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第2話「覚醒」


?「はぁ……はぁ……」
息が切れて、苦しい。
小高い山の上。崩壊し、あたり一面が焼け野原、瓦礫と死体だらけになった町を走りぬけ、ここまでやって来た。
振り向くのが、恐かった。
現実を知るのが、恐ろしかった。
今、ゆっくりと町の方向に振り向く。
?「なんだよ……これ?」
自分が住んでいた町に、親父が勤めていた会社のビルがない。
自分が授業をうけていた学校がない。
高い建物は、そのほとんどがその原型を失っていた。
代わりに、ビルの様に大きなガイコツロボットが三体、我がもの顔で町を徘徊している。
?「ちくしょう……ちくしょう!!」
再度方向を前へと転換。
一心不乱に走りだす。
途端、ポケットにしまった杭と小槌が光り始める。
その光りは、前方の洞窟へとのびる。
ゴクリ、と唾を飲む。
?「行って、みるか……」
洞窟の中は暗く、杭と小槌の光りが唯一の明かりだ。
?「痛ッ!?」
何かにあたった。しかし、岩のような感触ではない。
もっと冷たい……そう、鉄の様な感触。
??「ありがとう……ここまで来てくれて……」
?「!?」
突然の声に思わず驚く。声の主に姿は、ない。
しかし、聞いた事のある声だ。
?「あんた、さっきの公園の……」
??「覚えていてくれて光栄だよ。それより、中に入ってくれ」
目の前の鉄の様な感触のものが開く。
?「うわッ!!」
そこには、座椅子がある。
まわりには赤黒い得体の知れないものが、まるで心臓の様に脈打っている。
?「これは……」
??「早く入ってくれ」
怪しみながらも中に入り、座椅子に腰掛ける。
扉がしまった。
?「おい!!」
声を張り上げるが、完全無視。
??「済まないが、目の前のソケットに、杭を刺してくれないか」
見ると、丸いソケットがある。
?「大丈夫……なんだろうな?」
??「地球人には……初めてだよ」
何ともいえない返答だ。渋々ソケットに杭を刺す。が、最後まで入りきらない。
?「おい、これどういうことだよ?」
??「町の人を、助けたいかい?」
疑問で返された。
?「とりあえず、あのガイコツをぶっ潰す」
拳を握り締める。
??「血の気が多いね。ちょうどいい。ならば振り下ろせ小槌を!そして叫べ!!」
?「吸血機、バンパイオー!!」
杭に小槌を、振り下ろす。

ガイコツ「ぐぅあ?」
山から天を衝く黒い光り。
その光の中から現われたのは、黒のマントをはためかせた、正に吸血鬼だった。
俺は杭と小槌を拾いあげ、男が指差した山へと走りだした。

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最終更新:2009年11月23日 14:27