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「そんなこともあったかな。」
合同練習に向かおうと、駐輪場で防具を荷台からおろすべく、自転車の
荷台のロープと格闘しながら一人つぶやくと、
「どうしたんだ、ユージ。」
と、成海さんの声が聞こえてきた。
「いや、その、ねぇ、ここに来たらさ、一年前を思い出さない?」
顔を上げてそういうと、向こうもわかったみたいで、顔が赤くなってきた。
「成海さん、可愛い。」
「バ、バカっ。恥ずかしいことを思い出させて…」
真っ赤になってうろたえる姿を見るたびに、可愛い人だなと思う。
あんまりいじめると、あとで口を利いてくれなくなるから、ここまでにしよう。
「ごめんね、成海さん。あんまり可愛いもんだからつい。」
「あんまりからかうなよ…」
軽く手を伸ばして抱きしめると、素直に身体を預けてきた。ポフッという
音を立てて、二人の身体が密着する。
「今日も一日がんばろうね。」
「うん。ユージに負けないようにがんばる。だから…」
顔を上げる。周りに誰もいないし…でも、そのうち誰か来るだろうし。
少し考えて、軽く口づけをした。身体を離すと、小さな声で成海さんが言う。
「ユージ、お弁当。おいしくないかも知れないけど。」
バッグの中から弁当箱を出して、渡してくれた。
「ううん。いつもおいしいよ。栄養のバランスもバッチリだし。」
「はは、そう言ってくれるとうれしい。」
彼女が少しはにかむ。そこへ栄花くんと宮崎さんが自転車を押して来た。

「おう、ユージ。朝から見せつけてくれるな」
「ダンくん。わたしたちだって負けてないでしょ。」
相変わらずのアツアツぶりを見せている。横をチラと見ると、成海さんは
いつものクールな表情に戻っている。
「それじゃあ、ユージ。後でな。」
そう言って軽く手を挙げるとスタスタと歩いていった。
「なに、あれ。彼氏彼女なら、連れだって歩いていっても何も言わないのに。」
宮崎さんが不満そうに言うのを受けて、栄花くんがこたえる。
「いいんだミヤミヤ。あれはあれで。」
「でも。」
「いいんだ。アレこそがいわゆる『ツンデレ』というやつさ。」

合同練習が始まった。一部の練習を除いて、男女別で行われるから、
成海さんと顔を合わせることも少ない。僕は二年生だから一年生の
指導をしなくてはいけないし、三年生相手に掛かり稽古で立ち向かって
いかなくてはいけないしで、道場内で成海さんと声をかけることもなく、
午前の稽古を終えた。

やがて昼食の時間になった。道場内は飲食禁止だから、みんなゾロゾロと
出てきた。風通しのいい木陰には、すでに何人かの輪ができている。
その中の一つに室江のメンバーを見つけて、僕は近づいていった。

「おりょ、ユージくん。どしたの。」
キリノ先輩が不思議そうな声で聞く。僕も首をひねりながら答える。
「どうしたのって、そりゃお昼を食べに来たんですよ。」
そう答えると、サヤ先輩が補足してくれた。
「あのね、キリノが言いたいのは、『近本さんといっしょに食べなくていいの?』
っていうこと。ほら、あんなふうに。」
サヤ先輩が指さした先には、栄花くんと宮崎さんがお弁当の食べさせあいっこを
している姿があった。僕は苦笑して答える。
「ああ、成海さんが言うには、『学校の行事なんだから、学校の仲間と行動すべき』
ということなんで。」
「かたい、かたいよお、ユージくん!」
キリノ先輩が抗議の声をあげる。
「そうだよう、いくら彼女がそう言ったとしても、手を引っ張って『イヤ、僕は
君とがいいんだ』っていってあげなきゃ。それが彼氏ってもんでしょう!」

先輩たちだけでなく、東さんや外山さんにもわいわい責め立てられて、
室江の輪から放り出された。仕方がないから、成海さんの姿を求めて、
弁当箱とペットボトルをぶら下げながら、あちらこちらの輪をながめていく。

道場を挟んで反対側の植え込みにいくと、鎌崎高校の輪があった。成海さんは、
鎌崎の女子部員と一緒にご飯を食べていた。どうしようかと少し迷うと、足音に
気づいたほかの部員に見つかった。
「あ、えーと、なるちゃん、なるちゃん。彼氏が来たよ。」
「あ、本当だ。えーと、田中くんだったっけ?」

