世界中に向けられたNの宣戦布告。未元獣を操るNは世界を滅ぼし、何をしようというのか。
~EGOクリュセルス支部~
N「さて」
Nはクリュセルス支部のなかにある能力研究機関にいた。Nが訪れた部屋はとても広い。その部屋の奥には巨大な機械装置が設置されている。
コード・ヴァ―ダンド「…」
その装置の前で佇むコード・ヴァ―ダンド。
N(コード・ヴァ―ダンドの調整は完璧みたいですね。スクードの方にも問題なし。だがウルズ…)
数日前、
コード・ウルズがこの施設から脱走した。
N(やつには調整が効いてなかったのでしょうか…ベースが違うのが問題だったか…)
ヴァ―ダンドのもとに歩み寄るN。
ヴァ―ダンド「我が主よ。何用でしょうか?」
N「あなたとスクードに未元獣を引き連れミストラルシティへと向かってもらいます。あの都市を落とせばこれからの動きがとりやすくなります。頼みましたよ」
ヴァ―ダンド「了解した」
部屋を出ていくヴァ―ダンド。
N「もうすぐ…あと少しで私の目的は達成される…」
Nの前にある大きな機械。そこには大きなカプセルが装着されている。
N「ノルンシステム…この巨大演算管理システムにより未元獣とコードシリーズは管理されている。ウルズはその管理から逃れたみたいですが…」
Nは装置の上方にあるカプセルを見上げる。
N「生体コアを搭載することでこの装置の処理能力は各段に上がった。ふふふ。あなたには感謝していますよ」
そのカプセルには人が入れられている。女性の様だ。
N「キノ・イーストン」
~モゴラ大陸・某所~
未元獣「がぉぉぉ!」
狂化未元獣「グォォォ!」
にろく「ちっ!」
きゅっぱ「きりがないね!」
ウルズ「みたことのない新型までいやがる!」
未元獣の集団と戦うウルズたち。
シュウ「なかなか数が減りませんね」
ウルズ「のんきなことを言ってる場合かよ!」
きゅっぱ「新型には能力も効かないみたいだよ」
にろく「このままではいずれ…」
相手は無尽蔵のようにわいてくる未元獣。こちらには体力の限界がある。
ウルズ「くそっ!」
シュウ「仕方がありませんね」
シュウは未元獣たちの方にむけて手をかざす。
ウルズ「何をするきだ?」
シュウ「みなさんは私の後ろへ下がってください」
にろく「何をするかはわからないが!きゅっぱ!」
きゅっぱ「あぁ!」
3人はシュウの後ろへ下がる。
シュウ「ではいきますよ」
ゴゴゴゴ!
シュウの前方の空間が歪んでいく。
きゅっぱ「なんだ…?」
空間の歪みが一点に集まる。それは小さな黒い球体へと集約する。
ウルズ「あれはなんだ?」
未元獣「がぉぉ!!」
未元獣がシュウへと襲い掛かろうとする。
にろく「シュウ!」
シュウ「おやおや落ち着きのない子ですね。準備は整いました!さぁ、いきますよ」
黒い球体が襲い来る未元獣に向かっていく。未元獣の体を球体はすり抜けていく。
きゅっぱ「球がすり抜けた?」
ウルズ「いや違う!」
未元獣「が…」
ズン!
玉が通り抜けた未元獣が倒れる。その体には球が通った穴が開いていた。
にろく「あの球体…触れただけで未元獣の体が削り取られたのか…」
まるで通り抜けるような様子で通過したように見えた球だがその実、あの球は未元獣の体を削り取っていたのだ。球は残りの未元獣たちの眼の前で静止する。
シュウ「フィナーレです!」
パチン!
指を鳴らすシュウ。と同時に黒い球体からとてつもない引力が発せられる。
ゴゴゴゴ!!
未元獣「がぁぁ…」
狂化未元獣「グォォ…」
未元獣たちは球体の引力に吸い込まれていく。球体に吸い込まれていく未元獣たちはその体を崩壊させていく。未元獣が完全に消滅するまで球体からの引力はなくならない。
ウルズ「ぐっ!」
きゅっぱ「なんていう力だよ!」
にろく「こっちまで吸い込まれそうだ」
3人は自分たちが球体に吸い込まれないようにするのに必死だ。そして…あたり一面にいたはずの未元獣はすべて消滅した。
きゅっぱ「新型まで一瞬で倒しやがった…」
シュウの強大な力にあっけにとられる3人。
ウルズ「これだけの力がありながらなんで今まで戦わなかった!」
シュウ「おや?いいのですか?それではあなたたちも巻き込まれるかもしれませんよ」
ウルズ「ぐっ!そりゃそうか…」
にろく(シュウ…こいつはいったい何者なんだ?)
