~EGOミストラルシティ支部~
ネオ「飛行島…それに
オリジネイター…」
突如ミストラルシティ上空に現れたオリジネイターと名乗る
謎の男、栄光のグローリ―。
そして街を襲撃した強靭のバインザー。
彼らの出現によりネオたちEGOミストラルシティ支部は厳戒態勢になっていた。
ネオ「奴らの目的はいったいなんなんだ…。それに…」
ネオはモニターの一つを見る。そこには医務室の映像が映し出されていた。
ネオ「カレン君…」
医務室には横たわるカレンの姿が。強靭のバインザーと戦い勝利したカレン。しかし彼女も無事では済まなかった。
肉体へのダメージはすさまじくEGOに戻ってきた直後に倒れ、そのまま今は医務室で安静状態になっているのだ。
ネオ「命には別条がないみたいでよかったよ。でもまさか、あのカレン君をここまで追い詰めるなんて。」
カレンはEGOミストラルシティ支部の中で1番の実力を持つ。その彼女がここまで苦戦する相手に、残ったEGOメンバーで勝てるだろうか…
ネオ「奴らはまた襲撃してくるだろう。その前になにか手を打たなくては…」
~~~
にろく「今回の任務…なかなか骨が折れそうだな」
ナル「う~ん、そうだね~」
ミストラルシティの街中をあるくにろくとナル。2人はただ散歩しているわけではない。
にろく「オリジネイター…か。」
EGO秘密諜報部の構成員であるにろくに与えられた今回の任務、それは。
「オリジネイターに関する情報をあつめろ」
ナル「って言われてもね。手さぐりにもほどがあるよね」
にろく「そうだな。悪いな、こんなことを手伝わせてしまって」
ナル「何言ってんの!僕と
にろくのなかでしょ。ぼくたちなら何とかなるさ♪」
といっても奴らの手がかりがないのは事実。さていったいどうしたものか…
とりあえず手がかりもないままミストラルシティの街中の怪しい場所を探しまわる2人。
ビルの隙間、屋上、下水道の中…
ナル「ねぇ、にろく」
にろく「なんだ?」
ナル「あいつらってあの飛行島にいるんだよね?」
にろく「たぶんそうなんだろう」
ナル「だったらこの街のなかには手がかりはないんじゃないかな…」
にろく「はっ…」
それはそうか。ミストラルシティ上空に現れた飛行島。あそこが奴らの拠点。ということは…
にろく「あの飛行島に行く方法を考えないといけないのか」
ナル「う~ん。雲の上にある島に行くのは飛行機でもかりないと無理なんじゃない?」
飛行機…か。あの島に行くというのは現実的に考えて無理か。はて、どうしたものか…
ナル「前に現れたオリジネイターみたいに相手から出向いてもらえればね」
にろく「あぁ。姿さえ見つければあとはこっちのものだ。」
そうだ。奴らが以前のように現れればそいつを捕まえればいい。それが一番確実な方法だ。
にろく「だが目的もわからない以上どこにいつやってくるのかもわからないな」
ナル「そうだね。う~ん」
考え込む二人。とそのときナルが閃く。
ナル「そうだ!もういちど最初の現場にいってみよう!」
にろく「最初…オリジネイターが現れた場所か!だがあそこはすでにEGOで調査されているだろう」
ナル「でもさ!なにか見落としているものがあるかもしれないよ!」
にろく「う~ん。そうだな。ほかに手がかりもない以上、そこにいってみるか」
こうして2人は強靭のバインザーが現れたポイントへと向かうのであった。
~~~
にろく「ここか…」
オリジネイターが現れた場所についたにろくとナル。
強靭のバインザーによって周囲の建物は破壊され、がれきの山となっている。
ナル「なにか手がかりになるものは~っと」
あたりを見回し手がかりになるものを探すにろくとナル。
にろく「んっ?これは…」
光り輝くものをみつけたにろく。近づきそれを手に取る。
にろく「ブレスレット…か?」
腕輪…のように見える。だがそのデザインは見たことがないものだ。なんだが近未来を思わせるようなデザインをしている。
にろく「これを調べれば何かわかるかもしれないな。おい、ナル!」
ナル「どうしたの、にろく?」
にろく「怪しいブレスレットを見つけた」
ナル「本当!?やったね!」
にろく「あぁ。早速もどってこれを…」
???「おい!おまえら!」
後ろから突如声が聞こえた。振り向くにろくとナル。
???「やっぱりあいつここに落としてやがったか。そのブレスレットは俺様達のものだ。返してくれないか?」
気の強そうな男が立っていた。周りにある程度注意は払っていたはずだ。だがこの男の接近に全く気が付かなかった。
にろく「…」
ナル「…」
警戒を強める2人。2人と男の間に緊張が走る。
気の強そうな男「おいおい。そんなに警戒するなよ。なにもお前らを取って食おうってわけじゃないんだざ。そのブレスレットを返してくれればな。」
ナル「逆に言えばブレスレットを渡さなければ…?」
気の強そうな男「お前たちの命はないとおもったほうがいいぜ」
にろく&ナル ゾクッッ!!
