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最終話し 質問
恐竜帝国が襲撃した町から離れる事数百キロ…ヤザン達はとある廃墟にいた。
開発が進んだが国からの援助を打ち切られ人に捨てられた町。
その町の中にある廃工場をヤザン達はアジトにしていた。
そして…今その工場の地下にある一室で拷問が行われていた。
一人の女の腕を縛り天井から吊るしているのだ。
「さあって…何から聞こうかねぇ。」
ヤザンがニタリと下卑た笑みを浮かべながら腕を組んだ。
「だっ誰があなたなんかにッ…!」
吊るされた女、ルー=ルカがキッとヤザンを睨んだ。
「ほう…強がるか。ダンケル。」
「はっ。」
ダンケルがルーの腹に触れる。
「触らないでっ!変態ッ!」
一瞬身体をビクッと硬直させルーは顔をしかめた。
直後、ルーは腹に異様なムズ痒さを覚えた。
身体の力が抜けソレが送り込まれる。
声を出すまいと思っても出てしまう。
「さあ・・・言わなければもっとやるぞ?」
ヤザンがニヤニヤしながら言った。
「あひゃああ!くすぐったいぃぃ!やめてぇぇぇ!」
ダンケルがルーの腹を擽っているのだ。
「聞くぞ。お前はどこの組織のものだ?」
「あ・・・あうッ・・・やめッ・・やッ・・」
ルーの耳にヤザンの言葉は入ってはいなかった。
擽りに耐えるのに必死だったからだ。
「お前の名は何だ?俺らの作戦エリアにいた理由は何だ?」
「ひっ・・・あひゃはああッ!」
十分程ダンケルによる拷問は続いた。
「どうだ。言う気になったか?」
「はあッ・・はあッ・・」
人間は笑い過ぎると呼吸が苦しくなる。
今のルーがそうだった。
「まだ言う気になれないのか・・。ダンケル、コイツを独房に放り込んでおけ。」
「はっ。」
(次はあの女の方だな・・・)
ヤザンは下卑た笑みを浮かべるとヴィレッタが捕らえられている部屋へと急いだ。
ルーを独房に入れた後、ダンケルはのんびりと廊下を歩いていた。
さっきの女のスタイルと顔は良かった。
軍属の美人スパイという線も考えられた。
でなければゲリラか。
そういう事を考えているとダンケルの周囲に甘い匂いが立ち込めた。
頭がぼんやりとしてとろけそうになる。
自然と足がフラフラと匂いがする方向に向かっていた。
「あーら、こんな所に屈強な兵隊さんが。」
にこやかにダンケルを迎えたのは緑色のレオタード姿の赤毛の女だった。
「へへへ、美人さんだなあ。」
ダンケルの態度はおかしかった。
普通、アジトに見知らぬ人間がいたら疑問に思ったり警戒する。
兵隊としてはあるまじき事だった。
「ここにヴィレッタが捕まえられてると聞いたんだけど・・・・お姉さんに教えてくれないかなぁ?」
女が媚びた口調で聞いた。
「あの捕虜ならそこを右に曲がった部屋にいるよ。」
「有難う。いつも頑張ってくれてるご褒美にキスをあげるわ。」
女はダンケルの顎に触れるとこちらに引き寄せた。
目を閉じ唇をダンケルの口に付ける。
「グッ!?」
ダンケルは眩暈がした。
息苦しくなり体が硬直している。
「ふふふ・・・」
「ぐおお・・・・貴様は・・・」
痛みと苦しみに顔をしかめダンケルは動かなくなった。
「私の名はポイズンアイビー。覚えておく事ね。」
突然、警報が鳴った。
どうやらダンケルが警報を鳴らしたらしい。
「腐っても兵士って事かしらね。ロビン。今そっちに行くわ。」
「OK。こっちも敵と遭遇した。二人を救出したら脱出してくれ。」
ロビンは一人の兵士と格闘していた。
互いに素手のバトルである。
ロビンのパンチとキックを相手は受ける。
「マントとタイツ着てたって怖くは無いぞ!」
兵士が反撃でキックを放つ。
それをロビンは軽々と避けて距離をとった。
身長差は数センチ。
兵士がポケットからナイフを取り出した。
そして踏み込んでロビンに斬り付ける。
大振りでは無く牽制の為に小さいモーションで連続して斬り付ける。
「甘いぜ!」
ロビンは相手の側面に回りこみローを仕掛けた。
「ちょこまかと!」
更にきり付けて来る相手に対して又同じ所にカウンターでロー。
「もういっちょ!」
三度目も同じ所にロー。
「嘗めてんのか!」
激昂した兵士がロビンの頭部にナイフを向けてくる。
「今だ!」
ロビンはナイフをスレスレで避けパンチを放った。
結果・・・・カウンターの様な形でロビンのパンチは相手の顔に直撃した。
「グフォ・・・」
ロビンの放ったカウンターパンチはラムサスの顎を打ち抜きーー
脳震盪を起こさせーーー
相手の意識を無の世界へと飛び出たせたーー
「ふぅ・・・ナイフに頼りやがって。素手のバトルってのもいいもんなんだぜ?」
警報が響く中ヤザンは相手を出迎えるべく格納庫のハンブラビに搭乗していた。
もうそろそろこのアジトは移るつもりだった。
「何だ。あいつらまだ来ないのか。ちっ、来るまで一人でやるか!」
格納庫からハンブラビが出撃する。
空中でMS形態に変形し地上に降りる。
レーダーに映った機影は三つ。
「三対一・・・てかあ?ジェットストリームアタックでもするつもりかよ?おい」
一人ごちるとヤザンは機影に向かって飛び立った。
おぼろげながら敵が見えてくる。
(ガンダム、ゲッターロボ、そして・・・・何だあの青くてデカイのは?)
