「センセー、帰ろうよ。」
社会科準備室の扉が開いて、キリノの顔がぴょこんと飛び出す。
「どうした、キリノ。」
「買い物帰りに実家に寄ったら、おみやげをくれたから、センセーに早くよろこんで
もらおうと思って。」
「ということは、晩飯はメンチカツだな。ちょっと待ってな、すぐ用意するから。」
2,3分ほどすると、上着を着て、鞄をぶら下げたコジローがキリノのもとへやってきた。
「それじゃ、お先に失礼します。」
「失礼します。」
声を合わせて、二人は社会科準備室を出ていった。
後に残された日本史の先生が、
「いやー、若いっていうのは、いいねぇ…」
としみじみつぶやいた。
校舎を出て、駐車場へ歩いていく。
「ねー、センセー。」
「なんだ?」
「お母さんが、これはセンセーへのおみやげだって。」
キリノが茶封筒を渡す。防犯灯にすかしてみると、何か紙切れが入っている。
「ビール券か何かかな?」
コジローはそのまま、上着の内ポケットに封筒を入れた。
夜の町を車が走る。車内で二人は他愛もない会話をする。信号待ちで止まったときに、
会話がとぎれた。ふと何気なく首を動かすと、角に安売りの酒屋がコジローの目に入った。
「キリノ、ちょっと寄り道をするぞ。」
「え?どこに?」
「ちょっくらビールを買いに。お前も冷蔵庫や冷凍庫にないものを探してくれないか。」
「わかった。」
コジローはハンドルを切って駐車場に車を止める。そしてコジローは酒や飲み物を、
キリノは冷凍食品を探していく。真剣に冷凍食品を見つめている姿を見て、
(若いくせに、所帯じみてきたな…ま、俺のせいか。)
と、コジローは苦笑する。支払いの時に、先ほどの「おみやげ」が頭に浮かぶ。
(この店はビール券で支払いできるのかな?)
内ポケットから封筒を取り出し、中から紙切れをとりだしたコジローは、手にしていた
買い物かごを落としそうになる。
なぜならその紙切れは、某ラブホテルチェーンの無料宿泊券だったからだ。
自宅に帰り着き、キリノと一緒に一風呂浴びてから、ビールとメンチカツの晩ご飯が始まる。
「あー、やっぱお前の家のメンチカツはうまいなぁ…」
「そうだね…あたしも頑張っているけど、なかなか再現できなくてゴメンね。」
「いや、そんなわけで言ったんじゃねぇよ。お前はいつもよくやってくれているよ。」
「センセー…」
しばらく沈黙があったが、コジローが話題を変える。
「ところで買い物はどうだった?サヤは元気か?」
「ウン。久々に楽しかったよ。サヤも、大学が楽しいって。」
「二人で、いったい何を買ってきたんだ?」
「水着だよ。思い切って、ビキニにしたよ。後で見せてあげるね?」
コジローの頭脳がフル回転する。
(水着…海…そういえばあの海岸の近くには…)
「いや、キリノ。別にいいぞ。」
「えー、そんなぁ…」
「それより、再来週の土曜日は海に行かないか?それまでのお楽しみということで。」
「再来週?センセー、部活は?」
「テスト前だからお休みだよ。だからどうだ?その時に初めて、俺をドキドキさせてくれよ。」
「うーん…わかった。再来週だね。」
それきり水着の話は出ず、ほかの買い物の話しや、サヤの大学生活に自然と戻っていった。
二週間が経ち、約束の日が来た。
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
インテグラの助手席に乗り込んだキリノが、楽しそうに叫ぶ。
「よし、行きますか。」
コジローも、サイドブレーキを戻しながらいう。
朝早く出たせいか、道もすいており、快調なドライブが続く。3時間ほど経っただろうか、
海沿いの小さな町に着く。細い道に車を乗り入れていくと、小さな浜辺に着いた。
駐車場に車を止めて、二人は浜辺をながめる。
「うわ…センセー、静かなところだね。」
「ああ…学生の頃何度か先輩に連れてこられて知ったんだ。ちょっとした穴場だろ?」
「ウン。ステキ。それじゃ、さっそく用意しよう!」
そう叫ぶと、キリノはトランクから着替えの入った袋やビニールシート、シャチの形の
浮き袋など、様々なものを取り出して駆け出していった。
「やっぱ俺は大道具係りかよ…」
そう苦笑しながら、コジローはクーラーボックスや、パラソルなどをかかえた。
「ま、でも、惚れた弱みだしな…」
小さいながらも海の家があるので、キリノはビニールバックをかかえると、更衣室を
借りに行った。コジローは、家を出るときから海パンを着込んでいたので、話は
早かった。パラソルやビニールシートを敷きながら、キリノを待つ。
サクッ…サクッ…サクッ…
砂を踏む音がする。足音を忍ばせるように。
(ははーん…ま、たまにはいいか)
コジローは気づかない振りをして、ビニールバッグから日焼け止めなどを取り出す。
と思ったら、視界がくらくなった。
「だーれだっ?」
「俺の愛する奥様だろ?」
コジローは軽口で答える。
「えへへへへ…なんだか恥ずかしいな。」
「いまさら照れるなよ…それじゃ、キリノの水着姿、拝ませてもらおうかな?」
「うん。それじゃ、本邦初公開だよ!とくとごらんあれ!」
急に視界が明るくなった。ようやく周りの明るさになれてきたとき、コジローの
視界に入ってきたのは、見慣れた彼の妻の顔。しかし首から下が普段と違う。
キリノの言っていたとおり、ビキニスタイルであるが、
(紐?)