なんでこんなに間違われるのかな?前、東城の青木さんも間違えたし…
と苦笑しながら、答える。
「中田です。中田ユージです。えーと、成海さんは…」
「キャーッ、『成海さん』だって!」
「いいなぁ、こんなカワイイ彼氏、あたしも欲しい!」
なんか、よけい騒ぎが大きくなったようだ。成海さんを見ると、
固まっている。
「なるちゃんってば、あれ?珍しい、なるちゃん固まっているよ。」
「そうなの?それじゃ、わたしたちが動いてあげるね。」
そう言うと彼女たちはそそくさと弁当箱を持つと、
「「「お幸せにー!!」」」といってどこかへ行ってしまった。

「あのー、成海さん?」
まだ固まっている。
「一緒にお弁当を食べようか?」
そう言うと、解除されたようで、少しずつ箸が動き出した。でも、黙ったままだ。

(あー、これは何か考え事、それもやっかいなことを考えているな。)
一年もつきあえば、だいたい彼女の行動や考え方は読めてきていると思う。
こういうときは、静かにしておくべきだ。僕はそう考えると、木陰に腰掛けて
静かに食べ始めた。沈黙が二人を支配し、時々風が吹き抜けるときのやさしい葉音が
聞こえてくるだけだった。

さすがに僕もおなかがすいていたので、箸の動きも早い。とはいっても、
ガツガツというより、ヒョイパク、ヒョイパクという感じだけれども。もう少しで
食べ終わるかなという頃、成海さんが先に食べ終えた。手を合わせて、小さな声で
ごちそうさまをいう彼女を見て、隠れた育ちの良さを発見したような気がした。
僕も食べ終えると、同じようにごちそうさまをした。

「えっと…」
成海さんに話しかけようとしたら、足音が聞こえてきた。
「…でよー、こっちはせっかく小手を決めたつもりだったのに…」
「…ギャハハ、そりゃ、単にオメーが下手くそだって証拠だろーが…」
「…よー、あちーから、アイスでも買いにいかね?…」
そうだね。僕たちが食べ終えたんだから、ほかの学校に人たちも食べ終えて、
移動を始める頃だろう。気まずい思いをしていたら、成海さんが静かに立ち上がって
僕を見つめる。『ついてこい』というつもりだろう。僕もたちあがると、成海さんは
静かに歩き出す。僕もそのあとを静かにつけていく。

(こっちは確か…弓道場では?)
そんな疑問を感じながら歩いていくと、成海さんは急に細い道に入った。
そして武道場と弓道場の間にある小さな小屋の前に来ると、軽くうなずいてから入った。
続けて僕も入る。

中に入ってみると、畳やら、マットやら、折り畳み式の机や椅子、「第33回○○大会」
などと看板などやらがつみ上げてある、埃臭い小部屋だった。

「ここは?」
首をひねりながら尋ねると、マットの上に、静かに腰をかけている成海さんが答えた。
「柔道の畳やら、相撲のマットやら、その他諸々の置き場なんだ。いつもカギが
開けっ放しだし、人目につかないから、ウチの学校の連中がさぼる場所の定番
なんだ。実際、わたしも何回か部員を探しに来たし…誰か来たらいけないから、
カギを閉めて。」
僕は静かにドアを閉めると、かちゃりとカギをかける。そして埃のかぶった
折り畳み椅子を開けて座った。

「えーと、成海さん…」
僕が話しかけようとすると、彼女は遮って、話し始めた。

「ゴメンね、ユージ…ずっと、だまったままで、ほったらかしにして。」
「うん。でも、何か理由があるんでしょ?」
「理由?そうだね、理由になるかどうかわかんないけど、うーん、何から話そうか?」
「思いついた順番でいいんじゃない?」
「うん。そうだね。えっと、ウチの学校のことは、ユージも何となくわかるよね。」
静かに頷く。なんだか、『どうせ俺たちは』といった雰囲気が校舎のあちこちで
とぐろを巻いているような感じがしていた。
「うん。まぁ、やる気のない連中の集まりだけど、わたしはその中でもまぁ、まだ
やる気がある、しっかりさんにに見られていたのかな?」
軽く頷く。成海さんは続けて言う。
「でも、わたしの中にも、『公立受験に失敗して、こんなところに来てしまった」という
あきらめの境地もあったわけで、ずっと『こんなはずじゃない』でも、『わたしじゃ
しょうがない』という気持ちがせめぎ合っていたんだ。」
言われてみれば、そうかもと思える。
「でも、そんなときに室江の人たちが練習試合に来て、ズブの素人の子から、顧問まで
一本筋の通った剣道を見せていって、わたしのハートがちくりと痛んだんだ。」
ああ、あの試合か。たしか成海さんが「わたしが行く」と言って先鋒になったんだっけ。