2人に向けてものすごい殺気が向けられる。
にろく「おい、ナル。あいつの右腕…」
ナル「あっ!」
男の腕にはブレスレットが。にろくたちが持っているものと同じデザインだ。
ナル「このブレスレットが前に現れたオリジネイターがつけていたものだとすれば…」
にろく「同じブレスレットをつけている奴は…」
気の強そうな男「どうした?コソコソ話なんかして?俺から逃げる算段でもたてているのか?無駄無駄、やめとけ!」
にろく「お前オリジネイターか?」
気の強そうな男「おっ?そうだと言ったら?」
ナル「その返答はイエスと受け取ってよさそうだね」
にろく「だったら話ははやい。このブレスレットは渡さない。そしてお前も捕まえさせてもらう!」
戦闘態勢をとるにろくとナル。
気の強そうな男「は~。いい根性してるなぁ、お前たち。この俺様を捕まえる?ハハッ!面白い冗談だぜ!できるもんならやってみな!」
ナル「お望みどおりに!先手必勝だよ、にろく!」
にろく「あぁ!『プラグオン』!」
地面に手をかざすにろく。
気の強そうな男「なにをする気か知らねぇが!いくぜ!」
男は地面を蹴り2人と距離をつめようとする…だが
気の強そうな男「なんだ?」
男の足が地面に埋まっている。その場から身動きをとれない。
ナル「ここの地面はコンクリートでできている。にろくの能力でコンクリートの成分の一部を取り出したのさ!」
気の強そうな男「なるほど…コンクリートを成型前の状態にして俺様を生き埋め状態にして身動きをとれなくしたってわけか」
にろく「奴の足にはコンクリートがまとわりついて動きが遅くなっている。このうちに捕らえる!」
ナル「いくよ!」
にろくとナルは男を捕えようと動こうとする。
にろく「なに?」
ナル「足が…重い!?」
足元を見る二人。二人の足は男の足と同じようにコンクリートに捕られている。
ナル「なんで!?」
気の強そうな男「まさかな」
にろく「!?」
気の強そうな男「俺様と似た能力を持つ奴と会うとは思わなかったぜ」
男はいつの間にかコンクリートがとれている。
ナル「なんで!?」
気の強そうな男「俺様の能力『収穫』は触れた物体から要素を奪う。お前たちのいる場所のコンクリートから成分を奪うことで俺様と同じ状態にしてやったってわけだ」
男は手を開き前に突き出しナルに向かってくる。
ナル「まずい!」
にろく「『プラグオン』!俺たちにまとわりついてるコンクリートから水分を取り出す!」
水分を取り出したコンクリートは砂と石になる。二人にまとわりついていたコンクリートは剥がれ落ちる。
ナル「くっ!」
ぎりぎりで男の手をかわすナル。
気の強そうな男「ほぅ。なかなかやるな。俺の手が触れていたらお前は体中の水分を奪われ死んでいたからなぁ。惜しい惜しい」
にろく「やつは人間に対しても能力を使えるのか…」
気の強そうな男「なんだ?ってことはお前の能力は人に対して使えないのか?俺様の下位互換ってわけだ!」
ナル「ちっ!やっかいだね。あいつの手に触れたら一発でアウトだ。」
気の強そうな男「ハッハッハッ!俺様を捕まえるって言っておいてその程度か?オラオラ!」
男は地面に手をつける。周囲の地面がどんどん成型前のコンクリートとなり液状化していく。
にろく「まずい!」
ナル「いったん態勢を立て直そう!」
あたりを見回すナル。
ナル「あそこだ!」
バインザーの襲撃時に損害が少なく倒壊を免れたビル。そこに逃げ込む2人。
気の強そうな男「建物の中に逃げるか…。これでお前らの逃げ場はなくなったようなもんだ。さーて、ネズミ狩りとしゃれこもうか」
~~~
ビルの中を奔走するにろくとナル。
にろく「あいつと真向から勝負するのは分が悪過ぎる。」
ナル「そうだね。そもそも僕たちの能力はそういう戦いかたには向いてないからね。でも…」
にろく「でも?」
ナル「僕たちには僕たちの戦い方がある!」
~~~
ビルの中を進む男。
気の強そうな男「どこに行きやがったんだ奴らは…。んっ?」
男は地面に落ちている砂と石に目をやる。
気の強そうな男「コンクリートの残りかすか。奴らにげるのに必死で他のことに気をやる余裕もなかったか。これを追っていけばいいってわけだ」
2人の足についたコンクリートの残りかす。それを目印に男はビルの中を進んでいく。そして…
