秋狼記20

東方秋狼記



   第二十話:なぁんだ、模造品か


 目前ばかりか左右背後にいたるまで、尊人党の兵隊が武器を携えて迫り来る。その数、実に五十余。実に救いようのない連中である。誰がリーダーなのか知ったことではないが、少なくともこいつらは土御門実篤に都合良く使われるだけのド低能な駒に過ぎない。
 もっとも救いようがないのは、そのことに気付いていない、ということだ。
 こいつらがいなければ。こいつらさえ。
 苛立ち混じりの声で、静流は三体目の式神を喚んだ。
「——色折織に散らせ、崩月!」
 宙を舞う純白の呪符がそれこそ吹雪のように舞い狂った。
 それだけでもすでに大きな圧力を伴いつつあるが、それは崩月が出現するときのおまけに過ぎない。静流がその式神に込めた願いはもっと素朴なものだ。
「うわぁっ、ぶほっ!?」
「わっぷッ、なんだこりゃあ!」
 嵐のように強烈な紙の吹雪に押され、尊人党の足が止まる。
 同じく呪符から身を守りながら、鈴仙は目を剥いた。
「ねぇちょっと、これなんだか増えてない!?」
 その通りだ。呪符は徐々に増えている。しかも、その一つ一つがヒトガタへと変わっている。鈴仙ほど目が良ければ、ヒトガタから新たなヒトガタが折り紙のように展開されていく光景までしっかりと見えるだろう。
 まさしくこれこそが崩月の力。
 静流が求めたのは、大量に消費される呪符を自動的に作ってくれる式神だったのだ。
 ただ絶え間なく自己を複製していくように仕組まれた式神。これを提案したとき、一夜限りの師であるパチュリーは即座に反対した。
 まずは制御の難しさ。ただ増殖していくだけでは止めようがなく、必ず用途以上の被害が出てしまう。だからといって制御用の仕組みを組み込むと、複製の方に不具合が出やすくなってしまう。
 そして霊力の限度。いくら無尽蔵といっても、静流の霊力では途中でまかなえなくなる。そうなったとき、静流の体に負担が一気に押し寄せる。
 最後に有用性。これだけではただの増える紙人形に過ぎない。だからといって機能を持たせると、これまた複製が難しくなる。
 だが、静流には考えがあった。
「飛べッ、已蒼!」
 手に宿っていた青い光が紙吹雪の中へと飛び込んだ。翡翠のような青い光の鳥は、蒼い軌跡をはっきりと残しながら、無秩序に飛び回る紙人形を誘導していく。
 瞬く間に紙人形は陣形を整え、二つの集団に分離された。
 一つの集団は頭上で巨大な円盤を作り、もう一つの集団は静流の後ろで手を繋いで壮大な蝶の羽のような陣形を組んでいる。円盤からは雪のように次々と小さな紙人形が降り注ぎ、静流の後ろへと補填されていく。已蒼によって崩月は分化したのだ。
 純白の翼と円盤を見て、鈴仙は感嘆の声を上げた。
「すごい……もうこれって弾幕よね。飛ばすんでしょ?」
「崩月はこれ自体ではなんの攻撃もできない式神だよ。ただ、敵陣を『突き崩す』ほどの熱量を稼いでくれるんだ」
 ざわざわざわ。静流の説明に応じるかのように、背後の白い羽が震え始めた。
 静流は術を使うとき、周りを漂っている霊力を利用している。また、呪符には自分から漏れている霊力が自動的にチャージされていた。
 崩月はその二つを組み合わせて、静流に足りない出力を補う。自身を複製するための霊力も羽部分から供給される。そして羽は増員され、さらに霊力を吸収する。いわば河童が開発中という発電所だ。
「なんだか知らんが収まったぞ、掛かれ!」
 そんなことなど知る由もない尊人党は、嵐が収まったのを見るや身を守っていた武器を構え直して、再び突っ込んできた。
 だが、それこそ飛んで火に入る夏の虫。
 静流は腕を振って袖口から花札を宙にばらまき、叫んだ。
「集えッ、天眼!」
 雷光が荒れ狂い、数人を気絶させる。
 一瞬の後、静流を守るように巨大な鎧武者が出現していた。その全身には鬼面や狐面などの仮面が八つ取り付けられている。朱を主とした色彩は、どこか懐かしくも幻想的だ。まるで恐ろしいお伽話の中から飛び出してきたかのような絡繰り武者。
