決戦の地へ向けて!

~EGOミストラルシティ支部~
ツバメ「みんなよくやってくれたわね」
十也「なんとかな…」
スライ「ぎりぎりの戦いだったぜ」
体に包帯を巻きケガの治療を終えた十也とスライ。
ネオ「未元獣対策チームのみんなのおかげでなんとかこの街の危機を乗り越えることができたよ」
ディック「今度ばかりは駄目かと思ったぜ」
トニー「なんとかなりましたね」
ネオ「それにR部隊の助力があったからこそこの危機を乗り越えることができました」
アルバド「俺たちは役割を果たしただけだ」
会議に参加するアルバド。現場の状況をまとめるためのこの会議にR部隊代表として参加しているのだ。
ツバメ「それじゃあ情報を整理しましょう」
ネオ「そうだね。まずは十也君とR部隊が戦った少年たちについてだ」
レイジヴァイスが退けたアージ、ドーヴァ、トリスの3人だ。
十也「俺が出会った奴は自身のことを新人類、ハイ・ヒューマンと名乗っていた」
アルバド「俺の部隊の報告でもそう言っていたな。そして我々のことを旧人類とも言っていたと」
ナル「なにか僕たちとは違う存在なのかな?」
ツバメ「報告ではその少年たちは普通の剣とは違うエネルギーを凝縮したような不可解な剣を使っていたそうね。それに肉体の自己回復の能力も持っていたそうよ」
ディック「エネルギーを凝縮した剣って…漫画とかに出てくるビームソードみたいなのか?」
某ガ〇ダムなどに出てくるビームサーベルのようなものだろうか。
アルバド「あぁ。だが正確にはその柄の部分もエネルギーで形成されていたそうだ。」
スライ「そんなものが実際にあるのか?」
トニー「報告にあったということは事実なのでしょう」
ツバメ「だとすれば相手は未知の技術をつかうということね」
今までこの地球上でそのような武器が作られたという歴史は存在しない。
結利「それだけの技術をNは持っているっていうこと?」
十也「そうなるな」
アルバド「傷が回復していくのもNの技術なのか?」
コード・ヴァ―ダンドやアージたちが持つ自己治癒。それとは別に能力を持つ彼ら。
ツバメ「前は回復能力を持つ能力者がいると思っていたけど、もしかしたら自己治癒は何らかの技術なのかもしれないわね」
相手は未知の技術を使う可能性がある。そうなると今までの仮定はすべて覆される。
トニー「新人類というのも気になりますね。新たに作られた人類ということでしょうか?」
ツバメ「それはわからないわ。でも相手が未知の技術を使うならその可能性も否定できないわね」
十也「う~ん。なんだかなぁ」
謎が多すぎて釈然としない十也。
ツバメ「ハイ・ヒューマンについてはわからないことが多すぎるわね。次に行きましょう」
議題を変えるツバメ。
ツバメ「コード・ヴァ―ダンドについてよ」
スライ「アポロンか…」
ナル「えぇっと!そのことなんだけど…」
トニー「なんですナル?」
ナル「それについては彼らに加わって議論した方がいいと思うんだ」
ツバメ「そうね。話がややこしくなるから隣の部屋で待機してもらっていたけど、この議題になれば彼らが必要ね」
結利「彼ら?」
ナル「うん。入ってきて!」
部屋の扉が開く。そこには2人の男が立っていた。
ネオ「き、君たちは!」
十也「なんでおまえらが!?」
事情を知らない面々は驚く。
ツバメ「彼らなしにはこの議論はできないわ。よろしく頼むわね」
ボルク「あぁ」
アポロン「久しぶりだな」
ボルクとアポロンだ。
トニー「どういうことです?」
アポロンを警戒する面々。
ディック「みんな!そんなに警戒しないでくれ!2人は俺たちを助けてくれたんだ!」
ナル「そうだよ。コード・ヴァ―ダンドからね!」
スライ「ヴァ―ダンドからお前らを助けた?どういうことだ?」
コード・ヴァ―ダンドがアポロンだと思っていた面々はその言葉の意味が分からなかった。
