四神(中国神話)

登録日:2025/08/22 Fri 03:52:47
更新日:2025/09/19 Fri 22:25:37NEW!
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『四神(日本語:しじん/ししん/英語:Four gods/Four symbols)』は、古代中国に由来する風水/易経/陰陽五行説……etc.に起源を持つ、天の四方を守護する青龍朱雀白虎玄武からなる、東南西北に当て嵌められる四体の霊獣/神獣のこと。
四獣(しじゅう)天之四霊(てんのしれい)ともいう。
創作等では四神獣四聖獣という呼び名を使われることが多い。

尚、風水では基本的に四象(ししょう)とのみ呼ばれる。
四象は風水・陰陽五行説等に於ける四方の吉相を示す地形のことで、四神は其の四象を神話的生物として図像化したものである。
この四象の全てが当て嵌められた理想的な吉相を四神相応(しじんそうおう)と呼ぶ。
尚、東洋を代表する神話的生物として創作世界に登場させられたり、そこで西欧(古代ギリシャ)由来の地水火風に準えた四大属性に当て嵌められていることも多いのだが、上記の通りで原典の四神は木火土金水の陰陽五行説の属性に準えられた存在なので、原典通りだと全く四大に当て嵌まっていなかったりする。



【概要】

古代中国に由来する東南西北の吉相を示す四象が実体化したとされる存在。
明確な起源や時代については定めきれていないが、現代の
創作物に登場するならだいたい四天王ポジションとして、“四獣”といえば「青龍・朱雀・白虎・玄武」による四神を指す。

五行説起源の五佐の内の四つを四獣と呼ぶとする区分や、中国由来の瑞獣「四霊」*2、四獣を支配する存在として“中央”に霊獣「黄龍」や瑞獣「麒麟」を配して五獣・五神などと呼ぶ場合もあるが、五行説だと漏れた中央と土行に対応した概念*3。この五獣の概念もとに五体の龍に置き換えた五龍や、福建省では五虎という分類もある。
これら風水・易学由来以外の概念も存在していることから、寧ろ四体にて完結・完成した四象の概念が先にあって、後に後に五行説なども取り入れたことで四神/四獣が神話的生物として図像化されたのだろう。

日本ではキトラ古墳や高松塚古墳に描かれたことでも知られている。七世紀頃に重要視された概念を活かした平安京遷都・建造計画によって、現代でも京都は四神達に守られているのだ。

【四神の解説】

以下に、各四神の解説と易学以外の象徴学や方角信仰に於ける対応と分類を記す。
※分類の見方→五行(属性)/五方(方角)/五時(季節)/五色(色)/四象(易学・風水の吉兆)/五佐(五行説に由来する方角神)/二十八(星)宿(古代天文学・占星術)/八卦(爻)

青龍/蒼龍*4

日本語:青龍(せいりゅう/しょうりゅう)/蒼龍(そうりゅう)/拼音:チンロン(qīnglóng)
五行:木/五方:東/五時:春/五色/緑(青)/四象:小陽/五佐:句芒/二十八宿:東方七宿(青龍)/八卦:震

東を司る。
四神相応では東の大河。
大河は邪気を押し流し、良い環境を呼び込むとされる。
相対する方角は西で、白虎とは龍虎相搏つとなる。

その名のように、現代では青(蒼)色の龍として顕わされることが殆どなのだが、本来的には青龍の“青”とは植物の“緑”のことであるという。
故に、陰陽五行説では木を司る。
……なので、実は龍という解りやすいキャラクターの癖に先述の通りで創作で用いられる四大元素から外れていたりする。
その為か、創作では龍らしく“水”や“風”の属性を付けられることがある。
草属性がマイナーなのがね……。

水については、前述の通りで大河の化身とされたり、実際に青龍が棲んでいたとされる湖やらが伝承として残っているので妥当と云えば妥当か。
龍ということで風雨を操るのにも違和感は無いし。
また、五行思想では雷が木行に含まれるとされることから青龍が雷属性にされる場合もある*5
なぜ雷が木行なのかというと中国大陸では気象条件の都合から春にとても雷が多いという事情があったために*6雷は春の象徴であり、雷が春の植物の芽吹きを引き起こしていると考えられるようになったため*7