「今度はなんなのよ……!?」
 度肝を抜かれたように鈴仙がへたり込む。無理もない。今の天眼は紅魔館で喚び出した時よりもさらに大きいのだから。
「天眼、おまえの力を見せてやれ。この馬鹿共が、二度と私の邪魔をしないように」
『御意……』
 重々しい声で応じた天眼は巨大な薙刀を振り上げ、石突きで地面を穿った。
 途端、大地が鳴動して何条もの稲妻が地中から現れて天へと立ち上った。霊力の制限を取り払われた今、そのどれもがマスタースパーク級。足下からの襲撃に誰一人対応できず、一瞬で意識を刈り取られていった。下手をすると命までも。
「ふん、これじゃあ見ることもできなかったね」
「言ってることがもう悪役ね……」
「そんなの、今に始まった事じゃないだろう? 私の辞書には、制圧前進という言葉がひときわ大きく記されているよ」
「踏みつぶせないほど大きなものが前にあったらどうするの?」
「その時は相手を小さくすればいいだろう」
「どうやってよ? そんな簡単に小さくなってくれれば私も苦労しないし。てゐとか師匠とか姫様とかッ」
 静流は片目を閉じ、指先でとんとん、と自分の頭を叩いて見せた。
「ここを使いなよ。もっとも、永琳には通じないだろうけどね」
「えー、それってダメじゃない。でも……それってつまり、『頭で勝負できない相手には通じない』って事よね」
「そうだろうね」
「つまり、『あいつら』には無理って、そういうことよね」
 半眼で尋ねつつ、鈴仙は親指で背後を指した。
 そこにいるのは他と同じく、地に這う尊人党の面々だ。天眼により意識を吹き飛ばされたはずの彼らだが、今、その姿は変貌しつつあった。影になった部分から、ぬるりと黒い汚泥が這い上がってきている。
 うち一人、運良く意識を取り戻した男が、自分を侵略しようとしている黒い汚泥を目の当たりにして頬を引きつらせた。だが彼の口から出るのは悲鳴ではなかった。
「おぉ、おぉ、これが! これが力なのか、俺もとうとう力に選ばれのかぁ〜〜っ!?」
 天を衝くような歓喜の雄叫び。脚も腰も、影みたいな泥に呑み込まれているのに、彼の表情は希望に満ちていた。
 それを見た静流は、言いようのない薄ら寒さを感じて肩を震わせた。
「あれが、あんなのが嬉しいっていうのかい」
「人それぞれだと思うけど、私もちょっと理解できないな……」
「理解できなくていい、するまでもないね」
 冷めた声で静流は言う。
 影みたいな黒い汚泥はあっという間に尊人党の面々を呑み込み、ぐちゃぐちゃと粘土のようにこねくり回した挙げ句、一カ所に集まり始めていた。山のように汚泥が盛り上がり、腕が生え、顔が覗き、腕が生え、顔が覗き……
 五十あまりの人間から生まれたソレは、とにかく巨大だ。しかもいくつもの腕や顔を持っている。どれも素体となっている人々のものによく似ていて、尊の字が刻まれている。
【あ゛あ゛あ゛あ゛アアアア】
 開いたいくつもの口が呻き声を上げる。もしかすると誕生の喜びかもしれないし、苦悶の声なのかもしれないが、そんなのは静流と鈴仙にとって知ったことじゃない。
「これだから人間は怖いのよ!」
 鈴仙はじりじりと後じさりながら嘆いた。
 憶病な妖怪兎は、こんなものを前にしては逃げざるをえない。立ち向かうような教育を受けた気もするが、そんなことより脱兎の如く逃走だ。
「逃げてどうするのさ、鈴仙。というより、どこへ逃げるのさ」
「誰が逃げるなんて言ったのよ? 『ここ』を使うんでしょ?」
 足を止めることなく、鈴仙は静流がやったように指先で頭を叩いて見せた。
 汚泥にはとうとう四つの脚が生え、立ち上がった。いくつもの顔と腕が生えた巨人は今、目抜き通りのど真ん中にいる。前も後ろもしばらくは道だ。弾幕を使うにはもってこいのロケーションだ。
 鈴仙は眼を紅く輝かせ、巨人に指鉄砲を向けた。
「ああなったらもう怖くもないわ。だから下がってなさい、怖い人間」

