十也「グローリー!?なんで!?」
結利「オリジネイターシステムは壊れたはず…どういうこと?」
驚きが隠せない十也と結利。
オリジン・ルーツ「ネオの造ったクロー、アサルト・シャドー…それにオリジネイターシステム。なぜそなたらが…ありえん」
グローリー「ありえないなどということははありません。あなたが死者の魂を呼び出せるのなら私たちにも魂があったということです」
オリジン・ルーツ「我はそなたらを召喚した覚えはない…」
コード・ヴァーダンド「だが我らは存在する。それが答えだ」
ガーランド「我が野望…闘争の世界は否定され敗れた。だがお前の存在を許容するわけにはいかん」
無数の地縛征獣のまえに立ちはだかる3人。何が起こっているのか理解できない十也たち。だが彼らにも理解できることはある。それは頼もしい仲間がいままここに増えたということ。
十也「
オウリギン!お前に俺たちは屈しない!」
ツバメ「そうね。
エミスを救い、あなたを倒す!」
ディック「
サフォーの意思を継ぐためにも!俺はおまえなんかに負けるわけにはいかない!」
オリジン・ルーツ「愚かな…どんな手段を使ったか知らぬが。お前たちごときが増えたところでこれだけの地縛征獣を倒すことなど…」
ガーランド「戦力差は歴然。こちらの圧倒的不利。どうするゲイン?」
ゲイン「決まっている」
ティスシス「そうですの」
コード・ヴァーダンド「これだけ不利な状況でもそなたらならば」
アポロン「決まっている」
キノ「そうね」
ボルク「あぁ!逆に燃えるぜ!」
グローリー「天十也。あなたたちの力となりましょう」
十也「おぅ!いくぞみんな!エミスを助けてオウリギンをぶっ倒す!」
地縛征獣たちと戦いに挑む十也たち。
オリジン・ルーツ「理解できん…策もなくこれだけの数に挑むなど。やはり愚かな…」
グローリー「最初から全力でいかせていただきます。『栄光』」
ブォン!
グローリーの前方に群がるアニマたちの立つ空間が光に包まれる。
グローリー「
スライ、ディック。あなたたちの能力は私と相性がいい。協力していただけますか?」
スライ「当たり前だろ!」
トニー「はい!オウリギンを倒すためにやります!」
グローリー「では行きますか。光子化(フォトナイズ)!」
サァァ…
3人の体が光となっていく。
グローリー「光の速さの攻撃。その身に受けなさい」
上半身を実体化させ出現するグローリー。
ヴン!!
光の剣をその両手に持つグローリー。
スライ「いくぞ!トニー!」
トニー「はい!スライ!」
ドバババ!!
グローリーの光の剣とスライ、トニーの拳撃が光の空間の中で繰り出される。体を光と成した3人の攻撃は捕えることもできない。次々と倒されていくアニマたち。
グローリー「この光子空間のなかでは私に勝てるものなどいません!スライ!」
スライ「あぁ!とどめいくぞ!」
トニー「はい!」
スライ「グローリー!お前の力を借りる!シャイニーマジック!『フォトンライン』!!」
ヴン!
グローリーが造り出した光の空間内に展開される無数の光子の線。
スライ「シャイニーマジック『フォトン・ウィップ』!」
バシ!バシ!バシ!
光子の線が次々とアニマたちに鞭のように叩きつけられる。アニマたちは鞭に叩かれながら一点に集められる。
スライ「シャイニーマジック『フォトン・ネット!』」
バシン!
光子の鞭が網のように形成されアニマたちをその光子の網に取り囲む。
スライ「捕えた!」
トニー「『ライトニング・ボルト』!!」
ドゴォン!!
上空から放たれる雷が網に捕われたアニマたちに放たれる。放たれた雷はアニマたちを覆う光子の網を伝わるように流れ、帯電している。
グローリー「収束しなさい光子空間(フォトン・フィールド)!」
ヴン!
グローリーの言葉に応じるように光子空間がアニマたちの足元へと収束していく。
ドッ!
アニマたちの四方を囲う光子空間。その上部にのみ小さい穴が開いている光子空間。光の壁に四方を囲まれ姿が見えないアニマたち。
グローリー「さぁ。思う存分どうぞ」
トニー「えぇ。いきます!『ライトニング・ボルト』!!」
ドゴン!