「一本を先取されても、あきらめずに、自分を信じて、全力でぶつかってくる。
その姿が、いらだたしくもあったし、羨ましくもあった。そのなかでも、ユージ。
あなたが岩堀の軽口にも敏感に反応して、静かな闘志を燃やしているのが
わたしに響いてきたんだ。」
そういえば、向こうの部長さんがタマちゃんをからかっていたっけ。

「たかが軽口にも、真剣に女の子を守ろうという姿勢…でもけっしておごり高ぶった
姿勢を見せるわけでもない…こんな男の子とおつきあいできたら、失った自分を
取り戻せるかも知れない、それに、肩肘を張って生きてきた、今までのわたしを
すくい上げてくれるかも知れない…そう思って、一年前に思い切って告白したんだ。」

あらためて、彼女の気持ちの背景を聞かされて、思わず居住まいを正す。
でも、なんだか買いかぶりすぎのような気がして、顔が赤くなる。

「ありがとうね、ユージ。わたしを選んでくれて。でも、ユージとつきあっていく
うちに、妙なギャップを感じ始めたんだ。」
「ギャップって?」
「うん…告白したときもそうなんだけど、やっぱ、その…わたしって年上でしょ?
だから、ユージ以上にしっかりしなきゃって身構えちゃって…」
そうなんだ。僕は別にそんなことは感じないで背筋のしゃんとしたお姉さんと
思っていただけなんだけどな。
「でもね、ユージの顔を見るたび、ユージの笑顔を見るたび、ユージに
触れるたびに、わたしの中のもう一つのわたしの想いが高まるの。もっとユージと
くっついていたい、もっとユージに触れて欲しい、もっとユージに甘えさせて欲しい…
でも、それは今までわたしが作ってきた、わたしのかたちを崩すことなの。
そんなことをしたら、小川さんや青木さんに勝てるものは、わたしには何一つ無い。
だから、その言葉遣いもわざと、年上っぽく、ぶっきらぼうな感じで話して、
そんな気持ちを押し殺して、『しっかり者の、年上の彼女』を演じていたんだ…
だから、ホントは、今朝の駐輪場でも、もっと抱きしめて欲しかったし、
もっともっとくっついていたかったんだ…」

一気に言うと、成海さんは真っ赤になってうつむいた。
「だから…さっきも…ユージが一緒にお昼を食べに来たときも、何も言えなかったんだ…
とってもうれしかったんだけど、口を開けば、何を言い出すか、何をしでかすか
わからなかったから…」

そこまで言われると、僕も胸がいっぱいになる。静かに立ち上がると、成海さんの
横に腰を下ろす。彼女はびくんと一瞬かたくなる。
「ありがとう、成海さん。そこまで僕のことを想ってくれて。うれしいな。」
そう言うと、彼女を抱きしめる。
「なっ、何を…」
抗議の声をあげるものの、成海さんは静かに僕の胸に頭を埋める。
「成海さん。僕だって、同じだよ。『男だからしっかりしなくちゃいけない、
大人の成海さんに釣り合うような男にならなくちゃいけない』そんな気持ちで一杯なんだよ。
だから、今までがんばってこれたんだ。そうか…僕たち、似たもの同士なんだね。
相性ぴったりだよ。」
「ば、ばかっ…からかうなよ…」
抗議の声をあげる成海さんの肩をつかんで、身体から引き離す。そして成海さんの目を
見つめて言う。
「だから、無理をしないで。どんな成海さんでも僕は受け止める。いままで
待たせてゴメン。二人で、無理をしないで一歩ずつ進んでいこうよ。
甘えたくなったら甘えてよ。もっと自然体で行こうよ。僕もがんばるから。」

