~クリュセルス~
昴「さ~て」
昴は街の中を進んでいく。そして古ぼけた建物へとたどり着く。
昴「なにかいい仕事があればいいけど」
昴が来たのは裏稼業を行う者専用の非公式の仕事をあっせんするギルドだ。
ギルドの中には怪しい雰囲気の人々で溢れていた。掲示板を確認する昴。
昴「どれどれ…」
掲示板にはとても表では出せないような仕事の依頼がわんさか掲示されている。諸国の重要人物の暗殺、得体のしれない箱の輸送などなど…
しかし昴はそのような内容の依頼には見向きもしない。彼女が狙うのは比較的安全な仕事だ。ハイリスクハイリターンの仕事は好まない。
昴「んっ?」
一つの掲示が目に留まる。
『試作品の試験』
その内容を確認する昴。
『当社で開発した試作型万歩計を身に着け、歩いていただくお仕事です。商品発表まで確実に秘密にしておきたい事項なのでお願いします』
昴「ふ~ん…」
他社に開発を知られないためにこのようなギルドに仕事を依頼する企業も実際多い。これもそのような依頼の一つなのだろう。
昴「この依頼に決めた!」
昴は掲示された依頼書をもってギルドのカウンターへと向かう。カウンターから手紙と試作型万歩計を受け取る昴。手紙を開き確認する昴。
『わが社の試作品のテストに協力していただきありがとうございます。その万歩計を身に着け歩いていただくだけで結構です。データの方は自動的にわが社に送信されるようになっております』
昴「簡単な依頼のわりに報酬がいいなぁ。まっ、なんでもいいか!」
昴は万歩計を身に着け街へと繰り出していくのであった。
~ミストラルシティ~
にろくたちの前に現れた謎の生物。彼らは目の前に現れた異形の生物を相手に戦うことを決めるのであった。
謎の生物「がぉぉぉ!!」
謎の生物が咆哮をあげにろくたちに襲い掛かる。大きく開けた口で彼らに?みつこうとする。
ナル「危ない!」
謎の生物の攻撃を避ける一同。
ツバメ「あんな口で噛みつかれたらひとたまりもないわね」
にろく「あぁ。くらうわけにはいかないな」
ディック「俺が行く!
リョウガ!」
リョウガ「おう!」
双剣を構えるリョウガと拳を構えるディック。
ディック「たぁぁ!!」
ディックの拳が謎の生物の前足に打ち込まれる。態勢を崩す謎の生物。
リョウガ「おりゃあ!」
その隙にリョウガは手にした双剣を謎の生物めがけて振り下ろす。
ザシュ!
謎の生物の体に深く突き刺さる双剣。
謎の生物「ぐぎゃぁぁ!!」
リョウガ「うわっ!」
暴れまわる謎の生物。その衝撃で双剣から手を離し吹き飛ばされるリョウガ。双剣は謎の生物に刺さったままだ。
ディック「大丈夫か!リョウガ!」
リョウガ「あぁ。だが俺の双剣が…」
ナル「やばいね…奴は攻撃を受けて興奮してるみたいだね」
にろく「暴れくるっているな」
ツバメ「ちょっと!こんな狭いところで暴れられたら逃げ場もないじゃない!早くなんとかしなさいよ!」
ナル「はいはい!わかってるよ!いくよ、
にろく!」
にろく「あぁ!」
ナルはあたりを見回し今自分たちがいる場所の状況を瞬時に判断する。
ナル「見えた!にろく!あそこだ!」
ナルが指さす方には大きなタンクが置いてある。
にろく「『プラグオン』!」
プラグをタンクにさすにろく。
ナル「ディック!それを奴に向けて投げつけて!」
ディックの足元に転がる鉄パイプ。
ディック「これを?」
ナル「早く!」
ディック「あ、あぁ!」
鉄パイプを謎の生物に向かって投げつけるディック。
ナル「リョウガ!君の双剣であの鉄パイプを!」
リョウガ「そういうことか!わかった!」
リョウガは謎の生物に向かって走り出す。そして生物に刺さった自身の剣を引き抜く。その直後、ディックが投げた鉄パイプが謎の生物に突き刺さる。
謎の生物「がぁぁぁ!」
ナル「今だ!」
にろくはタンクから取り出した液体を横にあった雨水を流す用のパイプを使って謎の生物に向かって射出する。液体にまみれびしょびしょになる生物とそれに突き刺さる鉄パイプ。
リョウガ「こいつで!」
リョウガは刺さった鉄パイプに向かって勢いよく斬りつける。その凄まじい攻撃に火花を発する鉄パイプ。その瞬間!
ボォォォ!!!