春と東を象徴し、緑(青)は東の色と考えられた。
春は新しい生命が芽吹く季節であり、良い方向に気が向いた場合には始り、発展、成長を意味する。
一方、悪い方向に気が向いた場合には性急、強引、独善となるので注意。

二十八宿では東方七宿(青龍)に対応させられ「角・亢・氐・房・心・尾・箕」を繋げて龍の姿に見立てられた。
道教に於ける人格神化では神君“孟章(青龍帝君孟章)”となり、龍族の始祖とされる。

元来は四象の図像化として生み出された青龍な訳だが、単に“青色の龍”という象徴的なキャラクターとしても扱われている。


朱雀/朱鳥

日本語:朱雀(すざく/すじゃく/しゅじゃく)/朱鳥(しゅちょう)/拼音:チューチェ(zhūquè)
五行:火/五方:南/五時:夏/五色:赤/四象:太陽(老陽)/五佐:祝融(朱命)/二十八宿:南方七宿(朱雀)/八卦:離

南を司る。
四神相応では南に広がる大海/湖/平野。
相対する方角は北方で、玄武と合わせて鶴亀の由来になったとする説もある。

その名のように朱(赤)い色をした神鳥として顕される。
名前に“雀”と付くものの、これは単に“鳥”という程度の意味であるらしい。

そして、古代中国由来の神鳥(霊鳥)と云えば━━ということからか、かの鳳凰と比較されることが多い。
比較どころか、元来は由来も神話も異なっていた筈なのに、現代までには鳳凰と朱雀を同一視したり、鳳凰と同一起源として紹介されている場合も多い。
それを受けてなのか、朱雀は赤い色の鳳凰とも呼べる姿で描かれるのが定着している。
これでは似ていると思われても仕方の無い所。

尚、我々からすれば何方も神話的生物に見えてしまうのだが、厳密には朱雀は架空の神鳥、鳳凰は滅多に現れることはないが実在が信じられていた瑞獣という違いがある。
━━実は、格上というなら朱雀の方が上位的存在なのだ。
にも関わらず、知名度の差からか明らかに朱雀のキャラクターなのに鳳凰呼びされている作例すらある。

夏と南を象徴する。夏を顕すのは赤で、猛暑に悩まされる風土では否が応でも納得せざるを得ない。
陰陽五行説では火を司り、再生と不死の象徴。
創作でも原典通りに“火”を司る。
寧ろ、原典の四神相応の見立てで火の鳥の癖に大海や湖の化身とされるのに違和感を感じるレベル。

火を象徴するが故に、何度でも蘇り幸運を呼び寄せる。
情熱、感覚、芸術、外交の素養を燃え上がらせ理想主義の傾向を付ける。行き過ぎないように注意。
同一視される鳳凰は何故か西欧のフェニックス(不死鳥)やらインド神話のガルーダとも同一視されることが多いのだが、これは鳳凰が朱雀と混同される中で起きていた現象だったのかもしれない*8

二十八宿では南方七宿(朱雀)に対応させられ「井・鬼・柳・星・張・翼・軫」を連ねたものを鳥に見立てられた。
つまりイリスである。


白虎

日本語:白虎(びゃっこ)/拼音:パイフー(báihŭ)
五行:金/五方:西/五時:秋/五色:白/四象:少陰/五佐:蓐収/二十八宿:西方七宿(白虎)/八卦:兌

西を司る。
四神相応では西の大道。
大きな道や街道に棲むとされるが、これは日本独自の解釈である、との説もある。
相対する方角は東で青龍と対応する。
無敵に対して最強の二つ名を持つかどうかは不明。
十二支だと虎は東北東の方角なので伝説上の玄奘三蔵のお供(≒西方の守護神)が虎なのか龍なのかの末に毛皮だけお供の服として同行するなどの混乱も起きたようだ。

その名のように白い体色の虎。
数百もの獣虫(哺乳類)の王とされる。
……四つ足の生き物の支配者といった所だろうか?
また、霊魂などの非物質に強い影響を持つともされる。
あと、高松塚古墳など部屋の四方に描かれる際には青龍の長さと釣り合うように引き伸ばされて謎の生物になることがある。

