~???~
???「これで準備は整ったな」
黒い仮面を被った人物は何らかの装置を操作している。
その人物の後ろには仮面を被った3人の人物が立っている。青い髪の人物が黒仮面に語り掛ける。
青髪の仮面「では、これで…」
黒仮面「あぁ。すべてはこれから始まる。君たちの力を存分に発揮してくれ」
白い仮面をつけた細身の男が返答する。
白仮面「了解した。我はソナタの命に従おう」
もう一人の龍を模したような仮面の男。彼も答える。
龍の仮面「了解…」
黒仮面「さぁ、始めようか。今この時より世界は変わる!地球に新たな幕を開こうか!」
仮面を被った謎の人物たち。彼らはいったい…
~ミストラルシティ~
路地裏を歩く男性。ギャンブルに明け暮れる彼は、今日も負けてしまい財布の中はすっからかんだ。
男性「ちっ!」
男性は道端に転がる空き缶を蹴り飛ばす。
コン!
空き缶が何かにぶつかった。音からして人だろうか。男性は空き缶が当たったであろう方を確認する。
男性「あれ?」
目の前の道がふさがれている。ここの道は行き止まりだったか?疑問を感じ、目の前の壁を確認する。
男性「なんだ、これ?」
壁を触ってみるとなんだか柔らかい。弾力がある。もしかしてさっきの空き缶はこれに当たったのだろうか。
男性「変な壁だな…」
色も周りの壁は白やグレーなのにここだけ黒や赤い色をしている。
男性「あれ…?」
よくみるとこの壁…動いているように見える。まるで鼓動でもしているように動いている。
男性「気味が悪いぜ…」
男性が壁から立ち去ろうとしたその時、壁が回り始めた。
男性「なんだ!?」
壁が回りその反対側から顔のようなものが現れる。その姿はまるで恐竜のようだ。そう、これは壁ではなくこの生物だったのだ。
男性「ひぇ!」
驚き腰を抜かす男性。目の前に現れた生物は口からよだれを垂らす。まるで目の前に極上の食事を出されたかのように…
謎の生物「ガァァァ!!」
男性「うぎゃあぁぁぁ!!」
~数日後~
~EGOミストラルシティ支部~
ネオ「これが先日起きた事件の写真か…」
ミストラルシティでおきた謎の死亡事件。その死体は何かの生物に体をかみ砕かれ、無残な姿で発見された。
???「犬…ではないですね。でもこれだけの損傷…推定してもこの男性を襲った生物の大きさは3メートル以上はあると思われますね」
ネオと話す女性。彼女はクリュセルス支部から派遣された副長官代理の
ネルティア・ノーティンだ。クリュセルス支部に出張しているカレンの代わりにここミストラルシティ支部へ派遣されたのだ。
ネオ「いったいなにが…」
ネルティア「何らかの能力者の可能性も考えられます。」
ネオ「そうだね。体長3メートルを超える人を襲う生物って線は考えにくいからね」
こんな街中にそのような凶暴な生物が来るとは考えにくい。死体の損壊状況から見ても野生の生物がやったにしては残酷すぎる。となるとやはり…
ネルティア「能力者の線で捜査したほうがよさそうですね。すぐに部隊を手配します」
ネオ「あぁ。よろしく頼むよ」
~ミストラルシティ「かざぐるま」~
にろく「…」
静かにコーヒーを入れるにろく。喫茶かざぐるまのマスター。それが彼の日常だ。
ナル「今日はあまりお客さんが来ないね」
にろくの相棒のナルは客入りの少ない状況で暇をしていた。
ナル「そういえば彼女が時間通りに来ないなんて珍しいね」
にろく「そういえばそうだな」
ナルの言う彼女。それは
今寄咲ツバメのことだ。彼女が時間に遅れたことは今まで一度もない。そんな彼女が時間通りにこないなんて…
ナル「もしかしてなにかあったのかな?」
にろく「…」
オリジンとの戦いが終わり平和を取り戻したミストラルシティ。だがそれはつかの間の平和だったのかもしれない。その予兆が今彼らのもとへと足音を立てて近づいてきている。そしてその足音の主は店の扉を開ける。
ツバメ「はぁ…はぁ…」
息を切らしながら店へと入ってくるツバメ。
ナル「そんなに息を切らしてどうしたの?寝坊でもした?」
冗談交じりにツバメに問いかけるナル。しかしツバメから帰ってきた返答は予想に反するものだった。
ツバメ「ば、化物…街に化物があらわれたのよ」
にろく「化物だって?」
なにかに変身する能力者でもあらわれたのだろうか?だがそれにしてはツバメの様子はおかしい。
ツバメ「えぇ、そうよ。化物…う~ん、わかりずらいわね。怪獣とでもいえばいいかしら」