 ——ぐぉん、と世界がズレた。

「なんだ、これ……」
「波長をいじったわ。ここは目抜き通り『だけ』の異相空間……ストレートに勝負よ」
 まるで荒野のガンマンのように口の端を持ち上げる鈴仙を、静流は半眼で見ながら、
「下がれって言った割に、私も入っているんだな」
「それなんだけどねぇ、私はしょっちゅうこうやって竹林を封鎖してるんだけど、あんたの時は上手くいかない事があるのよ。姫様はこれが運命の力だって仰ってたけど」
「……運命か。考えたこともなかったな。じゃあおまえがあいつをサクッと倒してくれる運命だと信じることにする。私、ああいう手合いは苦手だ」
 大人しく鈴仙の後ろに引っ込む静流。
 崩月は周囲の大気と隔絶されたせいで霊力不足に陥り、すでに機能を停止している。エネルギー切れを起こした天眼も姿を消していた。今の状態の静流には、とにかく巨大な敵に対抗する手段が無い。
 それに引き替え、鈴仙にとってここは誰にはばかることもない絶好の土俵だ。
「——BANG」
 鈴仙は囁くように銃声を口にした。連動する指鉄砲の挙動に合わせ、白い弾丸がいくつも出現して巨人に襲い掛かる。
 それは何の加減もない、戦争をするための弾幕だ。ルールに引っ掛かるため、わざわざ定期的に位相をずらして逃げ道を作っていたが、今はそんな必要もない。
【グググアアア゛!】
 弾丸をその身に受けながら、五十以上も顔を持つその巨人は、太く長い腕で鈴仙のいる辺りを大雑把に薙ぎ払ってきた。それはもう丸太なんてものとは比べ物にならない。土砂崩れのような一撃だ。
 鈴仙はひょいと静流を小脇に抱えて高々と跳躍。これを躱す。そのまま飛行に入るつもりだったが、先程と同じように妙に身体が重くなり、数秒も飛んでいられなかった。
 どこか不気味な現象に、鈴仙の調子がわずかに狂う。口元を苦笑に曲げて、指鉄砲を巨人に向けた時には、十二の顔がこちらを向き、大口を開けていた。まるで光線でも吐き出しそうな様相だったが、実際に巨人が取った行動はさらに突飛なものだった。
【キシャア!】
 奇声を上げて、大口を開けたいくつもの頭部が、にゅうっと蛇のように伸びてきたのだ。その光景たるや、毎夜夢に出そうなおぞましさ。鈴仙は「ひっ」と引きつった声を漏らし、指鉄砲を向けてめちゃくちゃに弾丸を乱射した。
 放たれた無数の弾丸は人間の形をした頭部をことごとく撃ち抜き、原形を留めないまでに破壊する。だが飛び散った断片はまるで粘土のような材質で、現実味がない。
「泥人形……というやつかしら」
「再生するのも紅染先生の時と同じみたいだ。だとしたら、核を見つけないとな……」
「核?」
「あれは人間を核にして人間から生まれた怪物らしいから、核の人間を叩かないと泥沼になるよ」
「ちょっと待ちなさいよ……それって、五十以上も核があるってことじゃないの!?」
「そうかもしれない。でも、それだけの人間が同じようなことを思うなんて、変だ」
「う、なんかそれは怖いわね。と思ったけど、ここの人間はだいたい、私のことを気味の悪い兎だって思うみたいだし……」
 ずーんと落ち込む鈴仙。
「ほら、ブルーになるのは後でいいから、考えなよ」
「考えろって言われても私、頭脳労働はあんまり得意じゃないのよぅわぁっと」
