息つかぬ戦乱!混乱する世界!

~レムリア大陸・EGO本部~
崩壊した瓦礫を片付けるEGO隊員たち。EGO本部であったそこは建物も崩れ、数多の瓦礫が鎮座する崩壊地となっていた。
モニカ「まずは各地のEGOと連絡を取り合わなければ」
グリンツ「簡易的に設置したこのテントでしばらくはやるしかなかろう」
EGOの隊員たちにより設営された多数のテント。ここが仮のEGO本部として機能することになるようだ。
リヴァーレ「本部回線によりオウリギンからの指令を破棄し、新たにグリンツ本部長官からの指示に従うよう伝令を送りました」
グリンツ「武力による制圧は何も生まん。我々EGOがなすべきは弾圧される人々の助力となることだ。ミゲル、オウリギンの目指した道は断じて許されるものではない。今のEGOは人々の信頼を大いに失っている。その信頼を取り戻すのは容易なことではない」
ボルドー「そうじゃの。一度失った信頼を取り戻すのは大変なことじゃ」
各国に武力による制圧を仕掛けたEGO。その不信感は世界全てを敵に回しているようなものだ。
グリンツ「厄介な宿題を残していってくれたな…」
ボルドー「時間をかけて取り戻すしかなかろう。こればかりはな」
グリンツ「そうだな。今はまず…」
テント内のモニターに目をやるグリンツ。モニターに映し出されるニュース映像には世界各地で暴れる石の鬼の映像が映しだされていた。
マードック「石像の鬼が世界各地で暴れている…何がおきてるんだ」

バッ!

テントの幕が開く。
ツバメ「お邪魔するわ」
テントの中に入ってくるツバメ、にろくきゅっぱの3人。
グリンツ「今寄崎社長。君とその仲間たちにはだいぶ迷惑をかけた。EGOを代表して私が謝罪する」
深々とツバメに頭を下げるグリンツ。
ツバメ「あなたが謝ることではないわ。それにもう済んだことよ。それよりも…」
モニターに目をやるツバメ。
ツバメ「今はこの石像たちをどうにかするのが先決よ」
にろく「一難去ってまた一難だな」
きゅっぱ「テロリストとして追われるのが終わったと思ったら今度は鬼退治かい」
マードック「今入った報告によるとモゴラ大陸はメルディア=シール、ラウズレイ王国、アルバンダムとタウガス支部が協力して石の鬼の対処を行っているそうです。タウガス支部の李龍静(リー・ロンジン)さんからの報告です」
モニカ「ミストラルシティ支部にいるリオル元本部技術長からも報告が入りました。現在ミストラルシティも石鬼との戦闘に入っているそうです。支部の隊員とカレン長官が応戦中とのことです。」
グリンツ「グリフ支部はどうなっている?」
リヴァーレ「グリフ支部は何度も通信を試みているのですが繋がりません」
ツバメ「グリフ大陸支部にいるはずのアポロンたちとも連絡が取れないの。グリフ大陸支部でなにかあったと考えるべきね」
きゅっぱ「石鬼たちにアポロンたちがやられたっていうのかい?」
にろく「石鬼たちにあのアポロンがやられるとは思えない」
ツバメ「そうね。だとすれば石鬼以外の敵が現れたと考えるべきね」
モニカ「石鬼以外ですか…」
リヴァーレ「石鬼以上の力を持つ存在…この状況で考えられるのは…」
グリンツ「石鬼を操る存在か」
ツバメ「そうね。石鬼を使役している者。私の予想ではそれは地縛民ね」
マードック「地縛民!グリフ大陸のノワール地区に住む民族か。彼らがなぜ…」
ツバメ「理由はわからないわ。でも各地でその予兆が現れていたの。ナルやにろくたちの前に現れた地縛民。彼らは石像の化物を引き連れていたわ」
にろく「俺と結利、エミスが対峙した奴だな。たしか…地縛民の強硬派。奴は今こそが神の顕現にふさわしいと言っていた」
ボルドー「この石鬼が世界中にあふれ出している状況がそれに関係しているということなのかのぅ」
グリンツ「神の顕現…地縛民にとっての神となれば…」
彼らにとっての神。考えられる存在は一つしかない。
モニカ「シャカイナ…この地球に降り立ったといわれる存在。それが今復活するというのでしょうか」
リヴァーレ「石鬼たちの出現はその予兆だというのか」
ツバメ「何とも言えないわね。それについては判断材料が少なすぎる。なんにしても今わかっているのはグリフ大陸支部で何かがあったということと石鬼たちの後ろには地縛民がいる可能性が高いということ」
きゅっぱ「だったらこの事態を収束させるために、行くべき場所は決まったね」
にろく「グリフ大陸だな。まずはEGOグリフ大陸支部を目指す」
ツバメ「えぇ。アポロンたちの行方も調べるためにもね」
グリンツ「今寄崎社長。君たちにはいつも迷惑をかけるな。本来ならば我々EGOが対処すべきことなのだが…」
ツバメ「構いません。今のEGOは組織の再編および各地の石鬼の対処に周るのが先決です。この状態で敵の本丸の調査と対処を行えるほど余裕はないでしょう」
グリンツ「おっしゃる通りだ。面目ない」
ツバメ「気にされることはありません。私たちも大切な仲間の安否が心配ですから。お互いにできることをやりましょう」
グリンツ「うむ。ではたのむぞ今寄崎社長。こちらも再編が完了し次第すぐに応援に向かう」
ツバメ「えぇ。私たちはグリフ大陸へ向かいます、お互いに御武運を」
~EGO本部・正門前~
ヒルデ「ふぅ~ん」
エミスの鎧に装着されているハウリングユニットを嘗め回すようにまじまじとみるヒルデ。
エミス「す、すいません。これはあなたの物なんですよね。お返しします」
ヒルデ「いえいえ。試験的に造った装備ですから。それにこれをあなた以上に使いこなせるデバイサーがいるとは思えませんので引き続きお使いください」
エミス「いいんですか?」
ヒルデ「えぇ。ハウリングユニットの戦闘データを送ってさえいただければそのまま使用していただいて構いません。あなたに使っていただいたほうが実戦データの収集がはかどりますわ。では私は会社に戻りますので今寄崎社長によろしくお伝えください」
そういうとヒルデは自社の社員とともにトレーラーで去っていった。
十也「すごいなエミス!自分で装備をパワーアップさせるなんて!」
結利「他の武器をつけるエミスの能力って私のコネクトみたいな能力なんだね!」
エミス「そうですね。自分でも能力についてはまだわからないのですがそういう能力みたいです」
ウルズ「さて、EGOとの決着はついたがこれで終わりとはいかない事態だな」
昴「そうだね。石の鬼…世界各地で暴れているこいつらをどうするかってのがこれからの課題って事かい」
十也「そうだな。っていってもやるべきことは決まっているけどな」
ゲイン「石の鬼たちを倒すか?」
十也「あぁ。世界中で暴れているあの石鬼たちを倒す!」
ゲイン「殊勝なことだなヘレティス2。愚直なお前らしい」
十也「目の前に困っている奴がいたら助けるのは当たり前だろ!」
ウルズ「ふっ。おまえのそういうところがうらやましいぜ」
ゲイン「だが問題を解決するにはただ愚直に進むだけでは解決できない」
十也「どういう意味だ?」
昴「あの鬼たちを倒すしていくだけでは事態は解決しない…ってこと」
ゲイン「そうだ。世界中に溢れ出るように湧いて出た石鬼。それを生み出した奴がいる」
結利「それって…」

