「さてと、貴方にはゲームに乗ってもらうわ」

 暁 茅野(あかつき かやの)…カヤは目の前の自分より4つほど背の低い少女を押し倒し…ここまでならばいいのだが、ここからが問題で…銃を構えている。
 コルトパイソン…森の人とも呼ばれるコルトのシリーズの一つで、外見は評価が高いが、内部に欠点が多い一品、カヤはこれをしっかりと握り、すぐにでも撃てるように、撃鉄は起こしている。


 少女はおびえ、青ざめて、声を出す事が適わない、しかしカヤは拳銃を付きつけ、イエスと言う言葉を強要している。頷きを強要している。
「早くしてくれないかしら?私も暇じゃないの」
 そういって拳銃を押しつけ、少女は少し悲鳴を上げ、それでも何とか頷く、カヤはよし…とつぶやき、拳銃をしまう。少女はふぅ…と息を吐いてから、立ちあがり、歩き始める。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

 少女…新月は迷っていた。殺さなければ、自分があの女性に殺されてしまう、しかし殺すのには躊躇いがある。
 新月は歩きながら、それでも…と武器をあさる。出てきたのはこれまた(只しオートマチックのタイプの)拳銃が出てきた。そして更に漁って、サバイバルナイフ1本が出てきた。
 …仕方ない…と新月は銃を手に取る。覚悟は出来たと思う…それだけだ…




「…何処いったの!あいつは!」
 いきなりの叫び声だった。新月は銃を素人丸出しに構えて、がたがたと振るえながら、その声の主をみる。
 先ほどの女性と同じ位の年齢、新月は引き金を引き絞り…
「…別のでいいや…みいつけた…壊してあげる。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


 パスン

 新月は何とか発砲して、その銃弾が大きく外れ、遠くの木に当る。新月はしりもちをついて、へたり込んでしまう
「いたあ!」
 新月はそう呟きながら、しりもちをついた状態から、立ちあがろうとする。
 しかし、声の主…どうかんがえたってレニーファはそれを許さず、走り寄って来て、蹴りを新月に打ち、新月はその場に倒れ伏せられて、痛みに声を上げる
「あああああああああ!」
 そして、レニーファは新月の首を掴んで持ち上げる
「あぅ…あああ」
 新月は声をもらし、レニーファはおぞましい笑みで剣を構える。
 一直線に構えられた刀を、新月の肩に当てる。勢いよく振れば、手が切れて飛んでしまうかもしれない場所

「アハハハハハハハハハハハハハ」
「い、、ああ、あ、、ああ、ああ、、、、ああ、あ」
 肩に刀がザクリ、と食い込む、銃を痛みのせいか、落してしまう。
「あああああぐぅぅあああああ」
 悲鳴を上げた新月を、レニーファはひたすら笑いながら眺めて行く、ザクリ、ザクリ、ザクリ


「壊れちゃえば良いんだ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
 レニーファはそういって、剣を食い込ませるのを、丁度半分の辺りで止める。そして変わりに今度は腹の方へ刀を食い込ませる
「ああああああぐううううううあうあうあうああああああう」
 新月はひたすら悲鳴を上げて、食い込んで行く刀を見る事しか出来ない。
「壊れちゃエ壊れちゃエ壊れちゃエ壊れちゃエ壊れちゃエエエエエエエエ、アハハハハハハハアハハハハハハハハハ」
 レニーファは笑って、叫んで、ひたすらゆっくりと、刀を刺しこんでいった。


「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
 新月は叫び、血が噴出し、レニーファは笑い、そして、刀が遂に新月を貫いた。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
 そして、レニーファは首から手を離す。
「い”あ”う”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
 刀が食い込み、レニーファは更に声を張り上げて笑う。ズポ…と刀がいきなり抜けた。摩擦だかなんだかで、とても痛い、新月は更に声を張り上げた。
 そして、レニーファは再び新月の首を掴み、持ち上げる。そして、落す。コレを五回くらい繰り返し、6回目は剣で横腹を切り裂き、新月の痛みは頂点となり、声を張り上げる。
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」





「壊れちゃエ」

 レニーファはそっと、耳元で呟いた。

 新月は笑った。

 たやすく、壊れやすい、人間の心

 レニーファと変わらない、もろい精神

 声は…笑い声は…ひたすら響いた





―――――――――アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ  ハ  ハ     ハ



「死んで?…ね?」
 レニーファは言った。新月は、そこでお仕舞だった。何でだかはしらない、それはとてもあっけないものであって、新月は悲しかった。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――それって、結局意味あるのかな?


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――余りにあっけないよね


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――嫌だな…死にたくないよ…


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――新月…さん…こんな所で…死にたく無いよ


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――でも…眠い…よ?…やっぱ…り…シンじゃうの?


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――いやだよ…しんげつ…さん………しにたくないよ


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――あつい…しにたくない…あつい…しに…た…く…ない


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――い…やだよ…


 人は首をはねられても、3秒は意識があるという。


 ―――そらこ…さ…コトナ………しょうせつか……みんな………


 人は首を…はねられれば、死ぬ


 ―――ご…め…ん…な…さ…


 レニーファは笑っていた。


 【新月@リアクション学院の夏休みエピローグ】
 残り39人


【B5 草原・昼前】

【名前・出展者】レニーファ@ハーフ
【状態】足に痛み(動かすと痛みが走る程度。本人はあまり気になっていない様子)、異常な狂気、少し疲労
【装備】妖刀@暁、フランドールのスペルカード(1~?枚)@東方Project
【所持品】基本支給品一式 グミセット(アップルグミ残り8、オレンジグミ残り10)@テイルズオブシリーズ、フランドールのスペルカード(?枚)@東方Project
【思考】
基本:全部ぶち壊してあげる
1: やった…壊した!
2:あの女…何処いった…!
3:黒髪の女(レイス)をスペルカードで壊す
※レニーファがどのスペルを持ち、どのスペルをデイパックに仕舞ったのかはお任せします

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 カヤは遠巻きにコレを見ながら、やれやれ…とため息をついた。
(結局、全然攻撃が当らずにやられちゃうんだから…私があのレニーファとかいう女をひきつけたというのに・・・まぁ、別に完全に期待なんてしてなかったけどね)
 カヤは詳細名簿を持ち、そう思考しながら、レニーファが立ち去るのを待ち、新月の死体に近づいて行く。

(そもそも、ほしかったのはコッチだし)
 拳銃と、デイパックを回収すると、直にその場を立ち去った。




【B5 草原・昼前】

【名前・出展者】カヤ@セイラ
【状態】健康
【装備】拳銃 コルトパイソン
【所持品】基本支給品一式×2 詳細名簿
【思考】
基本、己の身を守り、ゲーム終了まで何とか生き残る
1、さて、何処へ行こうか
※何処へ向かうかは、次の書き手さんにお任せします
※レニーファの『あの女』はカヤの事のようです


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最終更新:2008年11月23日 11:42