~ミストラルシティ中央街・噴水広場~
ナル「ここらへんの未元獣もだいぶ片付いてきたね」
リョウガ「あぁ」
ディック「ツバメの通信では戦況はだいぶいい方向に傾いてきてるらしい」
未元獣を倒しながら会話する3人。
ディック「ただ…」
リョウガ「なんだ?」
ディック「あいつがまだいるそうだ」
リョウガ「あいつ?」
ナル「噂をすればだね…」
3人の前に仮面をつけた男が現れる。
リョウガ「こいつか…」
ディック「
アポロン…」
コード・ヴァ―ダンド「我が命を阻むものは全て打ち倒す!」
ナル「彼を倒さない限りこの戦い、勝利はないね」
ディック「だがどうする…俺たちの能力は封じられてしまう」
以前ヴァ―ダンドと対峙した時彼の能力により能力を封じられてしまったディックたち。
リョウガ「あいつの能力は口にだして宣言した場合のみ発動するんだろ?だったら!」
リョウガが走り出す。
ナル「リョウガ!」
リョウガ「奴に能力を使わせる隙を与えなければいいんだろ!」
双剣を構えヴァ―ダンドに斬りかかろうとする。
ヴァ―ダンド「策も弄さぬ真っ向勝負か。その心意気は良し。」
ヴァ―ダンドは背中から柄だけの剣を取り出す。
ヴァ―ダンド「神涜(かんとく)の大剣ディス=エクスペリエンス」
剣の刃が生成されていく。
ヴァ―ダンド「むん!」
ガキィィン!
リョウガの双剣がヴァ―ダンドの大剣に受け止められる。
ヴァ―ダンド「だが威勢だけでは我をたおすことは不可能だ!」
リョウガ「くっ!」
ディック「うぉぉ!」
ディックが拳を構えヴァ―ダンドに攻撃する。
ヴァ―ダンド「くっ!」
ディック「大丈夫かリョウガ?」
リョウガ「あぁ!」
ヴァ―ダンド「さすがだなディック。だがこの程度では我を倒すことはできん!はぁぁ!」
大剣を軽々と振り下ろすヴァ―ダンド。
ナル「危ない!」
ディック「くっ!」
リョウガ「ちっ!」
攻撃をかわすディックとリョウガ。大剣による一撃は地面を砕き、あたりに砂埃が舞い散る。
ヴァ―ダンド「もらった!」
砂埃の中からヴァ―ダンドが大剣を構え2人に突撃してくる。
ディック「なっ!」
一瞬の遅れがディックの反応を遅らせる。
ヴァ―ダンド「はぁぁ!」
大剣の横なぎが2人を襲う。
リョウガ「ディックをやらせはしない!」
ディックを蹴り飛ばすリョウガ。
ディック「ぐっ!リョウガ!」
リョウガ「うぉぉぉ!」
ヴァ―ダンドの大剣を双剣で受け止めようとするリョウガ。
ヴァ―ダンド「無駄だ!」
双剣ごとその体を切断されるリョウガ。
リョウガ「すまない…ディック…」
リョウガの体が青い炎に包まれ消える。
ディック「リョウガ!」
ナル「そんなリョウガが…」
リョウガはディックの能力で創られた存在だ。死にはしないが負ったダメージによってしばらくはでてくることができないだろう。
ナル(くそ!僕にも戦う力があれば…)
ディック「俺たちだけでもやるしかないのか…
相手の強さは以前戦ったときに身をもって知っている。その相手にナル、ディックの二人で立ち向かわなければならない。絶望的な状況だ。尻込みする二人。
ヴァ―ダンド「そちらから来ないのであれば私からいくぞ!」
大剣を構え2人に襲い掛かるヴァ―ダンド。
ディック「くっ!」
ヴァ―ダンドの気に押され防御の構えをとるディック。
ヴァ―ダンド「ふん!」
防御の態勢をとるディックをそのまま薙ぎ払うヴァ―ダンド。
ディック「ぐぁぁ!」
吹き飛ばされるディック。
ナル「ディック!」
そのまま地面に叩きつけられるディック。
ディック「がはっ!」
気を失うディック。リョウガが簡単にやられたことのショックで精神的にも臆している今のディックではヴァ―ダンドと戦うことは不可能だろう。
ナル「くっ!」
ヴァ―ダンド「あとはソナタだけだ」
ナルに大剣を向けるヴァ―ダンド。
ナル「ごめんね、ツバメちゃん。もうダメかも…」
ヴァ―ダンド「はぁぁ!」
大剣をナルに向け振り下ろすヴァ―ダンド。
ナル(
にろく…ごめん…)
バゴォン!