二十八宿では西方七宿(白虎)に対応させられ「奎・婁・胃・昴・畢・觜・参」にて天に獣の姿を結ぶとされる。

白は、五行説では西で金、金が白色であることから導き出され、秋に対応する。
創作物の四大の分類では“風”あたりに何となく入れられていることがあるのだが、原典では全くそのケすらない。
いっそのこと、体色のイメージからか冷気属性にされることも。
中国語圏ではライオンが存在しないことから獣類の王として虎を尊ぶ文化があり、神聖な白色の虎ということで存在するだけで吉祥の象徴となる。

……が、後に儒教が尊ばれる中で“仁”が最高の徳目とされたことで勇猛さを象徴する存在として虎を有り難る文化が廃れていってしまったらしく、それに伴い白虎の地位も下がったという説もある。
何しろ、他の四神は完全に神話的生物と言えるのに、白虎については現実に存在していると言えなくもない(ホワイトタイガー)のが痛かった。

このように、解説が少し寂しいのは四神に加えられた(生み出された)のが最後だったからという事情があるらしい。
白虎が定着するまでは麒麟や咸池(伝説上の池や海)を挙げる意見もあったのだとか。


玄武

日本語:玄武(げんぶ)/拼音:ショワンウー(xuánwŭ)
五行:水/五方:北/五時:冬/五色/黒(玄)/四象:太陰(老陰)/五佐:玄冥/二十八宿:北方七宿(玄武)/八卦:坎

北を司る。
四神相応では北方の山岳。
相対する方角は南で、朱雀と対応して長寿の象徴たる鶴亀の元になったとも言われる。
本来の陰陽五行説では水を司るのだが、四大に当て嵌めた創作では“地”属性にされることが多い。

日本では重要視されつつも其処までイメージが無いのだが、司る“北”という方角は古代中国に由来する非常に広範囲な分野にて重要視される方角であることから、四神の一つというだけでなく異名・同体とされた神格も含めて(単独と言いつつ矛盾している気もするが)四神という枠を越えて玄武のみで信仰を集める程の別格的な人気と地位を獲得している。
日本では時期的に一般にも四神の存在を広める切欠になったであろうGB初のRPGなんかでも最弱扱いされてる有り様だったので相当に認識の差があると言える。

その為、中国語圏では玄武こそが実質的な四神の主であり四神の最高位の存在として扱われている。
この辺は四神を同格の神話的生物の集まりと捉えている日本人からは理解し難い部分かもしれない。

……まぁ、事実として四神の一つとしての玄武と、その玄武を人格神化した道教の玄天上帝(及び、更に同一視された神々)とはイメージが乖離しているのだが、中国語圏ではそれがイコールで繋がって見られているためであるらしい。

玄武は大亀(陸亀)に蛇(龍)が巻き付いた姿で顕わされる神獣。
その、余りにも特徴的な姿から亀蛇(きだ)とも呼ばれる。
ただし、姿の説明は一定ではなく、亀の尾が蛇の頭になっていたり、単に蛇を除いた神亀として顕わされる場合もある。

亀と蛇がどういう関係にあるのかは、実は明確に説明されている訳ではなかったりする。
一説には亀は長寿と不死を、蛇は繁殖と生殖を司りイコールとして長寿繁栄を意味するとも考えられている。
また、亀のイメージから盤石の象徴とも。
実際に玄武は山岳の化身でもある。
中国語圏では山岳を冥界とする信仰もあることから、冥界神とも見なされ冬と闇を司る。
玄は黒色を意味し、冬の象徴。
四神の中では唯一動物の名前が入っていない。
武は亀のことと解釈されることもあるが、実際には蛇の要素も持つので本当は何を指して名付けられたのかは不明である。

知性、倫理、規律を顕し、白虎とは反対に儒教の流行の中でも更に尊ばれるようになったことは想像に難くない。

北は前述のように古代中国に由来する思想・学問では非常に重要視される方角であり、地上では龍脈の起点と考えられ、天上では天の中心たる北極星信仰とも結びついた。
そのため、北極星信仰と大乗仏教が結びつくことで誕生した妙見菩薩(北辰菩薩/尊星王)とも同一視されるようにもなった。
この為、妙見菩薩は玄武を思わせる亀や龍に乗った姿で顕わされるようにもなった。