 振り下ろされた巨大な手刀をすんでのところで回避し、鈴仙は助けを求めるような視線を虚空に向ける。考えるのは師匠の仕事で、自分は労働力なのに。
「あんなに強気だったくせに……仕方ないな」
 静流は嘆息し、抱えられたままの体勢でもう一度、天眼の視力だけを喚び出した。
 ぽうっと目に光が灯り、視界が一気に変革する。
 もやもやと流動する巨人の表面がより鮮明に見え、一度でも鈴仙の弾丸を受けた場所かどうか、今ならはっきりとわかる。さらにはその内部にまで、想像で補う事でだいたいの構造が把握できるほどに静流の視力は強化されていた。
「う、気持ち悪いな……」
 こんなもの、普通の人間の脳が処理できるレベルの情報ではないのだが、静流は気持ち悪いの一言ですませて先を見ていく。
「狙い澄まして、シュート!」
 その間も鈴仙は虚空から無数の銃弾を発射して巨人を滅多打ちにしていく。
【ギギギィァアアア゛!】
 それぞれのダメージは表面の泥を削り取る程度で、決して致命打にならない。しかし、避けようのない弾幕の雨は確実に修復途中の箇所……すなわち脆く崩れやすい部分を増やしていく。
 カルネヴァーレとかいうあの泥人形はダメージを受けると、ひとまずの応急処置として本来の装甲より脆く粗雑な組織で傷を埋める習性がある。おそらくこうやって戦い続けている分には、芯までは簡単に再生できない。
 紅染先生のカルネヴァーレ——土蜘蛛と戦ったときには、脆くなった部分から核になっている紅染先生に霊力を叩き込んだ。結果として元に戻すことができたが、今にして思えば、あのときリグルのスペルがもう少し深くまで突き刺さっていたら、紅染先生は死んでいたかもしれないのだ。実際、夏目の口振りからすると、ああやって生きたまま人間に戻れる事例は珍しく、普通なら核となった人が死ぬまで再生を続けるのだろう。
「ねぇ、なんかわかった!?」
「攻撃を続けて。一度壊れたところは脆くなるから、大きな穴を空ければ中身を叩ける。でもたぶん……あいつを倒すっていうのは、五十余りの核を叩くってことじゃないんだ」
「どういうこと?」
 尋ねる鈴仙の声を聞きながら、静流は鋭く目を細める。
 巨人から感じられるのは、ドス黒い気配だ。
 それは途方もなく邪悪で大きい。
 ドロドロとした真っ黒い泥渦の中に潜んでいるのは、もっと巨大な悪意。
 それを、静流は天眼を通して垣間視た。
「あれは……違う。たぶん、人間じゃない」
「え?」
「アイツの核は、人間じゃない! もっと巨大な、悪意だけで象られた悪意による悪意の塊。そんなのが、連中のひ弱な精神を束ねているんだ」
 静流の眼に映るのは、いくつもの黒い腕に繋がれて、全く同じ表情で怨嗟の声を上げる尊人党の面々だ。
 魂のない強固な意思が異界と繋がって、カルネヴァーレは生まれる。ある種の洗脳を受けた意志の弱い人間なんてのはまさしく打ってつけの材料だ。あとは『輝くなにがし』でも何でも見せればいい。たやすく狂って怪物に呑まれてくれるだろう。
「ん? そういえば……」

(——輝くトラペゾヘドロン、それは狂気と悪意に満ちた、異世界の風景が見られる道具なのだよ)

(——あら、それならちょうどいいのがいるわよ、ここに)

(——わ、私の目を)