直後、ピピピと警告音がなった。
まさかこの距離でロックされたのか・・・?
ヤザンの予想は外れた。
レーダーに大量の機影が出現したからである。
「・・・・なんじゃこりゃあ!?」
急いで振り向くと・・・そこには多種多様の機体がいた。
恐竜帝国、ハニワ幻人、そして・・・百鬼帝国
正に前門に虎、後門に狼である。
(こいつはやべええや・・・)
ヤザンはフルスロットルで横に進んだ。
衝突させれば逃げられると思ったのだ。
だが目測は外れた。
前方にいた三機の内二体がヤザンを追ってきたのだ。
ヤザンは慟哭した。
今自分の機体は片腕が?がれている。
ガンダムのパイロットはエースなのかどうかはわからない。
勿論ゲッターロボのパイロットもだ。
そして、敵が撃って来た。
ミサイルをマシンガンの様に。
(ゲッターミサイルマシンガンと名づけようか・・・)
そんな事を考える程にヤザンは恐怖した。
時間がゆっくりと流れるのを覚えながらビームライフルとバルカンでミサイルを打ち落とす。
奇妙な事に相手の引き金とヤザンの引き金はタイミングが同時だった。
その時、ミサイルとビームの合間を縫うかの様にどこからかバズーカが飛んできた。
「ん!」
一発だけその弾頭にバルカンを発射して撃墜するとヤザンは又ミサイルの撃墜を再開した。
コンマ一秒の世界である。
ゲッターからミサイルは止め処も無く撃たれ続けている。
「ほらよ!」
ヤザンは機体をほんの僅か横にずらしゲッターの手元をビームライフルで狙った。
ミサイルマシンガンが爆発するのとヤザンのビームライフルのエネルギーが切れるのは同時だった。
ヤザンの目にガンダムが接近するのが移った。
もっとだ。
もっと来い。
「今だッ!」
斬り込んできたガンダムに対してヤザンはビームサーベルで斬りつける。
結果・・・・ガンダムの左腕と頭部が斬り飛ばされた。
(ふっ・・・まずまずだな。)
直後、ヤザンは体が壊れる程の衝撃に揺さぶられた。
ガンダムがハンブラビの脇腹に膝蹴りを見舞ったのだ。
「ぐふぉッ!」
機体は吹き飛ばされ地面に転がる。
ガンダムが追撃でビームライフルを撃つも当たらない。
メインカメラが吹き飛んでいるせいで相手の場所はレーダーでしかわからない。
アムロ=レイみたいに感覚だけで相手の居場所がわかる人間はまずはいない。
(今なら・・・)
そんなヤザンの安心を打ち砕く様にどこからか赤いビームが放たれてハンブラビの両足を溶断した。
ゲッターロボがゲッタービームを放ったのだ。
(まだまだいけるぜ!)
ヤザンは機体をMA形態に変形させるとゲッターに突撃した。
ゲッターがトマホークを構える。
(へっ・・・ハンブラビの運動性を見やがれってんだ!)
ヤザンは最大出力でブースターを作動させた。
全速力で進むハンブラビにゲッターは反応出来ていなかった。
ゲッターがトマホークを振り上げようした時にはもう既にその左腕は切り取られていた。
ヤザンのハンブラビがすれ違い様に一瞬で変形し、ゲッターの左腕をビームサーベルで切断していたのだ。
「おやおやどうやら苦戦している様ですねえ。では彼等を片付けてから援護しましょうか!」
青く巨大な機体・・・グランゾンを駆るその青年は言った。
目の前にあるのは様々なロボット達の大群。
数だけなら相手は圧倒的である。
その数、百を超えるだろう。
「ここらで終わりにしましょう・・・。縮大砲発射!」
グランゾンの胸部にある砲門に莫大なエネルギーが充電されていく。
その熱で周囲の空気が歪む程に。
臨界に達したそのエネルギーは前方に向けて発射され、その先にいるもの全てを飲み込み、非常に巨大な爆発を起こした。
目を眩ますような光と炎の後に残った物はキノコ雲だった。
そしてそれが巻き起こした突風は周囲にいたゲッター、ガンダム、そしてハンブラビをも飲み込み吹き飛ばした。
「ぐおお!」
今日一番と思える程の突風に巻き込まれたヤザンは機体のコントロールを奪われ容赦なく地面に叩きつけられた。
(いてええ・・いてえよお。)
体の数箇所が骨折しているのでは無いかと思える程の激痛がヤザンを襲っていた。
ドシン。
ヤザンは地響きを聞いた。
(何だ?)