雷が光子空間に拘束されているアニマたちに放たれる。
スライ「グローリー!」
グローリー「えぇ。収束しなさい!」
バッ!
右手を握るグローリー。それに応じるようにアニマたちを囲む光子空間が縮んでいく。
ググググ!!
スライ「シャイニーマジック!」
ババババ!!
光子空間内の電撃が当たりに放電が広がっていく。
スライ・トニー「『フォトニング・プレッシャー』!!」
ボン!!
光子空間に圧縮され消滅するアニマたち。
グローリー「始めての共同戦線にしてはうまくいきました。感謝します」
スライ「それは俺たちのセリフだぜ」
トニー「あなたの力のおかげですよ!」
グローリー「謙虚ですね。敵はまだいます。気を抜かぬよう」
~~
ゴォォォ!!
アマービレたちの生み出す突風が襲う。
ゲイン「くっ!」
ウルズ「これじゃあ動きが取れない…」
ガーランド「前に進むことも敵わぬ突風か。だが!」
ギュィン!
アーヴァヘイムの目が怪しく輝く。
ガーランド「MDS(マイクロ・ディメンジョン・シフト)システム起動!」
ヴン!
アーヴァヘイムの姿が消える。一瞬にしてアマービレたちの背後に移動するアーヴァヘイム。
ウルズ「転移システム!?」
ヴン!ヴン!ヴン!
分身するアーヴァヘイム。
ガーランド「『轟迅弾』!!」
ボッ!
分身した無数のアーヴァヘイムから放たれる右腕。その右腕は勢いよく射出されアマービレたちを撃ち貫く。
ヴン!
ゲインたちの元に転移するアーヴァヘイム。
ガキン!
アーヴァヘイムの右腕部に射出された右腕が装着される。
アマービレ「…」
ガーランド「数が多いな。」
ゲイン「あんたの力は強力だ。だがこれだけの数を相手にするには一人では…」
ガーランド「…一度死んだ身だ。恥も何もありはしない。死んだものは生者にその意思を託すのみだ。お前たちと力を合わせよう」
ウルズ「随分とものわかりがいいな」
ガーランド「死してわかることもある。だがお前たちは死ぬべきではない。死んだ俺が言うのだから説得力がある言葉だろう」
にやりと笑うガーランド。
ゲイン「ふっ。それもそうだな」
ウルズ「俺たちはまだ死ぬつもりはない!いくぜ!」
バッ!
右手を前に突き出すウルズ。
ガーランド「へレティス1…お前と共闘することになろうとはな…。ゲイン!」
ゲイン「わかっているガーランド!」
ウルズ「全力でいく!昇華機構解除!」
ガーランド・ゲイン「「リミット解除!!」」
キュィィン!!
アーヴァヘイムの各部に装着されている球体とゲインの腕部ユニットの球体が赤く輝く。そしてウルズの体が金色に輝く。
ガーランド・ゲイン「「コード・『轟塵(迅)(ごうじん)』!」」
ヴン!
無数に分身しながらアマービレたちに攻撃していくガーランド。
ゲイン「粒子光弾!」
ババババ!!
無数の粒子の弾を放つゲイン。ガーランドとゲインの攻撃に次々に怯んでいくアマービレたち。
ガーランド「叩き落とす!」
ヴン!ヴン!ヴン!
無数に分身するアーヴァヘイム。アーヴァヘイムが全てのアマービレの前に立ちはだかる。
ガーランド「ぬん!」
構えをとるアーヴァヘイム。
ガーランド「『迅王手(じんおうしゅ)』!!」
ズン!!
アマービレたちの体を貫くアーヴァヘイムの手刀。アーヴァヘイムに一斉に狙いを定めるアマービレたち。
ゲイン「この隙。逃さん!」
バッ!
両腕を交差するゲイン。
ヴン!
ゲインの腕部ユニットの肘部から展開される粒子の刃。
ゲイン「全て切り裂く!」
バシュン!!
粒子の刃がさらに大きな刃へとなる。巨大な翼のように展開される刃。
ゲイン「いくぞ!へレティス6!」
ティスシス「行きますのよゲイン」
ゲインを押し出すように吹き飛ばすティスシス。強大な粒子の刃を構えアマービレたちに突撃するゲイン。
ゲイン「轟翼鳳(ごうよくほう)!!」
ドドドド!!
次々とアマービレたちを切り裂いていく粒子の刃。
アマービレ「…」
残ったアマービレたちが空中で無防備になったゲインへと狙いを定める。
グォン!!