「うん、ゴメンね、ユージ。そしてこれからも…」
涙を浮かべる彼女を見ると、我慢できなくなった。肩をつかんでいるその手を引き寄せる。
その勢いで唇を重ねる。

ん…くふっ……あむっ…ぷちゃっ…
小さな倉庫にそんな音が響く。どれくらい時間が経っただろうか。どちらからともなく
離れると、二人の唇の間には唾液の橋が架かる。
「ユージぃ…どこでこんなことを憶えたの?」
成海さんが潤んだ瞳で訴えてくる。
「どこでって…女の子とおつきあいするのは成海さんが初めてだよ。」
「室江の大将の子とは?」
「タマちゃん?タマちゃんはただの幼なじみだよ。」
「そう?信じてあげる。そのかわりユージ、女の子とすること全部わたしにちょうだい。
わたしも、男の子とすること全部、あなたにあげるから…」
「それって…」
「言わないで…」

そう言うと、彼女は静かに僕に頭を預ける。今朝のように。ああ、ここまで
僕を信頼して認めてくれるなんて…胸がいっぱいになる。
「ウン。成海さん。これからが二人の新しい第一歩だよ。」
そういって、左手で彼女を抱き寄せ、もう一度彼女の唇を奪う。そして右手を
胴衣の隙間に差し込む。女子は胴衣の下はタンクトップを着ていると聞いていたけど、
驚いたことの彼女は着ていなかった。と、いうことは、これがブラジャーかっ?
始めて触れるその物体にとまどいながらも、こんな感じかな?と適当に触れていく。

成海さんが唇を離して、小さく言う。
「ね、ねぇ…胴衣を…」
「あ、そうか」
間抜けな返事をすると、胸元から手を抜き、彼女と向かい合う。胸元で可愛く
蝶々結びで止められている結び目をほどくそのまま手を差し入れて、ゆっくりと
脱がせる。汗で鈍く光る彼女の上半身を見て、思わずのどの奥がゴクリと鳴る。

「あまり見ないで…」
そう言いながら、成海さんは手を背中に回し、ブラのホックを静かに外す。
豊かな胸が静かに現れた。思わず僕は成海さんを押し倒していた。

本能の赴くまま、双丘をこねまわす。
(女の子の胸って、こんなに柔らかいんだ…それに、どうだ、この吸い付いてくる感じ…)
「あんっ…ユージ…そんないきなり…」
成海さんが抗議の声をあげる。ゴメン。でも、もう止まらないよ。だってほら、
カワイイ乳首が立ってきているじゃないか。僕はおもわず、吸い付いてしまう。
「きゃうんっ!」
成海さんの身体がビクン!と跳ねる。うれしいな。こんな僕の愛撫でも感じて
くれているんだ。ねぇ、成海さん。ホント、どうにも止まらないよ。ゴメンね、
もっと感じさせてあげたいけど、僕はもっともっと成海さんが欲しいんだ。
泣こうがわめこうが、止まらないよ。こねる…つまむ…吸い上げる…舐めあげる…
軽く咬む…舌を這わせる…未熟かも知れないけど、身体が止まらないんだ…

気がつくと、成海さんの手が僕の頭に軽く触れる。我に返った僕は成海さんを見つめる。
「ねぇ、はぁっ…ユージ…その、下も…」
そう言えば、下はまだ袴をはいたままだった。ひもをゆるめてほどいていく。成海さんも
腰を浮かせて協力してくれる。これで秘所を覆い隠す小さな布きれ以外は生まれたままの
姿になった。僕は震えながらその布きれに手をかける。ゆっくり引き抜くと、その布きれと
秘所の間に糸が張っていた。小さく丸まったその布きれも心なしか湿っぽい。
(ああ、感じてくれている。もっともっと…)

そう。興奮した僕は彼女の足をしっかりつかむと、そのまましゃがみ込んで秘部に
舌を這わせる。切れ目から茂みまで…頂点に立つ小さな突起…愛液を止めどもなく
あふれさせる泉の奥…夢中で舌を、指を這わせる。気がつくと成海さんが僕の頭を手で
押さえ、秘部から遠ざける。

「え、その…」
「これ以上は…」
「そんな!」
思わず目の前が真っ暗になる。そこへ声がかかる。
「ちが、うの…もう我慢できないから、その…ちょうだい」
最後はとても小さな声だったけど、聞き逃すことはなかった。そうなんだ。成海さんも
高ぶっているんだ。

