『この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ』
一見、女性と間違えてしまいそうなほど華奢な体をした少年は笑った。
ああ、その通りだ。
全身に包帯を巻いた、まるでミイラのような格好をした男も笑った。
ガキの癖に、分かってるじゃねえか。
包帯男の持つ剣は、炎のように真っ赤な刀身を持つ魔剣「フランヴェルジュ」だった。
そして少年の持つ剣は、かつて少年自身を“仲間”と呼んだ男の持っていた物言う剣「ソーディアン・ディムロス」。
ディムロスのコアクリスタルが光る。声が聞こえる。
けれども包帯男と少年はそれに耳も傾けず、ただ何かを話している。
――僕には目的がある
――ほう、奇遇だな。俺もだ
――だが、その目的をお前に言うつもりはない
――クソ生意気なガキだな
――フン。ミイラめ
――黙れ、クソガキ
瞬間、包帯男と少年は剣を持った。互いの剣の切っ先が、互いに突きつけられる。
……数秒経った時、包帯男が笑い声を上げた。少年は笑みを浮かべ、「下品な笑い声だ」と毒づいた。
ディムロスのコアクリスタルが再度光り、声が上がる。少年は静かに「黙れ」と言った。
「……貴様、シシオと言ったな」
「そういうてめえはリオンだったな」
少年――リオンは不適な笑みを浮かべ、言った。
「貴様が最初に持ちかけた話、乗ってやってもいい」
「あ? なんの話だったか」
「フン、とぼけてろ」
無論、志々雄は憶えていてわざととぼけている。リオンはそれを分かっていた。
それは一種の“契約”。
互いの目的の為に手を組み、他の参加者を全て殺害する。そして2人きりになった時、彼等は殺し合う。
全ての参加者がいなくなるまでの、互いの目的の為だけの“契約”。
何故、彼等がこんな契約が出来たのか。それはきっと――
「足を引っ張るなよ、クソガキ」
「それはこっちの台詞だ、ミイラ男」
彼等は何処か、似ているのかもしれない。
【F5 町の前 朝】
【名前・出展者】リオン・マグナス@テイルズオブデスティニー
【状態】健康
【装備】ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー
【所持品】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:シシオ以外の参加者を殺害。終わったらシシオを殺す
1:覚悟しておけよ、ミイラ男
2:行動方針を決める
3:マリアン……
【名前・出展者】
志々雄 真実@るろうに剣心
【状態】健康
【装備】フランヴェルジュ@テイルズオブシンフォニア
【所持品】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:リオン以外の参加者殺害。終わったらリオンを殺す
1:うるせえよ、クソガキ
2:強い奴と戦いたい
3:弱い奴を殺す
【名前・出展者】ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー
【思考】
1:一体何がどうなっている!?
2:リオンから状況を聞きだす
3:スタンの行方が気になる
※不明支給品が何かは次の書き手様にお任せします
※リオン、志々雄共に不明支給品は武器ではありません
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最終更新:2008年11月15日 17:00