「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
 笑み…ただし笑い、面白い、そんな感じの笑み、ゆらり…と感じがいいとも悪いとも言えない、普通の風、辺りは曇り出している。
 なんのギミックかは、レイスは今そんな事は気にしていない、ただひたすらに、ほんとうにひたすらに笑いつづけていた。
 少し前になる。


 クロはレイスを発見、口をふさごうとしたら何時の間にか後ろに回られていた。クロは思わずデジャヴを感じたが、その後の行動はデジャヴしない、剣をつきつけたのはレイスの方だった。
「さてと、3歩くらい前に出てこっちを向け」
 クロは言われた通りに3歩歩き、振り向く、レイスは既に剣をしまっていた。両方の腰に刀と剣をしまっている。
 刀の方はクロの愛刀ではないようだった。
「さぁて、私はレイスっていうんだが……」
 そこから、少しずつ、レイスの顔が笑みに変わってゆき…

 先ほどのように笑い始めた。
「私はお前が話していたレベッカの…そうだな…友人だ」
 そういって更に笑った。意地の悪い笑みで、意地の悪い笑いでレイスは笑った。

「…話が呑み込めない」

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

 レイスはレベッカと話した内容の辺りから少し話、その後、自分が墓の方へ行ったことも軽く説明し、放送前のレベッカとクロの会話を目撃して、そのあともう一度街の方へ行って、その後又コッチの方へ来て、そして話しかけられた…と話す。
 クロはそれを聞いてから、それで何で笑うんだ?と疑問をもらす。

「だってよ、最低…だってよ、最高じゃねぇか、お前も、レベッカも…なぁ」
「何処がだ」
「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは…」
「頼む、いいかげん黙ってくれ」
「解ったよ、さてと、ちょいとばかし考察…といこうじゃねぇか」
 レイスは少し笑った。


「お前、このゲームの事…どう思ってる?」


 簡単に、あっという間に、一瞬に、何の余地もなく、何の隙間もなく、一片の時間もなく、暇さえなく、急に……つまらそうに言った。
 クロは…クロは…
「……さぁな」
 呟いた。

「だろうな」
「で、それが如何した」
「いやいや、なんでもないよ…ま。いいか」
 レイスはにやりと笑った。


 余裕に、広広と、言うのだ。笑って、笑って、笑って、言うのだ。レイスは……言うのだ。だから?という疑問符など必要にない、及びはかかっていない、不用な代物、不用だからこそ…不用…だから…こそ
「だから?」
 言うのだ。
 容赦なく、完膚なきまでに、叩きのめすように、迷いもなく、ひたすらに、集中するように、言うのだ。
 だからクロは言った。『だから』クロは言った。
 そして、レイスは当然に、完全に、悠然と、自然と、答えるのだ
「私に聞くなよ、バァーカ」
 レイスは笑った。いつものように、そして、去ろうとするのだ。

「あいつの首を切り落とすのは勝手だが、埋葬位ちゃんとしとけよ?」

 一瞬、クロは何を言っているのか解らなかった。そして、レイスはその一瞬のうちに消えていた。


【C3 草原・昼過ぎ】

【名前・出展者】暗黒 黒王@リアクション学院の夏休み
【状態】健康 
【装備】逆刃刀・真打@るろうに剣心―明治剣客浪漫譚―
【所持品】簡易首輪レーダー(パッチ当て済み)@暁、基本支給品一式
【思考】基本:主催者を倒しゲームを終わらせる
1:結局、何だったのだろうか…
2:レベッカの言っていたB3の方へ行ってみる
3:主催者打倒のための仲間を集める
4:なんとか記憶を取り戻したい


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

「あ、そういえば」
 レイスは今思い出したヨーに、呟いた。
「あいつの名前聞いてなかったっけな…まぁ良いけど」
 それだけ言って、レイスは、剣を抜き去った。


 目の前の、レイスにとって中途半端なシン・アスカと相対するために…

―――強くないが、完全に狂うほど弱くない、あの妹よりかはましな奴なんだが…その分中途半端なんだな…

 レイスはそれだけ考えて、切りかかった。
「うおわ!」
 シン・アスカはなんとかそれを横にかわす。一体何なのだ…と考える由はない、直に銃を抜き去り、構える。
 一発、レイスはすさまじいスピードで跳躍する。6メートルはジャンプしたかも知れない、そのままレイスは二本の刀を振り下ろしながらシン・アスカの上に着地しようとする
 二発、レイスはその一発を刀で防ぐ、さすがに普通の刀、反動が帰ってくる。しかしレイスはその反動を利用して、刀と剣の順で切りかかる。一閃、コレは途中で銃にはじかれ、縦に振られたもう一振りは、右に飛んでかわされた。
 三発、飛んでいる最中に撃ってきて、これはレイスを霞める事もない、レイスは直に後ろに下がり、間合いを取る。
 四発、一回転、膝を突いた態勢から、銃弾が放たれ、レイスはそれを今度は剣の方で防ぎ、なんとかその場に踏みとどまる。
 五発、立ちあがり、そして撃たれる。今度はレイスが跳んだ方向とは反対の方向へ跳ぶ、そのまま剣を握り締め、走る。
 六発、続けざまに放たれるが、コレは足元を掠め、当らない
 七発、今度は空を切る。
 八発、剣で、防がれる。

 九発、出ない…弾切れ…
「あ…」
 シン・アスカは思わず呟いていた。
 その瞬間、レイスの剣で切り裂かれた。
 シン・アスカはその場に倒れこみ、最後に…最後に
「この…ふざけた…ゲームで…なんで、お前は…戦うんだ…なんで…ふざけた…この場所で…お前達は…勝てるんだ………」

 それが最後だった。
 最後は、レイスの刀が、赤く染まった。


【シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY 死亡】


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +

「あー、ったく、拭くのが面倒だな、もう」
 そういいながら、レイスはシン・アスカの死体から少し引き裂いて拝借した布で刀を拭いている。
 返り血は運が言い事に殆ど浴びていない。
「さてと、こんなもので良いかな、まったく、魔力が制限されてなければこんなのちょちょいのちょいで洗えるのに」
 そして、更に何かに答えるように…呟いた
「決まってるだろ?格がちがうんだよ、格が…」

 そういってレイスは町へ、向かった。既に三度目だ。

【C3 町の入り口・昼過ぎ】

【名前・出展者】レイス@レイスの短編帳
【状態】健康 上機嫌
【装備】光墨@ハーフ 緋緋色金の光剣@世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯 
【所持品】思い出の品@ハーフ 基本支給品一式
【思考】
基本、弱い奴を保護して、強い奴に引き渡す。中途半端、危険人物は必要無い
1、上機嫌
2、二刀流なんて始めてだな
3、ふぅ……
※レイスは基本大剣を軽々と振りまわすタイプですが、二刀流もOKのはずです



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最終更新:2008年12月16日 15:42