてしまう。
ダーナ「この程度の魔導。私にとっては児戯のようなもの。私にこの女を狙わせるように仕向けたのまでは褒めてあげますが…まだまだ甘いですね」
ダーナはツバメへと手をかざす。
ダーナ「どう始末してあげましょうか。若い女性…新しい私の肉体として使うのもよさそうですね」

「そいつは願い下げだな」

シュン!

突如双剣を構えた人物がダーナへと襲い掛かる。
ダーナ「くっ!」
その双剣を済んでのところでかわすダーナ。
ダーナ「何者です…私の力の範囲内で動けるとは…あの鎧人形たちの仲間ですか」
リョウガ「ふっ。お前に教える必要はないぜ!」
ダーナの前に突如現れたリョウガ。いったいなぜ彼がここにいるのだろうか。
ダーナ「いいでしょう。私の邪魔をするというのなら始末するまで」
右手に持つ黒の魔導書のページを開くダーナ。
ダーナ「ケルト・ドルイダス!」

シュィン!

ダーナの左手に突如ケルト・ドルイダスが出現する。
リョウガ「それがお前の得物か。いくぜ!」
双剣を手にダーナへと攻撃を仕掛けるリョウガ。
ダーナ「このケルト・ドルイダスの前には!」

バチン!

ダーナを覆うように展開されたバリアに双剣がぶつかる。
リョウガ「へ~。そういう技か。だけど!」

パリン!!

ダーナを覆うバリアが割れる。
ダーナ「なぜだ!?大した力は感じられなかった…」
リョウガ「ざんねんだが俺の力はそういうものを破壊できるのさ」

ガキン!

ケルト・ドルイダスとリョウガの双剣がぶつかり合う。
リョウガ「俺の双剣を受け止めるか」
ダーナ「あまり調子にのらないでもらいましょうか」
リョウガ「なに!?」

ブン!

女性の力とは思えないほどの力で押し飛ばされるリョウガ。空中に放り出された状態だ。
ダーナ「そのまま塵と化しなさい」
ケルト・ドルイダスをその場で振るうダーナ。するとそこから無数の衝撃波がリョウガに向かい飛んでくる。
リョウガ「ちっ!まじかよ!」
空中では受け身を取ることもできない。
リョウガ「くそっ!」

ブン!

地面に向かい自らの双剣を勢いよく放り投げるリョウガ。

バコン!!

双剣が地面に衝突し、地面が砕けその土塊が宙に舞う。土塊にまぎれたリョウガの姿がダーナからは見えなくなる。だが直後

ザシュン!

無数の衝撃波が直撃する音が聞こえる。
ダーナ「最後の悪あがきですか。無駄だったようですがね」
リョウガ「そうでもないぜ!」
ダーナ「なっ!私の背後に!」
先ほどまであの土塊の中にいたはずのリョウガがいつの間にかダーナの背後へと現れる。さらに地面に投げたはずの双剣を手にしている。
リョウガ「まだまだぁ!」

ガキン!

リョウガの双剣がダーナのケルト・ドルイダスに受け止められる。
リョウガ「へっ!」
双剣から手を放すリョウガ。
ダーナ「なんだ…?」

ドン!

突如ダーナの体に衝撃が入る。まるで何かに殴られたかのように。
ダーナ「ぐっ!」
リョウガ「もらったぜ!」
双剣を再び手にするリョウガ。そのまま不意を突かれたダーナへと切りかかろうとする。
ダーナ「炎よ!」
ケルト・ドルイダスの赤い石が輝く。

ゴォォォ!!

直後ダーナとリョウガを遮るように炎の壁が出現する。
ダーナ「これで攻撃は…」

ザシュン!

