洗脳について
洗脳のメカニズム
米本和広『教祖逮捕』には、頭を空っぽにさせてそこに教義を詰め込む洗脳の仕組みについて書かれてあります。
- 脳にも容量があるが、情報量ではなく、時間が関係する。
- 洗脳セミナーでは脳に休む暇を与えない。
- 思考力の容量が限界に達し、自我はパンクしてしまう。
- 自我がパンクし、思考が停止した状態でも情報はインプットされる。
- そこでカルトの教えが刷り込まれる。
- カルトの教義は普通に考えると理解できないものだが、自我がパンクしているので論理的思考ができず、直接教えが刷り込まれてしまう。
- それに加えて、パンクした瞬間、ドーパミンやエンドルフィンといった脳内物質が放出され、感動体験、神秘体験を経験する。
- そうした体験を伴う教義の刷り込みだから、しっかり脳にこびりついてしまう。
- 教えを理解し、納得して結論を出したのではない。
- だから、「本当の自分に出会えた」「すばらしかった」といった抽象的で幼稚な表現しかできない。
- そのため、カルトの教えを他人に論理的に説明することはできない。これはカルト信者に見られる共通した特徴である。
マインド・コントロールは、普通の人なら誰でもかかる可能性があり、自分は大丈夫だと自己過信した人が一番危ないそうです。多くの場合、自分が勧誘されているのだとは気づきません。また勧誘された人の大多数は、安定した、知的な、理想家肌の人々で、一般的傾向としてはよい教育を受けており、立派な家庭の出身だそうです。(中略)
マインド・コントロールにかかっていたら、ほかの人の助けなしに、本人がそうだと気づくことは不可能でしょう。
会社などで起こるケース
会社の犯罪に加担してしまう人がいます。与えられた任務を忠実に果たせば、仕事の仲間から受け入れられ、会社という組織と自分とが一体化します。そうなると組織の論理に従うことは必然です。たとえそれが法に触れることであってもです。
田中康夫のアシスタント募集に応募してきた野村証券に勤める女性に、証券不祥事をどう思うかと聞くと、
「悔しい。上司があんなにがんばってきたのにマスコミにあることないこと書かれて」
と憤慨したそうです。
「上司のそばにいて、あなたが涙が出ちゃうのはわかるけど、事件全体についてどう思うの」
と田中康夫が尋ねると、
「やくざとのつながりは昔からあったことで、何が悪いの。どうしていまごろになってうちだけをいじめるの」
とほとんど抗議口調だったといいます。
最終更新:2010年06月23日 21:53