ツバメ「結果から言うとコード・ヴァ―ダンドはアポロンではなかったということよ」
十也「えっ!?あんなに似ているのに?」
ボルク「確かにあいつは俺から見てもアポロンに似ていた」
結利「もしかしてアポロンの親族の方とか?」
アポロン「それはない。」
きっぱりと否定するアポロン。
スライ「じゃあ奴は何者なんだ?」
アポロン「それは私にもわからない」
ディック「アポロンのファンだったりしてな!」
ナル「ディック!」
ディック「えっ?」
ディックに向けられる一同の冷たい視線。盛大に空気を読み間違えたディック。
ディック「ごめん…」
トニー「でもそもそもなんでアポロンは姿を隠していたんですか?」
スライ「そうだよな。出てくればすぐにヴァ―ダンドはアポロンじゃないってわかったじゃないか」
アポロン「ことはそう単純ではない」
ツバメ「そうね。アポロンの言う通りよ」
結利「どういうこと?」
ツバメ「先手を打ってきたのは奴らよ。仮面をつけたアポロンが街を破壊して回っている。そして指名手配されたアポロン。その状態で出てくれば罪を擦り付けられ捕まるのがオチね」
ナル「そうだね。それに相手を捕まえようにもどこに出てくるかもわからない相手だしね」
その状況では表に出ることもできず、ヴァ―ダンドを捕まえることもできない。
アポロン「そんなとき風の便りで未元獣のミストラルシティ襲撃の話を聞いた私はボルクと共にこの街に駆け付けたのだ」
十也「そういうことだったのか」
ツバメ「でも本当に彼は何者なのかしら」
コード・ヴァ―ダンド。アポロンに似た謎の人物。
アポロン「奴の正体はわからないが奴は去り際に言っていた。ユグドラシルにて待つと」
結利「ユグドラシル?」
アルバド「クリュセルスにあるEGO能力研究機関のことだな」
EGOクリュセルス支部にある能力研究機関。その名称がユグドラシルだ。
トニー「本拠地で待ち構えているってことですか」
スライ「そこが奴らの待ち構えている場所ってことか」
アルバド「Nと未元獣がいるクリュセルス。そこが決戦の舞台というわけだな」
ツバメ「敵さんのお誘いってわけね。でも今の状況…この誘いに乗るしかないわね」
十也「そうだな。奴らがまたいつここや他の国に攻めてくるかもわからない。」
スライ「攻めるなら迅速にだな!」
ナル「まって!あれだけの敵を相手にするのに作戦を立てないと…」
アルバド「作戦か…」
なにかを考えるアルバド。
アルバド「ネオ長官」
ネオ「なんですか?」
アルバド「例の物だがあれを彼らに使ってもらうというのはどうだろうか?」
ネオ「あれを?」
アルバド「あぁ、そうだ。本来ならここのEGO隊員たちがあれに乗り込む予定だったが。今の現状、未元獣の襲撃で戦力はだいぶ疲弊している」
ネオ「それはそうですが…」
ツバメ「ちょっと聞きたいんだけど例の物ってなに?」
アルバド「俺たちがこの街に来た本来の目的だ。あれを輸送するためにここへ来たのだからな」
ツバメ「輸送?」
アルバド「そうだ。Nが支配するクリュセルスを奪還するための切り札だ」
ツバメ「それって…」
アルバド「EGO本部で開発された飛行戦艦タイタニック=ジャッジだ」
ツバメ「飛行戦艦…」
アルバドの話ではその戦艦にミストラルシティのEGO隊員が乗り込み、空からクリュセルスへ突入する作戦だったそうだ。
アルバド「だがこの状況。ここの隊員たちは今の戦いで疲弊している。そこでお前たちの出番というわけだ」
ツバメ「なるほどね。私たちがこの戦艦でクリュセルスに突入するってわけね」
ネオ「ちょ、ちょっと勝手に話を進められては…」
アルバド「大丈夫だろう。本部には俺から話を通しておく。」
ネオ「でも…」
アルバド「心配か?」
ネオ「いや…彼らなら大丈夫だろう。そう信じているよ」
アルバド「そうだろう。なんといっても彼らはオリジネイターを倒した英雄たちだからな」