シュウ「
にろく」
にろく「…なんだ?」
シュウ「そんなに警戒しなくてもいいですよ。私はあなたたちに危害を加えるつもりはありませんので」
にろく「…」
シュウ「では先を急ぎましょうか。彼らもミストラルシティへと向かっています。私たちはわたしたちのなすべきことをやりましょう」
ウルズ「そうだな」
シュウたち4人はモゴラ大陸を進んでいく。彼らのなすべきこととは…
~ミストラルシティ・喫茶かざぐるま~
Nの世界への宣戦布告を聞いた3人はかざぐるまへと戻ってきていた。ナルは店内の掃除をしていた。
ナル「あれ?」
見慣れないコンセントがそこにはあった。
ディック「どうしたナル?」
ナル「こんなところにコンセントなんてあったっけ?」
ツバメ「見た記憶がないわね」
ナル「もしかして!」
ナルは自分の携帯端末にコンセントを差し込む。
ディック「なにやってんだ?」
携帯端末に文章が表示される。
ナル「やっぱり!にろくだ!」
にろくの能力『プラグオン』でつくったコンセントプラグはそのまま残すこともできる。にろくはいなくなる前にここになんらかの情報を残していったのだ。
ツバメ「なんて書いてあるの?」
ナル「う~んとね」
『ナルたちへ。Nという奴の策略でおれはしばらくここへは戻れない。決着をつけたら必ず戻る』
ディック「にろくがいなくなったのにもNが関係していたのか…」
ツバメ「決着をつけるということは…彼Nを倒すつもりなのかしら?」
ナル「だったら僕たちも行こう!」
ディック「おいおい。そんな急に…」
ナル「Nを倒せばにろくは戻ってくるんだよ!だったら…」
ツバメ「ナル!冷静になりなさい!」
突然大声で制止するツバメに驚くナル。
ナル「ごめん…つい…」
ツバメ「Nがいるであろうクリュセルスは未元獣の巣窟と化しているでしょうね。そこに無策でいってもどうしようもないわ」
ディック「だな」
ツバメ「にろくだってそんなことはわかっているはずよ。彼がそんな無謀な策はとらないでしょう」
ナル「そうだね…ありがとうツバメちゃん」
ツバメはナルを落ち着かせるためにわざわざ説明をしてくれた。そんな彼女の気持ちを感じ取ったナル。
ツバメ「わかればいいのよ。でも…」
ディック「でも?」
ツバメ「にろくはNを倒すためクリュセルスへ向かっているでしょうね。だったら私たちもしっかり準備をしたうえで考えましょう」
ツバメのその発言が意味することを理解したナル。
ナル「そうだね。僕たちは一人じゃない。みんなで考えるんだね」
ツバメ「といってもお人よしの集まりの未元獣対策チームじゃクリュセルス行きは免れそうもないけどね」
あきれたような様子で話すツバメ。
ピピピピ!
ディック「なんだ?」
ツバメの持つ携帯端末がなっている。電話だ。
ツバメ「はい。もしもし?えっ?わかったわ!」
電話を切るツバメ。
ナル「どうしたの?」
ツバメ「未元獣よ!いくわよナル、ディック!」
~ミストラルシティ~
コード・スクード「ここでこの都市を落とす!」
コード・ヴァ―ダンド「我が使命を全うする!」
未元獣たちとともにミストラルシティに現れたスクードとヴァ―ダンド。
???「さて僕たちもいこうか」
???「そうだね。旧人類を消し去るために!」
???「ははは。楽しみだぜ!」
スクードとヴァ―ダンドと共にいる謎の3人の少年。彼らもNの仲間なのだろうか。
未元獣たちによるミストラルシティの襲撃。総戦力で落としにかかるNの軍勢。ミストラルシティを舞台とする激戦が今始まる…
to be continued
最終更新:2016年12月04日 15:25