「ピーンチ」
――見せ場が欲しかったな

 そんな事を考えながらララはひたすら防戦を続けていた。それしかする事が無く、出きる事が無い、言わばピンチの状態、自分の支給品は只のナイフ、しかも手品用の玩具と言うんだから嫌だ
 仕方ないからこれは打突に使うのがいいのだろうが、残念な事にあの武器があるせいでどう考えたって近づけない
―――サブマシンガン…って言うんだろうな、別世界の武器だから詳しくはしらないが
 正しくはイングラムM10である。
 おそらく参加者である長月コトナだったらとあるラスボスの無表情中学生を思い浮かべるだろうが、残念ながらララはそんな事全然無い


 パラララララララ


 銃弾が乱射される。ララは木陰に隠れて、そこらへんにあった石を投げつける。石はそれなりのスピードではって行くが、それでも―――それでも相手はかわしてしまう

「ちくしょおおおおおお」

 思わず叫ぶ、居場所はばれているので対した問題は無い、然しいかがなものか…
 ともかく、その後も同じように、ララはウージーを避けていく、しかしどうも疲れてくる。何とか弾切れにならないものか



 既に4度目の石を投げ終わり、ララは一息つく、相手もさすがに一息ついているようだ、しかし弾の方はまだきれていない。
 さて、ならばどうするか
 仕方ないか…突っ込むか?いや、ここは逃げるべきだろう。



 ララは辺りを見渡す。コレは先ほどまでと同じ行為だが、逃げるためか、範囲を狭めている。そして手頃な木を見つけると、そこにダッシュ、サブマシンガンは発射されるが追いつかない、ララはにやりと笑いながら、石を拾って投げる。
 逃げてるとばれたらお終いだ。


―――頼む、気づかないでくれ


 そしてその次も、手頃な木を見つけ、逃げて、手頃な木を見つけて、逃げて、繰り返すうちに、もう直逃げられる…と言う場所に来た。
―――やった…!

 別にララが油断していたからではない、油断していたら、多分その前に蜂の巣だ、油断していたわけではないのだ、決して
 只たんに、間が悪かっただけ
 仕方ないことなのかもしれなかった


「止めなさい!」

 不意に声が響いた。タイミングの悪すぎる。そしてララは、コレを無視すればよかったのだ、然し出来なかった。
 『向いて』しまったのだ、無視すれば、助かったのに、そう、無視すれば


―――しかし見てしまったことに変わりは無い
 ならば悔いるべきなのは…何処にあるのだろう
ー――知るか



+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +




「…やったか」
 叫んだスティンガはそのまま逃げ去る。もう一人いるのだ、危険な賭けはしたくなかった。
―――…今は…だめだな…今は…
 いつかは賭けをしなくては行けなくなる。
 しかしいまでは無い、見てみぬふりが出きるものを、見てみぬふりをして…何が悪い
 スティンガは走った。

―――とりあえずは…逃げる…か…その後…何処に行くかは…後で決める……それと、サブマシンガンは苦手ではないが……やはり…剣が欲しい

 事務的な思考を追えて、最後にもうひとつ

―――覚悟など…とっくに…出来ている………



 走って、走って、全てを殺す決意をした。
 スティンガは―――ゲームに乗っている。


【B3 森・朝】

【名前・出展者】スティンガ・ジャグラー
【状態】少々の疲れ(戦闘に支障無し)
【装備】ウージーサブマシンガン(残りの弾倉は5つ) 
【所持品】不明支給品一つ 基本支給品一式
【思考】
基本、ゲームに乗り優勝する
1、とりあえずこの場から逃げる
2、どこに行くかは後で決める
3、できれば刀が欲しい

備考
  • 次の目的地、不明支給品は次の方にお任せします
  • 不明支給品は剣系統ではないです


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

 レベッカは目の前に横たわる少女を見た。怪我が深い、恐らく、手遅れだ
 サブマシンガンに蜂の巣にされている。
「ああ、悔しいな、こうもなにもできないってのは」

 少女が不意に声を上げる。レベッカは何とか冷静に何ながら


「喋らないで」
 とだけ言った
「いや、手遅れだってわかってるんだ、喋るだけ喋るさ」



 確実に、確実に、この羽の生えた少女は冷たくなってきている。
 心臓はうたれなかったが、出血が酷く、どうしようもない
 ―――ごめんなさい…

「じゃあ、少しばかし、喋らせ、て、貰うぞ」

 そこで、コホン…と一つ咳払いをする。咳払い一つするのに、こんなに苦しそうなのだ…みてられない…酷い…


「別に、お前、を、恨む、つもりはさらさらない」
 ―――そんな事―――そんなこといわないで
 涙が溢れてきそうだ…耐える




「私の、妹をよろ、しく、お願いできるかな、レニ、イファ…レニーファって、言う、んだ…頼む」
「勿論―――勿論、解ってる!」
 レベッカは、頷く事しか出来ない
「私の敵討ちをしろ、なんて、いわ、ない、自分を、後ろめたく、みる、な、とだけ言っておく、そして、この状況を、打破、しろ」
 レベッカは素直に頷く、それしか報いる事は…できそうになかった


「、、、、、、……………Vっ!」

 少女は、にいっと…やったぞ…と、Vサインをする満足そうに笑顔で、そして―――


    竜の子は穏やかな顔をする

「解ってます。誰かの為に、自分の為に、全ての為に、絶対の為に、正義の為に、たとえ正義の為で無くとも、そして、信じる、やってやる―――そうだ、やってあげる、名前も知らないこのこのためにも、泣かない、決して、私の中に、アの子がある限り、名前は知らなくとも、同じだ、あのこの遺志を継ぐ、私が私である限り、私は、絶対のこの状況を打破して見せる。巨大な敵が何?そんなもの、全部打ち破ってあげる。打ち破って、改心させて、それで皆で帰るんだ、仲間と――――――――――――一緒に!!!!!!」


 決意は―――固い



【ララ@暁  死亡】 
残り46人


【B3森・朝】

【名前・出展者】レベッカ・長月コトナ
【状態】健康 確かな決意
【装備】無し
【所持品】不明支給品1~3 基本支給品一式
【思考】
基本、あの子の遺志を継ぎ、この状況を打破する
1、仲間を集める
2、レニーファという人物を探す



  • ララの支給品は全てララの遺体がかけています

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最終更新:2008年11月15日 18:02