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パーティション
PC起動に必要な「OS」や自分で作成したデータ、例えば「写真」とか「家計簿」、「映像」などの「ファイル群」は全部このHDDに入っているわけであります。
(最近は「
SSD」なるものも出てきておりますが、構成される部品が違うだけで、役割は全く同じです。)
そしてWindowsの場合、マイコンピュータなどを起動して「ローカルディスク C: (Cドライブ)」や「ローカルディスク D: (Dドライブ)」をクリックしてHDDにアクセスしているわけですね。
つまり「Cドライブ」や「Dドライブ」が「HDD」をさしているわけです。
さて、この時点でいくつか疑問を感じる人がいるかもしれません。
例えば、
「うちのPCにはHDDが1つしか搭載されていないんだけど、なぜ『Cドライブ』と『Dドライブ』、2つも表示されるんだ?」
「私の場合、CとDの他に『Eドライブ』や『Fドライブ』まであるんですが・・・」
「俺のPCには『Cドライブ』だけで『Dドライブ』なんてないぞ」
などなど。
答えから言うと、これはすべて「パーティション」が関係しています。
まず一般的なPCを例に考えてみます。
通常、市販されているPCの中にはHDD(かSSD)が"1台だけ"搭載されています。
HDDが1台で、「Cドライブ」と「Dドライブ」が表示されている場合、HDDの中は次のように論理的に分割されています。
「Cドライブ」と「Dドライブ」の場合
このHDD内で区切られている1つの塊を「パーティション」と言います。
上記の場合、2つのパーティションに区切られていることになります。
なので、『Fドライブ』まであるという人や、『Cドライブ』しか無いという人は次のようになります。
「Cドライブ」から「Fドライブ」まで分割されている場合
HDD全体 |
Cドライブ |
Dドライブ |
Eドライブ |
Fドライブ |
4つのパーティションに区切られている
「Cドライブ」しかない場合
パーティションが1つしか存在していない
まぁパーティションに区切ることは仮想的に複数のHDDを搭載させているように見せかけていると思えばいいと思います。
問題は何でこんなことをするのか、ということです。
実際、疑問に思っている人は多いようで、「CドライブとDドライブの違いがわからない」といった質問や、なんで「パーティションを分ける必要があるの?」という疑問をネットでよく見かけます。
極端な話、HDDを複数のパーティションに分割しなくてもPCは使用できます。
ただ、分割しているとイザというときに便利な時があるんですね。
ではそいつはなんやねんというのを次の項目でお話します。
パーティション分割のメリット
「Windowsが不安定」とか「原因不明でWindowsが起動しなくなってしまった」、「ウイルスに冒されて、システムがおかしくなってしまった」という経験はありませんか?
そのときに取れる最強の手段は何か?
それはずばり「Windowsの再インストール」または「リカバリ」と呼ばれる作業ですね。
やっていることは「PCの初期化」。HDD上にあるOSやその他のデータを書き直して、工場出荷状態に戻します。
工場出荷状態に戻すというわけですから、「ウイルスなんて目じゃねぇよ」って感じで何も考えないでこれをやると「あれ?俺が保存していた大切なファイルはどこに行った?」ってな話になります。
初期化するのですから、ウイルスは当然なくなるわけですが、自分が作ったり、ダウンロードして保存したりしたファイルも綺麗さっぱりなくなるわけです。自分が望むファイルだけ残してくれというわけには行かないのです。(それじゃ初期化じゃないですし。)
なので再インストールする時は自分が必要とするファイルを通常外部メディアなどにバックアップしてから行います。
さて、このOSの再インストールですが、この作業、「HDD単位」で行われるのではなく、「パーティション単位」で行われるんですよ。
なのでWindowsがインストールされていたパーティションにOSを入れ直した(再インストールした)場合、初期化されるのはそのパーティションだけで、その他のパーティションはリセットされないのです。
みなさん、CドライブやDドライブの中身をじっくりと見たことがあるでしょうか?
怖くて触れないとか、見たこともない、という人は結構多いと思います。
まぁちょっとCドライブを覗いてみてください。「Documents and Settings」や「Program Files」、「WINDOWS」フォルダなどがあると思います。これらはシステムに関するフォルダ群です。一方 Dドライブのほうはというと、中がスッカラカンになっているのではないでしょうか。
基本的にシステムに関するファイル(つまりOS)はCドライブに入っています。DドライブにOSが入ることは通常はありません。そのためDドライブに自分の作ったファイルや入手したファイルを保存してある状態で、元のCドライブのパーティションにOSを再インストールした場合、データがリセットされるのはCドライブだけでDドライブは無傷なんですね。
つまり、システム(OS)とそれ以外のデータをパーティションで分けておくと、再インストールが楽ということです。「Cドライブ」はシステムファイルの置き場所、「Dドライブ(C以外)はユーザのデータの置き場所」といったような使い方が本来の姿だと思います。
WindowsにおけるHDDのパーティション分割のメリットといえばこれくらいじゃないでしょうか。
※メーカー製PCにおける特殊事例
メーカー製PCの場合、隠しパーティションが用意されている場合があります。
HDD全体 |
Cドライブ |
Dドライブ |
隠しパーティション |
「隠し」ですから、当然マイコンピュータからは認識されておらずアクセス出来ません。
このパーティションには何が入っているのかというと、大概がWindowsの「再インストール用のデータ」です。
このタイプのPCは「リカバリメディア」が無くても再インストールできるんですね。
便利じゃん、と思うかもしれません。まぁ確かに便利かもしれませんが、そもそもHDDが物理的に壊れてしまったら、再インストール出来ないんですよこれ。それにHDD交換はどうするの?って話にもなります。そういった意味でCDやDVDという安定した形で
リカバリディスクがあるというのは安心感があります。
閑話休題
さて、ここまでは再インストールにおけるメリットをあげましたが、その他にも重要なメリットがあるんですよ。
先で『「OSの再インストール」は「パーティション単位」』と言いましたよね。
他のOS、つまりLinuxも何ら変わらないんですよ。
Linuxのインストールも「
パーティション単位」です。
なので、パーティションが複数ある場合、空いているパーティションに他のOSをインストールができる、つまり
マルチブートが可能です。
HDDを複数のパーティションに区切った場合、このようなこともできるんですね。
例
HDD全体 |
WindowsXP(Cドライブ) |
Vine Linux |
Debian |
Linux-swap |
隠しパーティション |
ということで、「パーティション分割のメリット」のお話は以上です。
あとは具体的に「パーティションの分割や操作」はどうするのか、という話になります。
※
一つのパーティションに複数のOSを入れることは不可能ではありません。
出来なくはないですが、普通やりません。
ハサミで魚が捌けるか、と言ったら可能でしょうけれども実際にはやらないのと同じ類の話になります。
※
Windowsを使っていてAドライブとかBドライブはなぜ無いのか疑問に思う方がいるかもしれません。
Aドライブ Bドライブで調べてみてください。
最終更新 2010-01-23
最終更新:2010年01月23日 12:14