妙見菩薩は道教にも取り込まれて信仰されたが、玄武は単独の人格神として玄天上帝としても信仰された。
玄天上帝としても妙見菩薩との関わりは根強く、前述のように妙見菩薩は宇宙の中心イコール最高神とも捉えられる北極星の化身であることから、道教の最高神の一つである元始天尊の化身とも考えられるようになった。
玄天上帝を主人公として描かれた『北遊記』では、更に同じく最高神(天帝)の一つである玉皇上帝の分魂の転生体とまでされている。
また、冥界の要素から太陰水帝北陰天君(酆都大帝)の分魂とも考えられている。

尚、他の四神と同じく四神そのものを人格神化した執明神君(玄武帝君執明)、更には北極大帝(北帝)の配下の四将として玄武が数えられているのだが、これは玄天上帝とは別の神格として都合よく分けて考えられているらしい。

……ややっこしい道教関連の結びつきはともかく、妙見菩薩信仰は中国仏教を経由して日本にも伝わっている。
日本では国家神道の根源神となる天之御中主とも結びつき、四神の一つとしての玄武とはまた別の風水の基礎となる北方、北極星信仰が根付くことになった模様。

二十八宿では北方七宿(玄武)に対応させられ「斗・牛・女・虚・危・室・壁」で天空に亀蛇を描く。


【番外・中央】

先述の通りで、本来は四方・四神のみで完成された概念であったのが陰陽五行説の影響もあってか中央に位置する神獣として黄龍麒麟を置く考え方がある。
この場合、黄龍か麒麟が司るのは方角は中央、五行は土、季節は春夏秋冬の土用となる。

黄龍

日本語:黄龍(こうりゅう/おうりゅう)/拼音:huánglóng(ファンロン/ホワンロン)

前述の通りで、陰陽五行説に当て嵌めた場合に空席となる中央と土の属性を埋める為に据えられた神獣。
その名のように黄色い龍だが、黄金の龍と解釈されることもある。
実際に図像化された場合の黄龍も黄色というより黄金色の龍として描かれている。
この為か、黄龍ならぬ金龍を龍族の長の名として挙げる例も見られるが属性や設定的には中国語圏の黄龍のことであると見做すべきであろう。
他の四神も含まれる十二天将の勾陳、或いは四霊の応龍と同一視され、後代には応龍が年老いたものが黄龍であるとも考えられるようになった。

後付けなれど四神の長となる光り輝く龍というインパクトから龍族の長と考えられたり、当代の皇帝達の象徴とされた。
つまり、最高レベルの瑞獣であることから四霊の一つである麒麟とも同一視された。

黄龍が示すのも財運、集中力、判断力、記憶力と、リーダーシップを裏付けるものである。
黄龍を含めた五獣(五神)を五体の神龍に置き換えた五龍でも中央に置かれる。五龍では黄龍と青龍以外の四神も神龍に置き換えられている。(朱雀→赤龍/白虎→白龍/玄武→黒龍)
また、五龍では黄龍以外の神龍達は四方の海を支配する龍王であると捉えられる(青龍→東海龍王/赤龍→南海龍王/白龍→西海龍王/黒龍→北海龍王)。
四海竜王は『西遊記』なんかにも出てくるので名前を知っていた人もいたかもだが、実は元(ネタ)が四神だったとまでは知らない人が多かったことだろう。
更に、福建省では五獣を五体の神虎に置き換えた五虎の概念がある(青虎・赤虎・黄(金)虎・白虎・黒虎)。


麒麟

日本語:麒麟(きりん)/拼音:qílín(チーリン)

黄龍と同じく、四神を陰陽五行説に当て嵌めた場合に中央に据えられる神獣。
形は鹿に似て大型で、龍に似た顔に牛の尾、馬の蹄を持ち、背中の毛は五色に輝き毛並みは黄金、身体には鱗が生えているという。
後の世では、更に額に巨大な角を持った姿で描かれるようになったが、ユニコーンのような一本角であったり、鹿(龍)のような二本角だったり、はてまた三本角だったりと一定していない。

鳳凰と並び、古い時代から知られた瑞獣であり獣類の長。
鳥類の長である鳳凰とは対で扱われる場合もあり、古代中国由来の神話的生物の中でも別格的な人気と知名度を誇る。
尚、鳳凰と同様に“麒”と“麟”で其々に雄と雌で分かれていると説明されている場合もあるのだが、これまた鳳凰と同様に“麒麟”で雌雄同体、または雌雄の区別の無い一体の瑞獣の名前として扱われることの方が多い(ややこしい設定を捩じ込もうとするんじゃねぇ)