突如謎の生物を炎が包み込む。
謎の生物「ぐぎゃぁぁ…」
もがき苦しむ謎の生物。
ツバメ「なるほどね。火花を発生させることでガソリンへと引火させたというわけね」
ナル「その通り♪」
謎の生物は倒れこむ。次第にその動きはゆっくりとなり、火が消えると同時にまったく動かなくなった。
にろく「やったようだな」
ディック「なんだ…?」
謎の生物から黒い煙が発生する。それと同時に謎の生物の体は霧にように消えていった。
ツバメ「今のは…」
リョウガ「ディックの能力を解除した時と近い現象か?」
ディック「俺の能力とは違うような気がする…」
ナル「今の消え方からして普通の動物じゃあないことは確かだね」
にろく「そうだな。なにかしらの能力…もしくは」
ツバメ「何者かによって作られた可能性があるわね」
ディック「でももう倒したんだし万事オッケーだな!」
ツバメ「あっ!」
リョウガ「どうした?」
ツバメはなにかを思い出した。その反応からにろくとナルもかざぐるまでツバメから聞いた話を思い出す。
ナル「ちっ!そうだった!」
ツバメ「今の化物は一体だけじゃないわ!他にもいるのよ!」
~~~
謎の生物「がぉぉぉ!」
男性「なんだあれ!?」
女性「きゃぁぁ!」
ミストラルシティの街中で暴れる謎の生物。人々はその異形の生物から逃げまどう。
十也「なんだ…あれ」
その場に居合わせた十也。目の前に現れた見たことのない生物にあっけにとられている。
謎の生物「がぉぉぉ!」
男性「ひっ!」
逃げ遅れた男性に謎の生物が襲い掛かる。
十也「危ない!」
十也は男性を突き飛ばす。間一髪で謎の生物の攻撃から助かった男性はその場から逃げていく。
十也「この街の人々に危害を加えるなら…『ブラスト・ユナヴォイド』!」
十也の体を赤い風が包み込む。その中から赤い鎧に身を包んだ十也が現れる。
十也「いくぞ!」
十也は右手にエネルギーの塊を生成する。
十也「はぁぁ!」
一気に間合いを詰める十也。そして謎の生物の体にエネルギーの塊を打ち込む。
十也「くらえ!」
エネルギーの塊は謎の生物を消し飛ばす…はずだった。しかし予想に反してエネルギーの塊は謎の生物に吸収される。
十也「なっ!?」
謎の生物「がぁぁ!」
一瞬の隙だった。十也の体を挟み込むように噛みつく謎の生物。
十也「な…なんで(俺の能力が効かない!?)」
まるで
オリジンと戦った時と同じだ。この生物も奴と何か関係があるのだろうか。
十也「ぐっ!」
十也の体を挟み込む力が次第に強くなる。このままでは…
結利「てりゃぁ!!」
謎の生物の顔目がけて鉄の剣が投げ込まれる。
謎の生物「ぐぎゃぁ!」
不意の攻撃に十也を挟み込んでいた口を開く謎の生物。
十也「くっ…危なかった」
結利「大丈夫、十也?」
十也「結利!なんでここに?」
結利「なんか騒ぎが起きていたから駆けつけてみたんだ。そしたら十也があの化物に噛みつかれているから、とっさにそこにあった鉄くずを私の能力で生成して剣にしたんだよ」
十也「すまない。助かった」
結利「いいよ。でも十也が苦戦するなんてあの化物とんでもやばいんじゃないの?」
十也「あいつには俺の能力が通じないんだ。理由はわからないが…」
謎の生物「ぐぉぉ!」
結利「やばい!くるよ!」
十也「ちっ!うぉぉ!」
十也は連続の蹴りを謎の生物に浴びせる。ひるむ謎の生物。
十也「効いている!(俺の能力は効かないけど物理攻撃ならいけるのか?)」
結利「いけるよ、十也!」
十也「このまま押し切る!」
拳と蹴りによる連続攻撃を浴びせる。倒れる謎の生物。
十也「やったか?」
謎の生物「ぐぉぉ!」
謎の生物は起き上がる。どうやらこの生物は打撃に対する耐性は高いみたいだ。
十也「まずいな…」
能力も通じず、打撃では決定打にはならない。『コート・オブ・ブラスト』で装備していた槍もオリジンとの戦いで壊れてしまっている。今の十也にはこの状況を打破する術がないのだ。
結利「だったら!『リンク』!」
壊れたビルの破片に手をかざす結利。ビルの破片が集まっていく。
結利「これを使って!」
壊れたビルの破片は槍の形に再構築された。結利から渡された槍を受け取る十也。
十也「これなら!うぉぉぉ!」
槍を構え謎の生物に突撃する十也。
謎の生物「がぉぉ!!」
口を大きく開き突撃してくる十也をかみ砕こうとする謎の生物。
十也「限界まで加速する!」
突撃する十也の速度が加速していく。その速さは目に見えないほどだ。謎の生物が口を閉じるよりも早く十也がその口の中へ突っ込む。
十也「うぉぉぉぉ!」
ザシュン!
謎の生物の体を突き抜ける十也。生物の体に口から一直線に大きな穴が開けられる。
謎の生物「ぐ…が…」
ズン!
謎の生物は倒れた。
結利「やった!」
十也「なんとか…な」
鎧を解除する十也。謎の生物は体から黒い煙を出し、その体は霧状になり消えていった。
十也「いったい…こいつはなんだったんだ」
~ミストラルシティ・EGO~
隊員「大変です、局長!」
ネオ「どうした?」
隊員「街に大量の未確認生物が…」
ネルティア「なんですって!?」
隊員「街の人々が襲われています!」
ネオ「もしやこれが…先日の事件の…」
ネルティア「まさか…」
ネオ「急げ!至急全部隊出動!」
隊員「はっ!」
ツバメがみた謎の生物はこの大群の数体に過ぎなかったのだ。新たな脅威がミストラルシティを襲う。
to be continued
最終更新:2016年11月18日 20:06