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「やれやれ、腹減ったなぁ。」
心底疲れ切った声をだして、コジローは社会科準備室の扉を開ける。
「いやいや、お疲れさまでしたね、石田先生。スミマセンがお先にいただいてますよ。」
日本史の先生は、4時間目が空きコマだったのか、すでに弁当を広げていた。
「あ、ズルイなぁ…」
「まぁまぁ、大目に見てよ、石田先生の分のお茶、入れてあるから。」
「あ、スミマセン。」

 コジローは席に着く。そしてお茶を一口飲んでから、机の隅に置いていた
弁当箱を取り、鼻歌を歌いながら包みをほどく。そんなコジローの姿を見て、
日本史の先生が言う。
「でもね、石田先生。僕は先生の方がズルイと思うな。」
「え、どこがですか?」
「だって、愛妻弁当じゃないですか、それ。こっちはコンビニ弁当なのに…」
「そんな、愛妻弁当だなんて…」

 コジローは照れ笑いしながら、弁当のふたを取る。弁当のご飯には、
のり○まで、『がんばれ、センセー』と書いてあった。

 日本史の先生はニヤニヤしながら言う。
「僕のところは半年しか続かなかったけど、石田先生のところは、一生続きそうだね。」
「いや、でも、おかずは昨日の残りだし…」
「そんなの関係ないよ。問題はどれだけ相手のことを思っているかだよ。」
「うーん、確かにそうかも…」
「それなら、ありがたくいただいたら?僕は口直しにコーヒーを買いに行くよ。
それに、石田先生。」
「なんですか?」
「事務室に行って、奥さんにここに来るように言おうか?入試願書の受付のアルバイトに
来ているんでしょ?」
「いやいや、けじめはつけなきゃ!」
コジローの剣幕に、日本史の先生は、
「了解了解。でも、君たちなら、みんな笑って見逃してくれると思うけどな?」
と笑いながら、机の引き出しから小銭入れを取り出し、社会科準備室を出ていった。

「相手を思う…そうだよな、キリノはいつも俺のために…感謝しても、文句を言う
筋合いはねぇな。それじゃ、ありがたくいただきますぜ。奥さん!」
コジローは弁当をがっつき始めた。

 おかずのメンチカツをほおばりながら、コジローは考える。
「うん、あいかわらずキリノのメンチカツはうめぇな…」
(でも、お義母さんのおみやげ、ちっとも役に立たなかったなぁ…)

 話はキリノの妹から託された『おみやげ』に戻る。ホテルの割引券の一件があるので、
コジローは、妹が帰り、キリノが夕飯の支度を初めてから、一人っきりで、コッソリ部屋の
片隅で紙袋をあけてみた。それはなんと、『赤ま○し粉末20回分』であった。

(あいかわらずお義母さんは…)
コジローはあきれながらも、昨日は、たしかにさんざんキリノの中に放出したので、
精力が尽き果てていることも自覚していた。
(せっかくだから、ありがたく使わせてもらおうかね。)
と思って一袋封を開けたら、キリノから声がかかる。
「センセー、ゴメン。ちょっとトイレ行きたいから、その間、火を見ていて?」
「え?俺が見るの?」
「だって、火事になったら困るでしょ?お願い!」
「わかったわかった。まかせろ!」

 コジローが素直に返事したのには訳がある。さんざん自分が動いて疲れたので、
たまにはキリノに動いてもらおうと思ったのだ。だから、キリノの姿が消えて間もない
台所では、、
(これをカツの衣に混ぜて、キリノにも食わせて、ガンガン動いてもらおう…)
という下心のもと、5袋くらい、衣に混ぜる作業にいそしむコジローの姿があった。

「さて、いただきます…」
「はい、どうぞ召し上がれ。」
二人は手を合わせると、さっそく食卓の上に並んだ夕飯を平らげていく。
「あー、今日もよく揚がっているな。お義母さんのレベルに近づいてきたかな?」
「えへへへ…そうかな?でも、なんか、今日はいつもより味が違うかも…」
キリノのことばに、コジローは少しどきりとする。
「なにか、お前の中で一皮むけたんじゃないか?こう、料理のコツというか…」
「うーん…だといいな。」
キリノの言葉に多少罪悪感を感じながらも、コジローはほっとする。

