フウキンのお世辞録 > 第6回

フウキンの嫉妬

 「ふむ、ヴィルエッジ殿が9勝と。何故私の時だけ…」
 小さく嘆くフウキンにヴィルエッジが気づく。
 「どうかしましたか?」
 「何故、何故でございまするか!?ヴィルエッジ殿の風の力を借りても勝ちを稼げないなんて!」
 フウキンの怒りをヴィルエッジに向ける。
 「さぁ?ただ調子が悪いだけだとか?」
 「そうではありますまい!この間だってヴィルエッジ殿の風の力を使っても一度も勝てずじまいでしたぞ!」
 「それはもう私とは一切関係ないと思いますがね…」
 その後、しばらく続いたフウキンの愚痴をヴィルエッジは聞く耳持たずして軽く受け流した。

新世代への兆し

 「そうそう、我が風騎軍は何と大きなメンバーチェンジを行うのですぞ!」
 それはある日、フウキンが唐突に言った。
 「……メンバーチェンジ?」
 突拍子もないフウキンの台詞にヴィルエッジが尋ねる。
 「そう、今のメンバーで風騎軍の活動をしていたのですが、ある日の境に音楽バンドのようにメンバー入れ替えを」
 「オーナーに許可は?」
 「安心を、ちゃんと取ってありますぞ。それに後全員ではなく、ヴィルエッジ殿とそのお仲間らは残留」
 「ディルオンとアルツとイルシア…ですね」
 「その通りですな。後もちろん私と私が作り出したそっくりさん……いわゆる版権付きキャラもそのまま残留しまする」
 間髪入れずにフウキンが続ける。
 「脱退する6人に代わってまた新たに新メンバーが加入するのです、が」
 「が?」
 「ある特定の条件を満たさないと出場できない…即ち全員隠しキャラになるのですな」
 「ありましたね、そんなの」
 「それに伴って私も再び隠しキャラに…というわけですな」
 「なるほど、ところで」
 フウキンの説明にある程度了承した上でヴィルエッジが問いかける。 
 「なんですかな?」
 「その抜ける人たちには伝えなくていいのでは?」
 「あぁ、オーナーの方から直々に解雇通知が渡っておりますぞ」
 「なんと手際のいい事ですね」
 「でしょう?ちなみに時期は近々に行いまする」

 それから少し間をおいて、
 「はぁ…」
 フウキンが短くため息を吐いた。
 「いかがなさいましたか?」
 ヴィルエッジが尋ねる。
 「これでしばらく、私が闘いに赴くことはなくなりそうですなぁ…」
 フウキンの言葉にヴィルエッジは、
 「再び隠しになるという事は仕方ないという事ですよ」

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最終更新:2010年09月23日 16:52
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