前回見事に謎の2体のロボットを破壊したヴァーンサイクナイト。ドッキングを解除し帰還体制に入るが克哉に異変が起こる。
克哉「ドッキィィィンオフ!うっ!」
チェイン「ん?」
克哉「ううゴッホゴッホ!叫びすぎて喉が・・・。」
克哉は加減を知らない男である。前回の戦闘で叫びすぎて喉を壊してしまった。
チェイン「全くめでたい男だ。」
ヴァーザス「・・・。」
ヴァーザスは前回の戦闘で負けた自分がもどかしかった。自らに失望し押し黙っている。
チェイン「こっちも重症だな。」
3機のヴァーンメカ下部のブースターが起動しゆっくりと着陸していく。あとはカタパルトが自動的に兵器庫に運んでくれる。
整備員達がカタパルトが到着するのを待っている。克哉達は安全を確認しキャノピーを開け機体から降りていく。ヴァーザスは早歩きで出て行ってしまった。
胸に「パトリック」とかかれた名札をつけた少年が近づいてくる。
パトリック「皆さんご苦労様です。機体の整備は我々整備班に任せてください。ん?どうかされました。」
パトリックは克哉のフラフラした姿に気づいたようだ。克哉ははっきりと返す。
克哉「のど渇いたぁ・・・。」
暗く広い部屋。その奥の巨大なイスに座り足を組む仮面をつけた男がいる。その男に兵士が慌てた様子で向かった。
兵士「ユギオン様!我らの機怪獣(きっかいじゅう)2体が謎の巨大人型兵器に破壊されました!」
ユギオン「例のエネルギーが反応した地域を自動操縦の機怪獣で制圧する作戦が失敗とな。直ちにその兵器の調査部隊の編成だ。そして新型の機怪獣にはパイロットを乗せる。」
兵士「了解!」
見羅国「4日もゼリーのみで過ごしたとな。」
見羅国は用意した食事に猛獣のごとく喰らいつく克哉を見ながら言った。一方大柄な体格に合わずチェインは作法を守りながら食事している。
克哉「おかわり!」
見羅国は呆れるようにため息をしながら調理担当に合図した。すぐに日本産のごはんが出され克哉の口にすぐに運ばれていった。
数分後克哉がようやく箸を置いた。かなりの間まともな食事をしてないようだった。
見羅国「で、質問に入る。何故ヴァーンサイクのパイロットを志願した。」
チェイン「力だ。力が欲しかった。部下の仇をとるためのな。」
チェインの意見の後つまようじで歯を手入れしている克哉に聞く。
見羅国「お前は?」
克哉「簡単だ。あんな化け物野郎に殺られるくらいなら一泡吹かせてぇと思ったからよ。」
克哉はふとドアの奥を見た。18ぐらいだろうか。大人に近いがまだあどけなさを残す少女がドアの裏からこちらを覗いている。克哉に気づくとどこかへ行ってしまった。
克哉「あいつ誰だ?」
見羅国「ああ、私の娘だ。明日美という。最近人見知りが酷くなってな。口数も少なくなってしまった。」
チェイン「何かあったのか?」
見羅国は急に真剣な眼差しとなり語り始めた。
見羅国「奴らに私の妻が殺されたんだ。それからすぐ次男の秀樹が死んだ。残ったのは私と明日美、末っ子の翔だけだ。」
克哉「んなことがあったのか・・・。あいつら無差別攻撃をかけてきやがるからな・・・。いっぱい死んじまった・・・。」
チェイン「俺達、地球軍も奴らと戦ったが敵わず大勢の戦死者が出た。俺の部下達もだ。」
見羅国「ああ。だからもうそのような悲しみを起こさないためにヴァーンサイクがいるんだ。」
食堂の天井にかかるディスプレイに映るヴァーンサイクを見羅国はじっと見つめている。克哉達もそうであった。
克哉「で、あのメガネ野郎・・・ヴァーザスといったなあいつはどこだ?」
先ほど部屋に入ってきたパトリックが言う。
パトリック「医務室じゃないですかね?」
克哉「は?あいつケガったのか?」
ヴァーザス「・・・俺には無理なんだ。俺は技術士だ・・・。パイロットなんてできない。」
ヴァーザスの向かいの席には中国風の女性が座る。名札には「チュン=ランウェイ」とある。
チュン「落ち込むことはないわ。あなたはよくやったもの。」
ヴァーザス「気休めなんてやめてくれ。俺は一生技術士を続けるつもりだった。だから俺はパイロットなんてやりたくない。」
チュン「まだ始めたばかりなのに。逃げるの?」
ヴァーザス「・・・。無理なものは無理だ・・・。」
ヴァーザスは医務室を出て行った。
そしてしばらく歩くと壁に向かって殴りつけた。
ヴァーザス「畜生!」
廊下に強い音が響いた。
暗闇に包まれた通路。牢屋の壁が長く続き荒くれもの達の手が隙間から伸びている。
2人の兵士がある牢屋の前に立ち何かを話している。