気の強そうな男「ここか…」
男は一つの部屋にたどり着いた。ほかに出入り口は見当たらない。ここに2人が逃げ込んだのは明白であった。
気の強そうな男「さーて。鬼ごっこもここで終わりだ!」
男は部屋の扉を開け中に入る。
気の強そうな男「んっ!?」
部屋の中は粉が舞い、視界が悪くなっていた。粉を手に付け確認する男。
気の強そうな男「石灰か。おおかた、そこらへんにあったものでの目くらましってとこか…。だが」
部屋の中を見回す男。部屋の奥に2つの人影を捉える。
気の強そうな男「今程度の目くらましではみえみえだぜ!詰めが甘いな!」
人影の一つが動く。
にろく「『プラグオン』!」
突如部屋の中に水が放流される。ひざ下ぐらいまでが埋まるほどの量だ。
気の強そうな男「なんだ?足止めのつもりか?」
そしてもう一つの人影が何かを取り出す。そのとりだした何かにもう1人が手をかざす。
気の強そうな男「水で満たされた部屋…。そして奴は何かを取り出そうとしている…。なるほどな!わかったぜ!お前たちの狙いが!」
男は水に手をかざす。
気の強そうな男「『収穫』!この水をすべて奪う!」
部屋の水が男の能力によりなくなる。男はそのまま人影に向かって手を突き出し間合いを詰める。
気の強そうな男「『収穫』!お前の体から水分をすべて奪う!」
男は2人が取り出したものを確認する。それは…
気の強そうな男「やはりな。」
AED。人命救助用の装置だ。人体に対して電流を流し心肺組成をおこなうものだ。
気の強そうな男「これから電流をとりだし、水に浸っている俺様を感電させようとしたってわけだ!だが残念だったな!お前たちの浅はかな作戦なんて俺様には通用しないんだよ!」
もう一つの人影に向かって手をかざす男。
気の強そうな男「『収穫』!」
ナル「いまだ!」
にろく「『プラグオン』!」
気の強そうな男「なに!?」
2人の声が聞こえる。何故?片方は先ほど…
ナル「詰めが甘いのはお前のほうだ!」
先ほど収穫を使い、水分を奪い殺したはずの人影から声が聞こえる。男は声のする人物を確認する。すると
気の強そうな男「なんだ?ロボット?」
そう、警備用にビル配備されていたロボットだ。男は勝利を確信していたためしっかりとその姿を確認していなかった。
そしてもう1つの人影も確認するとやはりそちらもロボットだ。
にろく「俺たちの目的はお前をその部屋に閉じ込め、お前が勝利を確信し油断する瞬間をつくることだった」
ナル「そう。そしてその部屋には石灰が充満している」
二人の声はロボットから発せられている。
気の強そうな男「まさか!?くっ!『しゅ…」
にろく「もうおそい!『プラグオン』!」
にろくの能力により部屋に火花が発生する。その瞬間、石灰の粉で満たされた部屋の中でものすごい爆発が起きる。そう男がいる部屋の中で。
ハーベスト「この豊穣のハーベストが!この程度でぇ!!」
男の断末魔が聞こえる。部屋の外に隠れていた二人は爆発の衝撃がやんだのを確認すると立ち上がる。
ナル「ここまでお前を誘導するためにわざとコンクリートのかすをこぼしてきたのさ。」
にろく「まさかこんなところで、ミストラル号事件の時に手に入れた駆動鎧の遠隔操作ウイルスが役に立つとはな。それにしてもうまくいってよかったな」
ナル「なにいってるのさ。僕の能力『マスタープルーフ』とにろくの力があれば無敵だよ♪」
ナルの能力マスタープルーフは未来を確定させる能力。条件、場所さえ整えばその能力は完全無的!あらゆる偶然という名の不確定要素を無視できるのだ!
にろく「そうだな。ミッション完了だ!」
オリジネイターの一人豊穣のハーベストを撃破したにろくとナル。2人はこれからも戦いの渦へと巻き込まれていくのであろう。
だが2人の力が合わさればどんな強敵をも倒すことができる。そう彼らなら!
~???~
グローリー「まさかハーベストがやられるとは…」
少年「予定外だったね。僕たちの思っている以上の力がここには存在しているんだね」
黒髪の男「次は俺が…でよう」
グローリー「そうですか。では頼みましたよ、幻影のビシオン」
to be continued
最終更新:2016年10月02日 18:37