055.無題
そこは、鏡写しの様な世界では、プロンテラ王城、と呼ばれる場所であった。
白い装束に纏った女が、豪奢な王座に腰掛けている。
白い装束に纏った女が、豪奢な王座に腰掛けている。
「あらら…枝から、変なのが来ちゃいましたねぇ」
秋菜は、一人呟く。困ったように、頬に手を当て、考えるような仕草を見せている。
「はぁ。イレギュラーは、排除した方がいいんでしょうねぇ。…面倒くさいですけど」
王座から立ち上がる。ふと…そこで、何かいい考えでも思いついたかのように、女は笑う。
「そうだ。ついでに参加してもらいましょう」
そうすれば、イレギュラーも排除したことになる…
そして、もっともっと沢山の喜劇が見られる事だろう。
そして、もっともっと沢山の喜劇が見られる事だろう。
誰にも知られずに、その白い女は笑った。
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