僕はあわてて袴をおろし、下着も脱ぎ捨てた。反動でナニがぶるんと震える。
「ああ、すごい…」
成海さんが息をあらげる中でつぶやいている。僕は泉の中心部にナニをセットすると、
「行きますよ。」
といった。成海さんは、小さくうなずいた。それを合図に、突入する。
「かっ、はうんっ……あああああああんっ!」
成海さんの絶叫が小部屋に響く。周りに聞こえやしないかと思ったけど、堆く積まれている
机やマット、畳が防音壁の役割を果たしていると信じたい。それよりも、成海さんの中…
ものすごくきつい…暖かい…そして微妙な肉の動きがナニに刺激を与える。
そんなことに感動していると、成海さんの声がかかる。

「ユージ…一つになったね…」
「成海さん、痛くない?」
「痛いよ、ばかぁ…でも、うれしいの。だってユージの暖かさが伝わってくるもの。」
「僕もうれしいよ、成海さん。成海さんの中、暖かくて、そして、イヤらしく動いている。」
「ば、ばかぁ!」
真っ赤になって抗議の声をあげる。その声を無視して、彼女に言う。
「動くよ。」
「え、そんなっ」
反論を許す間もなく、腰を動かす。ナニが出入りするたびに、肉が軟らかくまとわりつき、
締め上げ、すべてを絞り出そうとするかのごとくうごめく。接合部では、成海さんの
純潔の証が泉からわき出る愛液とともに泡になっている。その姿を見た僕は、ますます
本能の命ずるままに腰を動かす。

「いいっ、いいよぅ、ユージぃ…もっと、もっとう!」
「すご、い…熱いよ、とっても。成海さんの膣…気持ちよくて止まらないよ」
うわごとのようにうめきながら、二人ともスピードアップしていく。ブレーキの壊れた
ダンプカーのように、快楽という谷の底へ落ちて行くだけだ。

「ユ、ユージっ、も、もうっ」
彼女の声で一気に高まった。僕は彼女の中からナニを引き抜いた。
「むぅんっ!」
「やん、やああああああっ!」
同時に成海さんの絶叫が小部屋に響く。白濁液が彼女の胸や腰に飛び散るその下で、
成海さんが満ち足りた顔をしているのを見て、なんだか剣道で勝利を収めたり、
テストでいい点を取ったときとは違う、暖かな満足感を感じて、そのままマットに倒れ込む。

息を整えてから、あちこちに飛び散ったものを小部屋の隅に積み上げてあった
トイレットペーパーで始末する。素直に胸やおなかを拭かれている成海さんが、
なんだか可愛かった。そして身なりを整えて、時計を見る。
「今が1時10分とって、ええっ!」
「た、大変!」
成海さんもあわてている。そう、午後の練習試合は1時半集合だから、
後20分しかない。それまでに身なりを整え、弁当を片づけて、水分をとって…
とにかく練習試合の準備をしないといけない。あわてて小部屋を飛び出して、
道場に向かう。二人はしっかりと手をつないで。

道場の入り口では先輩たちや、鎌崎高校ご一行様が待ちかまえていた。
「ウン、ウン。ちゃんと青春してきたんだねぇ。遅刻寸前まで。」
キリノ先輩がうなずく。
「なるちゃん、よかったね。今まで見たことがないくらい、幸せそうだよ。」
僕と成海さんは思わず顔を見合わせる。ああ、みんな僕たちのことを考えていて
くれたんだな。だからわざわざ二人っきりにしてくれたんだな。仲間の暖かさに
胸が熱くなる。
「「ありがとう。そしてこれからもよろしく。」」
二人の口から、同じ言葉が出る。それを聞いて拍手がおこる。そこへ、
「でも、試合では負けませんから。」
と、外山さんが冷や水をぶっかける。成海さんがにこっと笑って答える。
「返り討ちにするよ。だってこっちにはユージがついているもん。」
「えー、ユージ先輩、もちろんカワイイ後輩を応援してくれますよね。」
「おまえ、自分でカワイイとゆーな。」
栄花くんがツッこむ。

ははっ、楽しいな。うん、そうだね、これからも成海さんと共に歩んでいくんだ。
頼り頼られ、時には甘え、時には甘えてもらって、求めるだけでなく、
お互いに与えあい、高めあい、支え合い、そうして光ある未来を作って行くんだ。
そう考えると答は簡単じゃないか。
「僕は…」

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最終更新:2008年06月23日 23:42