 不意に脳裏によぎる言葉。はっとした顔で静流は鈴仙を見た。
 彼女の紅い瞳は今日も綺麗で、まるで直視できない満月のよう。
「ど、どうしたのよ、真正面から見ると危ないわよ」
「わかってるよ。おまえの眼は狂気の瞳なんだろう」
「そうだけど、ちょっと、なんか怖いわよあんた」
「だったらアイツを、アイツの中の馬鹿共を、格別の狂気に堕とすことはできるのか?」
「できると思うけど……そっか、もしかして、そういうこと?」
「うん。目には目を」
「洗脳には洗脳を、ってわけね。オッケーわかったわ、やってみる!」
 いったん目を閉じ、鈴仙は一歩前に出た。
【オオ゛オ゛オ゛!】
 巨人が雄叫びを上げながら巨大な拳を振り下ろす。
 すんでのところで静流が崩月が増やした大量の呪符をばらまいて防壁を作り、隕石じみた拳を弾いて軌道を逸らした。そこから間髪入れず、残った呪符を空間の八方に飛ばし、一種の結界を作る。狂気を外に漏らさないように、そして内側に強く作用させるために。
 頭が妙に冴えていた。どうすれば望みの術が発動するのか、疑問も無しに理解できる。無論、それはとても気持ちの悪いことだったが。
「急ぎ急げ律令の如く!」
 朗々と唱え、柏手を打つ。そこまでやって、静流は目を閉じた。
「スゥー……」
 深呼吸を一回、鈴仙が静かに紅い眼を見開く。

【さぁ、コッチヲ見ナサイ】

  波長が歪む。
 軋む。
    曲がる。

    鈴仙の背後には巨大な紅瞳の幻影が妖しく輝き、
 あたかも双子の赤月が地上に落ちてきたかのよう。

  閉じた世界は徐々に色を失い、
   黒と紅の二色だけが残される。

 まぁるい月の幻は歪な満ち欠けを繰り返し、やがて髑髏を象っていく。

  すでに巨人の百を越える目には鈴仙の姿も映っていない。
 ただ、ただ、狂った狂った黒紅の世界が映るのみ。

【オ゛、ア゛、ア゛ア゛ア゛ア゛】
 五十余の口が恐れに震えた悲鳴を上げる。
「どう? いいユメ見たでしょ?」
 次の瞬間——
  ピキッ!
 巨人を形作っていた黒い汚泥に罅が入り、壺が割れるが如く、瞬く間に崩壊した。
 割れた殻の中から、瞳を赤く染めて廃人同然に震える尊人党の面々がこぼれ落ちる。
 その中に、異様な波長を持った小さな黒い多面体があるのを鈴仙は見逃さなかった。
「もしかしてあれは……!」
 慌てて駆け寄ろうとするが、その前に多面体は砕け散り、砂となって消えてしまった。
「う、うわぁあッ! やっちゃったー!」
「どうしたのさ、唐突に大声なんか出して」
「輝くトラペゾヘドロンが壊れたのよぉ! うわー、怒られる、いじめられるぅぅ」
「輝夜が欲しがるほどの物を下っ端に持たせるわけがない。どうせ紛い物だよ」
「なぁんだ、模造品か。心配して損したわ」
 ほっと胸をなで下ろす鈴仙を横目に、静流は震える尊人党を一瞥した。
「そんなことより、おまえの能力がアイツらの天敵ってわかった事の方が重要だよ。これで誰にも邪魔させず、土御門を追える」
「うぅ、やっぱり追い掛けるの……?」
「当たり前だろう。あいつだけは許さない」
 強い意志を感じさせる静流。
 その瞳がほんのりと紅く染まっていることに、鈴仙はまだ気付いていなかった。



あとがき

 なんだか久しぶりの更新です。
 崩月まで出て、静流の式神はこれで打ち止め。
 どれもたいしたこと無い? それでいいんです。
 あと6話くらいで締めたいと思っていますが、まとめられるのか甚だ疑問。





-

最終更新:2011年04月08日 11:57
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。