恐る恐る目を開けるとモニターにはロボットの足が移った。
ハンブラビの足では無い。
とっさにバルカンのボタンを押すも反応が無い。
レバーを動かすも機体の腕が上がらず。
万事休す。
機体のモニター画面が何かで覆われた。
(ビームライフルの砲身か。)
(ここまでなのか。俺は。)
遂にヤザンの心が折れる。
直後、ドカンと音がしてモニターの視界が晴れた。
「無事ですか、隊長!」
ヤザンの回線に誰かが割り込んだ。
「ラムサスか。良くぞ生きていたな。」
「自分はまだ死ねませんよ。」
ヤザンの隣にラムサスが乗るハンブラビが降り立った。
「そちらに移るぞ。」
「どうぞ。」
ヤザンハッチを空けて差し出されたハンブラビの手に乗り移った。
「ラムサス。」
「はい。」
「オート操縦にしろ。途中で俺達は機体を破棄する。」
「わかりました。」
今彼等と戦っても撃破は必至である。
だからヤザンは離脱する事にしたのだ。
ラムサスは機体をMAに変形させると全速力でそこから飛び立った
「そろそろだ。押せ。」
「はい。」
直後、ハンブラビから一機の丸いポッドが射出された。
それはパラシュートを開き地面へと降り立った。
「逃がさないわよ!」
先程、ラムサスに吹き飛ばされた機体のパイロット、ヴィレッタが叫んだ。
回避運動を取らずただ直進する機体に当てるのは簡単だ。
R-GUNのビームライフルがハンブラビのバーニアを直撃し、機体は爆発と共に四散した。
「ご苦労様です。ヴィレッタ大尉。」
ガンダムのパイロットがR-GUNに通信を入れた。
「そっちこそ私を救出してくれてありがとうね。」
今、カラバとカツの戦いは終結した。
だがこれは突発的な戦闘に過ぎない。
彼等の戦いはまだまだ続く。
世界に平和が訪れるのはいつの日か。
エピローグ・・・
ヤザンとラムサスは今ゴッサムシティにいた。
脱出ポッドを車型に変形できるよう改良したのが良かったのか、予想よりも最寄の街にたどり着く事が出来たのだ。
今はもうティターンズは無くなっておりその残党は一般社会の中に溶け込んでいた。
が、ヤザン達の様な闘う事でしか生きられない人間は感情のやり場に困るのだ。
やり場のない怒りをヤザン達は金持ちを襲う事で晴らしていた。
そんなある日・・・
「おう!姉ちゃん!美人じゃねぇか!」
「きゃあ!やめて!」
ヤザン達はその日の飯を食う為に金持ちにたかり金品の強奪する常習犯になっていた。
その悪行は瞬く間に市民に広がり今やちょっとした有名人になっている程だった。
いつもの様に金品を奪い相手を気絶させるとヤザン達はその場を後にしようとした。
「待ちな。兄ちゃん達。」
「ああ!?」
ヤザン達の前に妙なスーツを着て顔を白く塗った男が現れた。
「カラバって覚えてるかい?」
「カラバ・・・・そういやこの前・・・俺達を警察に突き出すつもりか?」
「警察だぁ・・・?んな弱いの当てにならねえよ。裁くのは俺自身だ!このゴッサムシティの帝王、ジョーカーがな!フヘヘヘヘ!」
ヤザンとラムサスが同時に動き相手の側面に回りこむ。
手に持ったナイフで相手を刺そうとするがそれはあっという間に二人の手から離れていた。
ジョーカーがキックとパンチで弾き飛ばしたからだ。
「素手で行くぞ。」
ヤザンがジョーカーを挑発した。
「へッ。」
ジョーカーがせせら笑った。
ヤザンが地面を足で蹴って間合いに踏み込み、パンチを放とうとした瞬間ーーー
「危ないッ!」
パン。
ラムサスが倒れこんだ。
ジョーカーが拳銃で撃ったのだ。
「ラァァムサァァァス!」
ヤザンはキレた。
可愛い部下。
幾多の戦場から共に生還した仲間。
それを。目の前の敵が。
「へっへっへ・・・次は・・・」
ジョーカーが意地汚く笑った。
その言葉が言い終わる前に再度、ヤザンは踏み込んだ。
「けーッ!」
突如、叫び声が響いた。
その声の主はジョーカーを殴ろうとしたヤザンの背中に空中キックを見舞った。
「ぐあッ!」
踏み潰されヤザンは動かなくなった。
パチパチパチパチ。
ジョーカーは拍手した。
「お手柄だな。」
「まあ・・・ね。」
翌日、小柄でこれといった特技も無いパイロットが凶悪犯となったティターンズの残党を逮捕したというニュースが新聞にのった。
その名はーーカツ・コバヤシーー
18禁スーパーロボット大戦H 完
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