突如現れた男がヴァ―ダンドの大剣に蹴りを入れる。
ヴァ―ダンド「なに!?」
ナル「えっ…?」
男の蹴りで軌道を変えた大剣は地面を砕く。
ナル「あなたは…!」
???「よう!久しぶりだな!」
その男は体に炎を纏っていた。
ナル「
ボルク!」
ボルク「こいつの相手は俺がする!お前は下がってな!」
ヴァ―ダンド「ボルクか…いいだろうソナタの相手をしてやろう!」
ボルク「お前がコード・ヴァ―ダンドか…いくぜ!」
炎を纏ったボルクはヴァ―ダンドに向かっていく。拳と蹴りを交えた格闘術でヴァ―ダンドと戦うボルク。
ナル「すごい…あのアポロンと戦い合っている…」
自分たちでは歯が立たなかった相手とほぼ互角に戦い合っているボルクをみて驚くナル。
ナル「あれ…でもなんでボルクがここに?」
そうだ。彼はたしか行方不明だったはず。そんな彼がなぜここにいるのだろうか。
ボルク「うぉぉ!燃えるぜ!」
ヴァ―ダンド「なかなかやるな!だが!」
傷が治るヴァ―ダンド。
ボルク「自己治癒!?そんなのありかよ!」
ヴァ―ダンド「さぁ!いくぞ!」
いくら鍛錬を積みかなりの実力者であるボルクといえどもダメージが回復するヴァ―ダンドを相手にしては次第に押されていく。
ボルク「こいつ…強い!」
ヴァ―ダンド「どうした?もう終わりか?」
ボルク「まだまだぁ!」
続くヴァ―ダンドとボルクの激闘。その状況を眺めるナル。
ナル「ボルクが押されてきている…体力の限界か…このままじゃあ…」
ヴァ―ダンド「ぬぉぉぉ!」
ヴァ―ダンドの大剣による強烈な一撃がボルクを襲う。
ボルク「がはっ!」
吹き飛ばされるボルク。
ナル「ボルク!」
ボルク「はぁ…はぁ…」
息も絶え絶えの状況のボルク。
ボルク「まだ…だ!」
だが彼はあきらめない。
ヴァ―ダンド「みじめだな。終わりにしてやろう。」
ボルクに向け手をかざすヴァ―ダンド。
ナル「あれは!」
ヴァ―ダンド「神託のロールを持ってして、我天命を全うす!天地開闢の一幕を紡ぎ出さん!」
ボルク「なんだ…?」
ボルクの体を覆っていた炎が消える。
ヴァ―ダンド「ソナタの能力の使用を禁ずる」
ボルク「俺の…能力が…」
能力を無効化されたボルク。
ボルク「力が…入らない…」
能力により身体能力を向上させているボルクはそれを封じられたことで無茶をしていた体へダメージのリバウンドが帰ってきたのだ。
ナル「これじゃあもう…」
ヴァ―ダンド「これで幕引きだ!」
大剣を構えるヴァ―ダンド。
ボルク「くそっ!」
ヴァ―ダンドの大剣がボルクに振り下ろされる。
ガキィィン!
何者かがヴァ―ダンドの大剣を受け止める。
ボルク「遅いじゃないか…」
???「すまない。道中の未元獣たちに手間取ってな」
男は手にした大剣でヴァ―ダンドの大剣を受け止めている。
ナル「えっ…!?なんで!?」
その男の姿を見たナルは驚愕した。
ナル「いったいどういうこと!?」
眼の前の状況を理解できないナル。その男がいるはずがない。何故ならその男は仮面をつけ未元獣を率いているはずなのだから。
ヴァ―ダンド「やっと姿を現したか!待ちわびたぞこの瞬間(とき)を!」
???「この街を破壊させるわけにはいかない。ソナタは私が倒す!」
ヴァ―ダンド「いくぞ!アポロン!」
アポロン「私の仲間を傷つけた礼をさせてもらう!」
なんとナルたちのピンチに駆けつけたのはアポロンだった。ヴァ―ダンドの前に現れたアポロン。
ヴァ―ダンドとアポロン。一体この2人にはどんな秘密がかくされているのだろうか。
to be continued
最終更新:2016年12月11日 16:54