男「俺にやれって?冗談抜かせよ笑っちまう。」
兵士「ユギオン様が貴様の力を必要としているのだ。」
兵士「うまくやれば出世も夢じゃないぞ。ユギオン様は現に貴様のパイロット就任を希望しておられるのだ。」
男「へぇそうかい。考えようだな。貴様らに手を貸すというのは腹の虫がすかん。」
兵士「囚人番号78番!貴様!」
ジャーク「怒るなって。しゃあねやってやるぜ。恐怖のブッ裂きジャーク様の再来だぜ。ヒヒヒヒ・・・ヒャッハッハッハッハ!」
―見羅国研究所整備室
ヴァーンメカが並んでいる。整備班が最後の点検に取り掛かっているところだ。慌しい空気に包まれている。
上から明日美はその光景を見下ろしていた。ただ見下ろしているだけであった。突然ドアが開く。
克哉「どれどれ?整備状況はどうかな?ん?」
突然現れた克哉に明日美は驚き克哉の横を通り抜けドアから出ようとする。すると克哉が突然話しかける。
克哉「そんな露骨に避けられちゃこっちも気分悪いな。俺これからここに住むんだぜ。」
明日美は一度歩みを止めたがまた出て行こうとする。その後姿に向かって克哉は言う。
克哉「俺の名は如月 克哉だ。よろしくな。」
そういうと克哉は梯子を降りていった。明日美はその後姿を見つめていた。
明日美「兄さん・・・。」
ジャーク「フォー!いい加速だぜ!このままブッ裂いてやるぅ!」
鷹のようなフォルムのロボットが大空を駆け巡る。機怪獣フォークジャークスだ。鷹の爪にあたる部分はかなり鋭利な鎌のような刃が装備されている。
大空を旋回すると森に向かって突っ切る!その数秒後木々は轟音を上げて倒れていく!ジャークはマップディスプレイを見る。
ジャーク「へぇ・・・ここが見羅国研究所かい。えも言わさずブッ裂いてやらぁ。ヒャハハハハハハハハ!」
オペレーター「博士!超高速で接近する物体があります!速度計れません!」
見羅国「何!よし戦闘態勢だ!ヴァーンサイク出撃準備!」
克哉がサイレンを聞きつける。
克哉「来たか!チェイン!急ぐぜ!」
チェインと合流し出撃ハッチへと駆ける2人。ようやく克哉が気づく。
克哉「メガネ野郎・・・じゃなくてヴァーザスは?」
トイレからヴァーザスが現れる。突然走ってくる2人にヴァーザスは驚く。
克哉「出撃だ!来いよ!」
ヴァーザスは腕を引っ張られ連れて行かれてしまった。
早速対防衛用キャノン砲が切り裂かれる。そのままフォークジャークスは研究所上空へと旋回する。そして急降下を始める。その時ヴァーンサイクナイトが現れ・・・
克哉「うらぁ!ナイトキーック!」
ジャーク「な!何ぃ!」
キックを寸前で避けるフォークジャークス!しかし体制を崩した!研究所破壊を諦めナイトの元へ旋回し超突進!
克哉「なぁんの!メガネ野郎!叩き落せ!ドッキーングオフ!」
ヴァーザス「勘弁してくれ!ナイトで十分だろう!」
克哉「だめだ!敵が早すぎて攻撃が当たらん!ケルベロスのスピードが必要だ!」
ヴァーザス「チッ!ドッキング・・・サイク!オゥプン!ケルベロス!ヴァーンサイク!」
ジャーク「フン!いくら変わろうが!俺の速さでブッ裂かれろオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
ブースト吹かし敵のほうに突進していくケルベロス!ドリルが起動し回る!敵もケルベロスに向け速度を上げる!
チェイン「適当に行くな!狙いをつけろ!」
ヴァーザス「チッ!らあああああああああああ!ヴァーンサイク!ドリルブレーク!」
ケルベロスが左腕のフラッシュカノンを吹かす!2機が同時にぶつかる!ケルベロスの片腕が切り裂かれる!しかしドリルで左のフラッシュカノンで右の翼が破壊される!
ジャーク「ガッ!落ちるうううううううううううう!何にゃら!研究所に落ちてやらあああああああああああ!!」
克哉「させっか!オープン!ナイト!ヴァーンサーイク!ヴァンスカイウィーング!ショットブレード!で!どうだ!」
敵に向かい急降下するナイト!速度が上がる!上がる!上がる!突っ走る!
克哉「ショットブレード!ブレイ!」
刹那!切り裂かれるフォークジャークス!
ジャークス「んにゃああああああああああああああああ!!」
克哉「見たか!うし!ヴァーザスてめぇやったぜ!」
ヴァーザス「あ、ああ。俺やったんだ・・・!」
チェイン「帰ったら訓練漬けだな。」
英雄兵器ヴァーンサイク 第2話「機怪獣現る」完
次回へ続く!
最終更新:2010年01月12日 13:01