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085.例外   「どこへ行くのかね?」 豪華な建物の前で♀GMは偉そうな男にそう尋ねられた。 「もちろん、あの遊びを止めに行くのです。」 ♀GMの顔には決意の表情があった。 「先ほど我々には何もできないと言ったばかりだろう?」 偉そうな男は少し呆れながら言った。 「…それは貴方達が何かをしようとしないからじゃないのですか? 色々な所を探せば、どこかに助ける方法はあるはずです。」 ♀GMは口調に非難の色を込めながら言う。 「…」 「あの人を止める事はできなくても被害に合った人たちが生き残れば、 必ずマスコミを動かせます。そうなれば彼女も簡単にはこの遊びをできないでしょう。 それなら…」 「たとえ自分が死んでも人々を助けられれば構わない…か。」 「…その通りです。」 「だが、もう中にいる人間は誰かを殺したか、殺そうと思った人間だろう。 自分が人を殺した事をマスコミに話すと思うか?」 「…まだそんな事になってない人もいるはずです。」 「根拠も無いな。」 「でも…可能性が無いわけでもありません。」 偉そうな男は少し考えた後、こう言った。 「…そこまで決意が固いならば、ヒャック氏を訪ねるとよい。 彼もまた彼女を止めようとしている。一人で当てもなく探すよりはいいだろう。」 ♀GMは驚きの表情で偉そうな男を見た。 「…なんだ?」 偉そうな男は怪訝そうな声でそう言う。 「貴方が手がかりを言ってくれるとは思いませんでしたから… 貴方ならこんな面倒な事に関与しないと思っていました。」 そう言われて、偉そうな男は苦笑いしながら言う。 「君はよく働いている。そんな貴重な人材をみすみす見殺しにしたくない。 だからここまで行くのを止めたのだよ。だが、君を止めるのは無理そうだからね。」 「そうでしたか…ありがとうございます。では行ってきます。」 ♀GMはそう深く頭を下げながら言い、建物を出て行った。 ---- | 戻る | 目次 | 進む | | [[084]] | [[目次]] | [[086]] |

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