首、背中、腰のあたりは赤い紐で結ばれて固定されていた。
(これは、ハイビスカス?)
パステルグリーンを基調とした色で、赤い大きな花が胸や、お尻、股間にあしらわれている。
「どう?センセー。」
「うん…」
「おりょ?『うん』だけですかー?」
「うん…よく似合っているよ…」
「やったー、えへへへへ。センセーがほめてくれるか、心配だったんだ…」
「いや、ほんとイイ…最高だ、キリノ!」
「えへへへへ…それじゃ、さっそく行こうよ!」
キリノはそう言うと、波打ち際へ駆けていった。
「おいおい、待てよ…」
そう言いながら、コジローはあわてて立ち上がって、妻の後を追った。
波打ち際で水の掛け合いっこをしたり、お互いに日焼け止めを塗りあいっこしたり、
ブイまで泳ぐ競争をしたり、砂に寝転がっている相手を砂で埋めたり、埋めたついでに、
コジローの身動きがとれないのをいいことに、キリノはコジローの足の裏をプニプニしたり、
海の家でカレーライスを食ったり、小振りのスイカを買って、スイカ割りをしたり…と、
まぁ、海に遊びに行ってすることはしつくした。
しかし、昼過ぎから雲行きが怪しくなり始めた。なま暖かい風が吹き、山の方に
黒い雲が沸き立つ。
「どうやら、一雨きそうだな…」
「そうだね。残念だけど…」
「ああ、片づけよう。着替えは後だ。」
そう言うと、手早く荷物をまとめる。しかし駐車場に着く頃には雨が降り出した。
「ああ、もう…せっかくの海が…」
「仕方がないさ、こればっかりは。」
「着替え…どうしよう…海の家への往復でまた濡れちゃうよ…」
「ああ、だから、これを着ろ。」
「何これ?」
「ガウンだ。風邪をひいちゃいけないから、水着の上から羽織って、車に乗れ。」
二人はガウンを羽織って、車に乗り込む。
「あ、雨がやむまで、身体を冷やさないためだね?センセー、頭がいい。」
「ま、それもあるが…」
「あるが?」
「そのうちわかる。」
コジローはそう言うと、エンジンをかけ、インテグラをスタートさせる。
信号待ちで止まったときに、キリノが尋ねる。
「まさか、このまま家まで帰るの?」
「いくら何でも、そこまではしねぇよ。ここで役立つのが、これだ。」
彼はそう言うと、ポーチから茶封筒を取り出して、キリノに渡す。
「何これ。」
「お義母さんのおみやげ。」
信号が変わって、コジローは車をスタートさせる。
「なんだろ…って、これ…お母さん、どこで、こんなものを…」
「そう。お義母さんの期待に応えるべく、今からそこへ行く。」
彼はハンドルを切ると、某ラブホテルの駐車場に車を滑り込ませる。
初めてのラブホテルが珍しいのか、キリノはきょろきょろとあちらこちらをながめる。
「そんなに珍しいか?」
「そりゃ、センセーは何度か来たことがあるかもしれないけど…」
キリノはそう言って頬を膨らませる。
「ま、社会勉強だよ。これからお前にも教えてやる。」
コジローの言葉にキリノは真っ赤になる。
「さて、まずはシャワーから行くか…海の砂も落とせて、一石二鳥だな。」
そう言うとコジローはキリノの手を引き、シャワー室へ向かった。
「俺たちのガウンは、このゴミ袋に入れてっと…」
「どこから出したの、このゴミ袋…」
「こんなこともあろうかと、着替え袋に用意していたんだ。」
「さては、最初から…」
「ま、堅いこと言うなよ…さて、海の続きだ!」
コジローはそう言うと、シャワーを手に取り、キリノに水をかけ始めた。
結局、砂を洗い流した後は、普段家でやっているのと同じようにお互いの身体を
洗いっこする。洗い終わった後、体を拭きながら、キリノが言う。
「砂を洗い流した以外、家と変わらないじゃない。ほら、お風呂にいろんなものが…」
「家と違ったことをしていいのか?」
そう言うと、コジローはキリノをお姫様だっこすると、素早く部屋に戻る。
「ちょ、センセー…」
妻の抗議を簡単にスルーして、ベッドに下ろすと、そのままの勢いでのしかかる。
キリノの豊かな胸をもみしだきながら、荒々しく口をふさぐ。同時に股間に指をのばし、
茂みから切れ目まで指をはい回らせる。