ダーナ「なっ!」
ダーナのケルト・ドルイダスを持つ腕が何かに切り裂かれる。それはリョウガが持つ剣だ。
リョウガ「今度こそ決める!」
先ほどまでは2本の剣を持っていたはずのリョウガがなぜか剣を1つしかもっていない。それに違和感を覚えるダーナ。
ダーナ(急に消えて現れる…それに先ほどの打撃…)
リョウガ「うぉぉ!!」
ダーナ「くっ!」
襲い来るリョウガにケルト・ドルイダスで対応しようとするが先ほどの斬撃によるダメージでケルト・ドルイダスを落としてしまうダーナ。
リョウガ「決める!」
ダーナ「仕方ありませんね…」
何かを覚悟したかのように冷静になるダーナ。先ほどまでのリョウガに翻弄されていた様子が嘘のようだ。
ダーナ「原典回帰(シーエンスィグィ)!」

キュィィン!

ケルト・ドルイダスが光を放つ。そしてそのまま光となりダーナの持つ黒の魔導書へと吸収されていく。

ズン!!

辺り一帯にとてつもなく重い空気が張り詰める。
リョウガ「うっ!」
攻撃を仕掛けようとしていたリョウガは突然の空気にその場に固まってしまう。
ダーナ「おや?」
固まったリョウガの姿が変わっていく。それは…
ディック「なんだよ…この空気…」
ディックだ。彼が『ディスコネクト』で自身の姿の認識を変え、リョウガとして見せていたのだ。
リョウガ「ディック!」
リョウガが剣を構えダーナへと切りかかろうとする。
ダーナ「ふん」
ダーナの姿が消える。
リョウガ「なに!?」
突然の事態に驚くリョウガ。リョウガにはダーナの意識を止める力は効かないはず…
ダーナ「どうしました?私はここですよ」
背後を振り向くリョウガ。そこにはダーナの姿があった。
ダーナ「自分の存在を隠す…いや認識を変えるといったような力ですかね。おもしろい力ですが正体がばれれば私の力に抗うことはできないようですね」
ディックは石像のように固まってしまっている。ダーナの力に捕らえられてしまったようだ。
ダーナ「あなたはやはり力がきかないようですね」
リョウガ「そうみたいだな。あいにくだが俺は普通の人間じゃないんでな」
ダーナ「そうですか。ですが黒の魔導書の真価を解放した今。相手が何者であろうと関係のないこと」
ダーナの表情は余裕に満ちている。先ほどリョウガたちに翻弄されていた時とは別人のように。
リョウガ「その余裕。すぐにくずしてやるぜ!」
ディックの手にもつ剣をとり双剣を構えるリョウガ。
ダーナ「先ほどまでのお遊びとは違うということを教えてあげましょう」
黒の魔導書のページを開き手に持つダーナ。
ダーナ「無限闇(ウィサンディヒアン)」

グン!

黒の魔導書から黒い影のようなものがリョウガにむけて伸びる。
リョウガ「あたるかよ!」
それを避けるリョウガ。だが

ガバ!!

黒い影が別れ、無数の影が伸びてくる。それらはリョウガを取り囲むように迫る。
リョウガ「ぐっ…」

ズブズブズブ…

黒い影の中に取り込まれていくリョウガ。

ダーナ「無限の闇に囚われなさい」
リョウガ「くそ…」
影はリョウガを取り込みその場で丸い球体のように漂っている。
ダーナ「思わぬ敵でしたが原初の魔導書の力を解放した私の前には敵ではありませんね。ん…?」
辺りを見回すダーナ。
ダーナ「奴らが…いない」
ナル、ツバメ、ウルズ、にろくの4人の姿が見当たらない。
ダーナ「私の力で意識を奪われているはず…どうやって移動した」

~ダーナがナルたちが消えたのに気づく数分前~

ナル「はっ!」
ツバメ「ここは?」
意識が戻ったナルたちは先ほどまで自分たちがいた場所と違う場所にいることに気づく。
にろく「移動している…?」
ウルズ「なにが…」
状況を飲み込めない4人。

「目覚めたか。十也の言っていた通り奴の力の範囲を出れば意識は戻るようだな」

ナル「あなたは!」
にろく「なんでお前がここに?」
驚く4人。なぜ彼がここにいるのか。
「このままではディックたちが危ない。ソナタたちの力を貸してくれ」

to be continued

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最終更新:2018年01月29日 23:29