泰平の世に善政が敷かれていた場合に姿を現すとされる。
鳳凰応龍霊亀と共に四霊にも数えられており、四霊は瑞獣であると共に、各々に連なる動物を生み出した創世神としての性格も持ち、後に概念が誕生した四神とも対応させられると共に同一視されていくようになった。尚、先述の通りで応龍と対応するのは黄龍なので青龍がハブられている。本末転倒やないかい。

以上のように、元来は四象由来の四神とは全く別の神話というか、更に古い時代から存在していた麒麟な訳だが、高名であるが故に先述の通りで白虎が誕生する以前には西の神獣として取り入れられたり、陰陽五行説に四神が当て嵌められた時には中央を埋める存在として持ち出されたようである。


その他創作等における四神

四神そのものだったり、概念だったりと形は様々だが、現代の創作作品では頻繁に目にする要素であり、『どこの作品でこの存在を知ったかでその人の世代がバレる話題』でもあったりする。以下はごく一部と言って良い。

鴉天狗カブト

『コブラ』で知られる寺沢武一の戦国風SFファンタジーアクション。アニメ化もされた。
主人公カブトに付き従う、四天王ポジとして登場。
現代創作の四神モチーフの中ではかなり古い部類である(87年連載開始)。

魔界塔士Sa・Ga

塔が繋ぐ世界全体に争いをもたらす大魔王アシュラの配下で各自が4世界を支配する「四天王」として登場。
子供達に朱雀が四神最強というイメージを植え付けた作品の一つ。
因みに、DSリメイク版の方の『サガ2』だと、変身専門のモンスターとして四天王を揃えられる。
……リメイク版『サガ2』はモンスターパーティーでの攻略のハードルがメチャ高いバランスではあるが。

幽☆遊☆白書

朱雀率いる妖怪の犯罪組織「四聖獣」が登場。人気作だけにこれで四神を知った人も多い。

ふしぎ遊戯

基本設定に四神の概念が大きく絡む。
題材として大々的に取り扱う作品は現代まで見ても珍しく、アニヲタにおける四神の知名度を大きく上げた作品の一つ。

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-

最終章にて敵役として「四星」という名の四つ子の武人が登場。
それぞれ青龍・朱雀・白虎・玄武と四聖獣の名を冠している。

中華一番!

面点王ラコンが四神を取り入れた四神海鮮八宝饅を制作。
基本である白の饅頭は白虎、ほうれん草を用いた緑の饅頭は青龍、ニンジンの皮を用いた赤の饅頭は朱雀、黒胡麻を用いた黒の饅頭は玄武であり、青龍は酸味、玄武は鹹味、朱雀は苦味、白虎は辛味となっている、
ちなみに対戦相手のシェルは黄龍の飾りも用いられた黄金開口笑を制作したので四神と対になった。

SAMURAI DEEPER KYO

主人公などが使う風を操る剣術「無明神風流」の四大奥義(+最終奥義「黄龍」)の名称。
どれも四神の姿を象った風を操る。風使いの技という都合上、言うなれば全部風属性という珍しい四神である。

女神転生シリーズ・ペルソナシリーズ

勢揃いしたのは『真・女神転生Ⅱ』から。それ以前はゲンブが出てた位。ほとんどのシリーズでセイリュウは龍神、ビャッコは聖獣、スザクは霊鳥。
ゲンブは絶妙に立ち位置が定まらず、初期の頃は聖獣/神獣、2000年代あたりからは龍神/龍王に所属する。
ペルソナシリーズのが先だったコウリュウも大抵は龍神だが、特殊な悪魔合体でのみ生み出される高ランクの立ち位置にいることが多い。
ペルソナ3以降の作品では、四神は全員節制、コウリュウは最高位の法王、というのが定番。

悪魔城ドラキュラX 血の輪廻

もう一人の主人公であるマリア・ラーネッドの操るサブウェポンとして「四聖獣」の化身が登場する。
ただし、あくまで「化身」であるためか、基本的に通常の動物と同じような外見と大きさである。

