さて、たった今湖に落ちていった二人の参加者を助けるべきだろうか、見たところ、この二人はルイス・キャパシティニとコレット・ブルーネルだった。この二人ならゲームに乗っていたりはしないだろう、恩を売って、その見返りを確実にくれるもの達だ。
 しかし、ここで見捨てて参加者を減らすのもまた一つの選択肢だ。もしこの二人に勘違いなどを起こされ、私がゲームに乗っていると取られるのも困る。
 コレでも私は、ゲームに乗っているわけではない、他人を間接的に死に追いやる事だったら躊躇いはしないが、進んでゲームに乗るほど馬鹿じゃない。
 あの二人は優勝した人間を間違い無く殺しに来る。私の直感がそうつげている。

 しかし、問題は目の前のルイスとコレットだ、ここで助けて、支給品の見かえりを得るか、恐らくそれが一番打算的であろう。何かいい支給品をこの二人が持っているだろうか……まぁ、もっていなくても、直に解れれば裏切られる事も無い、それでいこう

 そんなわけで、私の目の前にはルイスとコレットが居る。助ける事自体は簡単だ…服がぬれてしまったが……
「あの、ありがとうございました」
「いいのよ、気にしないで」
 コレットの礼に返答する。さて、どう切り出そうかしら……
「僕はルイスといいます。貴方は?」
「暁 茅野よ、カヤって呼んでくれる?」
 そういって、コレットの方を見る。
「あ、えっと、私はコレット…といいます」
 そう聞いて直に名簿を取り出す。ちらり…とそれがわかるようにして、適当にめくる。
「ルイス・キャパシティニ…にコレット・ブルーネル…ね」
 そういって、直に私は名簿をしまった。
「ん…何で僕達のフルネームがわかるんですか?」
「名簿を見て確認したのよ、これ以外に貴方達のような名前はないから」
 そう言って、名簿を見る際に前に持ってきていたデイパックを直す……このとき、ルイスの目が少し細まったのを、コレットはもちろん、私も見逃していた。


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 ―――僕が目を細めた理由は簡単、このカヤという人物が『本来なら名簿に乗っているはずの無い』僕のフルネームを言い当てたからだ。
 僕がコレットと出会う数時間前に確認した名簿には、僕の名前は『ルイス』としか載っていなかった。あのゴキブリが作ったのか、他の誰かが作ったのかはしらないが、少なくとも、全員が同じ名簿を持っているはずなのだ。
 そうなるとこの『カヤ』という人物のみが『まったく違う名簿を持っている』ということになる。
 なるほど、頭のよさそうな奴だが、少しミスがあるようだ。
 さて、ここからどう動くか

 一気にそこをついてみてもいいが、そう言うのは僕としても戦闘になるので避けたい、ああいうのは、自分が絶対に勝てる…という非常に大きい自信がない限り、出きる芸当ではない。
 ならば、僕はまず、情報集め…から行くべきだろう

「…単刀直入に聞くよ、カヤ…君はゲームに乗っているかい?」
「乗っては…いないわ」
 …予想どおりだ、まず間違い無く嘘はついていない、ならば僕も正直に応えようか、しかし乗ってはいない…というのが気になる…まぁステルスではないはずだし、ゲームに生き残る事が優先…といったとこか…
「それで…貴方達は、ゲームに乗っているのかしら」
「…のってないよ、うん、ホントに」
 コレットが応える
「僕も…このコレットといるんだ…信じてくれないかな?」
「ええ、信じるわ」
 …これも予想通り、まずは信じる…と行って来るだろう…さて、ならば…
「それで…君の支給品は…一体なんだったかな?」
 そういって、少しデイパックを見る。このとき、カヤの顔に少しだけ笑みが見えたのを、僕は見逃していなかった。

