094.鯖
ここは癌呆新開地開発部。♀GMは偉そうな男が言ったとおりそこに行った。
そして貧相な建物の中に入り、一人だけで仕事している男に話しかけた。
「貴方がヒャック氏ですか?」
男は持っていた書類を置き、応えた。
「そうです。貴女が例の件を解決しようとしている♀GMさんですね?歓迎します。」
「もうあの人から私が来る事を聞いたのですね。ならば話が早いです。
彼女の…GM秋菜の遊びはどうやったら止められるのですか?」
「…まず彼女が使っている空間の事から話しましょうか。
あの空間は彼女の力で創られたものでは無いです。
あの規模の空間となると彼女クラスのGMでもほとんどの力を使って
やっと創れるかどうか程度です。さらに彼女は空間系でなく精神系や肉体系の操作を 得意としています。だから余計に彼女の力とは思えないのです。」
あの空間は彼女の力で創られたものでは無いです。
あの規模の空間となると彼女クラスのGMでもほとんどの力を使って
やっと創れるかどうか程度です。さらに彼女は空間系でなく精神系や肉体系の操作を 得意としています。だから余計に彼女の力とは思えないのです。」
「では、いったいどうやって・・・?」
「多分道具が使われているのだと思います。私の予想だと使われているのは 『エミュ鯖』という道具ですね。」
「『エミュ鯖』……それを破壊すれば助けられるのですか?」
「恐らくは。ですが、こちらでは待つしかありません。」
「…何故ですか?」
「恐らくは彼女が持っている『エミュ鯖』があちらの世界で傷つけられれば、あちらの世界のどこかに歪みが生まれるはずです。そこから逃げるのを手伝うのが私たちというわけです。」
「…やはり、後手に回らなきゃいけないのですか。」
「ええ…今までの戦いでは『エミュ鯖』が傷つけられることはありませんでした。今回こそは破壊されることを祈るばかりですよ。」
♀GMは今の自分では何もできないと知り、いるのだかわからない神に祈った。
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