ゲインへと突進してくるアマービレたち。
ゲイン「この状況では防御の体制はとれん。だが心配する必要はなさそうだ、こいつがな」
ガッ!
ゲインと突進するアマービレに何かがぶつかる。5本の爪をもつそれは彼の腕。高周波で触れたすべてを破壊するその右腕に触れたものの末路は知れている。
ウルズ「『御雷・天鳥(ミカヅチ・アマトリ)』!」
バギョォォン!!
ウルズの射出された右腕から放たれた高周波で破壊されていくアマービレたち。
ウルズ「もしかしていいコンビネーション…いやトリオネーションか?」
冗談めかしく語るウルズ。
ガーランド「冗談でも認めたくないものだな」
ゲイン「敵はまだいる。へレティス6、お前も気を抜くなよ」
ティスシス「はいですの!」
~~
バシュゥゥ!!
カランたちの放つ水砲。
キノ「『オート・プロテクト』」
前線に立つキノが発生させたバリアにより防がれるカランの攻撃。
キノ「このままじゃ防戦一方だよ」
ボルク「キノの能力がいくら攻撃を防ぐといっても限界があるぜ」
アポロン「こちらからも打って出る必要がある」
ヴァーダンド「アポロン。そなたの力を貸せ」
アポロン「我の力だと?」
ヴァーダンド「この状況を打破するためには我らの力を合わせるほかにない」
アポロン「ソナタを信じるぞ」
ヴァーダンド「ソナタの思いを裏切りはせん」
アポロン「次元の間…どんな空間であろうと我が能力は使えるはずだ!真理を持って、我人事を全うす!森羅万象の一幕を紡ぎださん!『パルティシオン=サルバロール』」
ゴォォォ!!
ヴァーダンド「神涜の大剣ディス=エクスペリエンス!その真の力を示せ!」
バッ!
剣の柄を持ち、上空へと掲げるヴァーダンド。
ジジジジ!
大剣の刃がエネルギーの刃となって生成されていく。100mはあろうかというエネルギーの刃の剣が形成される。
ギュゥゥゥン!!
周囲の次元の間内のエネルギーがアポロンの『パルティシオン=サルバロール』によりヴァーダンドの持つエネルギーの刃へと収束されていく。
ジジジ!ジジジ!バシュン!
さらに巨大なエネルギーの刃と化すディス=エクスペリエンス。
ボルク「や、やべぇ!なんだあの剣!」
キノ「アポロンの力で周囲の力を吸収した!?」
ヴァーダンド「アポロン。そなたの力、確かに受け取った!」
グッ!
大きく踏み込むヴァーダンド。
アポロン「ヴァーダンドよ!頼むぞ!」
ヴァーダンド「頼まれた!!」
ブン!!
とんでもない大きさの粒子の剣を振るうヴァーダンド。
ヴァーダンド「うぉぉぉ!!!」
ゴゴゴゴ!!
粒子の奔流に飲まれ次々と塵と化していくカランたち。
ヴァーダンド「我らを阻む敵を撃ち滅ぼせ!!」
ガガガガ!!
空間を削りながらカランたちを消し炭と化していくヴァーダンドの一撃。
ヴァーダンド「これぞ」
アポロン「我らが合技」
ヴァーダンド・アポロン「一刀必殺『神薙(カンナギ)・終閻(しゅうえん)』」
ゴゥ!!
粒子の奔流が渦を巻きカランたちを取り囲む。
アポロン「我らに」
ヴァーダンド「絶てぬものなし」
ボッ!
カランたちを取り囲む粒子の奔流が上空へと延びる。
カッ!ボッゴォォン!!
跡形もなく消滅するカランたち。
ボルク「や、やばすぎるだろ」
キノ「一瞬であれだけの数の征獣たちが…消滅しちゃった…」
ヴァーダンド「礼を言う。そなたの力があってこそだった」
アポロン「こうして再び相まみえただけでも我にとってはあり得ぬことだ。いい意味でだがな」
ヴァーダンド「ふっ…」
数多の地縛征獣たちが倒されていく。
オリジン・ルーツ「ありえん…我が召喚した以外の死者の霊魂が現れるなど…そのうえ、このような事態…なにがおきているのだ…」
十也「あいつらも俺たちに呼応して助けに来てくれたんだ!」
オリジン・ルーツ「次元門は太極の因子『慈愛の嫉魚』を強制的に覚醒させ開放したのだ。我以外に次元門に干渉できるものがいるなど…」
ナル「オウリギンが召喚した地縛征獣はこれで倒し切った。今が勝機だ!」
メルト「はい!」
ディック「オウリギン!お前を守る征獣はもういない!」
オリジン・ルーツ「…何を勘違いしている?」
ギュォォン!!
