第29話「呪われた血」 (第28話←→第30話) 【種別】サブタイトル
小夜達が見守る中で、死期が迫り衰弱していくイレーヌを見て、カイは小夜の血をイレーヌに与えて欲しいと懇願する。小夜は、自分の手のひらを切る。 そこから流れ出る血を飲んだイレーヌだが、その体は再び結晶化を始めてしまった。バラバラになって息絶えるイレーヌ。 それを見て怒ったカルマンは、小夜に襲い掛かろうとするが、モーゼスがそれをとどめる。 キルベドを脱出した際、死に際のヴォリスが「小夜の血を飲めば助かる」と言い残したのは嘘だった。シフらは死人に騙されていたのだ。 ディーヴァの血を得れば助かるかもしれないが、もはや自分たちの命を永らえるよりも、事の元凶たるディーヴァを殺すことが自分たちの生きる意味だと考え始めるモーゼス。 そんなシフたちに共闘を持ちかけるカイだったが、多くの人間を殺したモーゼスは「我々の学ぶべき時期は過ぎた…」と申し出を断って、その場を去る。
研究室にはジュリアとコリンズ。D塩基を発表できないこと残念がるジュリアをなだめるコリンズ。しかし彼のもとにはヴァンからの協力を求める電話が。彼は赤い盾に秘密でヴァンと接触を持っていたのだ。
そのヴァンは、ソロモンを裏切ってアンシェルの下につくことに決めたようだ。
イレーヌの死を悔やむカイと、罪悪感を感じる小夜の間には、ぎこちない空気が流れたままだ。 小夜は食事もそこそこに図書館へ調べ物に向かおうとするが、ハジとリクに誘われ、パリの街を散策する。そこで二人のシュヴァリエからなぐさめられる小夜。
一方、岡村と真央はデヴィッドに対して協力をもちかける。最初は取り付く島もないデヴィッドだったが、次第に彼らの交渉に耳を傾け始める。
ディーヴァのシュヴァリエ兄弟たちは、赤い盾本部の現在位置がマルセイユであることを知る。攻撃の予定を一ヶ月後に定め、準備を始める彼ら。
アンシェルからの連絡で、ソロモンはヴァンの配置転換を許可する。その電話が終わるか終わらないかのうちに、ソロモンの部屋に侵入して、彼に襲い掛かったのは…行方不明だったカールだった。彼の右手はなんと再生していた。どうやらアンシェルの技術によるものらしい。
パリの街を歩くうち、イレーヌとの出会いの場所であるエッフェル塔に着くカイ。その展望台に立ったとき、少し離れたところに小夜の姿を見つけた。彼女は寂しげな表情でイレーヌの結晶を展望台の上からパリの街に撒いていた。彼女なりの弔いだった。
脚本:横手美智子 絵コンテ:玉川達文・松本淳・誉田晶子 演出:誉田晶子 作画監督:小谷杏子