フリップ

左バックインに乗ること

くどいようだが、フリップは左バックインに乗って飛ぶ。トゥは支えるだけ。左手は添えるだけ。左バックの状態で一秒待つ。焦ってトゥをつかない。左バックにぐぐっと乗ってるのを確認してから、さらにぐぐっと押しきる。トゥをつくのは、押しはじめてから。 膝の屈伸で飛ぶってのは当然なんだけど、どうしてもトゥの意識と回ろうとする気持ちが強すぎちゃう。下に突き刺すんじゃなくて、置いて力を受けとめるというか。ほんとに一瞬なのでうまく言葉にしづらいけと。

うまくいったとき

どうなるかというと、
  • まずモホークがぴったり止まる。
  • そのまま流れで膝を曲げ体勢を作る。これがぶれずにエッジにしっかり力がかかり、かつ逃さず押さえている。
  • それを確認したのち、左膝を伸ばして押し始める。まだ右肩は後ろ。
  • 後方に引いた右足をやさしく下ろし、トゥを接地させる。すると左で押してる力がトゥが抵抗となり一瞬止まったようになる。この一瞬の静止というか力の均衡がポイント。ダメなときは、力を受けとめられずに抜けていき、上にあがれない。
  • 力をきっちり受けとめられれば、進行方向への力がその抵抗により上へと変換され、体は浮く。
繰り返すが、トゥを突き刺す力で上がるのではなく、力の変換で飛ぶ。

回転力の元

また、トゥの根元は右腰。トゥで抵抗を作れば、右腰は止まる。左腰には抵抗はない。すると当然のことながら、左腰のみが進行方向へ進もうとする。たが右腰は止まっているので、結果として回転運動に帰結する。これが回転力の元。実際、うまくトゥで押さえられると、何もしなくても、回る。トゥを置く、一瞬止まる、左腰が自然に回る。いや、ほんと勝手に回ってくれるのね。回るに任せるというか。

力がかかる場所

トゥというよりは、右腰の付け根あたりにグッと力がかかる感じかな。ダメなときの方が、トゥに変な力がかかる。トゥから右腰のラインで一本の軸が作れると、それに沿って左腰が回る。そして左足も自然に巻き付く。こう、旗が巻き付くみたいに。無理にバックスクラッチの体勢を、とか思わなくても、絡んでくれる。あ、両腕はちゃんと自分で締めないとダメね。

あとは回りすぎないように、着氷前に腕を開き着氷、チェックに持っていく。これもおろそかにしてはいけない。

いかに、自然にそうなる、ようにコントロールするか。力を逃がすことなくロスなく受け渡すか。シングルダブルであれば、さほど大きな力はいらない。伝達ロスさえ押さえれば充分。自戒も兼ねてだけど、あまりに強くトゥをぶっさすのはやめましょう。ミスの元になるだけではなく、氷が痛みます。

フリップを念頭に置いたけど、ルッツも基本同じ。膝を曲げるときにインに乗るかアウトに乗るかの違い。

日による出来の違い

しかしほんとジャンプは日によって出来の振れ幅が大きいというか、うまく入ってくれると5本でも6本でもクリーンに決まってくれるんだけど、ダメなときはいくらやってもダメ。頭では分かっているんだけど、、という。エッジに力がかかる感覚っていうのかな、ぐぐっときてる、ってのが感じられると、すんなりいくことが多い。だからスケーティングが以下略。

力の集約と均衡、そして変換

ジャンプでもなんでも、これらのコントロールなんだよね。力をぶれなくロスなくエッジに伝える。摩擦係数が小さい世界なので、脚力うんぬんよりも、伝達ロス率の方が大きく作用する。
まあとにかく、左に乗り切る。うまくいかなくなったら、ゼロ回転に戻して、左に乗ることを再確認する。問題の8割以上は、左に乗れてないことに起因すると思う。
うまくいくときは、開いてから降りてきてるので、もっとしっかり乗りきってかつ体を締めれれば、ダブルも夢物語ではない、、、と願いたい。

調子悪い時のフリップの矯正

外周で構わないので、まずモホークからの構えでしっかり止まる。3秒くらい。後ろを気を付けてね。
左を押し上げることを意識する。トゥは軽く、近く、そして少し遅めに置く。飛び上がろうとせず、伸び上がる感じ。
遅く、というのは、ダメなときは大抵焦って早くついてしまってるので、左で押してるのを感じたあとにほんとにちょこんとつく。上杉達也が西村のカーブに苦しんでた時に監督がバットを止めてタイミングを遅らせたように(ちょっと違う。
そのくらいでも半回転は回る。回ろうとしなくても、左で最後まで押しきれていれば、十分回る。
これで、左に乗り切ることを再確認し、また自然に回るという感覚を取り戻す。トゥのぶっさしに頼る、自分で回ろうとする、という2つの大敵を追いやる。

動きになれてくると、半回転超回り出すので、着いたあとそのまま回って軽くチェックを入れる。そしたらジャンプコースに戻り、ゆっくり目のスピードで同じく半回転からリスタートする。
同じように、左に乗る、トゥは近め遅めで。外周よりかはスピードがあるので、半回転は余裕。無理はしない。乗りきってから上がり、空中でゆっくり回るのを確認。
そしてこっから。よし一回転飛んでやるぜと気負うと元の木阿弥なので、回転はあくまで結果、さっきよりも少し深めに乗る、トゥを少しだけ後ろに置く、など元の方を掘り下げる。


左の押しはあまりちんたらせずに、一気にグッと。エネルギーは短い時間で解放した方がよい。
構えからの動き出しは、左が先でトゥがあと。左が主でトゥが従。これか逆だといっくらやっても飛べない。
あとは、体の左側に壁を作る感じかなぁ。構えたときに左腕が壁に抑えられてるというか。押し上げに入っても、左肩と腕は壁に着いたまま開かず、離氷で壁に沿ってすり抜けてく、みたいな。あくまで感覚だけど。
この、壁を作るってのは随所に出てくるかもね。多分アクセルの入りとかも。スピンの入りでも一瞬左肩あたりに壁を作るような感じだし、スリーターンでも腰からエッジにかけて板をはるようだし。
おそらく、そちらに回ろうとする力がかかってるんだけど、それを抑えて静止してるときにそう感じるのかも。ちゃんと抑えてるからこそ解放したときに力が伝わるんで、いい傾向ではあると思う。
CWのアウト抜け:ちゃんとチェックを入れるとアウトで出やすい。右腰が後ろに回った状態で左エッジに乗れれば、自然にインに返り踏み出せる。腰が前に残ったままだとその腰を進行方向へ向けにくいので、つまる。

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最終更新:2013年01月26日 13:02