新神祖アダミーヴの翼が輝く。
オリジン・ルーツ「我は新神祖。その力はそなたらの想像をはるかに凌ぐ」
カッ!
翼から放たれる無数の粒子弾。
ドッ!ドッ!ドッ!
結利「きゃぁ!」
昴「うわっ!」
ボッ!
グローリー「ぐっ!」
グローリーの体を貫通する粒子弾。
グローリー「まさか…これほどとは…」
サァァ…
煙のように体が消え消滅するグローリー。
キノ「『オート・プロテクト』」
キノのバリアに衝突する粒子弾。
グッ!
キノ「えっ!まさか!?」
バリアをすり抜けキノに迫る粒子弾。
アポロン「キノ!」
ヴァーダンド「やらせはせん!」
ズン!
キノ「そんな…」
キノの前に立つヴァーダンド。その体は無数の粒子弾が貫き見るも絶えない姿となっている。
ヴァーダンド「ごふっ…。ノル…キノ・イーストンそなたを守れたなら本望だ…」
サァァ…
煙のように消滅するヴァーダンド。
キノ「ヴァーダンド…」
ティスシス「くっ!」
ゴッ!
自身の前面に斥力を発生させ、粒子弾を防ぐティスシス。
グググ!!
だが粒子弾の威力はすさまじくティスシスの発生させている斥力フィールドが押し返されそうになる。
ドドドド!
さらにティスシスに向かって放たれる粒子弾。
ティスシス「これ以上は…防げませんの」
ゲイン「へレティス6!」
バッ!
ドドドド!!
直撃する粒子弾。だがそれはティスシスにではない。
ガーランド「ぐ…ぅ」
ティスシスの前に割って入ったアーヴァヘイムがその身で粒子弾を受ける。
ゲイン「ガーランド!」
ティスシス「なぜあなたが…」
ガーランド「レーヴェンズ…おまえとは相いれなかったが…今こうしてこいつらと共にいるという事実を…俺は信じる…ことにする…ゲイン…あとは…」
サァァ…
煙のように消えるアーヴァヘイム。
オリジン・ルーツ「亡霊どもも消え失せたか…征獣どもは所詮は前座。征獣などいなくとも我の力は絶大。見誤るなよ人間ども」
十也「グローリーたちが…」
オリジン・ルーツ「さぁ次はそなたらだ」
ギュォォン!!
再び輝くアダミーヴの翼。
きゅっぱ「またくるよ!」
にろく「どうする?」
ナル「全力で防ぐしかない!(でも正直あれだけの威力受け止められるとは…)」
メルト「あわわわ!!ま、魔導を!」
オリジン・ルーツ「朽ちよ」
ズッ!!
翼から粒子弾が発射されたと思ったその瞬間。
ツバメ「えっ?」
ゴゴゴゴ!!
誰もが予想しえない光景がその目の前に広がっていた。
昴「アダミーヴが!」
アダミーヴが何かに上から押されるように頭(こうべ)を垂れていた。
オリジン・ルーツ「な、なんだ…」
上から押し付けられるような重みを感じるオリジン・ルーツ。
ツバメ「何が起きているの…」
「いやぁ。なんとか間に合いましたね」
ゴゴゴゴ!!
アダミーヴの頭上の次元門から出現する人物。
「先に送った彼らがやられてしまったのは焦りましたが、こうして私が来るまでの時間は稼いでいただけたようですね」
オリジン・ルーツ「お、おまえは…」
結利「う、うそ…なんでそこからでてくるのよ…」
「おや?私との再会がうれしくないのですか結利?」
淡々と話すその男は話を続ける。
「さてオウリギン…今はオリジン・ルーツですか。私を利用しようとしたその報いは受けてもらいます」
オリジン・ルーツ「おまえは…死んだはず。なぜ…」
シュウ「さぁなぜでしょう?その答えはあなたの命を持って教えて差し上げましょう」
to be continued
最終更新:2020年05月02日 11:55