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ダイの大冒険AFTER(ガモンさま) 第二十四話 再会、そして・・・ - (2009/07/01 (水) 19:12:56) のソース
ボブルの塔、ポップ達四人は四方に散らばり行動していたにも関わらずポップとマァムは偶然再会していた。 「もう、これじゃ散らばって動いた意味がないじゃない!」 と、マァムの一喝を受けながらもポップはマァムと二人きりになれたのが嬉しいという表情がはっきり出ていた。 そんな二人が目の前を見て驚愕するまで三秒と掛からなかった。 時を少し戻して階段付近で闘っているエスタークとゴンズにも決着が近づく。 「まさか、何故その体で俺をここまで……」 体中が血まみれになりながらもエスタークはゴンズに斬りかかる。一方のゴンズは疲れから動きが鈍っていた。 そこへエスタークの一撃がゴンズの右胸を貫く。三人の間に地上から風が吹き、静寂が辺りを包む。 「エスターク……」 ダイが呼んだ瞬間、エスタークは覇王の剣をゴンズから引き抜く。ゴンズは鮮血に身を包み、その場に倒れ伏した。 「か、勝った。」 エスタークは剣に付着した血を払い、鞘に収めた。 「勝ったんだね、エスターク。」 ダイが近付くとエスタークが止める。ダイも驚いた表情でエスタークを見つめた。 「ダイ、先に行ってくれないか?頼む。」 先刻まで自分が先陣を切っていたとは思えない言動を口に出したエスタークに少々戸惑いを覚える。 「先に行け!ダイ!!!」 「う、うん。」 エスタークの気迫に押され、ダイは走り出した。 一人残ったエスタークの眼前にゴンズが立ち塞がる。明らかにエスタークに対し、憎悪した表情を浮かべながら。 「ククク、勇者を一人行かせて、どういうつもりだ?」 「貴様には関係ない。」 そう言いながらもエスタークはボブルの塔にある”強大な邪気”を感じ取っていた。 『もしもこの気配が奴等の仲間の者であれば、ダイを離した方がいいだろう。』 流石のエスタークも巨大な気配が大魔王バーンのものであることは知らなかった。 ベンガーナの会議室で、アバンとバズズの戦闘が続く。バズズの呪文とアバンの海波斬と、互いに一歩も譲らぬ展開になっていた。 「フフフ、そろそろこの闘いも潮時じゃないか…」 バズズが笑いながらアバンに語りかけると会議室の窓から飛び降りた。 「一体何をする気だ!」 アバンは急いでバズズの後を追った。既にバズズの策略に嵌っているとは少しも思わなかった。 「ぎゃ~~~~~!!!!亡霊~~~~~~~!!!!!」 涙と鼻水を垂らしてポップが目の前にいる魔族…大魔王バーンに指を指す。 「ははは、大魔宮で見たお前はどこへいってしまったのかな?」 バーンが微笑を浮かべながら近づく。ポップは未だに顔がこわばっていた。 「ちょ、ちょっと、バーンは生きてるみたいよ??」 改めてポップはバーンの体を見つめる。二本の足があり、バーンから生気も感じる。 「こりゃ、本当にバーンが……」 本人が生きていると知って、先程までの恐怖と全く違う恐怖が押し寄せてくる。 「で、でもよ、額の眼が見当たらないぜ?」 ポップがバーンではない可能性を必死に模索するがバーンの答えはすぐに返ってくる。 「所詮は造られた胴体ということだ。」 バーンの言葉に疑問を覚える二人であった。 「とにかく偽物だろうとなかろうとこいつを潜り抜けて行くしかねえだろう!!」 ポップが前に出る。それに対しバーンは大魔宮で見せた究極の構え、天地魔闘の構えを取り、迎撃態勢に入る。 天地魔闘の構えを知り、そして破ったポップだが、それは代わりに攻撃を受けた仲間達やシャハルの鏡の恩恵もあった。 しかし今回はポップ、マァムの二人しか周りにはいない。大魔王を相手にするには絶望的な状況下だった。 「さあ、大魔宮で闘った時の様に、余を楽しませてくれ。そのうえでうぬらを血祭りに上げてくれる。」 バーンの微笑が笑みへと変わる。膨大な殺気が彼から放出され、周辺にいたモンスターにまで被害が及ぶ。 「くそ、やっぱり状況は最悪かな……」 「何いってんのよ!諦めちゃ駄目よ。」 たった二人でバーンを相手にするにはマァムの言葉でも説得力がない。 そんな中、絶体絶命と思われていた二人の後ろに、奇跡的に小さな勇者が通りかかった。 「大魔王、バーン!!!」 その声にバーンは構えを解き、少年を見つめる。そしてポップとマァムは聞きなれた声の方向へ顔を向けた。 そこにはポップ達が長い間探し続けた少年が、バーンを倒し、地上を守った勇者が、何よりも、自分の生涯一の戦友であり盟友。 言葉に出来ない思いが二人の間を駆け巡る。特にポップは放心状態の余り、周りがまるで見えていなかった。 「二人とも、心配かけて、ごめん。」 自分たちの前にいる勇者ダイ。ポップは本能的にダイに飛びついて行った。 「ダイ~~~~~~!!!!!!!!!今ま・・・ど・・・行って・・・・・・だ……ぱい・・・・ぞ!!!!」 最早言葉にならない声を上げながらポップは唯泣いていた。恐らく今まで彼が生きた人生の中で最も長く涙を見せた瞬間だっただろう。 マァムもポップにつられて泣いていた。それ程二人にとってダイが目の前にいる事は嬉しかった。 ダイが来ただけで場の空気が変わり、先程までの緊迫した空気はいつの間にか消えている。ダイはバーンの方を向く。 「何で生き返ったのか分からないけど、もしもまた皆の幸せを奪おうとするなら、俺はお前を許さない!!!」 「ダイよ、ならば我々も神に幸せを奪われたと言っても過言ではない。どちらか一方が幸福を勝ち取るには、他を蹴落とさなければならないだろう。 これ以上は、力で語り合おうではないか。」 バーンは自らダイに向かって殴りかかった。 ダイはバーンの一撃を紙一重でかわしたが、追い撃ちを掛ける様にカイザーフェニックスを放つ。 まともにカイザーフェニックスを受けたが、急所は外したので、立ちあがることは出来た。 「バーン、やっぱり、力が正義だって主張は変えないんだね。」 ダイが哀れみを込めた表情でバーンを見る。 「例え強大な力で叩き潰されようと、その力で実際に満足している者達がいるのならば力が正義だという事も必然だ。」 「そんな事は間違ってる!!!」 今度はダイがバーンに斬りかかる。 幾度となくぶつかる二つの”正義”。答えはまだ、謎に包まれている。