ツバメ「おそらく地縛民よ」

ツバメとにろく、きゅっぱがテントから戻ってきた。
ゲイン「今までの状況からそう考えるのが妥当だ」
EGOへ襲撃を仕掛けた際、各地に現れた地縛民。それぞれ蛇、虎、鳥を模した石像を彼らは連れていた。
ツバメ「この事態にはあの地縛民たちがなんらかの関係をしていると思うわ」
十也「地縛民か…」
起源のオリジンとの戦いを思い出す十也。オリジンを新たなる神の顕現と崇めていた地縛民たちの姿が思い出される。
にろく「グリフ大陸にいるアポロンたちと連絡が途絶えている。アポロンたちに何かあったのかもしれない」
ウルズ「あのアポロンがか?」
にろく「そうだ。だからこそ急ぐ必要がある」
昴「アポロンたちが向かったのはEGOグリフ大陸支部…」
結利「じゃあ目指すはEGOグリフ大陸支部だね」
ツバメ「そうね。準備ができ次第グリフ大陸へ向かうわよ」
きゅっぱ「であんたはこのままあたしたちについてくるのかい?」
ゲインへと問いかけるきゅっぱ。
ゲイン「乗りかかった船だ。下船するまではともに行かせてもらう」
十也「助かるぜゲイン!」
ゲイン「勘違いするなヘレティス2.別にお前のためではない。」
十也「それでもいいさ。改めてよろしくなゲイン!」
ゲイン「あぁ。(これも運命か…それに…)」
並行世界での出来事を思い出すゲイン。自分たちのためにヘレティス5を足止めするため、その命を落としたアポロンたち。世界は違えどアポロンたちにその恩を返す時が来たのかもしれない。
ゲイン(この世界に転移してこれたのもアポロンたちの時間稼ぎがあったからこそだ。その恩を返す時が来たのかもしれんな。こいつがな)
ティスシス(あら~。ゲインにしては随分と殊勝ですのね)
ゲインの中にいるティスシスがゲインに語り掛ける。
ゲイン(人の心を読むな!おとなしく寝ていろティスシス!)
ティスシス(ふふふ。は~い!わかりましたの~)
そういうとティスシスは眠りについたのか反応が消える。
ゲイン(奴との共同体というのも楽ではないな…)
こうして十也たちはグリフ大陸のEGO支部へと向かうのであった。連絡が途絶えたアポロン、キノ、ディックの3人。彼らの安否を確かめ、石鬼の背後に潜む存在の正体を突き止めるために。

~グリフ大陸・ノワール地区某所~
ニコロ「メサイアの系譜も大したことはありませんでしたね」
ニーノロータ「それは御神(おんかみ)の力があってこそ」
ジョルジュ「ニコロ様。神はいつお目見えに?」
ニコロ「もう間もなく。恐怖に包まれた世界。神が目覚める舞台は完成されている」
モリコーネ「ではそのお披露目は…」
ニコロ「神の顕現は盛大にだ。我らが民に新たなる神の姿をその眼に焼き付かせるのだ」

to be continued

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最終更新:2020年03月19日 21:54