やがて自然と唇が離れる。
「も、もう…いきなり…」
「でも、お前も期待していたんじゃないのか?その証拠に…」
コジローがキリノの股間から指を離すと、ぴちゃりと水気の音がした。
「だ、だって…」
「ここは家じゃないんだから、隣近所を気にしなくていいんだぞ…だから遠慮せずに、
もっとイイ声で鳴け…」
そう言うとコジローはキリノの股間に素早く顔を埋め、びちゃびちゃと卑猥な音を
たてながら、湿り気の原因となっている泉を、もっとあふれよとばかりになめ回す。
「あ、ああああん、そん、な、すごい…」
普段とは違う、遠慮を知らないコジローの責めに、キリノはまるで脳の神経を
鷲掴みされているかのように、激しく感じて声をあげさせられる。
ジュルッ…ベチャ…チュル…ジュク…
コジローも、キリノにわざと聞かせるかのように、激しくいやらしく音を立てながら、
泉の奥からわいてくる愛液を吸い取る。
いつもより激しい動きだから、いつもより興奮する。いつもより興奮するから、
いつもより激しく動く…という相乗効果により、コジローもキリノも高ぶりが
加速することはあっても止まらない。やがて彼の鼻が、キリノのぷっくりと
腫れ上がった突起をノックしたときに、一瞬彼女の腰が浮かんだ。
「ああ、ああああああんっ…」
絶叫が響いたかと思うと、キリノはのけぞる。足が、指先がカーブを描いたかと思うと、
軽く痙攣する。やがて脱力したのか、ドサリと横たわる。
キリノが気がつくと、コジローが心配そうにのぞき込んでいた。
「あ、センセー…」
「大丈夫か?」
「ウン…なんとか…」
「よかった。すまんな、調子に乗って…家じゃ隣近所に気を使って、こんな激しいまねが
できないからな。」
「ウン…いつもより凄かったよ…」
「それじゃ、次はやさしくするから」
「え、そんな…」
結局、コジローは妻の抗議をまたもや無視して、いきり立った肉棒をイッたばかりの
泉の中心部にセットして、奥に侵入する。
「も、もう…今日は…強引…」
「でも、お前も興奮しているじゃないか…」
「だ、だって…」
「すげえぞこの締め付け…ピクピク動いて…全部搾り取られそうだ。」
「ば、ばかぁ…うむっ」
コジローの先端が、子宮口をノックした刺激で、キリノがうめく。
「じゃ、いくぞ。」
そう言うと、彼は腰を動かし始めるのであった。
浅く、深く、早く、遅く、様々な変化を付けてコジローは責め立てる。
時には、妻のふくよかな胸をもみしだき、時には腫れ上がった突起をノックする、
時には可愛く自己主張をしている乳首を軽く咬む…打てば響くように、
キリノの膣が締め付けてくる。キリノが叫ぶ。ますます興奮したコジローは、
腰を左右にひねって動きに変化を付けたり、Gスポットをえぐるような動きをくわえたりと、
よりキリノを感じさせようとする。しかし、それは同時にコジローをも興奮させる。
やがて限界が来たコジローが叫ぶ。
「キ、キリノっ!」
「ふああっ、ああああああああああぁっ!」
ドクッドクッと音を立てるかのように、コジローの精液がキリノの子宮に流れ込む。
その満たされる感覚を最後に、キリノの意識はとんだ。
キリノが気づくと、すでに朝であった。嵐は過ぎ去ったようで、分厚いカーテンの
隙間から、ほんのわずかだが光が射し込んでいるようだ。反対側をながめると、
夫の姿があった。
(あ、ひげが伸びてる…こんなところにそり残し…)
引っ張ろうと手を伸ばすと、気配を感じたのか、コジローも目を覚ます。
「お、キリノ…」
「あ、センセー…」
お互い顔を見合わせて沈黙する。先に声をあげたのはキリノの方だった。
「ねーセンセー…昨日は凄かった…」
「お前も凄かったぞ…」
「でもさ…」
「なに?」
「どこでそんな技を身につけたのかな…」
「どこでって、そりゃ…」
「あたし以外の女と…」
「そりゃ、学生時代の話だ!その分お前のためにサービスしただろ…」
「くやしいから、ほかの女が知らないところを開発しよっと!」
「ちょ、おい、いきなり耳を咬むなっ…」
彼らが家に帰ったのは、結局日曜の深夜であった。