オープニング
「おや、ようこそ。こんなヘンテコな場所へ。貴方も結構物好きですな。まっ、ごゆっくりとお楽しみいただければ」
第七回WBRについて(2・フウキン、心境を語る)
晴れた日の事務舎には、いつもと同じように
フウキンと
ヴィルエッジの姿があった。
「さて、そろそろ決勝の時が近くなってきましたね」
「そうですなぁ。かの予選を勝ち抜いた者達が集う決勝、私も心躍りますなぁ…あ、そうそう。オーナーからいい
お知らせがありますぞ」
「…はい?」
「これをご覧下され」
フウキンは手渡しで紙切れをヴィルエッジに渡した。ヴィルエッジが紙切れに短く書かれた文章を読み上げる。
「”25,26日は諸事情により臨時休暇を与える―――オーナー”」
「なんと!私達に休暇を与えてくれましたぞ!」
フウキンは喜んでいたが、ヴィルエッジは冷静に判断して質問をした。
「フウキンさん、今何
シーズンかわかります?」
「えーと、
第476シーズンですな」
「私の予想だと、26日には決勝始まっていると思いますよ?」
「……あ」
その後、フウキンはしばらく慌てふためいた。ヴィルエッジは只それを静観していた。
それから、
「落ち着きましたか?フウキンさん」
「…はぁ…はぁ…まだあわてるような時間じゃない……たかが開幕ダッシュが切れなくても…!」
「ずいぶん諦め悪いですね」
第七回WBRについて(3・褒賞にハズレなし)
その後フウキンは、数分かけて我を取り戻していた。
「ヴィルエッジ殿。実はもう一つオーナーからお知らせがありましてな」
再び紙切れをヴィルエッジに手渡す。ヴィルエッジが同じく短い文章を再び読み上げる。
「ふむ…”決勝の最終順位に応じて褒賞を与える―――オーナー”」
「…そう!オーナーから褒美がくれるのですぞ!」
「それはそれは…しかし、褒賞の内容がこれには書かれていませんが」
「それは私にもわかりませんなぁ。しかし、これは応募者全員サービスのように必ず褒美が送られてくるのですぞ!」
フウキンが喜んで浮かれている中、ヴィルエッジはフウキンに聞こえないように小さく呟く。
「ロクな物しか入っていないような気が……」
最終更新:2010年08月24日 19:51