 食事をすませると、コジローはテキパキと洗い物を済ませる。一応、作るのは
キリノで、後かたづけはコジローという暗黙の了解ができているのだ。洗い物を
終えると、キリノがコーヒーを入れて待っていた。
「はい、お疲れさま。」
「ああ、サンキュー、キリノ。」
「ねー、センセー。ゲームしよう?」
「ん?たまにはいいか…」

「ねー、センセー。もう寝なくちゃ。」
キリノの声に、コジローは我に返る。ゲームに夢中になり、気がつけば午前0時近くと
なっていた。
「あれ、月日が経つのは早いなあ…」
「もう、何を言っているんだか…明日は学校でしょ?あたしも行くんだから、早く寝ないと。」
「え、なんでキリノが学校に…」
「入試願書の受付のアルバイトがあるけど、家計のために行ってくれないかと言ったのは…」
「俺でした。そうでした。ウンウン、お仕事頑張らなくちゃ、早く寝よう…」
コジローはそう言いながら、ベッドルームに向かう。

「それじゃ、おやすみなさい、センセー。」
「うん。お休み、キリノ。」
その声を合図に、部屋の電気を消す。
(おかしいなぁ…ちっともムラムラこない。あれって熱をくわえたらダメなのかな…)
そう思いながらも、コジローは眠りに落ちていった。

(結局あれって、欠陥品だったのかな?お義母さんにしては珍しい…)
と考えていた頃、ちょうど弁当をすべて食べ終わった。
「ま、キリノのおかげでエネルギー十分。昼からも頑張るか。」
そう言いながら、コジローは弁当を包み直した。

 確かに、昼からのコジローは調子がよかった。5時間目はいつも以上に頭は冴え渡り、
軽いジョークを交えながらも、ノリノリで授業を展開することができた。ただし、
身体の一部、下半身も同時に元気になりだしたのには、困った。適当に動いたりして、
男根がおっきしているのを生徒たちに気取られないようにしようとしたが、かえって、
摩擦の刺激でより元気になる始末であった。

(うーん、こりゃ、まずいな…道場のシャワー室で一発抜いてくるか…ついでに
冷たい水を浴びれば、スッキリするだろう。)
コジローは6時間目が空きコマなのを幸い、道場へと足を向けた。

 道場の扉に手をかけると、カギは開いていた。
(おかしいな?今頃の体育はマラソンやサッカーだから、道場は使っていないし…)
いぶかしげに思いながら、更衣室のドアを開け、シャワー室のドアを開けた。
そこには、顔を赤らめ、荒い息を吐きながら、床にへたり込んでいる妻の姿があった。

 コジローはあわててキリノに駆け寄り、抱きかかえる。
「どうした?キリノ…」
「わからない…お昼を食べてから、どうしようもなく身体が火照って…気がついたらここに」
「お昼って、昨日の残りか?」
「そうだけども、センセーは大丈夫?」
「俺もなんだか、おかしい…」

 瞳を潤ませ、真っ赤な顔で速い呼吸をする妻の姿を見て、コジローの男根は
ますます熱と硬さを持つ。キリノの身体に食い込むかのように。

「センセー、これ…」
キリノもコジローの様子の変化に気づいたのか、手をコジローの股間に這わす。
「ふふふ、あたしと一緒だね…」
「おいおい、キリノ…」

 コジローがとまどっていると、キリノは自分の服のボタンを外していく。
「ほら、あたしの身体も、熱いの…」
キリノはそう言うと、コジローの手を取り、胸元へ持っていく。下着の上からでも
わかるくらい、キリノの身体は熱と湿り気を帯びていた。

「うむ、あむっ…」
「うっ…」
キリノの方から、突然キスを求めてきた。コジローがとまどっているうちに、キリノは
コジローを床に押し倒し、上にのるとコジローの首に手を回す。そのままキリノから
コジローの口の中に舌を侵入させ、情熱的なキスへと進化する。

