もはや、目の前で起こった惨劇とも取れる光景、しかしレイスにとってはそんなもの日常の一コマでしかないし、このゲームさえも日常の一コマに過ぎないのだ。
 ならば如何するか、目の前の殺人鬼をしとめて…いや、殺し屋をしとめて、私は殺人鬼か?いや、殺人鬼など他にいるだろう。何だかこのゲームの中には金ぴかの魔王がいそうだなーと、そんな事を同でもよさげに考える。


「危険人物と、認識させてもらうぜ」
 いつものだるそうな声だが、少し覇気がある。あえて言うなら、このだるそうな声はもはや地声だろうか
 レイヴンは剣を構えて、相手の攻撃を受け止める。さすがに、問答無用で襲いかかられたらたまったものではないが、とりあえず受け止める事にする。

 レイヴンは、いきなり現れ一度驚く、そして、もう一度驚く
「……子供?」
 残念ながら、レイヴンには子供を愛でる趣味は無いはずだ。さすがにまだ10歳の子供に進んで欲情するほど(ただし許容範囲)、レイヴンは(執筆している奴ほど)終わっていない。正しくは相当終わっている。
「悪かったな、でも、自分が押されていることくらい、気付いた方が良いぜ」
 レイヴンが少し足元を見る。レイスはそこで攻撃を中断するが、それに気がつかず、レイヴンは驚いていた。
 ―――なぜ、子供なんかに…
「そう言うのを、油断って言うんだよ」
 再びレイスが飛びかかるが、レイヴンはそれに気がつくのがそれなりに遅れて、回避行動を取るも、横に一薙ぎされ、腕の辺り服事切り裂かれる。とはいっても傷は浅く、服と、皮膚が大分切られた程度、痛みは勿論するが、我慢すれば、動く事自体に問題は無かった。
「…仕方ないな、本気は…出せないか」


 レイヴンはそう呟いて、痛みに多少顔をしかめるが、それでも確実に剣を構える。レイスは笑いを口元に浮かべながら、再び剣を交えた

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 遅いな…とも考えるが、私の方も大分制限されてしまっていて、剣に力を無制限に込める事が出来ない、ただし、剣に無理をさせない程度の力までしか制限が成されていないようだ、となれば、剣を使ったさいの腕力はまったく変わらないようだ。
 私としても、結構これは嬉しかったりするが、それについては、触れないでおこう
 どうでもいい事だし

 私が前に突っ込んで、黒い奴はそれを受け止める形になる。
 直に私は横に飛んで、剣を一直線に突き出す。黒い奴はそれを剣を上に構えて、剣の刺す方を下に向けて受け止める形になる。
 私は勢いで後ろに下がって、思い切り飛びあがる。


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 レイヴンは剣を上に構えながら、非常に焦る。
 ―――何故、この剣で切れない…
 もちろん、別に光墨がすばらしいわけじゃない、光墨はかなり切れ味は言いが、所詮只の刀、伝説には程遠い普通の剣だ
 つまりはレイスの腕力が物を言っているのだ。故にレイヴンは押されるしかなかった。
 そして再び剣を受け止めながら、レイヴンは舌打ちをする。
 レイスがもう一度、今度はレイヴンの後ろに回る。レイヴンは直に振り向き、そして―――


 ザクリ





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「まったく、変な小細工かましてくれるじゃねぇか」
 地面に叩き伏せられたレイヴンをレイスは見下すように笑いながら、実際に見下ろして、話している。
「でもな、そんなんじゃ私を倒す事は出来ないんだよ…」
 アハハハハと笑いながら、レイスはレイヴンを見下ろす。
「無様なもんだ、お前が如何して私の後ろに行けたのかはしらないが、残念ながら、計算のうちだったんでね」
 すさまじい、つい先ほどレベッカに見せた笑みは何処えやら、レイスはひたすらおぞましい笑みをレイヴンに向けている。



「最初によ、私はあそこに飛び込んで、お前等3人をまとめて始末する予定だったんだがな、しかし、まぁそんな事は同でも良いさ、一つ、一つだけチャンスをやろう」
 そういってレイスは更に笑いながら、レイヴンを見る。勝ち誇った笑みで
「お前、死にたくないか?」
 この答えをレイスは待ち望んでいるようだ

「死にたくは…無い…が、この状況で…この状況で、如何すれば…生き残れると…言う…のだ?」



 沈黙

 非常に大きな笑い

 そして

「いいや、気に入ったよ、今回が見逃してやる。それにゲームを円滑に進める奴がいないと、私としても困るんでね、それじゃあ、達者で暮らせよ…ま、この武器は貰っていくがな…二刀流なんてやった事無かったな」

 こうして、この墓地には、レイスが剣を構えて向かってきたところを、不意打ちで後ろに回り、そこで回った直後にレイスに既に向かれていて、原を一直線に貫かれたレイヴンと2つの死体が残っていた。



【C1 墓・昼前】

【名前・出展者】レイス@レイスの短編帳
【状態】健康 ご機嫌
【装備】光墨@ハーフ  緋緋色金の光剣@世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯
【所持品】思い出の品@ハーフ 基本支給品一式
【思考】
基本、弱い奴を保護して、強い奴に引き渡す。中途半端、危険人物は必要無い
1、滅茶苦茶上機嫌
2、二刀流なんて始めてだな
3、さぁて、何処へ行こうか
※レイスは基本大剣を軽々と振りまわすタイプですが、二刀流もOKのはずです
※レイスが何処へ向かうかは次の書き手さんにお任せします


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 レイヴンは、底知れのぬ恐怖を感じ、そして、戦慄したのはコレが始めてかもしれない、あそこまで完膚なきまでにやられるとは思っていなかった。
 強い、そして、怖い、もはや、それすらも越える。おびえもあるかもしれなかった。
 あの少女には、二度と会いたくなかった。
 レイヴンはそう願いながら、痛みをこらえ、立ちあがるのだった

【C1 墓・昼前】

【名前・出展者】レイヴン@反乱
【状態】腹に刺し傷 左腕に切り傷 少しの返り血 底知れぬ恐怖
【装備】無し
【所持品】基本支給品一式 不明支給品三個 ポケモンボール@みんなのポケモン牧場  ジューダスの仮面@テイルズオブデスティニー2
【思考】
基本、降りかかる火の粉を払うため、ゲームを早々に終わらせる
1、レイス怖いよレイス
2、支給品の中に武器が入っていないだろうか
3、応急処置もしたい


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最終更新:2008年11月22日 17:52