第六話 出現、ドクサーイン!
つくす「……また、ずいぶん間が空いてしまいました」
総次郎「いやはや、まったく最近は忙しかったですからなぁ、ははは」
総次郎の車の中。
ちょっとした不安と期待を胸に、つくすは病院へ向かっていた。
というのも、久しぶりに彼女……英武璃理に会うからだ。
連絡は取り合っているが、もう大分顔は合わせていない。(彼女がケータイを嫌い、手紙でのやり取りしかしないからだ)
つくす「着いても、またすぐ仕事ですけどね……」
……支持率も落ちていた。
最近のロボット騒ぎは、セイカイオーに触発されてのものではと、マスコミは取り上げていた。
総次郎「……まあ仕方あるまい」
つくす「でも………ん?」
総次郎「……どうしましたかな?」
つくす「いや、ちょっと止めてください」
都内病院。
璃理はロビーで、今か今かとつくすを待っていた。
璃理「……もう、どれくらいぶりだろ…」
期待に胸を膨らませる璃理。
「……ええ、そう……わからないの? そんな……こっちには……」
璃理「……? 何かしら」
見ると、公衆電話に悲痛な声をあげる女性が一人。 電話を切り、女性は前のソファに座った。
璃理「……あ、あの、何かあったんですか?」
「……え、えぇ……実は……」
璃理は、その女性から事情を聞いた。
璃理「……娘さんが、いなくなったんですか?」
「ええ、私……ここに入院してて、今日が退院だったんですけど。 あの子……まさか一人で見舞いに……」
璃理「………わかりました、わたし……外を見てきます!」
「その必要はないよ、璃理」
璃理「……ぁっ……」
振り返ると、そこに立っていたのは。
つくす「元気そうでよかった……久しぶり」
璃理「……は、はい…! で、でも今、実は……」
そう言おうとした矢先、
「あ、あぁ……春菜…!」
「……ママ、よかった……うわぁぁあん!」
つくす「……街中で迷ってたのを見つけて、それでね」
璃理「つくすさん……」
璃理は思った。
なんて、なんて心の広い方なのだと。
祖父のように、熱い心をもった男なのだと。
でも……
つくす「……ん、どうしたの?」
璃理「あっ、ああ……いえ…違うんです」
つくすの横顔が、なぜか悲痛なものに見えた。
……まさか、いやきっと……
総次郎「……さて、それでは途中までだが、一緒にいこうか、璃理」
璃理「……ええ、行きましょうか、つくすさん」
その時、耳を裂く爆音が病院を騒がせた。
璃理「きゃぁぁぁぁああ!!」
つくす「璃理、伏せて!! な、なんだ……!?」
璃理を総次郎に預け、外へ駆け出すつくす!
そこには……
つくす「せ、戦闘用ロボット……!」
見間違いはない。戦闘用ロボットが、街を破壊している!
つくす「くっ……こんな街中で……仕方ない……いくぞっ!! 聖界機兵……出馬ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
手を掲げるつくす!
空を覆い尽くす、巨大輸送機ドテカード!
大地を割り、巨人がそそり立つ!
つくす「……せぇぇかいきへぇぇぇい………セェェェェイカァァァァァァァァイオォォォォォォォォォ!!」
セイカイオーが、戦闘用ロボットへ突撃する!
つくす「アクセルッ…ナイフッ!! おぉぉぉおお!!」
火花散らす装甲!
腕を斬り飛ばす!
???『……なるほどな、それがセイカイオーか……ふははははははっ!! 笑わせる……』
つくす「……な、なんだあれは……!!」
戦闘用ロボットの集団の上空に浮かぶ、巨大な影!
ハバマ『……わしは、ドクサの帝王、ハバマ・ドクサ……こいつは国機、ドクサァァァァァイン!! わしの顔に泥を塗った、その詫びをさせてもらうぞ……総理大臣ッ!!』
つくす「……ドクサの…帝王だって!?」
ドクサのロボットが、戦闘用ロボットを踏み潰し、着陸する!
凄まじい闘気!
ハバマ『……いくぞぉぉおおおおお!!!』
つくす「ま、待ってくれ……ぐあぁぁぁああああああ!!」
突進してきたドクサーインのパンチに、為すすべがないセイカイオー!
つくす「……ち、ちがう……動かない…! うああぁぁぁぁ!!」
ドクサーインの攻撃に、吹っ飛ぶセイカイオー!
ハバマ『ふははははははぁぁ………!! その程度か、セイカイオー……あの“機人総志郎”の作ったロボットか……笑わせる!!』
つくすはレバーを動かす、しかし……
つくす「……完全に止まったわけじゃない、でも……これは……!」
支持率が、ほぼ零だった。
支持率がなければ、セイカイオーの出力は最低になる!
ハバマ『とどめだな……セイカイオォォ!!』
つくす「……お、終わり……か、終わりなのか……」
レバーを離した、その時!
璃理「……やめてぇぇぇぇ!!」
ハバマ『ぬぅ……!?』
つくす「……璃理……」
璃理「……つくすさん、つくすさん立って! いまこの日本を救えるのは……あなたです!」
つくす「……よして……くれ……俺は、結局……器じゃないんだ……! 君は……その、……あれだから信頼してくれるのかも…しれない……でも、国民は……!」
その時、璃理の隣に立つ影!
ハバマ『……ぬぅう、邪魔だ小娘!! どかんかぁぁ!!』
春菜「……ぅぅ……!」
つくす「………き、君は……!」
璃理「……セイカイオーは、たった一人の民でも救うんじゃなかったんですか……! あたしも、春菜ちゃんも……そしてみんなも、いつか信じる時がくる! それをここで諦めたら……諦めたら………」
璃理の頬を涙が伝う。
つくす「……忘れてた……忘れてたよ……!」
コクピットハッチが開く!
つくす「……サブシートに乗って、二人とも!」
璃理「つくすさん……!」
レバーを握り直すつくす!
つくす「……負けられないんだ、俺は……たった、たった、一人……しかし、俺は誓うんだ……!!」
出力は相変わらず低い、しかし!
セイカイオーは立ち上がる!
ハバマ『ぬぅう……まさか…』
つくす「この国を愛し、尽くす……威厳の化身として! うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
セイカイオーが、蘇る!
律子「……間に合った! つくす君!!」
つくす「いくぞぉぉお!!!」
ハバマ『……仕方ない、ぬぉおおおおおお!!!』
飛びかかるドクサーイン!
迎え撃つセイカイオー!
つくす「うぉああああああああああ!!! ディサイションブレィカァァァアアアアアアアアアアアアア!!!」
拳がぶつかり合い、そして!
ハバマ『ぬぅぇ……このパワー……!! 覚えておれぃ!! セイカイオー!!』
ドクサーインが撤退していく!
つくす「……ありがとう、璃理……忘れてた、俺…」
璃理「……いえ、私は…」
つくす「……春菜ちゃんも、ありがとう」
春菜「うん!」
この拳に誓おう。
国の平和を。
今一度。
最終更新:2009年11月23日 21:53