 なるほど、そう言う事か


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 さぁ、やっと交渉だ、ここでミスを起こせば、それはすなわち破綻を意味する。何とかここはこの交渉を成功させたい。
 このルイス…という私と同い年くらいの少年は、中々洞察力があるらしい、怒れば見境が無くなるが、少なくとも今の彼は冷静だ、気をつけていきたいところ、なのだが、いまいち調子が出ない気がする。
 さて、まずは、私の銃と謎のサイン色紙を見せる。オートマチックの、あの新月という少女がもっていた銃はわざと見せない。
 コレットは、一本の剣と何故かスク水と巫女服が出てきた…なんだかとある合成獣に着せろ…とでも言うかのようだ
 …この剣は詳細名簿に書かれていた…たしかとある酔狂な黒髪の女の子の持ち物「亜空剣」などと、一部からは呼ばれていた。強力な剣…本人の意思と強さによって剣の大きさが変わる剣…その特徴と一致していた。
 ルイスは、まず何やら傘を取り出す。その後、なにやら大量の虫眼鏡みたいなアイテムを取り出した。


「…これは何かしら……」
 そういって、その虫眼鏡みたいなのを指差す
「ああ、これはスペクタクルズといって…」
 そういって何やらスペクタクルズと言う代物を動かす。すると…
「ほら、こうして、誰かの詳細なデータを手に入れる事が出きるんだ」
 そういって私にそのスペクタクルズを見せてくる。本名やらナンやら…スリーサイズまで書いてあった…なんてスペクタクルズだ、思わず私はそれをマッハでぶち壊してしまう。
「…折角だから、ほら、10個位どうぞ」
 …多分、ルイスはそんなもの見もしなかっただろうが、許すまじ…
 そう思いながら、私はスペクタクルズ10個をちゃっかり受取り、デイパックにしまった後、ある提案をするのだった

「そういえば、貴方達、服がぬれてたわよね、折角だし、コレットの支給品に着替えてみたら?コレットはその水着、ルイスは巫女服で」


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 一瞬、僕の頭の中がフリーズする。まさか、まさか、シリアスな頭脳戦からコンな展開は予想できなかった。
 僕の頭がどんどんフリーズしていく
「あ、うん、遠慮しとくよ」
 そういうのが精一杯だったが
「いいじゃないの、ホラ、早く着なさい」
「そうだよ、風邪引いちゃうよ」
 …コレットが巫女服を持ち、カヤがニヤニヤしている…………UWAAAAAAAAAAAAAAAAAA





 …僕は今、多分人生最大の失敗を犯している。多分、あの時、カヤにそれを押し返せばよかったのだ、彼女も服はぬれていたわけだし…
 ああ、僕の頭はどうかしていた様だ、うん、多分今もフリーズしている。
(…カヤに巫女服を、押し返すために考えていて、一切下心が無いのは、さすがなのか、鈍いのか…多分前者である)


 因みに、コレットは自分の服の下にスク水を着たようである…何時のまに

【D5 草原・昼過ぎ】


【名前・出展者】ルイス・キャパシティニ@テイルズオブコンチェルト
【状態】腕に軽度の火傷 巫女服着用
【装備】フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア 巫女服
【所持品】支給品一式、スペクタクルズ(×86)@テイルズオブシリーズ フレイアの傘@テイルズオブコンチェルト
【思考】基本:殺し合いには乗らないが、殺しを完全に否定はしない
1:UWAAAAAAAAAAAAA
2:フレイアとディーが気になる
3:あの志々雄って人… もう一度戦いたくは無いなぁ


【名前・出展者】コレット・ブルーネル@テイルズオブシンフォニア
【状態】健康、所々に擦り傷
【装備】スク水
【所持品】支給品一式、レイスの剣@レイスの短編帳
【思考】基本:殺し合いには乗らない。乗っている参加者がいれば説得する
1:どうしよ~
2:参加者のゼロスを探したい

※二人がどこにいて、どの辺に落ちるかは次の人にお任せします


【名前・出展者】暁茅野@セイラ
【状態】健康
【装備】拳銃 コルトパイソン
【所持品】基本支給品一式×2 詳細名簿 サイン色紙@製作者不明
【思考】
基本、己の身を守り、ゲーム終了まで何とか生き残る
1、結構可愛い…
2、さて、如何しようかしら
3、兎に角逃げる。


【レイスの剣@レイスの短編帳】
本人の意思と力により、大きさが変わる剣、横や幅も縦の長さに比例しておおきくなる



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最終更新:2008年12月16日 16:36