ロマンシング サ・ガ3

術の属性分類が四神の名前となっており、蒼龍は風、白虎は地、玄武は水、朱鳥は火を司っている。
サガシリーズ内でもロマサガ3だけの異色な四神要素であり、他では前述した『魔界塔士Sa・Ga』の「四天王」が目立った扱い。
アビスゲートがあるラストダンジョンには各地相で回復効果のある四神を冠した鎧に加え、回復はないが気絶耐性と全能力+1を得る黄龍の鎧が入手可能。

クーロンズゲート

三大歪みゲー/奇ゲーとして名高い風水アドベンチャー/RPG。
吉相ならぬ、四神獣となるべき人間を求めて風水師たる主人公は突如として出現した陰界の九龍城を彷徨い歩く。

麻雀格闘倶楽部

プレイヤーが経験値を重ね、級位から段位に昇格する際に召喚される。
四神はそれぞれ打ち筋を司っており、和了率が高い*9なら朱雀、翻数が高いなら白虎、放銃率が低いなら玄武、ドラ使用率や役満率が高いなら青龍とされる。
さらに、その上位のクラスとして「黄龍」が現れる。
雀士たちにとってはその「黄龍」の召喚が一先ずの目標となるだろう。

超SD戦国伝 刕覇大将軍編

魔刃頑駄無とほぼ同等の力を持ったクローンがそれぞれ異なる守護獣を肩に装着した魔刃分身四人衆が登場*10
魔刃玄武が鬼亀(ゴブリン)(大旋鬼の鬼面)、魔刃白虎が王虎(ケーニッヒティーゲル)(大牙の魂大牙)、魔刃鳳凰が火炎孔雀(ファイヤーピーコック)(飛天の鍬形)、魔刃蒼龍が闇竜(ダークドラゴン)(白龍大帝の龍頭)が守護獣。
ちなみに玄武は『魔界北の謀将』、白虎は『魔界東の闘将』、鳳凰が『魔界南の猛将』、蒼龍が『魔界西の智将』の通り名を持つ。コミックボンボン記事中で言及されて以来出て来ない設定なので、東西が入れ替わっているのは意味があるのか誤植なのか不明。
大元の魔刃の守護獣は魔界棲獣(グレッシュ)で、四神と金のさそりという珍しい5人組になる。

SDガンダム三国伝

玉璽によって召喚される神器「天玉鎧」が四神の姿を象っている。
召喚者によって姿が変化し、劉備ガンダムの「蒼龍(Gファイター)」、曹操ガンダムの「炎鳳(Gファルコン)」、孫権ガンダムの「弩虎(オーキス)」、呂布トールギスの「真武(モチーフ不明)」の4形態からなる。
なお一つしかないわけではないらしく、複数の天玉鎧が同時に降臨したことも。
さらにこの4人は天玉鎧とはまた別の四神を象った神器(それぞれ「龍輝宝」「鳳熾魂」「虎燐魄」「武甲璧」)を手に入れてパワーアップを果たすことになる。

Bビーダマン爆外伝

敵組織「ダークビーダ」の四天王が乗るダークアーマーが四神に由来。
ドラーケン(鋼蒼竜)ティーゲル/力のティーゲル(銕白虎)シュリンゲ/ダーククイーン(翼朱雀)シルドーク (鎧玄武)

ベイブレードシリーズ

初期に当たる「爆転シュート ベイブレード」世代において主人公たちが使うベイブレードが四神モチーフとなっており、四聖獣が宿っているという設定になっている。通称「四聖獣モデル」。
ドラグーン(青龍)、ドランザー(朱雀)、ドライガー(白虎)、ドラシエル(玄武)と部分的に捩ったような名前になっており、さらにガイアドラグーン(黄龍)というベイもある。
なお、四聖獣モデルは2025年現在の最新世代「ベイブレードX」にも復刻されている。

次世代の「メタルファイトベイブレードZEROG」では、四神モチーフのベイがいくつか登場している。
バンディッドゲンブルF230TB(玄武)、バーサーカーホワイガー125S(白虎/アニメ・ゲームオリジナル)、ガーディアンガルダスSD145PF(朱雀/アニメ・ゲームオリジナル)

デジタルモンスター

四神の拼音の名前を持った「四聖獣」および、黄龍をモチーフとした「ファンロンモン」が登場している。

メダロット

「3」にて、敵幹部が操る機体として、四神をモチーフとした「バサルト(玄武)」「ロンガン(青龍)」「スフィンク(朱雀)」「ツンドル(白虎)」が登場。
4」では、四神の名を冠した四天王が登場し、サブ機体として前述の「3」の機体を使用している。