 どれほど時間が経っただろうか、自然と唇が離れる。
「おい、キリノ…」
「誰もいないし…こういうのもいいかも…」
コジローの抗議を無視して、キリノはコジローの服を脱がしだす。そのまま舌が、
耳やら首筋やら胸元やらをはい回る。普段はコジローが責めてキリノが受けるという
立場なのだが、普段と違うキリノの積極的な姿勢に、コジローはとまどいを感じる。

「そういえば、ここ、弱かったよね…」
キリノの舌が、コジローの腋へと回る。
「ちょ、そこは、ダメだ…くはっ…」
コジローの顔がゆがむ。その顔が、ますますキリノを興奮させる。
「にははは、センセー。カワイイ。それに、汗の臭い、好き…」

 キリノが恍惚となって、一瞬気を抜いたのを、コジローは見逃さなかった。
「隙有り!」
コジローは一瞬にして、身体を入れ替えた。
「キリノ。なかなか良い攻めかもしれんが、百年早い…」

 コジローは、キリノの中心部めがけて男根をセットすると、素早く突入する。
「きゃうん、そんな…いきなり…」
「でも、待っていたんじゃないのか?ほら、こんなに締め付けている…」
「あん、だって…」
「えーい、いつまで口答えするか!」
コジローはキリノの豊かな胸にしゃぶりつく。
「あああん!そっ、胸まで…、やああん!」
「おいおい、いくら何でも、あんまり声をあげると、外に聞こえるぞ?」

 コジローの声に、キリノは赤い顔をさらに赤くさせる。でも、目を閉じて、
声をあげないようにしている。その姿が、ますますコジローを高ぶらせる。
「ん、んんん、ああん、くっ、はっ、んんん…」
コジローはますます動きを加速させる。キリノにできるのは、コジローにしがみつくことだけ。

「あ、はぁ、もう、俺…」
「あん、やぁん…あ、あたしも…」
うわごとのように叫んだ後、二人はかたく抱き合った。その最後の一突きが刺激となった
のか、コジローはすべてをキリノの中へ放出していた。

 後始末を終え、二人でシャワーを浴びる。二人が徐々に冷静になってきたのを
見計らって、コジローが尋ねる。
「なぁ、キリノ。今日の弁当のおかずって…」
「昨日の残りだよ?それが何か」
「昨日メンチカツを食ったときには、何もなかったよな。」
「そう言えばそうだね。」
「昨日食べた分と、今日食べた分で、何か違いはあるのか?」
「うーん、強いて言えば…」
「言えば?」
「今日食べた分は、気合いが倍になっていたかな?」
「え、どういうこと?」

 キリノはもじもじしながら言う。
「昨日さ、あたしが料理を手伝ってといったとき、文句も言わずにしてくれたでしょ?」
「あー、トイレの時か…」
「こんなやさしい旦那様が、元気になるように、明日もお仕事がんばれるようにって、
気合いを入れて、よく衣を混ぜていたからかな?」
それを聞いて、コジローはようやく腑に落ちた。
「そうか、キリノ…いつもありがとう。俺のために気を使ってくれて。」
「ううん。だって、センセーは、あたしのために頑張ってくれているんでしょ?」
「うん…そうだな…」

 二人の間に暖かい空気が流れる。思わずコジローはつぶやいた。
「なんだ、簡単なことだったんだな…昨日食べた分は、アレを混ぜる前のもので、
今日食べた分は、アレを混ぜた後だったのか。なんだ、よく効いているんじゃないか…」

「あのー、センセー。アレとか混ぜるとか、効くとかってどういうことかな…」
 コジローが気がつくと、いつのまにやら木刀を用意した妻の姿があった。
「洗いざらいはかないと、『つきーつきーつきー』だよ…」
「わ、わかったから、それ、こっちに向けるな…」

 すべてを吐いたコジローが、家に帰ってから、残りの袋をすべて飲まされたのは
言うまでもない。

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最終更新:2008年06月23日 23:07