ナル「怪獣?能力者かなにかなの?」
ツバメ「違うわ。1体だけじゃないもの!」
ツバメの話ではかざぐるまに向かう途中、急に叫び声を聴いたらしい。その場所に行ってみると複数の3メートルほどの恐竜のような生物がいたらしい。そのそばには人の血らしきものももあったという。
ナル「本当にそんなことがあったの?寝ぼけてたんじゃない?」
寝坊の言い訳かと思い、ツバメにすっかけるナル。
ツバメ「くっ。やはり信じてくれないか」
突拍子もない話だ。能力者は数いれど恐竜や怪獣のような生物がいるなんてきいたことがない。もしもいるとすればそれは…
にろく「なんらかの能力者かもしれない」
そのような生き物を作り出す能力。そう考えれば合点がいく。
ツバメ「そうね。そうかもしれないわ」
ナル「だけど状況からいって誰かが襲われていたってことだよね」
にろく「あぁ。だったら放っておくわけにはいかないな」
ツバメ「そうね。さらなる犠牲者を出さないためにも!」
ナル「う~ん」
首を傾げ怪訝な顔をするナル。
にろく「どうしたナル?」
ナル「なんかね~。こう引っかかるというか…嫌な予感がするというか…」
ツバメ「なによ?はっきりしなさいよ」
ナル「いや僕もわからないんだけどさ」
ナルの能力『マスタープルーフ』は未来を確定させる能力。その影響か物事を推測したり、状況を判断する力に優れているナル。ただの勘かもしれない。だけど…
にろく「だが、なににしても確かめてみた方がいいだろう。」
ナル「それはそうだね」
ツバメ「よし!それじゃあいきましょうか」
3人はかざぐるまを急遽閉店にし、ツバメが化物を見たという場所へと向かうのであった。
~ミストラルシティ・裏路地~
にろく「ここか」
ナル「こんなところに本当にそんな化物がいたの?」
ツバメ「私がそんなくだらない嘘をつくわけないじゃない!」
ナル「ごめんごめん」
ディック「なにか奴らがいた証拠がのこっていれば…」
いつのまにか加わっているディック。上の道場からツバメが呼んできたのだ。あたりを調べる一同。
にろく「これは!?」
なにかをみつけるにろく。
ナル「あったの?」
にろく「あぁ。噂にはきいていたがまさか本当にあるとは…」
にろくの手には何かの袋が握られていた。
ディック「それは?」
にろく「ブルーアイズマウンテンのコーヒー豆の袋だ。」
とある街のコーヒー屋で出されていたという幻のコーヒーブルーアイズマウンテン(1杯3000円)。その袋がこんなところにあるなんてと感激するにろく。
ツバメ「思わせぶりな態度をして!」
ナル「まぁまぁ。んっ?あれは…」
なにかをみつけるナル。近寄ってみてみるとそれは…
ナル「これは…血痕だ。まだ新しい…」
まだ乾ききっていない血痕。それはツバメが見たというものの証拠には十分なものだった。
ディック「じゃあ本当にここに…」
にろく「その化物がいたということだな」
ツバメ「もう!最初からそう言ってるじゃない!」
ツバメの言っていたことは本当だった。つまりそれはこの街に人を襲う化物がいるということ。
ゾクッ!
一同の体に悪寒が走る。
ディック「なんだ?」
ナル「なにか…」
にろく「俺たちを見ている」
何者かの視線を感じる。冷たい視線だ。それは一つの目的のみを彼らに向けている。
ツバメ「危ない!」
突如彼らの頭上から何かが降ってくる。
ズン!!
ディック「なんだ!?」
音からしてかなりの巨体だ。人じゃあない。目の前の降ってきたものを確認する一同。
にろく「これは!」
それは4本の足で地面に立っていた。3メートルはあろうかという大きさだ。その姿はサイやトリケラトプスを思わせる姿をしている。赤と黒に包まれたその姿は見る者を恐怖させる凶暴さを覗わせる。
ツバメ「こ、これよ!私が見たのは!」
ナル「本当にいたね…」
ディック「なんだよ、これ!?」
口からよだれを垂らし興奮しているような様子の生物。
にろく「まるで目の前に餌を出された動物のようだな」
ディック「その餌ってもしかして…」
生物は口を大きく開ける。
謎の生物「がぉぉぉぉ!!!」
大きく咆哮する生物。
ツバメ「私たちが餌ってわけね」
ナル「向こうはやるきみたいだよ。とりあえずこの状況をきりぬけないとね」
突如ミストラルシティに現れた謎の生物。いったいこの生物は…
to be continued
最終更新:2016年11月18日 07:28