第三話 激動の農林水産省?
あるホテルの一室。
「お大事にー」
看護婦が、女性を見送る。
美麗な容姿、白い肌はいかにもガラス細工のよう。
いかにもお嬢様と言う感じの雰囲気を持っている。
その彼女を出迎えるように、英武総次郎は居た。
総次郎「今日は、どうだったかな? 璃理」
璃理「ええ、大丈夫……。 ごめんなさい、毎回出迎えなんて……」
総次郎「いやなに、可愛い姪っ子を思えばだよ」
伝説の総理大臣、英武総志郎。
その孫娘が彼女、英武璃理だ。
璃理「あ、あの……」
総次郎の車に乗り込む璃理が浮かないのを、総次郎は気づいた。
総次郎「……つくす君か。 残念だが、今日は地方でね」
璃理「…そう、ですか……」
風景が流れてゆく窓のそとをぼうと眺めながら、璃理はつくすのことを考えていた。
某県。
米の栽培が盛んなこの土地では、今年も大量の収穫が予想された。
つくすは、地域に貢献しようと、自ら収穫に参加していた。
つくす「……ふう、あと少しだな」
???「うむ……、総理……お疲れなら……休憩を」
つくすの隣に立つのは、同じく収穫に参加している農林水産大臣、加木丑松(カモクウシマツ)。
つくすより頭一つ高い長身。 作業服に身を包んでも、彼がどれだけ締まった体つきかが分かる。
つくす「いや、まだまだ頑張れますよ! さあ次は……」
「若総理は元気だなぁ!」
「応援してるよ、若!」
村人からの応援を受けながらも、つくすは考えていた。
この前の騒動の後だった。
律子『軍事用のスタンピック……それも、日本製。 陸自で使われてるものよ』
蓮辺『馬鹿な……どこから出回っているんだ!?』
律子『外務大臣……藍沢君にも調べさせてるけど、どうも怪しいわ。 まるであなたを失脚させるのが狙いみたいで……』
つくす(……いったい、誰が…)
加木「……あまり、思い詰めるな……総理」
つくす「加木さん……」
加木「待っていれば……いつか、わかる……耐えろ」
間違いなく、次も何かしら仕掛けてくる。
それが漠然な不安として、つくすを悩ませた。「た、大変だぁぁー!!」
突然、村人達が騒ぎ出す!
加木「……どうした!」
「それが、わけわからんロボットが……あっちの田んぼ荒らしてるんだ!」
つくす「な、なんだって……!?」
見れば、道路整備ロボが田んぼを荒らしている。
村人達は慌てた。
「まだ収穫してない稲もある、なによりあれじゃ田んぼが死んじまう!!」
つくす「くそっ、ならば……聖界機兵、出馬ぁぁ!!」
空が何かに覆われる!
それは巨大な輸送機!
つくす「我、威厳の化身とならん……セェェェイカイォォオオオオオオオオオオオ!!」
道路整備ロボは巨大なキャタピラーで路面を荒らしていく!
セイカイオーが飛びかかるも、そのパワーは凄まじく、歯が立たない!
つくす「ぐっ……くそぉぉ……!」
「ああ、終わりだぁぁ……!」
「俺達の田んぼが……」
その時、セイカイオーに駆け出す影が一つ!
加木「……日本の宝を……貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
加木の目が見開かれる!
加木「こぉぉぉぉおい!! アァアグリバルチャァァァァァァァァァァ!!」
輸送機から再び、巨大ロボットが降下する。
地響きが大地を揺さぶる!
つくす「あ、あれが……国務ロボ……!」
加木「……そう、だ。 国務ロボ……アグリバルチャー……。 いくぞ……!」
アグリバルチャーが、セイカイオーと共に整備ロボへとぶつかる!
しかし!
つくす「ぐぅう……この堅さ……ただの整備ロボじゃない……!?」
加木「……なら、こうするまでよ…!」
加木が胸ポケットから取り出したるは、判子!
その判子を、アグリバルチャーのディスプレイに押す!
加木「……山を愛し、海を愛し……その力を得る、それが農林水産省の……印、だ!」
つくす「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!」
セイカイオーの右手が変形する!
同じく、巨大な腕に変形するアグリバルチャー!
つくす「……これが、アグリバルチャーの力…!」
加木「いけ、総理ッ……!!」
つくす「うぉぉおらぁぁああああ!!」
アンバランスとしか言いようがない巨大な手で、整備ロボの胴を掴む!
クローが生え、整備ロボの装甲をがっしり掴み取り、持ち上げる!
つくす「ぉおおおおおおおおおおおおりゃぁああああああああああああ!!」
セイカイオーは、整備ロボを――投げ飛ばした!
空中で爆発する整備ロボ!
「助かったぞ!」
「俺達の田んぼだぁ!」
つくす「……明らかに、僕をねらっている……! 誰なんだ……いったい……いったい誰が…」
加木「…………」
日本の明日を救え!
戦え、聖界皇!
最終更新:2009年11月23日 17:34