~月の裏・オリンポス機動要塞・鉄城(くろがねじょう)~
???「何!?死者を出した!?」
赤木「はい・・・」
赤木は静かに答えた
???「莫迦な事を・・・」
その時、薔薇を銜えた一人の男が入ってきた。
青田「黒人様。だから私に任せて下されば良かったのです。
ミサイルに因る威嚇など、失敗して当然!
私の美しい薔薇の香りで市民を魅了した方が・・・」
黄山「その方が成功率低そうだけどね」
入り口付近に居た少年が口を挟む。
青田「何をっ!二十にもならん餓鬼は引っ込んでおれ!」
黒人「青田、其処までにしておきなさい」
黒人と呼ばれた男が青田の口を塞ぐ。
黒人「事情はどうあれ、死者が出てしまったのは事実。
そこで、今度の作戦ですが・・・」
赤木「黒人様!!」
赤木が黒人の言葉を遮る。
黒人「どうしました、赤木?」
赤木「次の作戦ですが、奴が、池田翔が『あの言葉』を理解するまで
待ってもらえませんか?」
青田「ふん、莫迦莫迦しい。そんな私情で作戦日程を変更できると思うな!
しかも、理解するまでだと?そんな曖昧な・・・」
黒人「構いませんよ」
青田「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!???」
黄山「僕も異議は無いよ。そうだ、彼の様子は僕が見ようか。
僕なら学校の中に居ても目立たないし」
赤木「ありがとうよ、黄山。保護者役は俺がなるぜ」
黒人「少し年齢が近いですが、まあ大丈夫でしょう。任せましたよ」
そう言うと、黒人はイスの裏の自室へと入っていった。
~千葉・彰念市・跳躍高校~
龍美「翔、怪我、もう大丈夫なん?」
龍美は翔に話しかけた。
翔「ああ。もうすっかりだ。だが・・・」
翔はそこで口を濁す。その時、
女生徒A「たーつみー。三年の教室行かなーい?」
龍美「なんでや?」
女生徒B「なんでも転入生が来たんだって」
女生徒C「しかもスッゴイイケメンらしいよ」
龍美「そっか。ほんなら行くわ。翔、また後でなー」
龍美が出て行った後、翔はただじっと教室隅に立て掛けてある竹刀を見つめていた。
~放課後~
翔は何時も通り帰路につこうとした。
先輩「お、池田。今日は部活やっていかないのか?」
剣道部の先輩に呼び止められた。
翔「いえ、今日は親父が早く帰ってくるから、夕飯作っておかないといけないんです」
先輩「そうか。ところで、お前の親父さんって仕事何してんだ?」
翔「連合軍の科学班の主任です」
先輩「ほー、なかなかお偉いさんだな。んじゃ、気が向いたら何時でも来いよ」
翔「はい」
~池田家~
翔「ただいま」
そう言って翔は、父親が帰って来ていない事を確認する。
次に、電話の留守電ボタンを押す。
電子音『用件は、ありません』
その後仏間に行き母親に線香をあげる。
『あの時』以来の涙が零れ落ちる。
そして翔は部屋に戻り、宿題を始める。
カリカリ、カリカリという音が部屋の壁に当たり空しく響く。
暫くして翔は部屋を出てキッチンへ向かった。
数時間後、父親が帰ってきた。
元帥「翔、帰ってるか?」
翔「当たり前だろ。食事、できてるぞ。あと、俺もう食ったから」
そんな素っ気無い会話を交わし、翔は風呂に入った。
翔の脳内には、いまだ赤木の『あの言葉』が響いていた。
『怒りは人を盲目にする。冷静になれ』
翔「・・・自分だって、親が殺されれば冷静になんて・・・」
そう思いつつ翔は風呂を出た。
~翌日・日曜日~
今日はスイスから従妹が来る日だった。
玄関前で翔が待っていると
???「翔ぉ~」だきっ
突然後ろから誰かが抱き付いてきたが、翔はその相手を知っていた。
翔「何のまねだ、レイル?」
レイル「えへへ~、いいじゃん、従兄妹なんだし」
言い忘れたが、翔の母には妹がいて、その妹がスイス人と結婚したことで、
翔にスイスと日本のハーフの従妹ができたわけである。
レイル「一緒に遊ぶ約束、覚えてるよね?」
翔「分かってるよ、んじゃあ、行って来るぜ、親父」
元帥「ああ。楽しんで来い」
レイル「行ってきま~す」
元帥「さて、これが翔の気分転換になれば良いが・・・」
最終更新:2009年12月05日 16:53