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真紅12 - (2006/01/31 (火) 06:27:08) のソース
<p>紅「起きなさい!遅刻するわ!」<br> <br> 紅「二度寝しないの!私の言う事が聞けないの!」<br> <br> 紅「朝食も用意したわ!」<br> <br> 紅「気まぐれだわ(////)」<br> <br> 紅「早く着替えなさい!直ぐに朝食にするわ!」</p> <hr> <p>「ねぇ、ジュン。」<br> 授業の終了直後、真紅はすたすた、とジュンの元へ来る。<br> 最もジュンは、<br> 「なんだ?…午後の授業の宿題やらないといけないんだが。」<br> ・・と切羽詰っているために何を言ってもたいした答えは期待できなさそうだ。<br> 「一緒にランチしましょう。」<br> 尋ねるわけでなく、決めて喋るのが真紅流といえるか。<br> 「わかったよ。じゃ行くか。」<br> 断らない方も方だ。</p> <p>廊下に出る。<br> 教室から見えたのと同じくらい日差しは多少強い。<br> 冬とはいえ、晴れればそういうものだろう。<br> さりげなく手をつなぐ真紅。ジュンもそれを嫌がりはしていない。<br> が、<br> 「よぉ蒼星石。」<br> どこに行こうとしていたのかわからない蒼星石に話しかけ、<br> 「一緒に昼、食べないか?」<br> と誘うあたり、女心に疎すぎるにも程がある。それでも、<br> 「え?・・・いや、いいよ。二人で食べなよ。」<br> 手をつないだのを見てしまった蒼星石は断った。いい対応と言えるだろう。<br> 最も雛苺あたりになると気づかずに頷きそうだ。その場合、真紅が睨むだろうけれど。</p> <p> 二人は中庭あたりにでた。敷地に対し大樹が立っているために、<br> 7割は木漏れ日が差していたり影になっていたり。<br> あたりを見回せば友達同士だったり恋人同士だったりで食事をしている人を多く見かける。</p> <p>二人はちょうどよく日が差しているところに座った。</p> <p>お弁当を広げる。<br> 真紅は手作りかどうかはわからないがやたらと豪華。<br> ジュンものりの手作りというだけあってそれなりにしっかりしている。<br> それにしても真紅のは一人分というには少し多いような気がして、<br> 気になったジュンは尋ねてみる。ものはためし。<br> 「なぁ。…おまえそんなに食ったか?」<br> その言葉に真紅は<br> 「失礼ね。…ジュンと一緒に食べようと思ったのよ。」<br> という答え。思わぬ返答に少し虚を衝かれた。<br> 「じゃぁ。もらうかな。」<br> と自分の弁当を下げた。</p> <p>―食事をしながら会話のない時間が続く。<br> 「周りの目が気になるわね。」<br> 思ったより女の子らしい理由。<br> 「けど。はい。」<br> マッシュポテトを取る。<br> 「ん?」<br> その行動の真意がわからないジュン。鈍い。鈍すぎる。<br> 「口を開けなさいって言っているのよ。」<br> そこでやっとわかる。<br> 「え、あ、ああ。」<br> 周りから見れば付き合いだしたカップルという感じに見えていた。</p> <p>食事は20分程度で終わった。<br> どうにもこの学校は昼食時間が1時間と少し長い。<br> 宿題を広げるジュンを見ながら、<br> 「まだ終わらせてなかったの?」<br> 呆れる真紅だが、<br> 「おまえが誘ったんだろ。」<br> と正しい答えを返す。<br> 「私が暇になるわ。」<br> そういわれてもジュンには知ったことではない。</p> <p>そのまま時間が20分程度流れた。</p> <p>「終わったっ。」<br> 少し体を伸ばすジュン。<br> 「終わったぞ。」<br> と隣の真紅に話しかけるが返事がない。<br> 「真紅?」<br> そこには気持ちよさそうに体をジュンに寄せ寝る真紅。<br> 「教室戻ろう。」<br> と頬をつつくが返事がない。</p> <p>―そのまま10分の時間。<br> そろそろ戻らないとまずいのだが<br> 「ホントに眠ってるな…。」<br> 少し頭を掻き方法を考える。弁当箱二つに宿題セットと真紅。<br> これを一度に運ぶには若干の無理があった。<br> 起こさないように急いで弁当箱二つと宿題一組を置いてまた戻ってくるジュン。<br> その時間、3分。<br> 「やれやれ・・・。」<br> と真紅の体を起こし抱きかかえる。<br> 軽い体はそんなに苦にならない。</p> <p> 教室までの道のりの半分くらいだろうか。真紅が目を覚ます。<br> そして自分の置かれてる環境下に<br> 「な、!」<br> 言葉になっていない驚き。<br> 「何をしているの?」<br> すぐに気を取り戻すと…冷静に話しかける。<br> 「いや・・おまえが気持ちよさそうに眠ってるから…。」<br> 「だからって・・・恥ずかしい。」<br> …たまにはこういうのもいいだろう。<br> 歩きながら多少頬を赤く染めている真紅。見ながらジュンがクスリと笑った。</p> <p> 冬の午後の一時。多少寒くても木漏れ日の暖かさが心地よい。</p> <p>―Mittagszeit― Fin</p> <hr> <p>誰もいない家庭科室<br> 優雅に漂う紅茶の香<br> 貴方の入れたそれを口に運び<br> 私は一時の至福を味わう<br> 窓硝子から差し込む木漏れ日は<br> 私と貴方を優しく照らす<br> かけがえのない時間<br> 貴方と過ごす今<br> 今はまだ伝えられない想い<br> <br> いつか伝える日まで<br> <br> 貴方に微笑みを上げたい<br></p> <hr> 携帯が鳴る。見ると真紅からだった。電話に出る。<br> 紅「私からの電話にはさっさと出なさいって言ってるでしょ!」<br> <br> 紅「今から紅茶を入れて頂戴!」<br> <br> 紅「冗談よ。べ、別に大した用事ではないのだわ!大した・・・」<br> <br> 紅「あっ!待って!えっと、その、今日の宿題の範囲!そうよ宿題の範囲は何処なの!」<br> <br> 紅「うん、分かったわ!助かったのだわ!」<br> <br> 紅「うん!貴方も早く寝なさい!おやすみなさい!」