オリジネイターを倒した一般人たちの話はEGOの内部でも有名になっているのだ。
トニー「ちょっとまってください。その戦艦でクリュセルスへ突入するのはいいんですが実際わたしたちだけの戦力で彼らに勝てるのでしょうか」
いくら未元獣対策チームの面々がオリジネイターを倒したといっても、今度の敵の数は段違いだ。彼らだけではあれだけの数の敵を倒すのは不可能であろう。
アルバド「その点は問題ない。俺たちEGOの地上部隊が先行してクリュセルスへ突入する。君たちはそこからの奇襲部隊として空から突入をかけてもらう予定だ」
ナル「なるほどね。地上部隊で敵の目を引き、そこからの空からの奇襲で一気に畳みかけるってことか」
ネオ「そういうことだね」
それがNと未元獣たちが住まうクリュセルスを攻略するための作戦だ。
アポロン「その作戦、私たちも参加させてもらおう」
アポロンとボルクが名乗りを上げる。
ネオ「君たちも行くのかい?」
アポロン「あぁ。奴らの本拠地にキノが捕えられているらしい」
アポロンの仲間であるキノ。ヴァ―ダンドの話では彼女がユグドラシルに捕えられているらしい。
ボルク「それにアポロンはあいつとの決着をつける気だろ?」
スライ「あいつ?」
ディック「それって…」
アポロン「コード・ヴァ―ダンド。奴との決着をつける」
ヴァ―ダンドは言っていた。ユグドラシルにて待つと。向こうもアポロンとの決着を望んでいるのだ。
ツバメ「あなた達ほどの戦力が加わってくれるなら大歓迎よ」
アポロン「よろしくたのむ」
ツバメ「他のメンバーにも確認しておくけど、これからの作戦は危険なものよ。参加は強要しないわ。ここに残る人は言ってちょうだい」
トニー「私は参加します」
スライ「トニー…」
トニー「気になることがあるんです」
結利「気になること?」
トニー「コード・スクードのことです」
ツバメ「ここの副長官だったカレン・ネティスね」
トニー「そのことなんですが…コード・スクードはカレンさんじゃないんじゃないでしょうか?」
一度カレンと一緒に戦ったことがあるトニーにはどうにもスクードがカレンとは思えない。その姿や能力は彼女と同じだが、アポロンのこともある。
トニー「それを確かめるためにも私はクリュセルスに行きます」
スライ「だったら俺も行くぜ!」
トニー「スライ…その傷で…」
スライ「確かに今回の戦いで大きなダメージは負ったがトニーが行くんだ。俺が行かないわけにはいかないだろ!」
トニー「そうですね!頼りにしてますよスライ!」
スライ「おう!」
ツバメ「スライとトニーは決まりね」
十也「俺も行くぜ!」
結利「本当に行くの十也?」
トリスの不意打ちでダメージを負った十也を心配する結利。
十也「あいつらを放っておいたら被害は世界中に広がっていく!そんなのを見て見ぬふりはできない!」
結利「だったら私もいくよ!」
ツバメ「十也と結利もオッケーね。あとは…」
残った2人の方を見るツバメ。
ナル「僕たちは聞かなくてもわかってるよね?」
ディック「いかないわけないだろ!」
ツバメ「そうだったわね(彼を助けるためにもね)」
ナル(待っててね、にろく。僕たちもクリュセルスへ向かうから)
一同の想いは決まった。
ツバメ「というわけで私たちは全員クリュセルスへ向かうわ」
アルバド「了解した。作戦決行は3日後だ。それまでに準備を済ませておいてくれ」
ネオ「よろしくたのむね、みんな!」

ともに戦った人を信じるため、困っている人々を助けるため、仲間を救うため、仇敵との決着をつけるため。
それぞれの想いを胸に彼らはクリュセルスへ向かう決意をする。
Nとその仲間が率いる未元獣たちを倒すためにも。

to be continued

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最終更新:2016年12月13日 22:33