異獣再来!

~ミストラルシティ・喫茶かざぐるま~
ナル「…」
落ち込んでる様子のナル。
ディック「あいつ…いったいどこにいったんだ」
ツバメ「もしかしてなにかあったのかしら」
にろくが帰ってこない。こんなことは初めてだ。もしやなにかあったのではと心配する3人。
ディック「あいつが帰ってこないなんて今まで一度もなかったからな」
ツバメ「彼の任務…危険なものだものね」
にろくは治安維持局の秘密諜報部の一員として活動している。その任務には危険がつきものだ。もしもの事態を想定するツバメ。
ナル「いやにろくは帰ってくるよ!」
ディック「ナル…」
2人の不安をかき消すようにナルは言い聞かせる。それは自分自身へと言い聞かせているようにも聞こえる。
ツバメ「そうね。彼なら戻ってくるわね」
ディック「あぁ。俺たちはあいつがいつ戻ってきてもいいようにこの店を続けていこう!」
ナル「そうだね!にろくが戻ってきたときのためにも!」
ツバメ(早く帰ってきなさい、にろく。私たちはあなたが帰ってくるのを待ってるわよ)


~モゴラ大陸・某所~
ウルズ「ここがあいつとの合流ポイントだ」
にろく「…」
あたりには何もない荒地だ。
きゅっぱ「こんなところにいるのかよ?」
ウルズ「あぁ。そろそろ来る頃のはずだ」
シュウ「お待たせしました」
シュウがふらりと3人の前に姿を現す。
ウルズ「すまないな。この2人しか助けることができなかった」
シュウ「あなたは悪くありません。私の段取りが遅れたせいです。気にすることはないですよ」
にろく「こいつがシュウ…」
眼の前に現れた男性は想像していたよりもだいぶ若かった。20代前半ぐらいであろうか。紫色のウェーブした髪をなびかせている。
きゅっぱ「なんであんたはあたしたちを助けたんだ?何が目的だ?」
シュウ「誰かの命が奪われるという事態を知っていれば行動しないわけにはいかないですからね。だから助けさせてもらいました」
きゅっぱにはシュウが本当のことを言っていないのがすぐに分かった。幼い頃から秘密諜報員として教育を受けてきたきゅっぱには他人の嘘を見破るのは容易なことなのだ。
きゅっぱ「よほどのお人よしなのか?普通知っているからと言ってわざわざ助けにはいかないよ?」
シュウの真意を見極めるためカマをかけるきゅっぱ。
シュウ「なかなか手厳しいお嬢さんですね。では本当のことをお話ししましょうか」
シュウは以外にもすんなりと話し始めた。
シュウ「実はあなた方を助けたのは私のクライアントからの要望なのです」
ウルズ「クライアント?初めて聞いたぞ。」
シュウと行動していたウルズも初耳だ。ウルズを連れ出したのもそのクライアントの要望だったのだろうか。
にろく「あんたの雇い主ってことか?」
シュウ「そうですね…雇い主というよりはサポーター…パトロンとでもいいましょうか」
きゅっぱ「パトロンね…そいつからの要望であたしたちを助けたってわけ?」
シュウ「えぇ。そうなりますね」
きゅっぱ「じゃあそのパトロンはあたしたちがあんなことになるってわかってたわけ?」
にろくときゅっぱはNと名乗る謎の人物に殺されかけた。その事態を知りながらシュウのパトロンは事前に食い止めなかったのだろうか。
シュウ「どうでしょうね。そこまではわかりかねますが…」
にろく「あんたにもわからないってことか…」
シュウ「少しフォローをさせていただくと私を支援している人物はできる限り世界をよい方向へと導こうとしています。そのような人物が事前にその事態を知っていれば食い止めようとするのではないでしょうか?」
きゅっぱ「そうかい…」
話を聞いている限りこのシュウとそのパトロンはにろくときゅっぱを利用するために助けたわけではなさそうだ。今まで任務でいろんな人物と接してきたきゅっぱも直感でそれを感じる。
にろく「それでお前は俺たちをどうするつもりなんだ?」
シュウ「あなたたちをどうこうするつもりはありません。ですが…」
きゅっぱ「ですが?」
シュウ「できることなら私に協力してくれると助かります」
にろく「お前に協力?」
シュウ「えぇ。私は今ある目的のために動いています」
きゅっぱ「ある目的?」
シュウ「まぁ。パトロンからの要望もありますが…」
にろく「それはいったい…」
シュウ「未元獣を操るもの。その正体を突き止めることです」


