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第九話 バハマ散る


二つのビームの爆発が、大気を一気に吹きあがらせる。
ドテカードすらも、その衝撃に揺らいだ。

昇「あわわわ、やばいっすぅぅ!!」

蓮辺「ぬぅぅぅぅ!!」

律子「……だ、大国機は、セイカイオーは……!」



バハマ「……まさか、驚いたぞ。 わしのドクサービームを打ち払うとは……!」

黒煙が晴れ、大国機……セイカイオーが姿を見せた。

つくす「……なぜ、いったいなんで国機を使って戦いを…!」

バハマ「フン……」

ドクサーインが、腕を組む。

バハマ「ジャパンの大使が、わしの国を……我が祖国を侮辱したのよ! 猿の国とな!」

つくす「なんですって……」

バハマ「わかるか、セイカイオー……わしはあの国が好きだ。 血を、肌を、人々を愛しておる!! 確かに、治安も悪い……物価も高くない。 しかしわしは愛しておる!! それを奴は……日本人は、馬鹿にしおったのだ! 我が国の誇りを!!」

つくす「……なら、話し合いもあったはずだ!」

バハマ「家族を馬鹿にされ、手を出すなというかセイカイオォォォ!! わしには……帝王としての、あの国の頭である責務があるのだ!!」

ドクサーインが、構える。

バハマ「……後には引けまい、いくぞぉぉぉお!!」

つくす「くっ……バイオメンタルクラッシャァァァァァ!!」

セイカイオーの左腕から放たれるビーム!

バハマ「あまぁぁいわ!! ぬうん!!」

つくす「なっ……!?」

ドクサーインに直撃するビーム!

しかし、当たるスレスレではじかれる!

つくす「バリアッ!?」

バハマ「遅いわぁぁ!! ビッグニィィィ!!」

ドクサーインの膝が、セイカイオーを捉える!

つくす「ぐぅうああ!!」

バハマ「まだだぁぁ!! ふんっ、おぉぉぉお!!」

よろけたセイカイオーを掴み、パンチを繰り出す!

つくす「……アグリィィィアンカァァァァァァァ!!」

バハマ「ぬ、ぅぅぅ!?」

右腕から展開されたアンカークロー!
引き離される両者!

バハマ「……ぬぅぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」

つくす「だぁぁぁぁああああああああああああああ!!!」

両者の拳が激突し、プラズマがはじける!

つくす「……民を愛しているのなら、なぜ独裁など!!」

バハマ「愛しているから、だからだぁぁぁぁぁ!! わしの両親は幼いとき、物取りに殺された……だが、その物取りはわしとちょっとしか年の違わん子供だった! わしは、この国を完全に……統治するぅぅぅぅ!!」

つくす「……僕は、そうはなれない!!」

バハマ「貴様とわしは違うぅぅぅ!! 正しいと思うのなら……」

右腕のフックが、セイカイオーの頭を捉えた!
空気を唸らせながら吹き飛ぶセイカイオー!

つくす「ぐっ……!?」

バハマ「……貴様が、証明してみせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ドクサービームが、セイカイオーに降りかかる!

つくす「……ああ、なら……証明してみせる。 俺の、信頼を!!」

バハマ「……な、なに!?」


ビームは、セイカイオーに当たらず空を切った!


バハマ「……ど、どこに消え……まさか!!」

夕子「おせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

ドクサーインの横から襲いかかったのは、トランスボイジャー!
吹き飛ぶドクサーインを、アグリバルチャーが掴み取る!

加木「……ふんっ!!」

バハマ「ぬおおぉぉぉ!?」

アグリバルチャーの打撃を受け、さらに吹き飛ぶドクサーインに、ビームの雨が降り注ぐ!

雨宮「め、命中!」

井座村「こんなものかね!」

官上「計算通りですな」


バハマ「ぐっ、ぅぅぅ……セイカイオーは、どこだ!?」

そう思った時、勝負は決まっていた。

バハマ「………し、しまった……!」

国心「その首……」

つくす「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


戦闘機に乗って飛んできたのは、まさしくセイカイオー!
すれ違いざまに、アクセルナイフが火花を散らす!
大きくよろけるドクサーイン!

つくす「大国機……決議ッ!!」

一つになる国務ロボ!


つくす「ディサイション……コレダァァァァァァァァァ!!!」


セイカイオーの拳が、ドクサーインを貫いた!


つくす「……脱出を! バハマ!!」

バハマ「……そうはいくまい、わしは……国の恥さらしなのだからな」

つくす「恥なんかじゃない、あなたは……戦った! 戦士だ! やり直せるはずだ!!」

バハマ「……退くわけにはいくまい、わしは……帝王だッ!!」

ドクサーインが、残った力で、セイカイオーの腕を引き抜く。
もはや浮遊する力もなく、海へと落ちていく巨体。


つくす「バハマ……!!」

バハマ「……ふふ、ふはは……ははははは!! ははははははははははははははは!!」


――爆発。


夕日を受け、宙に浮かぶセイカイオー。


律子「……終わったわね」

昇「そうっすね……」


井座村「……国機戦は、残念だが……紳士的な殺し合いだ。 自分をあまり責めるな、総理」

夕子「生きてるだけ、感謝しなきゃな……」

つくす「……僕は、僕のやり方を強要することは……正しかったのだろうか……」

コックピットの中で俯くつくす。

美郷「……ね、熱源反応ですぅ!?」

律子「な、なに!?」

気づいた時には、光と爆風に包まれていた。
目の前に広がる、光の筋!
巨大なビーム!

律子「つ、つくす君!?」

つくす「……ぶ、無事だ……これは!?」


???「――お疲れ様ですな総理、いやはや、さすがは総志郎が選んだだけのことはありますな」

つくす「こ、この声は……!」

光が散り、現れたのは……


蓮辺「く、黒い……大国機セイカイオー!?」

総次郎「いや、こいつは……クロマーク。 兄貴が残したもう一つの国機さ」

つくす「総次郎さん……!? いったいなぜッ!?」

総次郎「……まあまてつくす君。 あれが何かわかるかな?」

大気の震える音。
地上から飛び上がってきたそれは。

律子「な、なによこの大きさ……」

蓮辺「い、一キロとかそれ以上じゃ……」

昴「……推定、約3kmの……巨大ロボットのようです」

まるで山のようにそそり立つ巨大ロボット!
その頭に見えるのは……


つくす「……国会議事堂!? じ、じゃあまさかこれは……」

井座村「聞いたことがあるぞ、セイカイオーがもし最大の力を発揮してしまう場合に現れる、最後の審判……“コッカイダー”!!」

総次郎「そうだ、コッカイダー……つくす君、君はあまりにも力を持ちすぎたのだ。 だからだ……わしが、粛正するのだ!!」

クロマークが、セイカイオーに飛びかかる!

つくす「ぐぅぅぅっ!」

総次郎「はっはは、さあ仕掛けたまえ! 来たまえ!」

つくす「おぉぉぉぉ!!」

殴りかかるセイカイオーの拳を、余裕で受け止めるクロマーク!

つくす「……馬鹿な、総次郎さんに…こんな操縦が……」

総次郎「動かしてるのは、わしではない」

つくす「なにっ、ぐわぁぁぁぁ!!」

クロマークにけりとばされるセイカイオー!

井座村「……国機を操れる、総理以外の……まさか!?」

???「……そうよ」

クロマークのハッチが開く。
そこにいたのは……

璃理「…本気で来て、つくすさん!」


つくす「……嘘だ……うそだうそだ……うそだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


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最終更新:2009年11月23日 22:13