ポケットモンスターシリーズ

ブラック・ホワイト」で登場したトルネロスボルトロスランドロス、「LEGENDSアルセウス」で登場したラブトロス
普段は下半身が雲に隠れた人の姿をした『けしんフォルム』だが、彼らに道具「うつしかがみ」を使用すると『れいじゅうフォルム』フォルムチェンジする。
その容姿は「トルネロス(鳥型)」「ボルトロス(龍型)」「ランドロス(虎型)」「ラブトロス(亀型)」と、四神を彷彿させる。

ニンジャスレイヤー

第2部に出てくる敵部隊の一つザイバツ・シテンノの名前が四聖獣の名を冠している。
……ただし、ここで言う四聖獣とはイーグル・ドラゴン・タコゴリラ
ただの一発ネタではなく世界設定の一部として何度も言及があり、初期のエピソードにてこの4体のオリガミを並べて地の文で「これで四聖獣が揃った」とのたまう場面は特にネタにされる。
デタラメだが半分だけマトモな選出だったり、方位がドラゴン=北、ゴリラ=東、タコ=西、イーグル=南と設定されてたり、シテンノの命名規則が「色+四聖獣」で四神の命名規則に近い、四聖獣はこんななのにクィリン(麒麟)を冠したシテンノの創設者がいる……など、間違いなく四神をモチーフにしてる様子は端々にあるのがタチが悪い

beatmaniaIIDX

DistorteDにおいて四神をモチーフにしたボスフォルダ「CARDINAL GATE」に「waxing and wanding / 青龍」「CONTRACT / 朱雀」「華蝶風雪 / 白虎」「Ganymede / 玄武」が収録。ここで特定条件を満たすとさらに「嘆きの樹 / 金獅子」が出現した。中央に位置する神獣が黄龍と麒麟のいずれでもないという珍しいケースだが、そのうち麒麟は後にAkhutaの別名義として登場している。
Pinky Crushでは段位認定-極-のSP裏中伝が上記4曲のLEGGENDARIA譜面で構成されたコースになっている。

妖界ナビ・ルナ

第一期後半から登場。主人公ルナが旅の中で出会う、四方を司る神々たち。それぞれ人間としての姿も持っており、小柄な少女の姿をした朱雀、長髪の美青年の姿をした青龍、白髪の少年の姿をした白虎、杖を持った老人の姿をした玄武の四人で構成されている。
作品自体が陰陽道や妖怪をテーマにしており、神仏に関する知識の描写も多いため方位やそれぞれの属性などは四神の元の設定に忠実。さらに、中央に位置する黄竜も登場する。

幻星神ジャスティライザー

ジャスティライザーが操る動物型メカの星神獣が四神モチーフである。ただし白虎と青龍の色が入れ替わっている。
エンオウは朱雀、コウキは玄武、ランガは白虎、リュウトは青龍。


追記修正は四神相応の地にマイホームを建ててからキ◯ンビールでも楽しみつつお願い致します。

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最終更新:2025年09月19日 22:25

*1 青竜/蒼竜の表記もある。

*2 応龍・麒麟・霊亀・鳳凰。

*3 中央に配されるのは黄龍ではなくストレートに麒麟だとする区分もある。

*4 青竜/蒼竜の表記もある。

*5 SNKの月華の剣士シリーズなど。

*6 「春の訪れを知らせる雷」を表す『春雷』という中国語がある程。

*7 なお、思想によっては雷は山火事などを引き起こすことから火行とされることもある。

*8 ちなみに朱雀は鶏や雉などの赤い色が特徴的な鳥がモチーフ。鳳凰はクジャクをベースとしてそこに鶴や雉などの中国で縁起がいいとされた鳥の特徴を組み合わせたもの。フェニックスはエジプトのコウノトリやサギなどの水鳥がモチーフ、ガルーダは猛禽類モチーフでモチーフとなった鳥の種類は別だったりする。

*9 つまり、和了までが速い。

*10 91年の天下統一編に登場した四獣王が隼・犀・獅子・龍とシンプルに強い生物だったことを考えると97年の刕覇大将軍編までに四神が幼年層にまで浸透したことが窺える。