~EGOミストラルシティ支部~
ネオ「みんなよく集まってくれたね」
十也「なにかあったんですか?」
スライ「こうしてこのメンバーが集められたんだ。なにもないわけがないだろ」
ネオにより召集されたメンバー。十也、結利、スライ、トニー、ツバメ、ナル、ディック。オリジンと対峙した6人にツバメを加えた7人がここミストラルシティEGOに集められたのだ。
ネオ「君たちに来てもらったのは私から君たちにお願いがあってのことなんだ」
ディック「お願い?」
ネオ「各地で起こっている未元獣とそれを率いる者たちによる破壊活動。それは君たちも知っているよね」
トニー「はい。以前この街にも襲撃してきましたからね」
ナル「そうだね。それに未元獣を率いている仮面の奴はアポロンとカレンさんらしいしね」
ネオ「…あぁ」
ネオから少し寂しげな雰囲気が伝わる。ミストラルシティの副長官であるカレンがこのような破壊活動をしている。その事実にネオも心を痛めているのかもしれない。
ネオ「それとネルティア君とも連絡がつかない状況なんだ」
ネルティアは連絡のつかないEGOのクリュセルス支部へと向かった。その彼女とも連絡が取れない。もしやネルティアの身になにか会ったのかもしれない。
ネオ「EGOの本部に連絡をして応援を出してもらってはいるんだが、いかんせん未元獣のせいでね」
いつどこに現れるかもわからない未元獣たちにより翻弄されているEGO。
ネオ「そこで僕から君たちへのお願いなんだが…」
ネオからの頼み。それは…
ネオ「君たちにミストラルシティの未元獣対策チームとなってもらいたい!」
結利「未元獣対策チーム!?」
突然の申し出に驚く一同。
ネオ「そうだ。以前この街を脅威に陥れたオリジネイター。その脅威からこの街を守った君たちなら未元獣からこの街を守ってくれると僕は信じているんだ」
スライ「ちょっと待てよ!そんな急に」
トニー「そうですよ!」
ツバメ「そもそもそれはどういうものなの?所属は?扱いは?それに私はその戦いには参加していないわ」
ネオ「う~ん。やはりすぐには納得してもらえないか…」

ビービービー

突如警報が鳴り響く。
EGO隊員「大変です、局長!」
ネオ「どうしたんだい?」
隊員「未元獣が現れました!」
ネオ「くっ!こんな時に!至急全隊員出動だ!」
ツバメ「わたしたちも行くわよ!」
十也「あぁ!」

~ミストラルシティ~
未元獣「がぉぉぉ!」
人びとを襲う未元獣たち。
男性「ひぃぃ!」
トニー「ライトニングボルト!」
雷が未元獣に直撃する。
スライ「シャイニーマジック!フォースキャリア!」
光の弾が未元獣を倒していく。
トニー「どれだけいようと」
スライ「俺たちがいる限りこの街をお前らの好きにはさせないぜ!」
スライとトニーの猛攻により次々と倒されていく未元獣たち。
コード・スクード「未元獣たちでは役不足か…」
スライ「おまえは!」
トニー「カレンさん…」
スライ「カレン!未元獣をいくらけしかけようが無駄だぞ!」
スクード「そうか」
スクードは一体の未元獣を呼び出す。
トニー「未元獣を一体出したところで!」
スクード「まぁ、そうあわてるな。」
スライ「?」
スクード「お前たちの力はわかった。この未元獣では歯が立たないこともな」
トニー「なら…」
スクード「だからこれを使わせてもらう!」
スクードは一枚のカードを取り出す。
スライ「なんだ?カード…?」
スクード「さぁ!未元獣よ!新たな力を見せろ!」
スクードはカードを腕に装着した端末にセットする。
スクード「コード゛D・E・C゛!!」
端末から黒い霧が発生する。
トニー「いったいなにが!?」
スライ「これは!?」

コード・スクードが使った謎のカードから発生した黒い霧。未元獣の新たな力とは…


to be continued

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最終更新:2016年12月02日 21:25